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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連
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第二百八十五話 特別ボーナス

更新遅くなってすみません。12月は仕事が忙しいもので。
もしかしたら12月の更新はいつもより遅めになるかもしれないです。
PC関係のアドバイスもいろいろとしていただきありがとうございました。
PCは大幅アップデートの後も問題なくネットに繋がっていたので、やはり壊れていたのではないかと思います。新PCは問題なく使えているので大丈夫です。
 昨日と今日で旅の間の飯も準備万端だ。
 俺が解体したコカトリスとレッドボアの残りを全部使って、定番のから揚げやらの揚げ物類に味噌漬けや生姜焼き、あとはひき肉にしてハンバーグや肉そぼろを作った。
 ひき肉はレッドボアとゴールデンバックブルの残りを使って合いびき肉にしたんだけど、それで久々に餃子も大量に作ったよ。
 焼き餃子と揚げ餃子の他に野菜たっぷりの餃子スープも作ってみた。
 鶏ガラスープに野菜と餃子を入れるだけの簡単スープだけど美味いし。
 あとはベルレアンで仕入れた魚介のフライに、タイラントフィッシュと野菜たっぷりのバター醤油風味のホイル焼きも作ったぜ。
 たまには魚介が食いたくなるからな主に俺が。
 職業に料理人がついてから、作業もスムーズに早くできるもんだからいい気になっていろいろ作っちゃったよ。
 そうそうコカトリスの肉でクリームシチューも作ったんだ。
 どっちかっていうと俺はクリーム系のシチューよりデミグラス系のシチューのほうが好きだから今まで作ってなかったけど、これはこれで無性に食いたくなるときがあるんだよね。
 実家でも使っていた北海道の恵みがたっぷり溶け込んだルーを使ったから、ホッとするいつもの味に仕上がった。
 シチューの味見をしながら、もう元の世界には戻れないんだろうな……、なんてちょっとだけセンチな気分になったのは内緒だ。
 旅の間の飯を作り終わってから、暗くなる前にエルランドさんと冒険者ギルドに行って、ナディヤさんに明日旅立つことを報告してきた。
 その際に、ナディヤさんに「甘いものですんで休憩時間にでも」とベルレアンの街にいるときに作ったプレーンなパウンドケーキと紅茶のパウンドケーキを渡したら大層喜ばれたよ。
 それを見ていた女性職員が羨ましそうな顔してたもんだから、職員の方たちの分も置いてきた。
 女性職員たちは仕事中にもかかわらず歓声をあげてたな。
 甘いものに目がない女性には、パウンドケーキのプレゼントは実に有効だった。
 冒険者ギルドから戻ってからはみんなで夕食に。
 昼間に揚げたとんかつでソースかつ丼にしたよ。
 飯の上に千切りキャベツをたっぷり載せて、その上に中農ソース・ケチャップ・みりん・砂糖を混ぜて作ったソースかつ丼用のソースをさっと絡めたとんかつを乗せて……。
 うん、実に美味かった。
 ソースかつ丼は、みんなに大好評でまた作ってくれって催促されたほどだ。
 腹いっぱい夕飯を食った後は、旅に出る前にドラちゃんとスイと俺で風呂を堪能した。
 今回はエルランドさんも一緒だし、旅の途中で悠長に風呂に入ってはいられなさそうだしね。
 そんな感じでそれなりに忙しく過ごした1日だったけど、俺にはもう一つやらなきゃならないことがある。
 明日にはドランへ向けて出発するから、本当ならば俺もさっさと寝たいところなんだけどね。
 そんなわけでみんなが寝静まったあとも、俺一人寝ずに起きていた。
 そのやらなきゃならないことっていうのは、恒例行事のお勤めだ。
 面倒だけど、ちゃっちゃと済ませちゃいますか。
「みなさん、いますか~?」
 そう呼びかけると、ドタドタと急ぐ足音がすぐさま聞こえてきた。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 いつものように神様たちから希望をとってネットスーパーで購入した品々を、お馴染みとなったダンボール祭壇に置いていく。
 ニンリル様のご所望は、当たり前のように不三家のケーキ。
 今日も今日とて見ているだけで胸焼けするくらい大量のケーキやらの甘い菓子を選んでくれたよ。
 キシャール様もいつものごとく美容製品だ。
