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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連(旧 妖精壱号)
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第九十話 飯を食っていて遅くなりました

今日は90話と91話更新です。
明日は閑話を更新予定です。
 冒険者ギルドに入ると、ギルドマスターやギルドの職員、冒険者たち、それから何故かフルプレートの鎧をまとったいつぞやの騎士団長の姿もあった。
「おお、無事に帰って来たか」
 ギルドマスターが駆け寄ってくる。
「ええ、大丈夫ですよ。ワイバーンもすべて討伐してきました。だよな、フェル?」
『うむ。ワイバーンの気配はなかったからな、あれですべてだろう』
「だそうです」
 そう言ったとたんに、地鳴りのような歓声があがる。
「「「「「「「ウォ―――――ッ!!!」」」」」」」
 冒険者たちが肩を叩き合って喜んでいる。
 危機が去って喜んでもらえるのはいいけど、それほどのこと?
「いやー、なかなか帰ってこないもんだから、いくらフェンリルでもさすがにワイバーンの群れには敵わなかったのかなどと言い出す奴もいてな、ここにいる奴らも相当心配していたのだ。儂は大丈夫だとは思っていたが、時間が経つにつれて少々ヒヤッとしてきたところだ」
 ギルドマススターがそう説明する。
 そ、そうなんですね。
 いや、ワイバーンの群れの討伐自体はそんなに時間かかってないんです。
 その後の飯の時間が……。
 飯を食ってましたなんて言えねぇ。
『我がワイバーンなどに後れをとるはずなかろうが。飯を食っていたから遅くなったのだ』
 ちょっ、フェル、それ言っちゃダメだって。
「飯を、食っていた……?」
 え、いや、その、えっと…………。
 あの、皆さん、そんな微妙な顔してこっち見ないでくれますかね。
 スイが鞄から飛び出して俺の周りをポンポン飛び跳ねだした。
『今日のごはんもすっごく美味しかったんだよ~』
『うむ、今日の飯も美味かったな』
 いやいやいや、2人ともさ、空気読もうよ。
 それにスイ、念話だから俺とフェルにしか伝わってないからね。
 この微妙な空気、どうすればいいんじゃい。
「あ、あのですね……」
「ま、まぁ、ここじゃなんだから、儂の部屋へ行くか。団長もご一緒に」
「あ、ああ」
 ギルドマスターと団長に続いてそそくさとその場を後にした。



 ギルドマスターの部屋、俺の向かいにギルドマスターが座り、隣に騎士団長が座っている。
「まずは、この街を救ってくれたことに感謝する」
 そう言ってギルドマスターが頭を下げた。
「私からも礼を言う。本当は我々騎士団と冒険者ギルドが協力して討伐すべきところを、あなた方がやってくれた。本当に感謝する」
 騎士団長からも頭を下げられた。
「いえいえ、やったのは俺じゃなくて、フェルとスイですから」
「フェル様は分かるが、そのスライムもか。そのスライムは、見かけからは想像もつかない強さを持っているようだな」
 俺の膝の上に鎮座するスイを見てギルドマスターがそう言った。
「ええ。スイは特殊個体なのでなかなかに強いんですよ」
「そうなのか、お主が言うのだからそうなのだろうな。ワイバーンの討伐、感謝する」
 ギルドマスターはそう2人に言った。
 フェルは我関せずで床に寝そべり、スイは返事するようにブルブル震えた。
「それで、ワイバーンは何匹いたのだ?」
「全部で13匹いました」
「じゅ、13匹か……」
 ギルドマスターと騎士団長は俺の答えに渋い顔をしている。
「13匹もいたとはのう。これでは冒険者と騎士団が協力して討伐に行っていたら、半分は死んでいたな」
「ギルドマスター、半分どころではないと思いますよ。場合によっては全滅もあり得たでしょう」
「そうだな……」
 え、そ、そんなに厳しい状況だったの?
 フェルとスイはワイバーンの首をサクサク飛ばしてたから、そこまでとは思ってなかった。
 まぁ、最後の最後に攻撃されたときはさすがにビビったけども。
「我々は運が良かったということだろうな」
「そうなりますね、ギルドマスター。だが、運ばかりに頼ってもいられません。こういうことは、いつ何時起こるかわからないのですからね」
「そうだな」
「この街が平和だということもありますが、我ら騎士団は少し気が緩んでいたようです。ワイバーンと聞いて恐れをなした者もいましたし、ムコーダ様たちがワイバーン討伐に行かれたと聞いて、明らかにホッとしたような者もいましたからな……」
「それは冒険者たちも同じことよ」
「私は決めましたぞ。団員たちを一から叩き直します。そして、いつ何時どんなことが起きても対処できるような立派な団員に育て上げます」
「それはいい。儂も、もう一度ギルドのポイントを見直そうと考えてます。ポイントだけ稼いでランクが上がっても真の冒険者とは言えませんからな。もう少し苦労してもらわんと質の良い冒険者が増えませんからな。ハハハ」
 …………なんか、2人とも黒い顔してるんだけど。
 怖いよ2人とも。
 そして、騎士団員の人、冒険者の人、ごめん。
 なんかわからんけど、騎士団員はこれからしごかれるみたいだし、冒険者もギルドマスターがポイント見直すとか言ってるから、ランク上げが前より大変になるかも。
 がんばってください、健闘を祈ります。
 早く帰りたい……。
「っと、すまんな、こちらばかり話し込んで。それで、ワイバーンは回収してきのだろう?」
「はい、もちろん回収してきました」
「損傷は、どれくらいだ?」
 損傷って、フェルもスイも首ちょんぱしたから大きな損傷はないと思うけど。
「すべて首から切断してるんで、そんなに大きな損傷はないと思いますけど……」
「ワ、ワイバーンの、首を切断か……凄まじいな」
「ええ。魔法耐性があるワイバーンを傷つけるだけでも、ミスリル製の剣でもない限り一苦労なんですがね」
 ギルドマスターも団長も驚いてるけど、そこ驚くところなんだね。
 なんかフェルもスイもスパスパ首ちょんぱしてたんだけど。
「それで、素材はうちに卸してくれるということなのだろうか?」
「ええ、肉以外はそうするつもりですが」
「そうか、それじゃ、とりあえず倉庫に移動するか」
「それでは俺はここで失礼します。早速団員を教育しなおさないといけませんからな。ムコーダ様も本当にありがとうございました」
 そう言って騎士団長は騎士団の詰め所へ帰って行った。
 騎士団員のみんな死ぬなよ。
 ギルドマスターと俺はいつもの倉庫に移動した。




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