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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連(旧 妖精壱号)
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第二百十七話 噂話

「アドリアンさん、朝早くから申し訳ありませんでした」
「いえいえ、これも仕事ですからな。それではこれが代金です。お確かめください」
 1、2、3……大金貨118枚と金貨5枚で全部で金貨1185枚分。
「はい、確かに」
「それでは、私は早急にカレーリナへ向けて出発せねばなりませんので」
「お気をつけて。あ、ランベルトさんにもよろしくお伝えください」
 朝早くから護衛の冒険者を引き連れて出向いてくれていたアドリアンさんたちがカレーリナへ向けて出発していった。
「ふぅ、終わったぜ。何とか間に合ってよかった」
 昨日は、夜遅くまで1人で石鹸やらシャンプーやらの詰め替え作業だった。
 石鹸はビニールやら外箱やらをとって箱に詰めて、リンスインシャンプーやシャンプーやらは壷に中身を入れていくだけの単純作業ではあるんだけどな。
 それでも数が数だからさ、けっこう時間かかった。
 だけど、前に詰め替え作業をやったときよりは効率的だったぞ、
 それというのもリンスインシャンプーとシャンプーとトリートメントについては、なんと普通の詰め替えの6個分の超特大サイズの詰め替えがあったからな。
 前はなかった気がするんだけど、今回見たらあったんだよ。
 よく調べたわけじゃないけど、レベルが上がって地味に商品の数が増えたんじゃないかなって思ってる。
 基本はスーパーだから、商品が増えるっていっても地味にこういう詰め替えの種類が増えるとかなんだろうね。
 そういうのもあって大変ではあったけど、何とか徹夜まではしなくて済んだよ。
 とは言うものの……。
「ふぁ~、眠い」
 少し寝不足気味ではある。
 濃い目のコーヒーでも飲んでシャキッとしないとな。
 みんなに朝飯食わせたら、冒険者ギルドに行かなきゃならないしね。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 ここ数日ですっかり顔を覚えられているのか、冒険者ギルドに入ると、すぐに2階のギルドマスターの部屋に案内された。
「ちょっと座って待っててくれるか、すぐ終わるから」
 マルクスさんにそう言われて、座って待つ。
 職員の人と麻袋を確認しているから、俺に支払う買取代金の最終確認をしているみたいだ。
 それが終わって、マルクスさんが俺の向かいのイスに座った。
「すまんな、お前さんに支払う代金の確認してたもんでな、それでな……」
 買取の詳細が書いてある紙だろうか、マルクスさんがそれを確認している。
「えーと、詳細を説明するぞ。ダンジョン産の品の方だが、オークの睾丸×31で金貨24枚と銀貨8枚、ミノタウロスの鉄斧×15で金貨30枚、オークキングの睾丸×1で金貨13枚、レッドオーガの魔石(中)×1で金貨80枚、ジャイアントキラーマンティスの鎌×38で金貨76枚、マーダーグリズリーの毛皮×21で金貨52枚と銀貨5枚、ジャイアントセンチピードの外殻×3で金貨246枚、キラーホーネットの毒針×286で金貨143枚、ミミックの宝箱(小)×1で金貨188枚。そんで合計が金貨853枚と銀貨3枚だ」
 ダンジョン産の品だけでもけっこうな金額になったな。
「あとは地竜(アースドラゴン)の血なんだがな、1瓶金貨180枚で買取させてもらう。2瓶で金貨360枚だな。滅多に手に入らない一品だからな、かなり色つけさせてもらったぜ」
 おおっ、1瓶金貨180枚か。
 ドランで買取してもらったときより高いな。
「つうことで、両方あわせて〆て金貨1213枚と銀貨3枚だ。今回も大金貨で用意したぞ。確認してくれ」
 はいはい、えーと、大金貨121枚と金貨3枚と銀貨3枚、大丈夫あるね。
「はい、間違いなく」
 俺は買取代金をアイテムボックスにしまった。
 あ、商人ギルドのこと相談しないと。
「マルクスさん、ちょっとご相談があるんですが……」
 マルクスさんに商人ギルドがダンジョン産の品を買取したいと言って来ている旨伝えた。
「それでですね、商人ギルドでは特に宝石類を手に入れたいようなんですが、私はその辺の価値には疎くて……」
 ドランの商人ギルドであったことも話した。
「なるほどな。冒険者だとその辺は疎いわなぁ。というか、さすがはドランのウゴールだな。見識が高い」
「マルクスさんはウゴールさんを知ってるんですか?」
「まぁ、顔見知り程度にはな。それ有名な話だぞ、ドランのギルドは副ギルドマスターのウゴールがいるから持っているようなもんだってな」
 そうなんだ、知らんかった。
 でもドランのギルドがウゴールさんで持ってるってのは正しいね。
「あそこのギルドマスターは元Sランクの冒険者だが、自分の好きなことにはとことんこだわって仕事をするが変わり者だって聞くしな」
 …………エルランドさん、残念な噂が広がってますよ。
 まぁ、噂と言ってもほぼ正解なんですが。
 面倒なことはウゴールさん任せだし、ドラゴンのこととなると暴走するしね。
「ドランのギルドマスターのエルランドさんですね。確かに変わった方でした……」
「知ってるのかって、そうか。この街の前はドランにいたんだもんな」
「ええ、ドラゴンが大好きな非常に変わった方でしたよ、ハハハ」
 地竜(アースドラゴン)に頬ずりしそうだったもんな、あの人。
 悪い人じゃないんだけど、あの尋常じゃないドラゴンLOVEなところは正直ドン引きだった。
 ま、まぁここはエルランドさんの話はひとまず置いておいて。
「それでですね、できればここで宝石類の査定なんかをしてらっしゃる職員の方に一緒に商人ギルドへ行っていただければと思いまして。もちろん費用はお支払いしますので」
「ここのギルドで宝石類に一番詳しい職員といったら、あいつか。んじゃ紹介するから、付いてきてくれ」
 マルクスさんの後に付いて行って紹介されたのが、40代半ばのふっくらしたギルドの中でも古株といった感じの女性職員のカルロッテさんだった。
「このカルロッテがこのギルドでは宝石類に一番詳しいな」
「何なんです? ギルドマスター」
「実はな……」
 マルクスさんがカルロッテさんに事情を説明した。
「まぁまぁ、おもしろそうじゃないですか。ここのギルドで宝石類の買取依頼なんてめったにないし、これは腕が鳴るわ~」
 カルロッテさんもえらいノリ気だ。
「俺も後学のために立ち会わせてもらうぜ。いいか?」
「それは大丈夫ですけど、みなさんの予定はどうですか?」
 マルクスさんとカルロッテさんの予定を聞くと、明日の昼過ぎならということで、明日の昼過ぎにみんなで商人ギルドに行くことになった。
「それじゃ、明日の昼過ぎにまた来ますんで」
「ああ、待ってるぞ」
「待ってますからね~、楽しみだわぁ」
 マルクスさんとカルロッテさんに見送られて冒険者ギルドを後にした。




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