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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連(旧 妖精壱号)
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第八十四話 3個で銅貨1枚の石鹸が1個で銀貨4枚に化けた

盗賊の討伐報酬の受け取り場面がないとのご指摘がありましたので、52話を少し書き直してあります。
※ 瓶についての記載がないとのことで、それついては確かにと思ったので瓶についてちょっとだけ書き足しました。昨日急いで書いたのにUPし忘れてました……(汗)
※ 石鹸の価格設定について3話の設定と違ってるというご指摘を受けましたので(すっかり忘れてました(汗))価格について、3話と84話の価格を設定等をしなおしてあります。
 店の奥の応接間にいるのは、俺とランベルトさんとマリーさん。
 マリーさんも話し合いにしっかりと加わるつもりのようだ。
 話を聞いていくと、ランベルトさんもそんなにすぐには売り場を割けないようで、店先のほんの2畳程度の売り場を設けるつもりのようだ。
「私はもっと広くても良いと思うのですけど、こればかりは売れ行き次第だと主人が頑として聞かないもので……」
 マリーさんはすごく残念そうだ。
 でも、ランベルトさんの気持ちも分かる。
 新しい商品だし、ランベルトさんの店からいうとまったく毛色の違うものだしね。
 まずは売れ行きを見ながらっていうのは尤もだと思う。
「それくらいの売り場となると、種類は限定した方がいいのですかね?」
 何にしても売り場が限られているのだから、まずは3種類くらいを並べて始めるとかにした方がいいのかもしれない。
 俺が渡したのは石鹸2種にリンスインシャンプーとシャンプー、トリートメント、それからヘアマスクだ。
 その中からだとすると、どれがいいのか?
「いえいえ、種類を限定するなんてとんでもないですわ。これらの品は全種類売り出しますわよっ」
 マリーさんが身を乗り出してそう言い募る。
「あなた、いいわね?」
 マリーさんの勢いに押されて、ランベルトさんが「あ、ああ」と返事する。
「ムコーダ様がお持ちになった商品は、女性にとっては夢の商品なんですのよ。これを知って欲しがらない方なんておりませんわ」
 すごい自信だね。
 でも、女性のマリーさんが言うんだからそうなのかもしれない。
 それに実際に使ってもらってるしね。
「私もお友達にそれとなく宣伝いたしますわ。そうは言っても、私が言う前に私の髪を見たら、絶対にどうしたのかと聞かれると思うのですけど。ホホホ」
 そう言って、マリーさんがまたうっとりと自分の髪を撫でた。
 はいはい、自分の髪が自慢できるほどになったのは分かりましたから。
「それで値段なのですが、こちらの石鹸は銀貨4枚でどうかと考えておりますの」
 値段が安い方の石鹸を指差してマリーさんがそう言った。
 え、えぇ?
 それネットスーパーでは3個で銅貨1枚なんですけど……。
「マリー、それは高過ぎやしないか?」
「そうかしら? 試しにこちらの石鹸で手を洗ってみたのだけれど、こちらの石鹸も泡立ちはいいし、私が使った石鹸ほどではないにしろ香りも良いと思います。私たちが今まで使っていた石鹸を思い出してみてくださいませ。泡立ちも悪いうえに香りも良くなかったのに、あれでも銀貨3枚しましたのよ」
「そ、そうなのか」
「そうなんですわよ。それを考えますと、この商品は銀貨4枚でも売れると思いますの。私としては、これでも安いくらいだと思いますわ」
「そ、そうか……」
 ランベルトさん、完全にマリーさんに押されてますな。
「ま、まぁ、値段はムコーダさんがどれくらいで卸してくれるかにもよるから。ムコーダさんは、どのようなお考えで?」
 え?俺に振るの?
 どのようなって、卸値だろ?
 そういうのあんまりよくわかんないんだけど、5割くらいでいいのか?
「え、えっと、ぎ、銀貨2枚でどうですか?」
 そう言ったらランベルトさんがびっくりした顔した。
「いやいやいや、それはうちを優遇し過ぎですよ。銀貨2枚と銅貨5枚でどうでしょう? それでも、かなり優遇されている卸値ではあるのですが」
 へ?銀貨2枚と銅貨5枚でいいわけ?
 3個で銅貨1枚の石鹸が1個で銀貨2枚と銅貨5枚に化けるなら、当然いいに決まってるよ。
「そ、それでお願いします」
 安い石鹸1個で銀貨2枚と銅貨5枚とはねぇ。
 ぼろ儲けやん。
「こちらの石鹸は、本当に香りも良くて香水などつけなくともよいほどですわ。ムコーダ様もこちらの石鹸は、少し高めにとおっしゃっていたようなので、こちらは銀貨6枚でと考えております。あなた、どう思います?」
「うむ、この石鹸については、マリーの言うとおり銀貨6枚でいいと思うぞ。この優美な香りにはそれだけの価値がある。それに、これならば貴族様方にも受けるだろう」
 ローズの香りの方を高級品としてとは考えていたけど、これも3個で銅貨3枚なんだけどな。
 それが銀貨6枚かよ。
「こちらは、いかほどで卸していただけますか?」
 売値が銀貨6枚か。
 前の石鹸のことを考えると、卸値は銀貨3枚と銅貨5枚くらいかな?
