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#空想だけでは面白い作品は書けない
 面白い話、筋書き、キャラクター。
 残念ながら、それだけでは面白い話は描けない。
 大切なのは、何を訴えたいか。これに尽きる。

 筋書きを読みつくせる話はつまらんかもしれない。キャラクターが凡人ばかりでは、興味すら湧かないかもしれない。だけれども、私は、案外そこにこそ面白さを見出せるのではないか、と、思ってきた。

 前にも書いたけど、ファンタジー・SF・戦記物なんかは、設定自体がかなり大切で、ありきたりじゃ駄目だし、パッと見、面白いと思われなければ、その後の読者を引き付けておくことは困難だろう。私も色々書いてきたから、その辺はよくわかる。
 実際、自分の話が「実はそれほど珍しくも面白くも無い」設定だと、最近思い知った。
 だからこそ、他とは違う色をどんどん出していかないと、無数の作品に埋もれてしまう。

 私は心理面において、かなり他の人よりも描写を濃くしているつもりだ。まだまだ足りない、と言われたら、悔しいからもっと足すかも知れない、というくらい、必死に書いている。物語の筋よりも、人の心の動きがどうなっていくのか、そこを描いていくのが楽しくて仕方がない。


 それじゃ、現代モノ、恋愛モノでもない、友情モノでもない、文学系の作品においてはどうか。

 設定……、まあ、凡人しか出ません。登場人物はサラリーマン、OL、主婦、老人、学生、子供。これと言ってすさまじい人生を送ってきた者などいないわけです。だけれども、その個々をよく観察していけば、びっくりするくらいのエピソードがたくさんある。「え、まじで?!」と、耳を疑うようなことが、現実には起きているのだ。
 ファンタジーその他、空想・創造的要素を持つ作品とは根本的に違う、ドロドロして、ひんやりしてしまうような人間関係、壮絶な修羅場。それを潜り抜けているが、平然として日々を送る人間達。

 一人の人間像を組み立てる時、個別に設定を考えてやしないか。人間とは、人と人の間にいてこそ、人間であるわけで(金八じゃないけど)、二人以上の登場人物と常に係わり合いがあるのが通常である。この人とこの人は、過去で繋がっている、この人はこっちの人の恋人だと、どんどん繋げていく。すると、あたかも実在する人物のように、関係図が広がっていく。
 更にそこに、ささやかではあるが、現実味のあるエピソードとテーマを与える。すると、驚くほどスムーズに物語が流れ出す。


 表面だけ見繕った話より、私は後者の方が小説らしいと思うし、そういうのを書いていきたい。

 自分だけの世界は、もろく、未完成で、つたない。そこを磨いていくよりも、身近なところをテーマに置き、身近な人物像で攻めていく方が、私には合っているのかも知れないな、と、今更のように気づいてきたのだ。
 技量を重ねることは勿論、やはり、人間観察を怠ってはならない。
 身近にいる人物こそ、最大のネタである。


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モノカキ魂
第2弾完結


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