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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連(旧 妖精壱号)
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第百三十八話 ムコーダさんもやるときはやるんです

今日は137話と138話更新です。
 ボス部屋の中を覗くと……。
 デカい魔物がわんさかいるわいるわ。
 聞いていたとおり、トロールやミノタウロスよりもデカいスプリガンが3体いる。
 そのうえトロールとミノタウロスも数が多い。
「スプリガン、で、デカいな……」
 思わずそうつぶやいてしまうほどスプリガンはデカかった。
 あれ、5メートル近くあるよな。
 あんなんどうやって倒すんだ?
『ドラ、スイ、行くぞ』
『おうっ』
『分かったー』
 俺がビビってる間にみんながボス部屋に突入していく。
「あっ……」
 まったくみんな元気だね。
 一応は俺も行ってみるか。
 スイに作ってもらったミスリルのショートソードをかまえて、そろりとボス部屋に入っていく。
「グガァァァァッ」
「グォォォォォッ」
「ブモォォォォッ」
 阿鼻叫喚の嵐だね。
 フェルとドラちゃんとスイが暴れまわってるからだろうけど。
 端っこの方でみんなの戦闘の様子を見ている。
 おっ、フェルの風魔法が炸裂した。
 あっちではドラちゃんが雷魔法まとって突っ込んでってる。
 あ、スイも酸弾撃ちまくってんな。
 みんながどんどん魔物を蹴散らしていった。
「グォォォォッ」
 ドシンドシンドシンドシン。
 突然の雄叫びと振動。
 ん?
 げっ、トロールがこっちに向かって来てるッ。
 俺はすぐさまミスリルのショートソードをかまえた。
「グォォォォォォッ」
 トロールが俺に向かってデカい拳を振り上げた。
 チッ、くそっ。
 でもな、このくらいに動きが遅いなら俺でも何とか対処できそうだぜ。
「ていッ」
 俺は、トロールの振リ下ろしたこぶしを避けてミスリルのショートソードでその右足を斬りつけた。
「グ、グォッ?!」
 ドシンッ―――。
 トロールが堪らず右ひざを床に着く。
 俺はすかさず左足も斬りつけた。
「ていッ」
 ドシンッ―――。
 トロールが左ひざも床に着けた。
 よし、これで動けまい。
「せいッ」
 俺は動けないトロールの首にミスリルのショートソードを突き立てた。
 ミスリルソードの切っ先がスッとトロールの首に吸い込まれていった。
「グォォォォォォォォォッ」
 耳をふさぎたくなるほどの断末魔の叫び声をあげながらトロールがドシンッと前に倒れて動かなくなった。
 倒したのか?
 俺一人で?
「う、うぉぉぉぉッ! やったッ!! やったぜッ!!!」
 俺1人でトロールを倒せたっ。
 俺だってやるときはやるんだぜっ。
 戦闘にはまったく自信がなかったけど、ほんの少しだけ自信がついた。
 少しすると、息絶えたトロールがだんだんと薄くなっていき消えていった。
 後にはトロールの皮が残されていた。
 自分で勝ち取った戦利品の皮をアイテムボックスに大切にしまう。
 それからボス部屋に散らばったドロップ品を回収していった。
 この階で新たに出てきたスプリガンのドロップ品は2つだ。
 1つは魔石、もう1つはなんと宝石だった。
 今回手に入ったのは、小粒だけど濁りのない綺麗な色をしたルビーとエメラルドだった。
 最後になかなかいいものが手に入ったぜ。
 その後は、途中に飯タイムを挟みながら、23階層、24階層、25階層と巨人ゾーンの攻略を進めていった。
 下層にいくほど部屋が増えていき、魔物の数も増えていった。
 フェルもドラちゃんもスイもまったく動じなかったけど。
 というよりも喜々として襲いかかる魔物を次々と倒していった。
 もちろん大量に落とされるドロップ品の回収も忘れない。
 途中に宝箱も2つほどあった。
 中に入っていたのは、ダイヤモンドの指輪とタンザナイトのネックレス。
 宝飾品は高値で買取してもらえそうだから大歓迎だ。
 それからミミックも3匹(?)ほど出てきたぞ。
 そのうちの1匹だけ宝箱を落としていった。
 今度のは宝石箱みたいな小さなものではなく、割と大きめの装飾された宝箱だった。
 これも高値で買取してもらえそうだ。
 そんなこんなで探索を進めて、25階層のボス部屋前のセーフエリアで今日の探索はひとまず終わりにすることになった。
 俺たちは翌朝25階層のボス部屋に挑むことにした。
 そしてその後は26階層へと突入する予定だ。
 フェルが言うには、26階層は、22・23・24・25階層の巨人ゾーンとは気配が違うとのこと。
 ということは、また景色が一変する可能性が大きい。
 どんな階層になるのやら……。
 不安と期待とが入り混じった気持ちを抱きつつ眠りについた。
 何にしても俺にはフェルとドラちゃんとスイがいるから大丈夫だ。




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