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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連(旧 妖精壱号)
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第三百四十九話 美味い肉を求めていざ出陣

更新が遅れて申し訳ありません。
今のところ仕事やら何やらで忙しい日が続いていまして(汗)
今月から来月にかけては、更新がまちまちになるかもしれないです。
できるだけ1週間前後で更新できるようがんばりますので、これからもよろしくお願いいたします。
「うむ、やはりお主の焼く肉の方が美味いな」
『だな。昨日の屋台の肉も悪くはなかったけど、お前の焼く肉の方が美味い。やっぱこの肉に絡むタレの味が一味違うよな』
『あるじー、お肉すっごく美味しいよ~』
 昨日の屋台に対抗したわけじゃないけど、シンプルイズベストってことで今朝は焼き肉丼にしてみた。
 ブラッディホーンブルの肉を焼いて、市販の焼き肉のタレを絡めてホカホカご飯に載せるだけ。
 白ゴマをパラリとかけて、真ん中に卵の黄身をトッピングしてみた。
 超絶簡単な丼だけど、これが美味い。
 ドラちゃん、肉に絡むタレの味が一味違うって?
 そりゃ当然だよ。
 日本の食品メーカーが研究に研究を重ねて辿り着いた味なんだから。
 使っているのは、俺の好みでロングセラーの焼き肉のタレだ。
 何だかんだいろいろと使ってみても、これが1番味のバランスがいい気がする。
「うん、やっぱ美味いわ」
 俺も朝からみんなと一緒に焼き肉丼をガッツいていた。
 朝から肉なんてと思いつつも、たまにはいいかもしれないななんて思っているあたり、肉好きのフェルたちに毒されてきてるよな。
 しかし、美味いな。
 みんなでガッツリたっぷり焼き肉丼を堪能したあとは、早速ダンジョンに行こうということになった。
 昨日屋台で食ったダンジョン豚とダンジョン牛が思いのほか気に入ったフェルとドラちゃんとスイがダンジョンに行こうって言い張るんだからしょうがない。
 この街には昨日着いたばかりだってのにねぇ。
 ダンジョンに行くにしても、その前にとりあえず冒険者ギルドに向かうことにした。
 一応ダンジョンに入ると伝えておいた方がいいだろうし、この街のギルドマスターのジャンニーノさんにも依頼したいことがあるって言われているしね。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 ローセンダールの冒険者ギルドは朝から大盛況だった。
 フェルとドラちゃんを連れて入ると(スイはもちろん革鞄の中だ)、一瞬だけシーンとなったけどすぐにまた喧騒を取り戻した。
 まずは窓口へと思ったけど、職員が伝えたのかすぐにギルドマスターのジャンニーノさんがぽっちゃりした体を揺らしながら小走りで俺たちの前へとやってきった。
「ムコーダさん、早速いらしていただけたようでありがたいです。ささっ、私の部屋へ」
 ジャンニーノさんの案内で、2階にあるギルドマスターの部屋へと向かった。
「ささ、座ってください」
 ジャンニーノさんに促されて、向かいのイスに座った。
「ここのギルドは朝からずいぶんと賑わってますね。何でか、けっこうな数の子どもいましたけど」
 そう、なぜか10歳くらいの鼻たれ小僧の集団がいた。
「ああ、それは孤児院の子どもたちですな」
 何でも、この街の限定的な措置で、孤児院の子どもたちの中で将来冒険者になる予定の子たちは訓練のためにダンジョンの1階のみ活動できるようになっているそうだ。
「というのは建前で、要は自分たちの食い扶持はなるべく自分たちで稼いでもらうっていうことなのですが」
 ジャンニーノさんの話では、この辺で1番豊かなこの街には近隣の村々からも孤児が集まってくるそうで、孤児院は常に人員過剰気味なのだという。
 そのため、他の街に比べて手厚い補助を受けているにもかかわらず運営が厳しく困っていたそうだ。
 だからと言ってこの地の領主様も、孤児院ばかりに補助するわけにもいかず、苦肉の策としてこういう限定的な措置をとることになったそうだ。
