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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連(旧 妖精壱号)
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第百四十八話 冒険者ギルドに連行された

 一夜明けて、いよいよ地上に戻るときがやって来た。
 朝飯は、フェルが地竜(アースドラゴン)の肉が食いたいと言い出したことでドラゴンステーキ丼になった。
 朝からではあるけど、俺もガッツリいただいたよ。
 実に美味かった。
 食後の休憩をとって……。
「そろそろ地上に戻ろうか」
『うむ、そうだな』
 ドラちゃんが後ろから俺のあたまに抱き着いて、スイは俺が両腕でしっかり抱え込む。
 その俺はフェルに跨ってと。
 転移するときの形態をとると、フェルが壁に描かれた魔法陣に魔力を流した。
 一瞬の浮遊感のあとに俺たちがいたのは石壁に囲まれた4畳くらいの部屋の床に描かれた魔法陣の上に立っていた。
「出口どこだ……」
 フェルにかがんでもらってフェルから降りた。
『前にもあったのだが、こういうのは、この模様から外に出ると扉が開くのだ』
 フェルの言うとおり魔法陣から一歩外に出ると……。
 ゴゴッと音を立てながら石壁が動いた。
 みんなして外に出た。
 10日ぶりの天然の太陽の光が俺たちの上に降り注ぐ。
「さてと、宿に戻るか」
 ダンジョンに入る前にお願いして一応部屋をキープしてもらってるから大丈夫だと思う。
 扉から外に出ると……。
 俺たちが出てきたのは、ダンジョンの入り口の隣に当たるところだったみたいだ。
 そこには当然大勢の人がいるわけで。
 ダンジョンの入り口にいる兵士や、ダンジョンに入ろうとしていた冒険者たちがポカーンと口を開けて俺たちを凝視していた。
 そんな凝視しないでほしいんだけど。
 なんかすんごいいたたまれない気持ちになるぜ。
 ここはさっさと宿に戻るのが賢明だな。
「行こう」
 フェルとドラちゃんにそう声をかけて、スイは鞄の中に入ってもらい、宿に戻ろうと歩を進めた。
「ちょ、ちょっと待てッ」
 声をかけてきたのは入り口にいた兵士だ。
「あ、あんた何でそんなとっから出てきたんだ?」
 えーっと、それは……。
『最下層のベヒモスを倒したからに決まっておろう』
 あ、フェル、言っちゃダメだろうが。
 そういうときはとりあえず誤魔化しとけよ。
 フェルがベヒモスを倒したと言うと、蜂の巣をつついたような騒ぎになった。
「と、とりあえずギルド職員呼んで来いッ」
「いや、そこはギルドマスターだろっ」
「そうだッ、ギルドマスター呼んで来いッ」
「急げ、急げッ!」
 なんか、ギルドマスターがお迎えに来るまで動けないようです。
 帰ろうとすると、門番の兵士にここにいろって止められるし。
 少しすると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ムコーダさ~んっ」
 エルランドさん、そんな大声で俺の名前呼ばないでくれないかな。
「ムコーダさ~んっ」
 大声で俺の名前呼びながらエルランドさんがブンブン手を振っている。
「ハァハァ、ムコーダさんッ、あなたたちならやってくれると思ってましたよッ!」
 エルランドさんが興奮気味に俺の手を握ってブンブン振る。
 あ、ちょっと、エルランドさん、手が痛いです。
「ただちょっとドラちゃんに会えないのがねぇ、何度後を追ってダンジョンに潜ろうと思ったか……」
 え、あんたそんなことしようとしてたの?
 後追って来られても困るだけだよ。
「副ギルドマスターに強く引き止められて断念しましたけど」
 副ギルドマスターっていうと、あのちょっとメタボで頭が薄いおっさんか。
 副ギルドマスター、グッジョブです。
「そんなことはいいとして、色々とお話も伺いたいので早く冒険者ギルドに行きましょう。さぁ、さぁ、さぁ」
