第三百話 デミウルゴス様へのお供え
3月24日にコミカライズがスタートします!
3月25日には2巻発売です!
どちらともどうぞよろしくお願いいたします!!
夕飯は約束どおり、地竜と赤竜のステーキだった。
フェルもドラちゃんもスイも腹がパンパンになるまで食い倒してくれたよ。
おかげで疲れた。
その後は、これも約束どおり不三家のケーキ5個。
散々ドラゴンステーキを食ったんだからデザートはいらないだろうと思いきや、甘いものは別ときた。
女性の「甘いものは別腹」みたいなこと言いやがって。
フェルは昨日食ったプレミアムショートケーキが気に入ったのか、それを5個。
ドラちゃんはフェルと同じく昨日食ったイチゴのプリンショートが気に入ったのか、それを3個といつものカスタードプリンを2個。
スイはイチゴフェアの続きで、イチゴのレアチーズケーキ、ストロベリーモンブラン、チョコとイチゴのタルト、イチゴのロールケーキ、イチゴのミルフィーユとイチゴ尽くしだった。
みんながケーキに舌鼓を打っている間に、俺はコーヒーを飲みつつ鑑定してみた。
ダンジョンに潜ったとはいえ、今回は短かったし、そんなにレベルは上がっていないだろうとは思うが、一応ね。
フェル、ドラちゃん、スイの順で鑑定だ。
【 名 前 】 フェル
【 年 齢 】 1014
【 種 族 】 フェンリル
【 レベル 】 945
【 体 力 】 10142
【 魔 力 】 9768
【 攻撃力 】 9429
【 防御力 】 10157
【 俊敏性 】 9954
【 スキル 】 風魔法 火魔法 水魔法 土魔法 氷魔法 雷魔法
神聖魔法 結界魔法 爪斬撃 身体強化 物理攻撃耐性
魔法攻撃耐性 魔力消費軽減 鑑定 戦闘強化
【 加 護 】 風の女神ニンリルの加護 戦神ヴァハグンの加護
さすがにフェルのレベルになると、あれだけでレベルアップはしなかったようだ。
しかし、いつ見てもすごいステータスだよなぁ。
【 名 前 】 ドラちゃん
【 年 齢 】 116
【 種 族 】 ピクシードラゴン
【 レベル 】 199
【 体 力 】 1229
【 魔 力 】 3450
【 攻撃力 】 3307
【 防御力 】 1158
【 俊敏性 】 4032
【 スキル 】 火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 氷魔法 雷魔法
回復魔法 砲撃 戦闘強化
【 加 護 】 戦神ヴァハグンの加護
ドラちゃんの前のレベルは確か197だから、レベルが2アップしているな。
ドラちゃんもレベルが高いからな。
あれだけで2レベルアップしてたのは御の字かも。
【 名 前 】 スイ
【 年 齢 】 4か月
【 種 族 】 ヒュージスライム
【 レベル 】 42
【 体 力 】 1731
【 魔 力 】 1694
【 攻撃力 】 1709
【 防御力 】 1716
【 俊敏性 】 1727
【 スキル 】 酸弾 回復薬生成 増殖 水魔法 鍛冶 超巨大化
【 加 護 】 水の女神ルサールカの加護 鍛冶神ヘファイストスの加護
確かスイは前のレベルが38だったから、4レベルアップか。
スイはまだ進化する伸びしろがあるからな。
それでもある程度進化した今は前よりもレベルが上がりにくくなっている気はするな。
正直言うと、ダンジョンに潜った期間も短かったし、フェルとドラちゃんは高レベル、スイだってある程度進化しているから、もしかしたらレベルアップはないかもって思ってた。
だから、ドラちゃんとスイだけでもレベルアップしてて御の字かもしれない。
そして最後は俺の確認だ。
とは言っても、最後の最後にちょろっと戦っただけだから大幅なレベルアップはしてないだろうけどね。
【 名 前 】 ムコーダ(ツヨシ・ムコウダ)
【 年 齢 】 27
【 種 族 】 一応人
【 職 業 】 巻き込まれた異世界人 冒険者 料理人
【 レベル 】 66
【 体 力 】 413
【 魔 力 】 401
【 攻撃力 】 393
【 防御力 】 385
【 俊敏性 】 331
【 スキル 】 鑑定 アイテムボックス 火魔法 土魔法
従魔 完全防御 獲得経験値倍化
《契約魔獣》 フェンリル ヒュージスライム ピクシードラゴン
【固有スキル】 ネットスーパー
《テナント》 不三家 リカーショップタナカ
【 加 護 】 風の女神ニンリルの加護(小) 火の女神アグニの加護(小)
土の女神キシャールの加護(小) 創造神デミウルゴスの加護(小)
お、4つレベル上がってる!
