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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連
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第三百十五話 新しい味

 翌朝、みんなには支給品として目覚まし時計を渡して使い方も説明していたから、時間通りきっかり朝8時に母屋にみんなが集まってきた。
 うんうん、時間厳守の姿勢は非常によろしい。
「じゃ、朝飯にしましょう」
 朝食は既に俺が作ってある。
 メニューは野菜のコンソメスープと目玉焼き、あとは軽く焼いた食パンに100%のオレンジジュースとヨーグルトだ。
 フェルたちに付き合って、さすがに朝から肉は勘弁だからいつも朝はこんな感じだ。
 俺だけのときはスープはインスタントで済ませることも多かったけど、今日はちゃんと作ったぞ。
 とは言っても、めちゃくちゃ簡単だけどな。
 ベーコンとキャベツとニンジンとタマネギを1センチ角に切って鍋にオリーブオイルをひいて軽く炒めたら、そこに水を入れて沸騰したら固形コンソメを入れて野菜が柔らかくなるまで煮ていく。
 最後に塩胡椒で味を調えれば、野菜のコンソメスープの完成だ。
 簡単で朝にはもってこいのスープだ。
 味見してみたけど、野菜の甘味もしっかり出ていて美味かった。
 みんなに手伝ってもらってダイニングに朝食を運んだ。
 トニ一家とアルバン一家の面々は朝から玉子があることに目を輝かせている。
 冒険者の5人も早く食いたそうにしている。
 この世界じゃ卵は高価かもしれないけど、ネットスーパーだと安いからねぇ。
 10個入りで銅貨2枚程度で買えるって知ったら驚くだろうな。
 ある程度生活用品もそろう、明日か明後日には自分たちで食事も用意してもらうようにしようと思ってるから、渡す食材の中に卵もたくさん入れてやろう。
「じゃ、いただきましょう」
 フェルとドラちゃんとスイには朝飯を既に出してある。
 もちろんいつものごとく朝から肉だよ。
 今朝は、作り置きしておいたオークの肉と野菜の甘辛味噌炒めを丼にして出してやった。
 ガツガツ美味そうに食ってるよ。
 さて、俺も朝飯にありつくとしますか。
 今日はパンだから目玉焼きにはソースだなって……、みんな目玉焼きに何もかけないで食べてら。
 テーブルにちゃんと塩と胡椒とソース置いてあるのに。
「そこに塩胡椒とソースがあるから、目玉焼きには好きなのかけてな」
「こ、胡椒じゃとっ?! 朝から卵が食えるだけでも贅沢なのに、胡椒も使っていいとはのう……。朝からそんな贅沢していいのか?」
 胡椒と聞いてバルテルが驚いている。
 他の元冒険者たちも驚いているな。
 トニ一家とアルバン一家と違って、それなりに自由になる金もあった元冒険者たちは胡椒を口にする機会も多かったろうから価値が分かっているんだろう。
「ああ。ここでは高値で取引されてるけど、俺の例のスキルで買うと安く手に入れることができるんだよ」
 俺がそう言うと、じゃあと言ってアホの双子がたっぷりと塩胡椒を目玉焼きに振りかけていく。
 いやいや、お前らさすがにそれは多過ぎだろ。
 それじゃ玉子の味が台無しじゃないか。
 と思ったものの、アホの双子は美味い美味い言いながら目玉焼きを食っていた。
「ねぇねぇ、ムコーダのお兄ちゃん、ロッテもかけて食べてもいい?」
「もちろんいいぞ。塩に胡椒に、これがソースだ。俺のおすすめはソースだけど、初めての味だろうから、これをかけるなら試しにちょっとだけかけてからの方がいいぞ」
「分かったー」
 ロッテちゃんが目玉焼きにソースをちょろっと垂らした。
 そしてフォークで切り取った目玉焼きをパクリと口に入れた。
「おいひぃっ!」
 小さな口をモグモグと動かしながら、ロッテちゃんがそう言った。
 どうやらソースの味がお気に召したようだ。
 ロッテちゃんの言葉を聞いて、コスティ君にセリヤちゃん、オリバー君とエーリク君の子ども組が次々と目玉焼きにソースをかけていく。
 そりゃ子どもは食べたことがない新しい味に興味をそそられるよなぁ。
 ソースの味は子どもたちに大好評で、ソースをかけた目玉焼きをみんな美味そうに頬張っていた。
「ソースってものも美味そうだな」
「ああ」
 ソースに興味を持った双子だが、既に目玉焼きには塩胡椒が振られて……って、食うの早いよ。
 もう双子の目玉焼きないじゃねぇか。
「あたしはソースにしてみるよ」
 タバサが目玉焼きにソースをかけて頬張る。
「うん、こりゃ美味いね。酸味と甘味と塩味がちょうどいい具合に溶け合っていい味出してるよ」
「美味そうだな。姉貴一口くれ」
「俺にも」
「何言ってんだい。あんたたち自分の分は食っただろうが」
 アホの双子の要求をタバサは歯牙にもかけない。
「ぐぬぬ」
「くっ」
 …………おい、そこのアホ2人、こっち見んな。
 目玉焼きのおかわりなんてないからな。
 とは言っても、このアホ2人だけじゃなくバルテルもペーターも、食い終わったもののまだもの足りなさそうだな。
 一応食パンは1人5枚用意したんだけど。
 しょうがないから、ハムと食パン(6枚入り)を3袋新たに出してやった。
 食い足りなかった面々がすぐに群がったよ。
「よし、みんな食い終わったね。これからみんなで出かけます」
 人が生きていくのに必要な衣・食・住の食と住は確保できたから、今度は衣だ。
 トニ一家もアルバン一家も、持ち物という持ち物はなく着の身着のままって感じで俺のところへ来たし、元冒険者の5人だって武器防具の類は仕事道具だから持ってはいるけど、それ以外はトニ一家もアルバン一家と同じく着の身着のままという感じだった。
 みんなの着ている服はボロとは言わないけどほころびも目立つし、靴にしてもずいぶんと使い古されていて、どちらもお世辞にもキレイとは言えないものだ。
 今のところはしょうがないとしても、これからうちの仕事を任せるにしてももうちょっと身奇麗にしてもらわないとちょっとね。
「ムコーダのお兄ちゃん、どこいくの~?」
「お洋服と靴を買いにいくんだよ」
「お洋服と靴っ?! 新しいの買ってくれるの?」
「そうだよ。みんなの服、ちょっと汚れちゃってるからね」
「ヤッター!」
 ロッテちゃんが新しい服と聞いてピョンピョン飛び跳ねて喜んでいる。
「ム、ムコーダさん、服は高いんだぞ。いいのかい?」
「うちで働いてもらうのには、もうちょっと身奇麗にしてもらいたいですから。もちろんタバサたちもですよ」
 そう言われると、自分たちが身奇麗な格好とはいえないのが分かっているのかタバサも返す言葉もなさそうだった。
「さ、行きましょう」
 俺はフェルとドラちゃんとスイを護衛に、14人を引き連れての買い物に出発した。




デミウルゴス様へのお供えはこんな感じです。
シュ〇イン〇〇ガ―・リースリング・カ〇〇ット
シャトー・モ〇・ペ〇 ルージュ
田〇
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