第百五十二話 大量のドロップ品
『ねぇねぇあるじー、スイにお願いってなぁに?』
「ああ、それはな……」
俺はアイテムボックスの中からミンサーを取り出した。
大量のひき肉を作るのに酷使したから既にガタがきている。
買ってからそんな経ってないんだけど、かなり酷使したからなぁ。
「これを作ってもらいたいんだ」
そう言ってスイにミンサーを渡した。
『うーんと、ちょっと待っててね』
スイはミンサーを体に取り込んで調べている。
「それでね、できればそれよりも大きく作ってくれると嬉しいな」
手でこれくらいと1.5倍くらいの大きさをスイに示した。
『これを大きくかぁ。難しいけど、スイがんばってやってみるー』
いろいろ部品もあるし、難しいみたいだけどやってくれるようだ。
「それじゃ、これでお願いな」
ミスリル鉱石をスイに渡すと、それを取り込んでいった。
調理器具の中で一番作ってもらいたかったのは実はこのミンサーなんだよね。
上手くいくといいけど。
ミスリル製ならきっと丈夫だろうし、何よりスイに作ってもらえれば切れ味抜群だからひき肉を作るのも楽になると思うんだ。
ミスリル包丁は切れ味が良すぎて(ヘマやったら指がスパッと無くなりそうってのもあるけど、多分まな板が保たないような気がする)諦めたけど、これなら切れ味が良くて悪いことはないからね。
あと調理器具ではフライパンを今のより大きめのものを作ってもらおうかと考えている。
今でも不便はないんだけど、もう少し大きいのがあるといいなと思ってたからさ。
鍋もちょっと考えたんだけど、あれ以上大きくするとコンロの位置がもう少し下にないと鍋をかき回すときに支障がでそうなんだよね。
それを考えると、今の半寸胴鍋が大きさもちょうどいいし個数もそろってるから特に新しく作ってもらう必要もないかなと思ってる。
とりあえずミンサーの次はフライパンで、あとはその都度必要なものをスイに作ってもらえればと考えてる。
それにしてもスイはカワイイ上に優秀だよ。
ご褒美の不三家のケーキはいっぱい食わせてやろう。
さてと、俺はドロップ品の整理に着手せねば。
うーん、それにしても大量にあるなぁ。
まずは一番多くある皮から整理していくか。
オークの皮が、1、2、3、4、5………………123、124、125枚と。
オークの皮は全部で125枚あった。
オークはたくさんいたからなぁ。
次がリザードマンの皮か。
1、2、3、4、5………………61、62、63枚、これで最後かな。
リザードマンの皮が63枚。
リザードマンはオークの半分くらいで少なめだな。
63枚で少ないってのもあれだけど。
次はオーガの皮が、1、2、3、4、5………………100、101、102枚か。
オーガも100枚超えの102枚。
オーガも多かったからな。
お次はトロールだ。
トロールも多くいたからたくさんありそうだ。
1、2、3、4、5………………111、112、113枚か。
トロールも113枚か。
俺はドロップ品の整理を続けた。
『あるじー、お腹減ったー』
「あ、ごめんごめん。昼飯時か。フェルとドラちゃんとこ行こうか」
『あのね、まだ終わってないのー』
「あ、いいよいいよ。ご飯食べてからで大丈夫」
『分かったー。それじゃ、ご飯食べたらまたやるね』
スイと一緒にフェルとドラちゃんがいる獣舎に向かった。
『遅いぞ』
『遅いっ』
フェルもドラちゃんも待っていたようでちょっと不機嫌だ。
「ごめんごめん。お詫びに好きなもの作ってやるから許してくれよ」
『おお、それなら昨日の地竜の飯がいいぞ』
『そりゃいいな。あれめっちゃ美味かったもんなぁ』
昨夜の地竜の焼き肉丼か。
みんな相当気に入ってたもんな。
確かにすごく美味かったし。
好きなものって言っちゃったし、しょうがない地竜の焼き肉丼にするか。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
地竜の焼き肉丼の昼飯を食ったフェルとドラちゃんは満足したみたいで、昼寝してるよ。
俺とスイは昼飯を挟んだら再び作業開始だ。
俺はドロップ品の整理を、スイはミンサー作製を始めた。
「それにしても、こうやって整理してみるとかなりのもんあったんだなぁ……」
あきれるほどに大量のドロップ品があった。
まぁ、みんないろんな魔物倒したもんな。
今日中に整理つけたいし、がんばろ。
「ふ~、やっと終わったぜ……」
ドロップ品の整理を続けて、ようやく整理したドロップ品の結果がこうだ。
