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第百六十一話 ジャイアントタレポ実食

 さてと、飯の用意をしますかね。

 今日使うのはもちろん、ジャイアントタレポの肉だ。

 実を言うと前にダチョウの肉は食ったことがある。

 居酒屋だかで、メニューの中にダチョウの肉があって珍しさから頼んでみた。

 癖のない赤身肉で割と美味かったと記憶している。

 その時に食ったのを再現しようと思う。

 作るのは、たたきとカツレツだ。

 ダチョウの肉って実は生でも食えるらしいのだ。

 俺がダチョウ食ったときの居酒屋のメニューの説明書きに書いてあったし、たたきの他にもユッケやカルパッチョがあった。

 たたきにしようかユッケにしようかカルパッチョにしようか迷ったから覚えてる。

 ちなみにだが、たたきもカツレツもビールによく合ったぞ。

 まずは、ネットスーパーで材料調達だ。

 たたきはポン酢をかけていただこうと思ってるから、ポン酢を購入。

 カツレツの方は、俺が豚肉で作ってたミラノ風カツレツの要領で作るつもりだ。

 そうなると小麦粉とハーブソルトはあるから、足りないのは卵とパン粉と粉チーズ、それからオリーブオイルとお好みでレモンかけても美味いから一応レモンもだな。

 それと忘れちゃいけないビールだな。

 先にたたきを作っていくか。

 出来たらアイテムボックスにしまっておけばいいし。

 あ、そうだ、それならフェルに頼んどかないとな。

「フェルって氷魔法できたよな?」

『ぬ、氷魔法か? できるぞ』

「それって料理に使っても大丈夫か?」

『我のならば問題ないな』

「じゃ、ここにちょっと氷作ってくれるか」

 俺はみんなに料理を作るようになってから必需品になりつつあるデカいボウルをフェルに差し出した。

『分かったぞ。ほれ』

 ボウルの中にゴンッとデカい氷の塊が落ちた。

「で、デカいな……。こりゃアイスピック買って少し砕かないとダメだな」

 そう言うとフェルが『それだと大き過ぎるのか?』って聞いてきたから「そうだ」って言ったら、何かいきなり氷が砕けて粉々になった。

 唖然としていると『それで大丈夫か?』ってフェルが言うから、思わず何度も頷いちゃったぜ。

 魔法なんだろうけど、いきなり砕けるとか怖えよ。

 気を取り直して、ジャイアントタレポのたたきを作っていこう。

 まずはジャイアントタレポの塊肉に塩胡椒をしたら、オリーブオイルをひいたフライパンで肉の表面に焼き色が付くまで焼いていく。

 そしたら、さっきフェルに作ってもらった氷で作った氷水で肉を冷やす。

 その後はキッチンペーパーで肉の水気を拭き取り、5ミリくらいの厚さで切ったら皿に並べてポン酢を掛ければ出来上がりだ。

 端っこをちょっと味見してみる。

 おおっ、もっちりとした食感がたまらん。

 ジャイアントタレポはダチョウがデカくなった外見だったから、前に食ったダチョウを想像してたけど、それともちょっと違うな。

 牛肉の赤身に近い気もするけど、とにかく癖がなく食いやすい。

 ポン酢ともよく合ってるよ。

 とにかく脂身がほとんどない赤身でさっぱりした肉だから、揚げ物もいいかもしれん。

 こりゃカツレツは期待できるな。

 ひとまずたたきをアイテムボックスにしまおうとすると……。

『おい、何故しまう? こちらによこせ』

 あー、腹減り軍団が待ち切れなかったようです。

「もう一品作るつもりだから、一緒に出そうかと思ったんだけど、先の方がいいか?」

『よこせ』

 はいはい。

 俺はジャイアントタレポのたたきの載った皿をフェル、ドラちゃん、スイの前に置いた。

『おおっ、これはこの食感がたまらんな』

 フェル、分かってんじゃん。

 中は生だからもっちりしてるんだよな。

『こりゃ、さっぱりしてるからいくらでもいけるなー』

 ドラちゃんも気に入ってくれたか。

 ポン酢合うよなーこれ。

『あるじー、おかわりは?』

 早いな、スイはもう食っちゃったのか。

 俺はすぐにたたきのおかわり分を作って出したら、カツレツを作り始める。

