挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連(旧 妖精壱号)
17/339

第十七話 大量の肉と大金を手に入れた

 翌朝、俺はフェルと一緒に冒険者ギルドに向かった。
 買取窓口に直接向かうと、昨日の厳ついおっさんがいた。
 「おはようございます」
 「おう、用意できてるぞ。肉が大量にあるから倉庫に置いてある。付いて来い」
 俺とフェルはおっさんの後について行く。
 倉庫には肉が山積みになっていた。
 「これが頼まれてた肉だ」
 おお、これだけあればいくらフェルが大食らいだっていってもしばらくは持つだろう。
 俺は早速肉をアイテムボックスに入れていく。
 「昨日も思ったが、お前、けっこうな容量のアイテムボックス持ちなんだな」
 おっさんにそう言われたが、適当に「はぁ」と答えておいた。
 肉の方が大事だから、今は自重しないぜ。
 それにこのおっさんには昨日の時点でバレてるしな。
 そもそももうここの冒険者ギルドに来ることもないだろうから、このおっさんにはもう会うこともないだろうし。
 この街からも今日か明日中には出て行く予定だし。
 長居は禁物だぜ。
 「じゃあ次は買取の精算だな」
 肉をアイテムボックスに入れ終わると、おっさんがなにやら重そうな麻袋を俺の前に置いた。
 「えーっと、内訳だが、まずはオークだ。オークは肉以外の素材となると睾丸なんだが、左右一対×5で金貨2枚と銀貨5枚だ。次がレッドボアだ。素材が皮×2と牙×4で金貨2枚と銀貨4枚。そして、コカトリス。これは肉が一番高値だったんだが、それ以外となると羽だけになる。その羽も少々傷があったからコカトリス3羽分の羽で銀貨5枚だな」
 何でもオークの睾丸は精力剤の原料の1つで、1本の精力剤を作り出すのに左右一対の睾丸が必要なんだそうだ。
 いくら精力がつくと言われても俺だったら御免だが、出来上がった精力剤はけっこうな額らしいがとても人気があるとのこと。
 レッドボアの皮は靴や鞄、ベルトの素材として人気だし、牙は工芸品に使われるそうだ。
 コカトリスの羽は枕に用いられるそう。
 「次はロックバードだな。これは嘴と羽で金貨7枚。次のジャイアントドードーも嘴と羽だな、それとこいつには小さめだが魔石があったからそれも入れて金貨22枚だ。そしてジャイアントディアーだ。素材は角と皮、こいつにも魔石があったからそれを入れて金貨28枚だ。こいつ等はBランクの魔物だが、ドードーとディアーの両方に魔石があったのは幸運だったな」
 ロックバードの嘴と羽は弓の矢の材料になるそう。
 これで作った矢はそのまま使ってもけっこうな貫通力があるうえに風魔法を乗せやすい性質もあるから弓使いにとっては垂涎の矢なのだそうだ。
 ジャイアントドードー(翼が退化したデカい飛べない鳥)の嘴と羽は、嘴は魔法具(いろいろな効果を持たせたペンダントやブレスレット、指輪になるみたいだ)の材料になるし羽は高級羽毛布団の材料だそうだ。
 ジャイアントディアー(とにかくデカい鹿だ)の角は魔法使いの杖の良い材料になって、皮は革鎧の材料になるそうだ。
 ジャイアントドードーとジャイアントディアーからとれた魔石というのは魔力の詰まった石で、その属性によっていろいろな使い道があるそう。魔石はBランク以上の魔物からしか取れないため、高額で取引されることが多いということだ。
 それから、Bランクのすべてが魔石持ちではなく約3割が魔石持ちと言われていて、Aランク以上でようやく大小はあれどすべての魔物が魔石持ちとなるそうだ。
 「そしてAランクの2匹だな。俺もAランクは久しぶりにお目にかかったぜ。ブラックサーペントは毒袋、肝、牙、目玉、皮だな、それからなかなかいい魔石がとれたからからそれ込みで金貨64枚だ。次がマーダーグリズリーだが、肝、爪、毛皮、それとこれからは大きめの魔石が取れたから金貨78枚だ。さすがはAランクだ」
 ブラックサーペント(黒くてデカい蛇)の毒袋はまぁいろいろ使い道があるんだそうで(怖くて聞けなかったが)肝は滋養強壮の薬の材料になるそう。
 それから牙は魔道具の材料、目玉は杖の材料、皮は高ランク冒険者が使うような革鎧の材料になるそうだ。あとこれからとれた魔石は水属性でなかなかの大きさだったようだ。
 マーダーグリズリーの肝はこれも薬の材料になるってことで、爪は魔道具、毛皮は貴族たちが敷物としてこぞって買い入れていくそうだ。
 それと魔石だが、これはけっこうな大きさがあったそうで一番高値だということだった。
 「全部で金貨204枚と銀貨4枚だ。そこから解体費用、今回は高ランクの魔物を多く回してくれたから少し割り引いて金貨2枚と銀貨4枚でいい。それを差し引いてちょうど金貨202枚だ。多くてもみんな金貨で欲しがるからそれで用意したけど、白金貨と大金貨の方がよければちょっと待ってもらえれば用意するぞ」
 「い、いえ、金貨でいいです」
 いろいろ買い物して街の店を覗いたりした結果、市井では大金貨とか白金貨は使われてないようだし、金貨10枚以上の値段のものでも大金貨とは表示されてなかった。
 おそらく大金貨とか白金貨は貨幣としてはあるけど、あまり出回ってないんじゃないかと思っている。
 それにしても、金貨200枚超えとはね……。
 俺、何もしてないんだけど。
 とりあえずもらえるものはもらっとくけど。
 後でフェルに異世界の肉でも食わせてやるか。
 「ああ、それとよ、知り合いに聞いてくれって頼まれたんだけど、お前の従魔はフェンリルで間違いないんだよな?」
 おっさんが俺の後ろで我関せずであくびをしているフェルを見ながら聞いてきた。
 そうだけど、何か?
 「実はな、そいつがグレートウルフだって言うヤツもいるんだよ」
 何でも「フェンリルを従魔にしたヤツが街に来たって」って噂はみんな聞いて知っているんだが、フェンリルみたいな伝説の魔獣が人に従うわけがないって言うヤツもいて、フェンリル説とグレートウルフ説が半々なんだそう。
 グレートウルフっていうのはAランクの魔物で、フェルくらいの大きさのグレーの毛並みの狼らしい。
 「そもそもフェンリルを見たことがあるヤツなんていやしないからな。でも、俺もこの仕事の前はそれなりの冒険者だった。その俺から言わせれば、その佇まいを見ただけでフェンリル以外考えられんがな」
 フェンリル説とグレートウルフ説か。
 いいこと聞いたかも。
 これからはフェルのこともあってあまり大きな街へは入らない方がいいと思ってたんだけど、それでもどうしても入らなきゃいけないときなんかはグレートウルフですって言っとく手もあるかも。
 それでもグレートウルフがAランクの魔物だから驚かれるだろうけど、フェンリルって言うよりはマシだろう。
 おっさんは分かっているみたいだから、俺はフェルがフェンリルだとも違うとも言わずに買取代金ももらって倉庫を出た。
 そして、今日も昨日と同じく冒険者たちの視線をすり抜けそそくさとフェルと共に冒険者ギルドを後にした。
 「フェル、この街での目的も果たしたから、この街を出ようと思うんだけどどうだ?」
 『我はどちらでもいいぞ。美味い飯さえ食わせてくれればな』
 あ、そうですかい。
 「じゃ、行くか」
 こうして俺たちはファリエールの街を後にした。




+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