挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連(旧 妖精壱号)
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

154/383

第百四十五話 砂漠地帯

遅くなりましたが、何とか更新しました。
「沼地の次はこれかよ……」
 転移した先の29階層には砂漠が広がっていた。
『このダンジョンも相当面白い造りをしてるのう』
 フェル、面白い造りで片付けないでくれよ。
 森、沼地、砂漠と次々に環境が変化して、これは過酷過ぎだって。
 しかも高ランクの魔物も襲ってくるんだからさ。
 ……それにしても暑いな。
 ジリジリと太陽が照りつけている。
 砂漠なんだから当然といえば当然なんだけど、ここってダンジョンの中なんだよね。
 どういう原理なのかわからんけど、空に太陽もあるし。
『ここは暑いな……』
『あちい……』
『暑いねぇ……』
 フェルもドラちゃんもスイもここの暑さにげんなりしている。
『みなに結界を張るぞ。そうすればある程度の暑さは防げる』
「え、そうなのか?」
『うむ。日差しはどうにもならんが、結界内の温度をある程度一定にすることは可能だ』
 おお、結界って超便利。
『だが、この暑さだからな。快適な温度とは言い難い。何もないよりはマシ程度に考えてくれ』
 なるほどね。
 フェルの話だと結界張っても割と暑くなるようだし、とりあず進む前に水分とっておくか。
 熱中症対策ならスポーツドリンクなんもあった方がいいな。
 俺はネットスーパーで水とスポーツドリンクを多めに購入した。
 日差しは防げないみたいだから、帽子かフード付きの上着があるといいんだけど。
 見ていくと、ちょうどいいものを見つけた。
 フード付きUVパーカーだ。
 これはちょうどいいと即購入。
「フェルが結界張ってくれたからマシではあるみたいだけど、暑さにやられないように水分をとってから進むことにしよう」
 深めの皿にスポーツドリンクを注いでみんなに出してやる。
 俺も届いたUVパーカーを着て、スポーツドリンクで水分を補給した。
『この階層も階層主(ボス)を目指して進んでいくことにするぞ』
 ここ29階層も広そうだもんな。
 辺り一面が砂、砂、砂で果てが見えない。
 ここは今までみたいにフェルの気配察知を頼りに階層主(ボス)を目指して進んでいくのが無難だろう。
『このような地は夜になると恐ろしく冷える。とにかく早く進むぞ。おい、乗れ』
 あー、やっぱ砂漠地帯だから夜は冷えるのか。
 フェルの言うとおりさっさと進むに越したことないな。
 俺はフェルに言われてその背に跨った。
 スイは肩にかけた革鞄の中へ。
 ドラちゃんは飛びながら回りを警戒だ。
 俺たちは砂漠の中をひたすら進んで行った
『おい、向こうからなんか来るぞ』
 ドラちゃんか見ている方角をみると、赤黒い点がたくさんあった。
「何だ、あれ……」
 見ていると、その赤黒い点がどんどんこちらに近づいてくる。
 ようやく見えてきたその姿に絶句した。
「……さ、サソリの群れだ」
 体長1メートル以上はありそうなサソリが100匹近く群れをなしてこちらに近づいてきていた。
『ぬ、あれはサンドスコーピオンだな。あれがいるということは……』
 俺たちのすぐ目の前の砂の中から、乗用車くらいあるデカいサソリがいきなり現れた。
「うおぉッ」
『やはりいたか。だがな、お主程度の魔物が我らの行く手を阻むな。馬鹿者が』
 ドゴンッ―――。
 デカいサソリに稲妻が落ちた。
 あ、死んだわ。
 このデカいサソリは何て魔物だったんだ?


 【 ジャイアントサンドスコーピオン 】
    Aランクの魔物。


 フェルの雷魔法一発で倒されたけど、このサソリはAランクの魔物だったわ。
 って、100匹近くいたサソリ軍団はどうした?
 こちらに近づいていたサソリの群れを見ると、ちりぢりになって逃げていくところだった。
『彼奴らを操っているこのサソリを倒しさえすれば彼奴らは襲ってこん』
 なるほどねぇ。
 ジャイアントサンドスコーピオンが消えた後に残ったドロップ品の魔石と毒針を拾いアイテムボックスにしまった。
 俺たちは再び砂漠を突き進んでいった。
 走っていたフェルがピタっと止まった。
「ギュオォォォォッ」
 10メートル先くらいの砂の中から巨大なミミズみたいな魔物が飛び出して来た。
「な、なんじゃありゃ」
 鑑定してみると……。


