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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連(旧 妖精壱号)
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第三百九話 仕事説明

3月25日発売の「とんでもスキルで異世界放浪メシ2 羽根つき餃子×幻の竜」のキャラデザが公開になりました!
4人の女神様等々が↓こちらで公開されています。
http://blog.over-lap.co.jp/tondemoskill2_chara/
 ゾロゾロと14人を引き連れて我が家に歩いて帰ってきたわけだけど、我が家の豪邸っぷりを見て、みんな一様に口をあんぐり開けていた。
 うんうん、持ち主の俺が言うのも何だけど、その気持ち分かるよ。
 とりあえずは母屋の1階の1番広いリビングに集まってもらったけど、中の豪華さを見てさらに呆けていた。
 何人か座れる猫足のイスなんかもあるけど、さすがに14人となると座れない人も出てくるので、その場に座ってもらった。
 ふかふかの絨毯が敷いてあるから、とりあえずは大丈夫だろう。
 大勢の前で話すなんて、会社勤めしていたとき以来だな。
 ちょっと緊張するぜ。
「えーっと、さっきも紹介しましたが、みなさんを買い取ったムコーダといいます。これからよろしくお願いします」
 俺が緊張しながらそう言うと、トニ一家とアルバン一家は「お願いします」と返してきて、5人の元冒険者は黙って頭を下げていた。
「仕事はSランク冒険者兼商人の真似事みたいなことをちょっとやっています。で、こっちが、さっき少し紹介した俺の従魔たちです。……フェル」
『うむ。我は風の女神ニンリル様の眷属であるフェンリルだ。名はフェルという。訳あって此奴の従魔になっている。お主たちは此奴の奴隷だそうだから、我にも従うように。分かったな』
 ハァ、何が我にも従うようにだよ。
 って、ああっ、フェルがしゃべってるの見て、トニ一家とアルバン一家が全員固まってる。
 元冒険者の5人は何となく気付いてはいたみたいだけど、本当にしゃべってるところを見るとやっぱり驚くようで目を見開いているよ。
「あー、ということで、フェンリルのフェルです。一応フェンリルだってことは秘密にしてますけど、分かる人には分かるみたいなので、大っぴらに言い触らしたりしなければ大丈夫です。そちらの元冒険者の5人も分かってたようですしね。伝説の魔獣とか言われて偉そうにしてますけど、基本的に放っておいて大丈夫ですんで。こういうのがいるって知っておいていただければ」
『おい、放っておいてとは何だ。我は風の女神ニンリル様の眷属である』
「あーはいはい、分かったから。はい、次はドラちゃんね」
『ぐぬぬ』
「次がですね、ピクシードラゴンのドラちゃんです。ドラゴンとは言っても、これで成体なので、これ以上大きくはなりませんので怖がらないでください。こちらも基本放っておいて大丈夫ですから」
 俺の周りを飛んでいたドラちゃんが「ヨッ!」ってな感じで右手を上げた。
「最後は……、スイ、出てきて」
 そう言うと、革鞄の中からポンっとスイが飛び出した。
「スライムのスイです。この子も基本放っておいて大丈夫です」
 スイが俺の回りをポンポン飛び跳ねている。
 そんな中、農家の肝っ玉母ちゃんの片鱗を見せ始めているアルバン一家のテレーザさんがおずおずと手を上げた。
「あの、ご主人様、質問よろしいでしょうか?」
 ご主人様ときたか。
 いや、みんなの立場からするとそうなんだろうけど、何かしっくりこないな。
 そもそも様付けで呼ばれるのがムズ痒いというかなんというか。
「あー、テレーザさん、俺のことはムコーダでいいですから。みなさんも同じくムコーダでいいですからね。ご主人様とか様付けで呼ばれるのはどうもしっくりこないんで。……それで、テレーザさんの質問って何でしょうか?」
「あの、私はご主人様の」
「‟ムコーダ”でよろしくお願いします」
「えっと、それがご主人様の望みであればそうさせていただきます。あと、私のことはテレーザと呼び捨てにしてください。それで、質問なんですが、従魔様たちを放っておいていいということですが、お食事とかはどうすればよろしいのでしょうか?」
 もっともな質問だ。
 しかしね…………。