「それもここのダンジョンがそれほど難易度が高くないからできることなのですがね。……まぁ、それが裏目に出ることもあるのですが」
 ここのダンジョンは難易度の高いダンジョンに比べて稼ぎは少ないが、全12階層のうち10階層より下に行かなければよほど運が悪くなければ死ぬこともない。
 そのうえドロップ品がほぼ肉ということもあって食いっぱぐれることもないため、この街の冒険者の大半が下級中級冒険者なのだそうだ。
「向上心のある冒険者たちは早々にこのダンジョンから去りますし、上級冒険者はもっと稼ぎのいいダンジョンに向かいますからね。結局ここに残っているのは、安全にそこそこ稼げればいいという冒険者ばかりでして……」
 現在この街で活動している冒険者で1番上のランクがCランク冒険者パーティーなのだが、Cランクのパーティーはその1つしかないうえに、そのパーティーのメンバー全員が妻子持ちで危険な依頼は避けているらしい。
 そんなわけで、ここ最近10階層以上に進む冒険者がまったくいない状態が続いているという。
 しかしだ、下層に近づくほどドロップ品の質も上がってくるわけで……。
「いい加減10階層以降の肉を確保してくれと商人ギルドからせっつかれているんですよ」
 普通の定食屋や屋台で使う肉については特に今のままで問題はないが、ちょっといい宿屋や食事処では限定メニューとして10階層以降の肉を使った料理を置いている店も多く切実な問題らしい。
 なにせ、この限定メニューを目当てにこの街にやってくる貴族などの富裕層もいるということだからな。
「なるほど。そんなときに俺たちがこの街にやってきたと」
「はい。お察しのこととは思いますが、ムコーダさんへの依頼というのは、10階層以降の肉を是非とも確保してきてほしいというものです」
「もちろんダンジョンには潜る予定ですから、それは大丈夫ですが、10階層以降は何の肉が獲れるんですか?」
 限定メニューに使われる肉で、富裕層もわざわざ食いに来る肉と聞けば興味がわいてくる。
「このダンジョンでしか獲れないダンジョン豚とダンジョン牛のことは知ってますか?」
「ええ。中層にいるとか」
「10階層、11階層にいるのは、その上位種ですよ」
 ジャンニーノさんの話では、10階層にいるのがダンジョン豚の上位種で11階層にいるのがダンジョン牛の上位種だそう。
 中層階でバンバン獲れるダンジョン豚とダンジョン牛の上位種などたかが知れていると侮ることなかれ。
 聞いた話によると、どちらも通常のダンジョン豚とダンジョン牛の2倍以上の大きさの上に気性も荒くなっているそうだ。
 巨体による体当たりや踏みつけには要注意で、これをまともに食らえば高ランク冒険者でも無事には済まないだろうとのことだった。
 どちらも美味い肉で、Bランクのブラッディホーンブルやオークの上位種よりもこちらの方が美味いという人もいるくらいだとか。
「最下層の12階層には?」
「12階層は、ダンジョン豚とダンジョン牛の両方の上位種が出ます。頭数も多くなっているので、より注意が必要です。それと……」
 どれくらいの確率かは定かではないが、時々特殊個体が出現するそうだ。
 ダンジョン豚とダンジョン牛の上位種の特殊個体は、大きさも気性の荒さも際立っているという話だ。
 しかも、その巨体に似合わず動きも早いというから厄介だ。
 しかしだ、その肉質は柔らかく脂身も甘く、とにかく美味いのだという。
『よし、今すぐその肉を獲りに行くぞ!』
『肉だ肉! ガンガン獲るからな!』
『お肉~!』
 隅で大人しくしていたフェルとドラちゃんとスイが、ジャンニーノさんの話を聞いて目をギラギラさせながらそう言った。
 美味い肉と聞いて居ても立っても居られないのか、フェルもドラちゃんもスイもそわそわして動き回っている。
「お前らな……」
 ちょっと待ちなさいって。
 お前らが急にウロウロしだしたから、ジャンニーノさんが驚いているじゃないか。
「美味い肉と聞いて居ても立ってもいられないようです。ハハッ」
「フェンリル様がヤル気になられているなら、大丈夫そうですな。よろしく頼みますよ」
「はい。それでは早速ダンジョンに行ってきます」
 俺たちは冒険者ギルドをあとにして、美味い肉を求めて肉ダンジョンへと向かった。




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