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第百五十三話 ひき肉料理と食後のデザート

「お待たせー」

『遅いっ』

『また遅れやがってー』

「ごめんごめん。すぐ作るから怒るなって」

 スイに作ってもらったミンサーで挽いたオークジェネラルとブラッディホーンブルのひき肉がたくさんあるからひき肉料理を作ろう。

 何がいいかな、簡単に作れるひき肉料理っていうと……。

 あ、ひき肉たっぷりのオムレツとなすとひき肉のチーズ焼きにしよう。

 ネットスーパーで買うのは、玉ねぎとなすだろ、あとは卵にチーズとミートソース缶にケチャップ、それから大きめの耐熱皿を何枚か買ってと。

 とりあえず先にオムレツ作って出してやるか。

 玉ねぎをみじん切りにして、油をひいて熱したフライパンで半透明になるまで炒めたら、オークジェネラルとブラッディホーンブルの合いびき肉を加えて少し炒めたところで、軽く塩胡椒を振り醤油と砂糖で味をつけていく。

 それを汁気がなくなるまで炒めたら、皿に取り出して少し冷ましておく。

 熱したフライパンにバターを溶かしてそこに溶き卵を流しいれ数回かき回して半熟状態になったら、その上に炒めておいたひき肉をたっぷり載せる。

 そしたらフライパンにふたをするように皿を載っけてフライパンをひっくり返して、特大オムレツの出来上がりだ。

「ま、まぁこんなもんかな」

 ちょっと卵がやぶれちゃったのはご愛嬌ってことで。

 それを三つ作って、それぞれにケチャップをかけてひき肉たっぷりの特大オムレツをみんなに出してやった。

「とりあえずこれ食っててよ」

 魔道コンロが4つ口でしかも火力か強いからこういう時便利だね。

 さすがに炒め物だから2口しか使ってないけどさ。

 ひき肉も大量に炒めることが出来たよ。

『卵と肉か。これはこれでなかなか美味いな』

『ああ、卵がトロっとしてるのもウメェな』

『卵とお肉美味しいね』

 オムレツ気に入ってくれたようで良かったよ。

 みんながオムレツ食ってる間に次はなすとひき肉のチーズ焼きだ。

 まずなすを皮付きのまま半月切りにする。

 そしたら熱したフライパンに油をひいて、軽く塩胡椒をしたオークジェネラルとブラッディホーンブルの合いびき肉を炒めていく。

 ひき肉の色が変わったらなすを入れて、なすがしんなりしてきたらミートソースを投入。

 ミートソースは味が濃いから味を見ながら量を調節してな。

 ミートソースを全体に絡めるように炒めて、なすにも十分火がとおったらそれを耐熱皿に入れる。

 その上にとろけるチーズをたっぷり載せてオーブンでチーズが溶けてうっすら焼き色がつくまで焼いたら、なすとひき肉のチーズ焼きの完成だ。

「はい、熱いから気をつけてな」

『アチッ、アチチッ……ハフッ、けろ、これウメェな』

 ドラちゃんがハフハフ言いながら食っている。

 何だか風があるなと思ってると、フェルが風魔法で冷ましてた。

『うむ、これくらいなら大丈夫だろう。どれ……アツッ、まだちと熱いがなかなか美味いな』

 スイは熱くても割りと平気なのか、耐熱皿ごと取り込んでいる。

『とろっとしたのがかかってて美味しいよ。あとお肉もいっぱい入ってて美味しー』

 スイはチーズ好きだもんねぇ。

 ああ、和んでる場合じゃない、次の特大オムレツ作っとかないと。

 ひき肉たっぷり特大オムレツとなすとひき肉のチーズ焼きを何度か作ってようやくみんなの夕飯が終わった。

 俺が1人でゆっくり夕食を食っていると……。

『ねーねーあるじー、スイのご褒美まだぁ?』

「あー、ちょっと待っててね」

『ぬ、褒美とは何なのだ?』

『そうだよ、褒美って何だよ?』

 フェルとドラちゃんが耳ざとく俺とスイの話を聞いていた。

「ああ、それな……」

 フェルとドラちゃんがずずいっと顔を寄せてくる。

『褒美とは何だ?』

『そうだぞ、何なんだ?』

「いや、えっとな、って顔近いから。落ち着けよ。あのな、さっきスイには調理器具を作ってもらったんだよ。それのご褒美。ちゃんとフェルとドラちゃんにも同じものやるから」

『してその褒美とは?』

『褒美とは?』

「ケーキだよ」

『ケーキとはニンリル様に捧げているあの白くてフワフワして甘いやつか?』

 そう言えば、フェルにはケーキ食わせたことあるんだったぜ。

 それにフェルは割と甘いのもいけるんだった。

 あんぱんとかもバクバク食うし。

「そうだよ。あのな、俺が異世界のもの取り寄せられるスキル持ってるの知ってるだろ? 実はあれがレベルアップして、ケーキ、前に食わせたのよりも美味いやつが取り寄せられるようになったんだ」