 【 サンドワーム 】
    Aランクの魔物。


 サンドワームが頭をもたげ鋭い歯が幾重にも重なった丸い口をパックリ開けて今にも俺たちを食おうとしていた。
『俺がやるぜッ!』
 そう言ってドラちゃんがサンドワームに突っ込んでいった。
 ドシュッ―――。
「ギュォォォォォォォォッ」 
 ドッシーン。
 サンドワームが胴体に大きな穴を開けて横に倒れた。
『へっへー、一丁上がりだ』
 一丁上がりってね、ドラちゃん……。
 まぁ倒してくれたからいいけどさ。
 サンドワームのドロップ品は魔石と鋭い歯だった。
 それを回収して、砂漠をさらに進んで行った。
 途中、ジャイアントサンドスコーピオンとサソリ軍団やサンドワームが何度か襲ってきたけど、フェルとドラちゃんがことごとく撃破した。
 暑いのが苦手なのかスイはずっと革鞄の中で寝ていたよ。
『日も暮れてきた。砂漠で夜進むのは得策ではない。この辺で夜を過ごすぞ』
 フェルの一声で野営することになった。
 日が暮れてくると、一転して肌寒くなってきた。
 やはり砂漠地帯だ、寒暖の差が激しい。
『昼間と同じく結界内の温度をある程度一定にすることは可能だが、結界の外が恐ろしく寒い。その影響もあって、結界内も外ほどではないが寒くなるぞ』
 ある程度気温が下がるのは覚悟しないといけないか。
 それならば……。
 俺はネットスーパーを開いて、寒さ対策になりそうなものを買いこんでいった
 カイロに厚手の敷布団と掛布団、毛布、それから厚手のスウェットがあったから俺用の防寒着として買った。
 本当はダウンジャケットなんかがあれば最高だったんだけど、さすがにそこまでは売ってなかった。
 砂地に段ボールを多めに敷いて、その上に厚手の敷布団を敷いてさらにその上にフェルと俺の布団を敷いていく。
 その上に毛布と掛布団をかけてと。
「飯作るから、その間寒いから布団に入って待っててよ」
 夜の帳が降りてくると、フェルが言ってたとおりだんだんと気温が下がってきた。
 吐く息も真っ白だ。
 俺も防寒として羽織っていたUVパーカーの上から購入した厚手のスウェットを着た。
 見た目はあれだが、寒いよりはマシだ。
 よし、飯を作っていくか。
 サッと作れる簡単なものがいいけど……。
 あ、青椒肉絲(チンジャオロース)丼にしよう。
 あれなら市販の青椒肉絲(チンジャオロース)のタレを使えば超簡単だし。
 でもそうなると米を炊かないといけないな。
 簡単でこれだけで満足な料理っていうと、どうしても丼ものになってくるんだよなぁ。
 明日の飯のこともあるから、多めに米は炊いておきたい。
 米は買い置きしてたのがあるし、とりあえず、先に米を炊いていこう。
 米を研いで、水につけてる時間がもったいないからぬるま湯につけて時短だ。
 魔導コンロを出して4口すべてに土鍋をかけ米を炊いていく。
 その間に、ネットスーパーで青椒肉絲(チンジャオロース)の材料を買っていく。
 ピーマンとタケノコの水煮だろ、それから市販の青椒肉絲(チンジャオロース)のタレと……これだけ寒いとスープとか付けてあげたほうがいいか。
 フリーズドライの卵スープも購入した。
 まずは、ブラッディホーンブルの肉を細切りにして、ピーマンとタケノコの水煮も細切りにしていく。
 その間に炊きあがった米は蒸らしてからアイテムボックスに土鍋ごとしまっていく。
 空いたコンロでさらに米を炊いて、青椒肉絲(チンジャオロース)も作っていく。
 熱したフライパンに油をひいて、ブラッディホーンブルの肉を炒めて色が変わってきたら、ピーマンとタケノコを入れて炒め合わせる。
 そこに市販の青椒肉絲(チンジャオロース)のタレを加えてタレが全体に絡むよう炒めて出来上がりだ。
 フェルとドラちゃんとスイの分として、炊き立ての飯を深めの皿に盛ってその上にたっぷりと青椒肉絲(チンジャオロース)を乗せたら青椒肉絲(チンジャオロース)丼の完成だ。
 それと一緒に卵スープもつけてやる。
「みんな、出来たぞ」
 フェルとドラちゃんとスイが湯気を立てた青椒肉絲(チンジャオロース)丼をガツガツ食っていく。
 それから卵スープもゴクゴク飲んでるね。
『この寒さの中では温かい食い物が美味いな』
『ああ、体があったまるぜ』
『美味しいね~』
 フェルの結界があるおかげで零下にはなってないけど、かなり寒いもんな。
 寒さを意識すると、さらに寒さを感じてブルルと震える。
 俺も温かいうちに青椒肉絲(チンジャオロース)丼を食おう。
 オイスターソースのコクのある旨味がたまらんな。
 ピーマンとタケノコのシャキシャキ感もいい。
 こりゃ飯が進むぜ。
 卵スープもホッとするし、体が温まるなぁ。
 フェルとスイが何度かおかわりして腹いっぱいになったところで、俺も一息ついた。
 食後のコーヒーを飲みながらフェルと話す。
「フェル、階層主(ボス)まではあとどれくらいなんだ?」
『この階層は広い。明後日の日暮れ前になんとか間に合うかどうかというところだ。日が暮れてからはこの寒さだ。場合によっては、階層主(ボス)との戦いは翌日に持ち越した方がいいかもしれんな』
 確かにフェルの言うとおりだ。
 昼間はあの暑さなのに日が暮れてからはこの寒さ、寒暖の差が激し過ぎる。
 それだけでも大分体力は削られるだろうし、もしも戦いが延びてしまって日が落ちて暗くなってしまった場合のことを考えるとね……。
 フェルの結界があるから何とかこうしていられるけど、結界内だっておそらく気温は1、2度ってとこだろう。
 寒さを考えると、暗くなってからの戦闘は危険だよな。
 それならば翌日に持ち越してから戦う方が断然いいに決まってる。
「その辺のことは、階層主(ボス)の近くまで行ってからどうするか決めるしかないな」
『うむ』
 この日はみんなで寄り添って寝た。
 フェルは毛布が気に入ったみたいで毛布を敷布団の上に敷いて寝てたよ。
 スイは俺とフェルの間に入ってスヤスヤ寝ていた。
 ドラちゃんはカイロが気に入ったみたいで貼るタイプのカイロをお腹に貼って寝てた。
 俺は貼るカイロを背中に貼って、フェルの腹を枕代わりにして寝た。
 こうして砂漠の寒い夜をみんなで寄り添いながら過ごしていった。




+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