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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連
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第二百六十九話 ちょっと待った!

ベーカリー鈴木とリカーショップタナカは日本人に多い苗字を使っただけという単純な理由です(笑)
もちろん実際のお店とは何の関係もありませんよ。
「それじゃ女神様方、希望を聞いていきますんで。いつものとおり、まずはニンリル様ですか?」
『そうなのじゃっ。妾からじゃ。妾の希望は当然不三家のケーキなのじゃっ』
 はいはい、分かってますって。
 俺はネットスーパーの不三家のメニューを開いた。
「何にしますか?」
『うむ、1つは丸くて大きなのが欲しいぞ。あれはいい。思いっきりケーキを堪能できるからな』
 1人でホールケーキをガッツリ食ってるんだろうね。
 ニンリル様(残念女神)、激太りしてないか?
 とりあえず自分のことなんだから、その辺は自分で管理してくれよ。
「ホールケーキですね。どれがいいですか?」
『うーん、どれにしようかのう……。よし、決めた! 赤い実と紫の実がたくさん載ったこれにするのじゃっ』
 えーと、これか。
 イチゴとブルーベーリーの載ったホールケーキだ。
 ニンリル様希望のそのホールケーキをカートに入れた。
『あとは、いろいろなのが欲しいぞ』
 ホールケーキ以外はいろいろか、そうするとショートケーキか。
 ショートケーキのメニューを開いた。
「お、新商品も出てるみたいですよ。ミルクチョコ生ケーキとチョコミルフィーユ、あとは巨峰のレアチーズケーキですね」
『ぬぉーっ、し、新商品かッ! それは絶対欲しいのじゃ!』
 へいへい、新製品ゲットですね。
「その他は適当に選んじゃって大丈夫ですか?」
『うむ。あ、どら焼きは多めにな。それと、前回の袋入りの菓子はちょっとしたおやつにちょうどよかったからな、それも頼むぞ』
 どら焼き多めで袋入りの菓子もだね。
 適当にショートケーキを選んで、それからどら焼きは普通のこしあんのと小倉あんと栗が入ったものと芋あんの4種それぞれ5個ずつ、あとは袋入り菓子ってことでバウムクーヘンとスコッチケーキの詰め合わせを購入して〆て金貨1枚分っと。
 よし、これでニンリル様の分はOKだな。
「いつもどおりだと次はキシャール様ですね」
『ええ、私よ~。ドラッグストアがあると思ってたのにホントがっかりだわ~』
 いや、そんなこと俺に言われてもですね……。
『まぁ、こればっかりはしょうがないわね。今回はね、またシャンプーとトリートメントを香り違いのものを3組お願いしたいの。私の髪って長いし多いからけっこう使っちゃって、前に頼んだものが少なくなってきたのよ。それでね、いろいろ使ってみたいから前のとは違うものをお願いするわ』
 なるほど、前と違う商品か。
 確かキシャール様は髪のパサつきとまとまりがないのが気になるって言ってたな。
 そうなるとやっぱりしっとり系のシャンプーとトリートメントかな。
 ネットスーパーの画面を見ながらしっとり系のシャンプーとトリートメントを選んでいった。
「これなんかどうでしょう? しっとりタイプのシャンプーとトリートメントで、ジャスミンっていう花の香りなんですけど、上品な花の香りというか……。俺がいた世界では、お茶にも使われているくらいなので、この香りが嫌いっていう人はあまりいないと思いますよ」
『上品な花の香りね。いいわね、それ。1つはそれをお願いするわ』
 了解です。
 俺は、ジャスミンの香りのシャンプーとトリートメントをカートに入れた。