 俺たちは宿に戻ることは許されず、エルランドさんにそのまま冒険者ギルドに連行された。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 エルランドさんに連行された俺たちは、冒険者ギルドのエルランドさんの部屋にいた。
「それで、どうでした?」
「どうでしたって、エルランドさんも最終階層のベヒモスの前までは行ったんですよね?」
「ええ、行きましたけど、ドロップ品やら宝箱の品やらは違うでしょう」
 まぁ確かに。
 でも、大量にあり過ぎるんだよね。
 まだ整理してないから何がどれだけあるのか全然把握してないよ。
「いや、それそうなんですけど、大量にあり過ぎて……」
「そうですか、そうですか、それはうちとしてもありがたい。あのダンジョンは21階層までは皮が良くドロップされますし、その後の22階層から25階層までも同じく皮が良くドロップされます」
 エルランドさんの言うとおりだ。
 皮は大量に持ってるよ。
「実はそれを冒険者ギルドで買取させていただきたい。この街はダンジョンの街ですからね、鎧の素材として魔物の皮は需要が高いんですよ。しかもダンジョン産ともなれば、強度が強いですからね」
 なるほどね革鎧か。
 オークにオーガ、トロールにミノタウロスと何枚あるかわからんくらいに所持してるぜ。
 ギルドで欲しいっていうのなら全部買取でお願いしますよ。
 俺、いらんし。
「中身の期待ができる宝箱なんかは20階層以降からだと思うのですが、どうでしたか? それから、スプリガンを倒すと、宝石がドロップされる個体があったと思うのですが。宝石やマジックアイテムがあれば、それも買取させていただきたい」
 エルランドさん、さすがにベヒモス手前まで行った人だね。
 いろいろ分かっていらっしゃる。
「宝箱はいくつかあって、中のものも入手してます。あとミミックもいたので宝箱も手に入れました」
 宝石もいっぱいあるよ。
 俺は女性じゃないから、宝石に興味ないし、これも買取してくれるなら全部お願いしよう。
 マジックアイテムは、魔力回復の指輪は売るつもりないし、他のものもどうするかはよく考えてからかな。
「宝箱は26階層以降に割とありました。とは言っても、26階と27階層の森の中でしかまともに探索はできませんでしたけど。28階層は沼地だし、29階層は砂漠だしで通り抜けるだけで大変でした」
 森はまだしも、沼地やら砂漠やらはないわー。
 フィールドダンジョン凶悪過ぎるぜ。
「ん? ちょっと待ってください、今、何て言いました?」
 何て言ったって、何が?
「宝箱は26階層以降に割とありましたってとこですか?」
「いえ、そこじゃなく」
 ん、違うのか。
 じゃ、ここか?
「26階と27階層の森の中でしかまともに探索はできませんでしたけどってとこですか?」
「いえいえ、そこでもなくて」
 じゃ、ここ?
「28階層は沼地だし、29階層は砂漠だしで通り抜けるだけで大変でしたってとこですか?」
「ええ、ええ、そこですよっ! 沼地っですって? 砂漠ですって?!」
 エルランドさんが興奮して身を乗り出してくる。
 話を聞いてみると、エルランドさんがここのダンジョンに入ったときは沼地や砂漠の階層なんてなかったそうだ。
 25階から29階は森林地帯で、そこを通り抜けるだけで1か月以上かかったそうだ。
「26階層からの話、詳しく聞かせてもらいますよ」
 エルランドさんのいつにない真剣な顔に、こちらも居住まいをただした。
 そして、26階層以降の様相や階層主(ボス)についてできるだけ詳しく話していった。
 途中エルランドさんの質問にも答えながら、かなり長い時間を費やした。
「じゃ、ダンジョンのドロップ品については、まだ自分でも把握してないんで、また後日に買取をお願いしに来ますんで」
「わかりました。私も今ムコーダさんから聞いた話の件で忙しくなりそうですんで、後日の方がありがたいです」
 こうして俺たちは冒険者ギルドをようやく後にすることができた。


 後日、ここドランのダンジョンが期間によって25階層から29階層の様相が変わることが発表されて、高難易度ダンジョンに指定された。




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