「飯は基本的に俺の分も含めて自分で作るんで大丈夫です。それよりお願いしたいのは……」
 みんなにやってもらいたい仕事を説明していった。
 トニ一家とアルバン一家の女性陣には、この母屋の掃除全般だ。
 とにかく広いから、大変だろうけどそこのところはがんばってやってほしい。
 まぁ、広いから毎日隅々まで磨いて掃除しろとは言わないし。
 今日は1階の半分やったから翌日はもう半分という感じで、順々に掃除していってもらえば十分だ。
 要は目立つ汚れがないよう、ある程度キレイにしていてもらえばOK。
 そして、男性陣は、庭の手入れを全般的やってもらう。
 芝刈りに花壇や庭木なんかの手入れだな。
 こちらも広い庭だから、常に完璧に雑草1つない庭をなんてことは言わない。
 ある程度手入れされている状態であればいい。
 要は雑草がボーボー生えまくって、手入れしてないんじゃないのって状態じゃなければOK。
「それからですね、トニ一家とアルバン一家にはもう1つやってもらいたい仕事が……。これは、契約のときにも何度も確認した、俺のスキルにも関わることなんで、絶対に漏らさないでくださいね。もちろん、この仕事にかかわらないそちらの5人もですからね」
 念押しすると、みんなが頷いた。
「みなさんは、ランベルト商会で売っている、石鹸やらシャンプーって知ってますか?」
 そう聞くと、タバサさんが手を上げた。
「ちょっと高いけど、すっごいいい香りの石鹸ですよね? アタシも1つ持ってます」
「エッ?! 姉貴そんなの持ってたのか?」
「いつの間にそんなの買ったんだ?」
「うるさいねっ、アタシだって女なんだよっ」
 バリバリの冒険者然としたマッチョレディも石鹸やらシャンプーやらには興味があるようだ。
「そうです、タバサさん」
「ムコーダさん、さっきテレーザも言ったけど、アタシらのことは呼び捨てでお願いします。アタシらみんなムコーダさんの奴隷なんだから」
 タバサさんがそういうと、周りのみんなが頷いている。
「そ、そう? じゃ、そうさせてもらうから」
 タバサさ、いや、タバサの言うとおりではあるな。
 みんな俺の奴隷ではあるんだし。
 俺がみんなをさん付けで呼ぶのも変か。
 こういうのは慣れなんだろうな。
 ちょっとづつ慣れていこう。
「話が途中になっちゃったけど、そのいい香りの石鹸です。あれですね、実は俺がランベルト商会に卸してるんです」
 一応俺のスキルのことは、みんなには話しておこうと考えている。
 それというのも、自分ちなのにコソコソしなきゃならないってのもなんか嫌だし。
 それに長い付き合いになるだろうから、いつかはバレるだろうし。
 それなら最初から、はっきり言っておいた方が衝撃も少ないし馴染むのも早いと思うんだよね。
 そもそも、石鹸やらシャンプーやらの詰め替えお願いするのに、その容器がプラスチック製とかで色とりどりの模様やら文字やらが印刷されてるんだからそれに興味持つなって方が無理だろう。
 変にコソコソ探られるより、それなら最初から話しておいたほうがいいかなって判断だ。
 もちろん守秘義務については念押しで注意しておくちもりだ。
「それで、その入手先なんですが、それが俺のスキルと関係ありまして……、って実際に見てもらった方が早いか」
 みんなに俺の後ろに回るように言って、俺はいつものようにネットスーパーを開いた。
「これが俺の固有スキルのネットスーパーです」
 トニ一家とアルバン一家は全員ポカーンとしてるし、元冒険者の5人は「な、なんじゃこりゃ」と騒いでいる。
「俺はこのスキルによって異世界の便利な物を取り寄せることができるんです」
「異世界っていうと、お主……すまん。ムコーダさんは、‟勇者”なのか?」
 ドワーフのバルテルさんがそう聞いてきた。
 さすが最年長だな。
 しかも、元Bランク冒険者だし、そういう情報を知っていてもおかしくはないか。
「いや、違いますよ。俺の場合、早く言えば勇者に巻き込まれてこの世界に来てしまったただの一般人です。でも、そのおかげで、戦闘にはまったく向きませんが、こういう便利なスキルを得ることができましたから。ま、とにかく百聞は一見にしかずです。実際に見てもらいましょう」
 俺がネットスーパーを利用するところをみんなに直接見てもらうことにした。




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