「あとは、同じくしっとりタイプのシャンプーとトリートメントで、ベリーフローラルの香り……えーと、甘い果実と花の香りを合わせた香りってことのようです」
『甘い果実と花の香りねぇ。どっちも私好みの香りだし、これも使ってみたいわ』
 はい、これもお買い上げ。
「あとは、これはどうですか? 前の2つより少しだけお高いですけど、高級感のあるローズの香り、これも花の香りですね、で説明にはしっとりと毛先まで潤う美髪へ導きますって書いてありますよ」
『毛先まで潤う美髪……いいわね。それにするわ』
 これもお買い上げと。
「あとはどうしますか? 残り銀貨3枚ちょっとありますけど」
『何がいいかしらね。この間、顔につけるものはいろいろ頼んだし……』
 そういや前回、化粧水やらクリーム、洗顔料にパックまで買ったんだったな。
 スキンケア製品はいいとなると、ボディケア製品なんてどうだろ。
「それなら体を洗うボディソープなんてどうですか? 石鹸と違って液体状になっているものなんですけど、石鹸よりもしっとりした洗いあがりですよ」
『あら、そんなものもあるのね。石鹸もいいけど、部分的にカサつくところがあったのよね。そのボディソープっていうの、いくつか選んで見せてくれるかしら』
 カサつくっていうなら、ボディーソープの中でもよりしっとりした洗いあがりのものがいいかな。
 うーん、よしこの3つがいいかな。
「3つほど選んでみたんですが、1つめが、ハチミツ入りでしっとりした洗いあがりのこのボディソープで、2つめのこれが新製品みたいなんですけど、保湿成分が洗い流されずに肌に残るんだそうです。3つめのこれは、オイルが入ってしっとりした洗い上がりみたいですね」
 選んだ3つのボディソープを画面を示しながらキシャール様に説明していく。
『どれにしようかしら、みんな良さそうね~』
「それなら、シャンプーとトリートメントと同じように3つそろえてもいいんじゃないですか? 香りもそれぞれ違いますし、毎日違った物を使ってみるのもいいと思いますよ」
『確かにそうね。全部使ってみたいし、それもアリだわ。それでお願いするわ』
 はいはい、3つお買い上げ~。
「あと銀貨1枚分くらいのこってますが、どうします?」
『それくらいのもので、何か良いのないかしら?』
 それならば……。
「体を洗ったあとにつける保湿クリームで、ボディクリームといってるんですが、それなんてどうですか?」
『体の保湿ね、そんなのもあるのねぇ。それでお願いするわ。良さそうなのを選んでくれるかしら』
 またおまかせか。
 まぁ、異世界の物だし文字も読めないだろうからしょうがないか。
 えーと、どれがいいかな……。
「これなんてどうでしょうか? シアバターっていう植物性脂肪が入ったもので、肌がしっとりするようですよ」
『それでお願いするわ。フフフ、これで髪も顔も体も全身くまなくお手入れできるわぁ』
 ご、ご満足いただけたようで。
 これでキシャール様も完了だな。
「次はアグニ様ですね」
『おう。俺はいつも通りビールだな。簡単なつまみもあれば嬉しいけど、こっちは本当に簡単なもんでいいぞ。なきゃなくてもいいし。とにかくビールの方が優先だな』
 アグニ様は完全にビールにハマってるね。
 ビール、美味いもんなぁ。
 仕事上がりとか風呂上がりのビールは、また格別だしな。
「そうすると、前みたいにケース入りの方がいいと思うんですけど、金貨1枚の予算だと2ケース買えますよ。それともケース入りは1つにして他は6本パックのものを何種類か選んだ方がいいですか?」
『そうだな、どうすっかなぁ……。うーん、やっぱ何種類かあった方がいいな』
「分かりました。ケース入りのものは何がいいですか?」
『いつもの青と金のやつがいいぞ。あれは本当に美味い』
 青と金っていうとS社のプレミアムなビールだろうな。
 いや、待てよ、最近何度か渡しているA社のプレミアなビールか?