最後にあれだけしか戦っていないのにこれだけ上がったのは、獲得経験値倍化のスキルがあるからか。
うんうん、俺としちゃ順調かな。
無理なレベル上げはしないで、戦えるときに戦うっていうスタンスだしね。
俺が鑑定している間に、みんなケーキを食い終わっていた。
さすがに腹いっぱいとみえて、みんな眠そう。
フェルは軽くブラッシングして、ドラちゃんとスイは俺と風呂に入ってからすぐに寝てしまった。
俺もと思ったんだけど、あっと思い出した。
「デミウルゴス様にお供え物しなきゃ」
でも、うるさい女神様ズや酒好きコンビと違って、デミウルゴス様は完全にこちらにお任せだからその辺はありがたい。
早速ネットスーパーを開いてテナント“リカーショップタナカ”のメニューを見てみる。
ここでお役立ちなのがランキング。
俺は酒に詳しくないから、こういうのがあってホント便利。
「デミウルゴス様は日本酒がいいんだよな……」
日本酒の売上ランキングを見ていく。
ふむふむ……、お、これいいかも。
まず1本目に選んだのが福井県の酒だ。
月間売上ランキングは9位と上位とは言えない純米吟醸酒だが、店長オススメの文字を見てこれに決めた。
値段が手頃なこともあって、そのシリーズの中では1番人気なのだという。
米本来の旨味と見事に調和した香りと味が楽しめる酒とのことだ。
次は何がいいかな……、これなんかいいかもしれない。
次に選んだのは月間売上ランキング8位で週間売上ランキングの2位でもある酒。
両方にランキング入りしていることと、俺でも名前を知ってるくらい有名な酒だったのでこれにしてみた。
新潟県を代表する酒で、全国的にもその名が知られている元祖幻の銘酒という感じの酒だ。
飲み口は淡麗辛口で、口当たりもさわやかで軽い後味とのこと。
1本目と2本目は月間と週間売上ランキングから選んだから、最後は日間売上ランキングから選んでみた。
日間売上ランキング1位に輝いていた酒。
ちょっと高かったのだが、青い瓶が特徴的でキレイだったので選んでみた。
新潟県は佐渡の酒で、長期低温発酵で生まれた大吟醸で芳醇な香りと繊細で深い味わいが特徴とのこと。
もちろん3本とも一升瓶で。
あとは、おつまみに前回と同じくプレミアムな缶つまのギフトセット。
もちろんこの間とは違う組み合わせのものだ。
今回は黒毛和牛のロースト、黒豚のベーコンにチャーシュー、稚鮎のオイル漬けなどの12缶セットだ。
精算をすると、いつものように段ボールが現れた。
中身を取り出して、段ボールの祭壇に並べていく。
「よし、準備OK。ゴホンッ……えー、デミウルゴス様、どうぞお納めください」
『ん? ムコーダか。よいのか?』
「はい、もちろんです。その代わりと言っては何ですが、何かあった場合はどうぞお力添えよろしくお願いいたします」
『うむ、うむ。分かっておる。前にも伝えたとおり、多少の融通はするつもりじゃからの』
ありがたや、ありがたや、創造神様。
段ボール祭壇の上の酒と缶つまギフトが淡い光とともに消えていった。
『おお、前とは違う酒じゃの。それに、缶詰というんじゃったか、これもまたあるのか。これは嬉しいのう。これをつまみに酒を飲むのがここ最近の楽しみなのじゃ。嬉しいのう、気が向いたらまた頼むぞ』
はは~。
気が向いたときどころか、毎週お供えさせていただきます。
頼りにしてます、創造神デミウルゴス様。
フフフフフ、言質は取ったぜ。
これで何かあった場合の供えも万全。
何しろ寿命が1500年もあるんだからな。
フェルとドラちゃんとスイがいるとはいえ、創造神様のお力添えがあれば何があっても大丈夫。
デミウルゴス様へのお供えを終えた俺は、心安らかに眠りに付いた。