「えーっと、銀貨3枚と銅貨5枚でどうでしょう?」
「それでよろしいのですか?」
 ランベルトさんに逆に聞かれてしまう。
 でも、元値3個で銅貨3枚だし、銀貨3枚と銅貨5枚で俺には十分過ぎるほどの利益なんだよね。
 俺が「はい」と頷くと、ランベルトさんに「本当にありがとうございます」なんてお礼言われてしまった。
 ランベルトさんがお礼言うってことは、これでも優遇してもらってるって感じなのかな?
 よくわからんけど、俺に損になることはないからまぁいいか。
 話し合いは続き、リンスインシャンプーは1瓶の売値が銀貨7枚で、卸値が銀貨4枚に決まった。
 シャンプーとトリートメントについては、両方一緒に使った方がいいものということで、基本はセットで販売するそうだ。
 売値は1セット金貨1枚とのことで、卸値は銀貨6枚に決まった。
 お客さんには一番最初だけ容器の瓶込みの値段で買ってもらって、それ以降は容器をもってきてもらってそれに中身を入れる方法をとるそうだ。
 瓶の値段は実費に近い形で、売値に加算するとマリーさんが言っていた。
 俺が瓶込みで納入する分については、瓶の実費分を別途もらえるようだ。
 今回、おれがやってるのは要は転売なんだよね。
 ネットスーパーで買った元値と卸値の差額が俺に入る利益で、それを考えると瓶なんてたいした値段じゃないけど、実費をもらえるのはありがたい。
「こちらの特別品についてなのですが、特別感を出すために、こちらのセットをご購入していただいた方のみにご紹介していきたいと思っております。これは私が使ってみて実感しましたが、本当に魔法のように髪が美しくなります。この効果を考えて、値段は金貨2枚を考えておりますの」
 …………ゴクンッ、ふぅ~。
 入れてもらった茶を噴きそうになったぜ。
 だって、金貨2枚だぜ。
 あのヘアマスクはチューブ入りのやつだったんだけど、それで銅貨8枚だった。
 そのチューブのヘアマスクを、ネットスーパーで買った瓶2つに詰め替えたんだぜ。
 単純に考えて瓶1つで銅貨4枚なのに、それが金貨2枚ってんだからさ……。
 元値を知ってるのは俺だけではあるんだけど、本当にいいのかって考えちゃうぜ。
「この効果ですもの、分かる方には分かります。こちらは金貨2枚を出す価値がありますわ」
 マリーさんが力説する。
 でも、金貨2枚か。
「それに特別品だけあって、この容器も澄んだガラスで素晴らしいですわ。その点も込みでこの値段なのです」
 なるほどねぇ。
 でも、その瓶はネットスーパーで銅貨2枚もしなかったんだぜ。
 ホントにいいのかと思いつつも卸値は瓶込みで(この瓶については特注品だと思われたみたいだ)金貨1枚と銀貨2枚で話がまとまった。
「とりあえず試験的に販売してみよう。いいね、マリー」
「はい」
 ランベルトさんとしては、どれくらい売れるのかを見てから本格的に仕入れるつもりのようだ。
 ということで、とりあえず全種類30個ずつということで決まった。
「あ、ランベルトさんもマリーさんも、できれば俺から仕入れていることは黙っていていただきたいのですが」
 ランベルトさんに売るのは全然いいんだけど、知らない商人やら貴族様からいきなりお声が掛かるのは避けたい。
 面倒そうだしさ。
「それはもちろんですわ。この商品は売れると確信しております。それの独占販売をできますのに、ムコーダ様のことをどなたかにご紹介するなんてあり得ませんわ」
「うん、そうだな。良い仕入先は商人にとって財産と言ってもいいですからね。それを誰かに教えるなどしませんよ」
 良かったー。
 これで面倒事は避けられるな。
「あと、この街にずっといるわけじゃないんですけど、大丈夫ですか? もちろん旅に出る際には、出来るだけ多くの商品をご用意させていただきますが……」
 フェルが海に行くんだーって言ってるからな。
 それを考えると、この街も近いうちに出ることになりそうだ。
「それは大丈夫です。私も年に数回は仕入れに出ますからね。どちらに行かれるかがわかれば、いざとなれば、そこまで私が行きますよ」
 ランベルトさんも年に数回は皮の仕入れにあちこち回るのだそうだ。
 そういうことならありがたいね。
「それでは、明日には商品を用意してお持ちします」
「「よろしくお願いいたします」」
 うーん、忙しくなるな。
 これからランベルトさんの店に卸す分を用意せねば。
 今回の分は俺が用意するとしても、数が多くなってきたら大きい瓶に入れて卸して、小さい瓶への詰め替えはランベルトさんの店でお願いするかな。
 瓶は別途に実費で受け取るようになってるから、その辺はお願いすれば大丈夫なような気がする。
 ヘアマスクについては、特別品だからそんなに数は出ないとは思うんだけど……。
 いざとなったらこれもとにかく大きい瓶に入れて、容器の瓶はそのまま渡して詰め替えてもらうってこともありだな。
 何にしても明日卸す分の売れ行き次第だ。
 数が多くなったらまたそのときにランベルトさんやマリーさんに相談しよう。
 さて、帰りに雑貨屋に寄って瓶やらを買わないとね。




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