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☆キャラクターをどこまで作りこむのか

 今回は、キャラクター作成について。色々やり方はあると思いますので、あくまでも私の手法としてはこのようなものです、と前書きしておきます。


 キャラが先か、ストーリーが先か、と言われたら、私の場合はストーリーが先です。あらすじ・アイディアがある程度(まと)まってから、それに見合ったキャラを作成します。キャラが先にありけりでもよろしいのですが、ストーリーが死んでしまう恐れがあるので、私は避けています。

 それは、今の私の作風のシリアスモノに限ったことではなくギャグでも同じ。「この話なら、こういうキャラを動かせばより物語が進展する」というところからキャラクター作りを始め、やがてキャラクターが自分で動くようになれば成功ですね。


 では、キャラクターが動く、とはどういうことか。次の展開がスムーズに頭の中に浮かぶ、ということです。

 ですが、毎回毎回、簡単に動いてくれることはまずありません。

 キャラクターが窮地に立たされたとき、二者択一の現場にいるとき、「このキャラならばこういう展開になるはず」と、作者が常にキャラクターの目線で物事を考えることをしないと、やがて行き詰ってしまうんですよね。また、必ずしも浮かんだ筋書きが、ストーリー上成功となるか否か、ということになれば、それは決してそうではありません。最後は、全体を通してみて、キャラの性格・行動が一貫しているか、矛盾点を突き詰めても問題ないか、冷静に作者の頭で考えていくことは、どんな場合においても必要です。


「自分のキャラクターに魅力を感じない」と言う人がよくいます。

 私も実際、動かしづらいキャラクターには魅力を感じず、そのキャラだけはどうしても次の動きが浮かばない……ということがありました。そこで私は、そのキャラの人となりを考えてみました。何故そこにいるのか、どうしてそのような台詞を喋らなければならないのか。突き詰めていけば、いつの間にか、人物像がはっきり浮かび上がり、スムーズに動くようになって来ました。

 つまり、魅力を感じないと言うことは、そのキャラクターの肉付けがきちんとなされていない、と言うことではないかと私は思うのです。愛着云々の前に、一人一人のキャラクターの性格・考え方・生い立ち・癖、あらゆるものをしっかり確立させていくことが、必要ではないでしょうか。それは決して、ストーリー上で全てを語る必要はなく、匂わせるくらいでよいのです。


 キャラクターのデザイン画を描き、具体的にイメージするのもよいでしょう。それと同時に、上記の点についても考え進めていけば、よりよいキャラクターになっていくと思います。

 同時に私が勧めるのは、人物相関図を書くことです。一人一人、どこかで繋がっているということを、図式化して頭に叩き込みましょう。漠然とイメージだけで書くより、ずっと、人間らしくなっていきますよ。



 それから、主人公と脇役たちの区別をどうするか、という点についても少し。



 往々にしてありがちなのは、言葉の癖で区別する方法。しかし、その方法はくどくどしく、本格的に小説を読もうと言う人には、少し倦厭(けんえん)されます。たとえ対象年齢低めに描かれた作品だとしても、あまり使うべきではないと思っています。


 では、どのようにして区別していったらよいのでしょうか。


 人には、それぞれ、考え方の違い、喋り方の癖があります。

 例えば、同じ花を見ていたとしても、Aさんは「美しい」と思うが、Bさんは「物悲しげで切ない」と思うかもしれない。また、Cさんにいたっては、「目障りで摘み取ってしまいたい」という見方をする。有名な「ホトトギス 鳴かぬなら〜」の句のように、それぞれ同じ事象でも違った捕らえ方をする、と言うことはよくあることです。これをキャラクターの色付けに利用していくのです。

 外見がたとえ平凡でも、性格を強烈に描くことで、いくらでも書き分けは可能です。



 あとは、文章力を向上させ(こればかりは努力あるのみですけど)、作ったキャラクターを魅力的に描き出す。せっかく考えたキャラだったら、誰だって世に出したいって欲望、ありますよね。そのキャラクターに作者と同じように愛着を持ってくれる読者が現れたらますますやる気が湧きますし。

 なによりも、はっきりとした人物像があってこそ、物語の説得力が増すのです。

 面白いストーリーが浮かんだら、人物を生き生きと動かす努力も怠ってはいけませんね。

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