 一応みんなにも言っておく。

『なぬ? そうなのか?』

「ああ。スイは甘い物好きだからさ、調理器具を作ってくれたご褒美というかお礼というかな。もちろんフェルとドラちゃんの分もあるから心配すんな」

『フンッ、心配などしとらんわ』

 もらえないかもって心配してたくせに強がっちゃって、ハハ。

 ここは美味しそうなケーキを用意してやらんとな。

 スーパーに売ってるやつより種類も多そうだし、さて、何がいいかな……。

 ネットスーパーの不三家のメニューを開いて、えーっと、どれどれ……。

 やっぱりオーソドックスにイチゴのショートケーキは外せないでしょ。

 それから、お、抹茶フェアなるものもやってるのか。

 でも、スイが苦いのが嫌いだから抹茶はなしだな。

 お、このホワイトチョコケーキってのとブルーベリーのタルトが美味そうだな。

 それから不三家のカスタードプリンは欠かせない。

 ケーキを見てたら俺もついつい食いたくなって、俺用に抹茶のショートケーキをカートに入れた。

 よし、これでいいか。

 精算するといつものように段ボールが現れた。

 段ボールを開くと、中にはあのケーキ持ち帰りの箱が入っていた。

 それを開けるとケーキとプリンが入っていて、ご丁寧に保冷材まで入ってたよ。

 ケーキは包みを取り除いて皿に並べてやった。

 プリンは容器の周りに空気を入れてポンっと皿に出してやる。

 ま、まぁちょっと崩れちゃったけど、味は変わらんだろう。

「はい」

『うむ』

『おおっ、これがケーキってもんか。どれどれ……』

『わーい』

 みんな早速食い始める。

『うむ、やはりこの白くて赤い果実が載っているものが一番美味いな』

 フェルの好みはイチゴのショートケーキか。

『な、な、なんだこれッ?! このプルプルしたやつすっげぇウメェ。おいっ、これもっとくれよっ!』

 あ、ドラちゃんはプリンがものすごく気に入ったようだね。

 でも、おかわりは止めといた方がいいぞ。

 ケーキ3個にプリンはドラちゃんにはちょっと食い過ぎなんだから。

『ケーキ甘くって美味しーね! スイ、もっともーっと食べれるよ!』

 うん、スイは甘いの好きだもんね。

 もっと食べれるかもしれないけど、これ以上はダメだぞ。

 さて、俺のチョイスは抹茶のケーキだが、これに合わせるのはやはりコーヒーをブラックでだろうな。

 だがブラックで飲むならインスタントじゃない方がいいな……あっ。

 俺はネットスーパーを開いて目的のものをみつけて購入した。

 今はこういう便利なもんがあるからいいよな。

 俺が買ったのは、ドリップバッグコーヒーだ。

 お湯を注ぐだけで本格コーヒーが楽しめる。

 これをカップにセットしてと。

 あ、そういえば前にたまには美味いコーヒーが飲みたくてネットでドリップバッグコーヒーの詰め合わせ買ったときに、ドリップバッグコーヒーの美味しい淹れ方が書いてあったような……。

 確か最初はちょろちょろお湯を注いでコーヒー全体にお湯を染みわたらせて蒸らして、それからゆっくりお湯を注ぐのがいいんだったはず。

 アイテムボックスに保管してあったお湯をコーヒーの美味しい淹れ方にそって注いでいく。

 コーヒーの香りが辺りにふわっと立ち込める。

 ん~いい香りだ。

 一口。

 あー、やっぱインスタントとは違うな。

 抹茶ケーキをパクリ。

 このほろ苦さが大人の味って感じでいいね。

 そこでまたコーヒーを。

 あー美味い。

 やっぱケーキにはコーヒーかな。

『なあ、おいっ、このプルプルしたのもっとくれってば!』

『あるじー、スイねもっともーっとケーキ食べれるのっ!』

 うん、ドラちゃんもスイもちょっと静かにおし。

 なんかドラちゃんはプリンにハマったみたいだし、スイも甘い物食ってテンション上がってるね。

 テンション上がってると言えば、何か忘れてるような…………。

 ………………あ、残念女神。

 あー、あの人(神)絶対全種類よこせとか言い出しそう。

 不三家のことは内緒にって、ダメだな。

 今も覗いてそうだし。

 はぁ、メンドクセ。

『なぁってば、このプルプルしたのっ!』

『もっともーっとケーキ食べれるのっ!』

 ……ハァ。






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― 新着の感想 ―
[良い点] >>やっぱケーキにはコーヒーかな。 同意+1、ケーキにはコーヒーが最高だよね!
[一言] 残念女神はこれを見ていて、不〇家のケーキを大量に欲しがるに違いない。
[気になる点] やはりトイレ事情 [一言] その辺は触れるのタブー? かもですが あれだけ食べると出る物も、そうとうな気が・・・ フェルとかブラックサーペント並みの出て スイがそれ見て「フェルおじちゃ…
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