 くすみが気になるとのことで、今日は洗い流すタイプのパックをお買い上げ。
 あとは入浴剤をいくつかほしいとのことだったから、ドイツ製のちょっとお高めのバスソルトをおすすめした。
 アグニ様は大好きなビール。
 今日はYビスビール箱でお買い上げ。
 残りはA社のプレミアなビールやらS社の黒いラベルのビールやらの6本パックを数種類だ。
 ルカ様は不三家のケーキとアイス。
 それから俺の作ったハンバーグと魚介のフライ、餃子が食いたいって話だったからそれをご用意した。
 ヘファイストス様とヴァハグン様の酒好きコンビは、当然テナントの“リカーショップタナカ”にあるウイスキーを中心とした酒だ。
 前回のランキングの説明でいろいろと目をつけていたらしく、この2人にしては割りとすぐに決まった。
 ウイスキーの日間と週間のランキングだけはしっかり説明させられたけどな。
 カート内のものを精算して、それぞれの品々をダンボール祭壇に置いて……、よし、これでOKだな。
「みなさん、どうぞ」
 ダンボール祭壇の品々が次々と消えて、神様たちの歓声が聞こえた。
 ふぅ、終わった。
『『ちょっと待てーっ!!』』
 さっさと寝ようと立ち上がった俺を引き止める野太い声。
「もう、何ですか?」
『何ですか? じゃないだろ! 俺たちとの約束忘れたのか?』
『そうじゃぞ! この間1つずつ好きなものを追加で注文できると言ったではないか。忘れたとは言わせんぞ!』
 …………あ、そういやそんなこと言ったっけ。
 すっかり忘れてたわ。
 すみませんです。
『おい、なんの話なのじゃ?』
 神様たちの話声が聞こえる。
 ニンリル様の問いに、酒好きコンビが女神様たちにあの時の話をしているようだ。
『なぬっ?! そんな話になっておったのか? お主たちもたまには役に立つではないか』
 ニンリル様のその物言いに、ヘファイストス様とヴァハグン様の『たまにとは何だ、たまにとは』と抗議している声が聞こえてくる。
『そんなことよりそれは俺たちも含めてなんだろうな?!』
 アグニ様が俺にそう聞いてきた。
「あー、はいはい。もちろん女神様たちもですよ」
 ま、神様たちへの特別ボーナスみたいなもんだ。
「ただし1人1つで金貨1枚程度のものですからね」
『あら~? 1枚程度って1枚超えてもいいのかしら?』
 おれの言葉に耳ざとく反応したのはキシャール様だ。
「少しだけですよ。大幅に超える場合は却下です」
 そう答えると女神様たちの歓声があがった。
「それじゃご希望を聞いていきますんで。あ、さっきも言ったように1人1つですからね」
 まずはニンリル様からだ。
『妾はもう決まっているぞ。フフフフフ、前に見たときから食べてみたいと思っていたのじゃ。四角い形で赤い果実がたくさん載った大きなケーキじゃ!』
 四角い形の大きなケーキね…………これか?
 不三家のホールケーキのメニューにあるイチゴがこれでもかと載った大人数用のケーキだ。
「ニンリル様、これですか?」
『そうじゃっ! それなのじゃ!』
 興奮気味にそう叫ぶニンリル様。
 それなのじゃって、これかなりデカいぞ。
 お値段もそれなりで、金貨1枚に銀貨1枚だ。
 まぁ許容範囲内だけど、それよりもこれを1人で食うつもりか?
 …………今までのことを考えると、ニンリル様もとい駄女神は食うな。
 うん、ヤツは1人でむは~とか言いながら食いそう。
 神だから病気にはなりにくいみたいだけど、まったくならないわけじゃないようなこと言ってたよな。
 糖尿だけは気をつけろよ。
 ……俺の思考読めるはずなのに興奮して全然気づいてないわ。
 ハハハ、やっぱりニンリル様(駄女神)だよ。
 そんなことを考えながらドデカいケーキをカートに入れた。 
『次は私ね! フフフ、実を言うと私も前から狙ってたクリームがあるのよね~』
 キシャール様が嬉しそうにそう言った。
 おいおい、金貨1枚程度だからね。
 美容製品は高いものは高いんだから自重してくださいよ。
 キシャール様に話を聞くと、夜用のクリームとのこと。
「えっとどのメーカーか覚えてますか?」
『確か……、それ、そこのよ』
 ネットスーパーのメニューを俺が指差しながら聞いていくと、SHISYOUDOの所で声が上がった。
 夜用のクリームっていうと、ナイトクリームとかいうやつだな。
 ナイトクリームを見ていくと、再びキシャール様の声があがる。
『それ! それよ!』
 え、これ?