ヴェノムタランチュラの毒袋×3
オークの肉×56
オークの睾丸×31
オークの皮×125
リザードマンの皮×63
オーガの皮×102
オーガの魔石(極小)×21
トロールの皮×113枚
トロールの毒爪×48
トロールの魔石(小)×23
ミノタウロスの肉×42
ミノタウロスの角×49
ミノタウロスの皮×88
ミノタウロスの鉄斧×15
ミノタウロスの魔石(小)×20
オークキングの睾丸×1
レッドオーガの魔石(中)×1
スプリガンの魔石(大)×5
ジャイアントキラーマンティスの鎌×38
ジャイアントキラーマンティスの魔石(小)×7
マーダーグリズリーの毛皮×21
マーダーグリズリーの魔石(大)×3
コカトリスの肉×10
コカトリスの羽×7
ロックバードの肉×6
ロックバードの嘴×10
ロックバードの羽×13
パラライズバタフライの麻痺毒の鱗粉×42
ジャイアントドードーの肉×3
ジャイアントドードーの羽×9
ジャイアントセンチピードの外殻×3
ジャイアントセンチピードの魔石(大)×2
ワイルドエイプの毛皮×61
キラーホーネットの毒針×286
キラーホーネットのローヤルゼリー×1
ヴァースキの牙×1
ヴァースキの皮×1
ヴァースキの魔石(特大)×1
マンティコアの皮×1
マンティコアの毒針×1
マンティコアの魔石(特大)×1
ギュスターブの皮×1
ギュスターブの牙×1
ギュスターブの背骨×1
ギュスターブの魔石(特大)×1
ジャイアントサンドスコーピオンの毒針×6
ジャイアントサンドスコーピオンの魔石(中)×3
サンドワームの歯×8
サンドワームの魔石(大)×4
デスサイドワインダーの皮×7
デスサイドワインダーの毒袋×5
デスサイドワインダーの魔石(大)×3
ジャイアントサンドゴーレムの魔石(特大)×1
ベヒモスの皮×1
ベヒモスの魔石(超特大)×1
ベヒモス(ダンジョンボス)の宝箱×1
ミミックの宝箱 (小)×1
(大)×2
宝箱、ドロップ品の宝石類
ルビー(小粒)×1
エメラルド(小粒)×1
アクアマリン(小粒)×1
ガーネット(小粒)×1
アメシスト(小粒)×2
ペリドット(小粒)×1
金のインゴット×1
インペリアルトパーズ(中粒)×1
サファイア(中粒)×1
アレキサンドライト(中粒)×1
ダイヤモンド(大粒)×1
ダイヤモンド(中粒)×2
ダイヤモンド(小粒)×2
イエローダイヤモンド(大粒)×1
ダイヤモンドの指輪×1
タンザナイトのネックレス×1
宝箱にあったマジックアイテム
マジックバッグ(小)×1
マジックバッグ(中)×1
魔力回復の指輪×1
解毒のネックレス×1
ダンジョンボス(ベヒモス)の宝箱にあった魔剣カラドボルグ
整理してて自分でもびっくりしたよ。
こんなにあったなんてさ。
でも、フェルとドラちゃんとスイがバンバン魔物倒してたからねぇ。
俺はほとんどドロップ品拾い係に徹してたし。
いやぁ、ホントにこれどうしようって感じだよ。
エルランドさんが皮は引き取ってくれるようなこと言ってたけど、さすがにこの量全部はね……。
それに宝石類も思ったよりも多かったし。
まぁその辺はエルランドさんにもちょっと相談してみよう。
とりあえずはドロップ品の整理終わったぜ。
『あるじー出来たよー』
「おっ、できたか」
スイからミンサーを受け取る。
おお、なかなかいい出来じゃないか。
早速試しに使ってみることにした。
まずはオーク肉のひき肉を……。
おお、おおっ、これはすごいぞっ。
肉を入れてハンドルを回して肉を挽いていくんだけど、そのハンドルが軽い軽い。
大きさも前のより大きいからどんどん挽き肉が出来ていくよ。
次はブラッディホーンブルの挽き肉も作ってみる。
こっちもどんどん挽き肉ができていくね。
どんどんどんどんハンドルを回して……。
気付いたときには大量の挽き肉が出来ていた。
『あるじー、どお?』
「あー、ごめんね、夢中になっちゃったよ。スイが作ってくれたこれ、すっごく良いよ! さすがスイだよ。ありがとうね」
『うふふ~褒められちゃった。嬉しいなぁー』
スイが嬉しそうにポンポン飛び跳ねている。
「ああ、もうそろそろ夕飯作らないとフェルとドラちゃんが怒っちゃうな。スイ、行こう」
『うんっ』
「あ、スイ、ご飯食べた後にこれ作ってくれたお礼にいいものあげるから楽しみにしててね」
『いいものー? なぁに?』
「食事の後のお楽しみだよ」
『分かったー』