 見てもらったほうが早いかと、ネットスーパーの画面を見てもらった。
「こっちですか? それともこっちですか?」
『あーっと、最初の方だな』
 アグニ様が希望しているのは、S社のプレミアムなビールだった。
 早速S社のプレミアムなビールをケース買い。
「あとは希望のビールありますか?」
『あと好みのは……、金色のやつだな。あとはお前に任せるぜ』
 了解です。
 金色のやつっていうのはYビスビールだな。
 あとはお任せってことだけど……、お、同じくYビスビールの限定品が出てるな。
 赤い缶でコクがあってまろやかな味わいって書いてあるな、これにしよう。
 あとS社の昔からあったビールをリニューアルしたものもいいな。
 残りは、A社の雑味のないクリアな味が売りの第三のビールの限定商品(まろやかなコクと華やかな香りが売りらしいぞ)にしてみた。
 それぞれ6本パックを購入だ。
 残金は銀貨1枚程度だから、それで買える簡単なつまみっていったらやっぱこれでしょ。
 俺は迷わずポテチ数種と柿のを普通のものとわさび風味のものをカートに入れた。
 ふぅ、これでアグニ様も完了だな。
「お次はルカ様ですね」
『……ケーキとアイス』
 またケーキとアイスですか。
 甘い物はお好きなようだけど、アイスはよっぽど気に入ったんだね。
「ケーキとアイスとのことですけど、前と同じく違う味がいいですか?」
『白いアイスケーキは絶対欲しい。その他は違うので』
 アイスケーキは絶対欲しいですか、分かりました。
 ご希望のバニラのアイスケーキをカートに入れた。
 あとは違う味ってことだから、ショートケーキはニンリル様にも選んだ新商品のミルクチョコ生ケーキとチョコミルフィーユ、それから巨峰のレアチーズケーキは買うとして、あとは何がいいか……。
「ケーキなんですが、前回と同じものが入っちゃいますけど、いいですか?」
 毎回ケーキってなると、どうしてもかぶっちゃうんだよね。
『いい。何度食べても美味しいから』
 そういうことならと、ショートケーキのメニューの上から順にカートに入れていった。
 最後はアイスだな。
 お、シューアイスがあるな。
 これも含めてカップアイスも全種類購入だ。
 よし、これでルカ様の分もOKだ。
『よしっ、終わったのう。次は儂たちの番じゃ!』
『おう。じっくり選ばせてもらうぜ~』
 テナントに酒屋が入って張り切っているヘファイストス様とヴァハグン様の声が。
『ちょっと待ったー、なのじゃ! 酒を選ぶお主たちに妾たちは付き合ってられないぞ! おい、お主、妾たちに先に供え物をするのじゃっ!』
『ニンリルの言うとおりだわっ。あんたたちが酒を選び終わるのを待つなんて、まっぴらごめんよ。異世界人クン、先に私たちのを送ってちょうだい。今日のシャンプーやトリートメント、ボディソープやボディクリームを早く試したいんだから』
『そうだそうだ! 俺も早くビールが飲みたいぜ。異世界人、俺たちのだけ先に送れよ。その後にこいつらにゆっくり選ばせてやりゃいいだろ』
『ケーキとアイス、早く』
 女神様たちがこう言うのもしょうがないか。
 酒好きコンビに付き合ってたら、けっこう遅くなりそうだし……。
「ヘファイストス様、ヴァハグン様、先に女神様たちの分だけお送りしちゃっていいですか?」
『まぁ、いいじゃろう。ここにいてもうるさいだけだからのう』
『ああ。ここでブーブー文句垂れられたらゆっくり選んでられないしな』
 そういうことだから、先に女神様たちの分を精算していく。
 よし、あとはそれぞれダンボール祭壇に置いて……。
「女神様方どうぞお受け取り下さい」
 そう言うと、ダンボール祭壇に置いてあったものが消えた。
 女神様たちの甲高い声の歓声が聞こえた後、ドタドタドタっと走り去る足音が聞こえた。
 自分のものを抱えてさっさと立ち去ったみたいだね。
 やれやれ。
 ってまだ終わりじゃないんだよな。
 厄介なお2人が残っていんだった。
『さーて、じっくりと見せてもらおうじゃないか。のう、戦神の』
『おう、じっくり見せてもらおうぜ、鍛冶神の』
 ふぅ、長い夜になりそうだ……。




ちょっと長くなりそうなので、女神様たちと酒好きコンビで分けました。
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