第二百四話 オーシャンビュー
「ほー、いいですね~」
庭に出ると、海が見えた。
一面のオーシャンビューだ。
商人ギルドの職員のデニスさんに案内されて物件を見せてもらっているところだ。
商人ギルドで冒険者ギルドのギルドマスターのマルクスさんの紹介状を見せたら、商業ギルドのギルドマスターが来てくれて、不動産部門を統括するデニスさんを紹介された。
それで、デニスさんにフェルたちと一緒に泊まれる一軒家を1週間程度借りたい旨伝えると、4つの物件を紹介された。
その中で気になった物件を順に見せてもらっているところだった。
1番いいなと思った物件はネイホフと同じ7LDKだったんだけど、実際見せてもらうと、屋敷は良かったんだけど、庭が思ってたよりも狭かった。
それと隣家も近いから、それがちょっとどうかなと思った。
今回は庭で海鮮バーベキューをしたいから、庭は広めの方がいいし、匂いなんかが届かないように隣家とも離れてる方がありがたい。
それで2番目にいいと思った物件が今見せてもらっている物件だった。
この物件は9LDKで、元は貴族の別荘だったらしい。
内装も貴族の別荘だっただけに広くてゴージャスな造りになっている。
もちろん風呂も立派なのがあるし、キッチンも魔道コンロ完備で広い。
街からは少し離れているが、フェルがいればそれほど問題ないだろう。
隣家とも離れてるし、庭も十分過ぎるほどに広い。
うん、気に入った。
あとはみんながどうかだね。
『おーい、フェルたちはこの家どうだ?』
フェルがいきなりしゃべったらデニスさんびっくりするだろうから、みんなに念話で聞いてみる。
『うむ、我でも悠々と動ける広さが気に入ったぞ』
『俺も気に入ったぜ。庭が広いのもいいな』
『スイも気に入った~』
みんなも庭も含めてのこの広さは気に入ってくれたみたいだ。
賃料は1週間で金貨73枚と最初に見た物件よりやや高いけど、それだけの価値はあるし、金はあるから問題ない。
それに紹介状があったから金貨70枚に負けてくれるようだしね。
よし、ここにしよう。
「デニスさん、ここに決めました」
「そうですか、ありがとうございます。それではお話したとおり金貨70枚となります」
俺はアイテムボックスから金貨70枚を取り出すと、デニスさんに渡した。
「はい、確かに金貨70枚あります。それでは、これがこの屋敷の鍵です」
デニスさんは俺に鍵を渡すと帰っていった。
『よし、飯だ飯。腹が減ったぞ』
『俺もいい加減腹減ったぜ』
『スイもお腹減ったよー』
言うと思ったよ。
昼飯時過ぎてるもんな。
「ちょっと待ってて」
飯は多めに炊いたから残ってるし、あと確か作り置きしてた揚げ物類とかハンバーグ、野菜炒めなんかが半端な量で残ってたはずなんだ……。
お、あった。
野菜炒めはニンニクの利いたタレで炒めてあるから、残ってる飯の上に載せてスタミナ野菜炒め丼に。
あとは残ってる揚げ物を皿に盛って出した。
フェルとスイがおかわりしたら、旅の為に作り置きしてたものが全部なくなったよ。
昼飯の後は、時間的にも中途半端だからみんな自由に過ごすことにした。
フェルだけは『ぬ、クラーケンを狩りに行かないのか?』とか言ってたけど、今からの時間じゃねぇ。
明日にってことで我慢してもらったよ。
結局みんなは昼寝することにしたみたいで、リビングでグデンと横になったフェルに寄りかかってドラちゃんとスイも寝ている。
俺はというと、ダンジョン産の品の確認をしようと思う。
とは言っても、元々のリストはあるから、そこからドランで売ったものを引いていくだけなんだけどね。
さてと、やりますか。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ダンジョン産の品を確認してたんだけど、けっこうというかかなり残ってるね。
というか、よくよく確認したら肉が残ってたよ。
ミノタウロスの肉がさ。
ドロップ品の肉って魔物にもよるけど、たいした量じゃないんだよね。
大量に消費する俺たちからしてみると。
だいたいが1~2キロで大きくても3キロくらいの肉の塊だから、1食分にも満たない。
だから全部使い切ったと思ってたんだけど、ミノタウロスの肉が11個ほど残ってたよ。
よし、これは今晩の飯に使おう。
そのほか残ってたの整理してみたら、こんな感じだ。
ヴェノムタランチュラの毒袋×3
オークの睾丸×31
トロールの毒爪×48
ミノタウロスの角×49
ミノタウロスの鉄斧×15
オークキングの睾丸×1
レッドオーガの魔石(中)×1
スプリガンの魔石(大)×5
ジャイアントキラーマンティスの鎌×38
マーダーグリズリーの毛皮×21
マーダーグリズリーの魔石(大)×3
コカトリスの羽×7
ロックバードの嘴×10
ロックバードの羽×13
パラライズバタフライの麻痺毒の鱗粉×27
ジャイアントドードーの羽×9
ジャイアントセンチピードの外殻×3
ジャイアントセンチピードの魔石(大)×2
ワイルドエイプの毛皮×41
キラーホーネットの毒針×286
キラーホーネットのローヤルゼリー×1
ヴァースキの牙×1
ヴァースキの皮×1
ヴァースキの魔石(特大)×1
マンティコアの皮×1
マンティコアの毒針×1
マンティコアの魔石(特大)×1
ギュスターブの皮×1
ギュスターブの牙×1
ギュスターブの背骨×1
ギュスターブの魔石(特大)×1
ジャイアントサンドスコーピオンの毒針×6
ジャイアントサンドスコーピオンの魔石(中)×3
サンドワームの歯×8
サンドワームの魔石(大)×4
デスサイドワインダーの皮×7
デスサイドワインダーの毒袋×5
デスサイドワインダーの魔石(大)×3
ジャイアントサンドゴーレムの魔石(特大)×1
ベヒモスの皮×1
ベヒモスの魔石(超特大)×1
ベヒモス(ダンジョンボス)の宝箱×1
ミミックの宝箱 (小)×1
(大)×2
宝箱、ドロップ品の宝石類
サファイア(中粒)×1
アレキサンドライト(中粒)×1
イエローダイヤモンド(大粒)×1
タンザナイトのネックレス×1
消費した肉と宝箱にあったマジックアイテムは自分で使ってたり売ったりしてるから外した。
解毒のネックレスは王様に献上したしね。
あと魔剣カラドボルグもヤバいから外したよ。
こうやってみるとだいぶ残ってるよなぁ。
このうちどれだけ買取してもらえるかわからんけど、残ってるのを書き写したリストをマルクスさんにあとで渡しておこう。
よしと、あとはやることもないし、ダンジョン産のミノタウロスの肉を使って今日の夕飯の準備でもするか。