挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連(旧 妖精壱号)
274/373

第二百六十一話 イグアナとワニ

 ダンジョン20階層。
 爬虫類ゾーンの2層目だ。
 この階にいたのはイグアナだ。
 デカいイグアナで、鑑定してみると”ビッグブロンズイグアナ”と出た。
 尻尾まで含めると2メートル近い青銅色のイグアナで、地球のイグアナと違ってその口には細かくて鋭い歯がびっしり生えていた。
 その動きも割と早くて厄介だなと思いきや、フェルとドラちゃんとスイにかかれば何てことはなかった。
 というか、いつにも増した蹂躙劇で見ているこっちが敵なはずのイグアナが哀れに思えるほどだった。
 イグアナさん安らかに成仏してください。
 まぁ、そんなことになったのも一部俺の責任なのかもしれないんだけど。
 というのも、フェルたちに強請られて昨日の夕飯もスッポン鍋にしたからな。
 だってみんなして食いたいって言うからさ……。
 2日続けて夕飯はスッポン鍋だったよ。
 そのおかげでなんだろう、フェルたちは元気モリモリ。
 何だかやる気が漲ってギラギラしてるよ。
 そんなみんなは喜々として次々とイグアナを倒していった。
 エルランドさんもいつも以上に元気で、舞のような剣技でバッサバッサとイグアナを倒していた。
 完全に俺の出番はなくて、ドロップ品回収に徹したよ。
 ちなみにビッグブロンズイグアナのドロップ品は皮とご丁寧に瓶に入った肝だ。
 鑑定してみると、肝は内臓の働きを良くする薬剤の素材の1つのようだった。
 20階層のイグアナを根絶やしにする勢いで進んで行ったにも関わらず、ほんの数時間でボス部屋前に到達してしまった。
 ボス部屋にはビッグブロンズイグアナの倍以上のデカさの”ジャイアントブロンズイグアナ”が7匹ひしめき合っていた。
「いやいや、あれ恐竜だよね」
 と思わずツッコミを入れたくなる姿の”ジャイアントブロンズイグアナ”だけど、フェルたちは物怖じせずすぐ突っ込んで行ったよ。
 そしていつもの通りというか何というか、ものの数分でジャイアントブロンズイグアナはすべてご臨終。
 後に残されていたのは皮と肝と小さめの魔石。
 それを拾いながら、みんなにスッポンの血を出さなくてよかったって心の中で思ったよ。
 スッポンの血は俺も抵抗があって、お取り寄せで血がついてきたときも飲まなかったんだ。
 だからドロップ品に血があってもみんなにも出さなかった。
 今思うと出さなくて正解だったぜ。
 昨日スッポン鍋を作る前にこっそり鑑定してみたらさ、「滋養強壮作用がある。弱った体に効果大。精力増進にも効果がある」って出た。
 スッポン鍋でこの効果なのに血の効果まで出たら、みんなどこまでハッスルしちゃうやらわからんもん。
「それでは次の階に進みましょう」
『うむ、次の階に行くぞ』
『おうっ、次々』
『いっぱい倒すよー』
「ハァ……はいはい」
 俺は無駄に元気なみんなとともに21階層へと進んで行った。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 21階層に出てきたのは、3メートルはあろうかという見るからに狂暴そうな赤い血の色のような鱗をもったワニだった。
 鑑定してみると”レッドキラークロコダイル”と出た。
 鋭く尖った歯と頑強そうな顎で噛まれたらただでは済まないだろう。
 それに短い脚だが思ったよりも動きが早かった。
 21階に下りて早々に通路一杯に広がった赤いワニの大群が俺たちの前に現れた。
 しかし、ここでもフェルとドラちゃんとスイの働きですぐさま赤いワニの大群は排除された。
 ちなみにレッドキラークロコダイルのドロップ品は鋭い歯と皮だった。
 この調子だとこの階の攻略もそんなに時間かからないだろうなと思っていたら、フェルたちがそろって「腹が減った」と言いだして、近くにあったセーフエリアで昼飯となった。
『肉だ』
『ああ、肉がいいな』
『お肉食べたーい』
 フェルとドラちゃんとスイからのリクエストでガッツリ食える肉料理ってことで、昼飯は作り置きしていた煮豚で作る煮豚丼にした。
 朝飯も肉だったんだけどね。
 鶏そぼろ丼であっさりした飯だったからか、昼はガッツリしたやつが食いたくなったようだ。
 飯の上に厚めに切った煮豚と半熟味卵を乗せた。
 フェルもドラちゃんもスイもガツガツ食ってたよ。
 負けじとエルランドさんもガツガツ食ってた。
 腹も満たした俺たちは、再び21階の通路を進んで行った。
 しかしながら、レッドキラークロコダイルなどフェルたちの敵ではなかった。
 21階の攻略もスイスイ進んで、俺のアイテムボックスのドロップ品を更に増やしていった。
 ボス部屋に辿り着くと、中には”ジャイアントレッドキラークロコダイル”がいた。
 5メートル超はあろうかという赤いワニだ。
 所狭しと、その5メートル超の赤いワニが5匹いた。
 鋭い歯がびっしり生えた口を大きく開いた様はハンパなく迫力があった。
 しかしながら、当然のことフェルたちは怖がるそぶりも見せず喜々として突っ込んで行った。
 3匹はフェルの風魔法で胴体とお別れした頭がスポンと飛び息絶えた。
 1匹は雷魔法を纏ったドラちゃんに横っぱらを貫かれて大穴を開けて息絶えた。
 1匹はスイの酸弾を多数撃ち込まれて息絶えた。
 ジャイアントレッドキラークロコダイルは一応Aランクの魔物なのだが、フェルたちには赤子の手をひねるようなものらしい。
 ドラちゃんとスイは1人で3匹倒したフェルにズルいって文句言ってたくらいだった。
 俺とエルランドさんは、ドロップ品のジャイアントレッドキラークロコダイルの皮と魔石を拾った。
「ムコーダさんたちと一緒だとダンジョンとは思えないほどスイスイ順調に進みますねぇ」
 なんか、すんません。
 普通の冒険者は必死こいてダンジョン攻略してるんだろうな。
 俺たちもわざとってわけじゃないんだよ。
 たださ、フェルとドラちゃんとスイがめちゃくちゃ強いだけなんだよね。
 それに加えて今は2日続けてスッポン食ったのも影響してるんだと思うんだけど。
 スッポンは美味いけど、さすがに2日続けては止めようと密かに誓う俺だった。




都合により次の更新は28日(水)になる予定です。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