 うっわ、高ッ。
 お値段金貨1枚に銀貨2枚。
 ってか、これだけするのにこのクリーム50グラムしか入ってないよ……。
 ま、まぁこれくらいだったらいいけど。
 しかし、50グラムで金貨1枚に銀貨2枚か……、美容製品恐ろしい。
「次は……」
『俺だぜ!』
 アグニ様の元気のいい声が頭の中に響く。
「アグニ様はやっぱりビールですか?」
『ああ。でも1人1つなんだろ? ビール1箱じゃ金貨1枚には届かないし、何か損した気分なんだよな』
 確かに。
 高めのS社のプレミアムなビールやYビスビールを箱買いしても金貨1枚にはならないもんな。
 そういや……。
 前回テナントのリカーショップタナカを確認したときにチラッと見たものがあるんだよな。
 えーっと…………、あ、あったあった。
 リーカーショップタナカの画面を見ながら確認していくと、前回見たものをみつけた。
「これなんてどうですか?」
 俺がアグニ様に紹介したのは、黒い瓶に黄金のラベルがついた高級感があるちょいお高めのビールのギフトセットだ。
 30本入りでお値段金貨1枚。
「“醸造家がこだわった夢のビール”だそうですよ。ほろ苦く深い味わいで、他のビールとは一線を画す美味さって書いてありますね」
『おおっ、それいいな! 夢のビールって名前もいいじゃねぇか。それにするぜ』
 夢のビールをお買い上げっと。
「次はルカ様です」
『…………すぐ食べられる美味しいお肉が食べたい』
 すぐ食べられるってことは調理済みってことだろ?
 1人1つっていってあるし、金貨1枚もする調理済みの肉はさすがにネットスーパーじゃ売ってないだろ…………、あっ!
 もしやと思ってギフト品のメニューを確認してみた。
 けっこうあるじゃないか。
 国産ブランド牛のすき焼き用肉とかしゃぶしゃぶ用、網焼き用もあるな。
 美味そう。
 って、ルカ様の希望はすぐ食えるのだから、ハムとかの方がいいかも。
 どれどれ…………、お、これなんかいいかも。
「ルカ様、これなんてどうですか?」
 俺がルカ様にすすめたのは、国産の厳選されたブランド豚のハムと焼き豚の詰め合わせだ。
「これでしたら切ってそのまま食べられますし、このハムは厚めに切って少し焼いてハムステーキにしても美味いですよ」
『異世界の、お肉………、すごくいい。ジュルリ』
 おい、今涎出てませんでしたかね?
 ルカ様のこの反応からいくと……。
「これでいいですか?」
『うん』
 即答でした。
 うちもお中元とかお歳暮とかでたまにもらったけど、この手の高級ハム美味いんだよねぇ。
 これをサイコロ状に切って軽く焼いて粒マスタードをつけると、ビールのつまみに最高なんだよな。
 いかんいかん、次々。
「次はヘファイストス様とヴァハグン様ですね」
『おうっ、儂らじゃ。儂らが頼むのはもう決まっとるんじゃがな』
『ああ。やっとアレを頼めるぜ』
『『儂ら(俺ら)が頼むのは、世界一のウイスキーの12年ものだ!』』
 そうきたか。
 確か12年もので金貨1枚と銀貨2枚だったか。
 その上の18年ものでドンと価格も跳ね上がって、25年ものなんてウン十万だったんだよな。
 ま、まぁそれに比べたら金貨1枚と銀貨2枚は、予算的にも許容範囲内だしマシな方か。
「それをそれぞれ1本ずつでいいんですか?」
『うむ。1人に1本ずつじゃ』
『ああ。この酒は特にじっくり味わいたいからな』
 ということで、国産メーカの世界一のウイスキーの12年ものを2本カートに入れた。
 よし、これでいいな。
 それぞれの品を再びダンボール祭壇の上に置いた。
「それじゃ、みなさんお受け取りください」
 その言葉とともにダンボール祭壇の品が消えていった。
 再び上がる神様たちの歓声の声。
 その直後…………。
『お主たち、集まって何をやっとるのかのぅ?』
 しわがれた爺さんの声がやけにはっきりと聞こえた。
『ぬぉっ』
『うぉっ』
『きゃっ』
『ぁっ』
『ぐぉっ』
『げっ』
 神様ズの驚いた声が聞こえてくる。
『『『『『『そ、創造神さま…………』』』』』
 な、なぬーーーーーー?!




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