 まずはパン粉をビニール袋に入れて叩いて細かくしてバットにいれて、そこに粉チーズとハーブソルトを混ぜておく。

 そしたらジャイアントタレポの肉を叩いて薄く伸ばして塩胡椒を振る。

 肉に小麦粉をつけて、溶き卵をつけて、あらかじめ作っておいた粉チーズ入りのパン粉をつける。

 フライパンに1センチくらいまでオリーブオイルを入れて熱し、粉チーズ入りのパン粉をつけたジャイアントタレポの肉を揚げ焼きにしていく。

 こんがりきつね色になったら出来上がりだ。

 衣に粉チーズとハーブソルトで味がついてるから、そのままでOKだ。

 お好みでレモンをかけても美味いぞ。

 どんどん揚げ焼きにして、フェルとスイには3枚ずつ、ドラちゃんには1枚皿に盛って出してやる。

「そのままでもいいけど、レモンっていう酸っぱい果汁かけても美味いぞ。どうする?」

『次のおかわりでかけてくれ』

『俺はこのままでいいや。そんで、これ食ったら俺は腹いっぱいだ』

『スイも次のおかわりのとき酸っぱいのかけてー』

 はいよ。

 ジャイアントタレポのカツレツをフェルとスイのおかわり分くらい揚げ焼きしたところで俺も食い始める。

 自分用にとっておいたたたきとミラノ風カツレツ。

 それと、これだよね……プシュッ、ゴクゴク。

 ふ~、ビール美味い。

 もっちり食感のさっぱりしたたたきを食ったあとに、ビールをゴクリ。

 いいね~。

 この組み合わせ、暑いときにやったら最高かも。

 カツレツはまずはそのまま一口。

 サックサクで美味いな。

 あと衣の粉チーズが利いてて美味い。

 さっぱりした肉だから揚げてあってもどんどんいけそう。

 ああ、ビールビール。

 ゴクゴクゴク、プハ~。

 揚げ物とビールって何でこんなに合うんだろうねぇ。

 おっと、レモンをかけて食ってみねば。

 残っているカツレツにレモンをかけて食ってみる。

 レモンの酸味が利いて更にさっぱり食えるな。

 うんうん、美味い。

『『おかわり』』

 フェルとスイにレモンをかけたカツレツを出してやる。

 嫌いではないが、フェルもスイもレモンなしの方がお好みのようだ。

 レモンなしのカツレツをおかわりしたところで、フェルもスイも腹いっぱいになったようだ。

 ジャイアントタレポのカツレツはパンにも合いそうで、ケチャップを付けてレタスかキャベツと一緒にパンにはさんでもいけそうだ。

 ということで、作り置きとしてジャイアントタレポのカツレツを作ってアイテムボックスにしまった。

 その後、フェルの布団を獣舎に敷いて俺とスイは部屋に戻った。

 スイはお腹いっぱいになって寝てしまったけど、俺はまだやっておきたいことが。

 マジックバッグの性能を試すためにも、味を染み込ませるものをね。

 作るのは定番の味噌漬けだ。

 今回はオーク肉だけじゃなくブラッディホーンブルの肉も漬けておこうと思う。

 肉を切っては漬けてを繰り返して、ジッパー付きの特大サイズのビニール袋に漬けダレと肉が入ったものがいくつもできあがっていた。

 それをマジックバッグに入れてと。

 明日、早速味噌焼き丼にでもしてみよう。

 あとは、ひき肉を作っておきたい。

 スイに作ってもらったミンサーは調子いいからな。

 ハンドルも軽いし、すぐに大量のひき肉が出来るだろう。

 俺は、オークとブラッディホーンブルのひき肉を大量に作り一仕事終えた後に眠りについた。






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― 新着の感想 ―
[良い点] 肉挽き器は、使用後にちゃんと熱湯で洗わないと獣脂とか着いていろいろ不衛生かつ動作不良の一因になりそう。
[良い点] 氷をサクッと砕いてくれるフェルのスパダリ感は、ムコーダさんへの優しさと思ってトゥンクしたけれど、多分美味しい食への手助けをすることへの惜しみ無さなのよね [一言] 鳥の生肉は怖~と思ったけ…
[一言] ムコーダさん、ほんとよく働くよなぁ
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