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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連(旧 妖精壱号)
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第百三十四話 エグい罠

 13階層もフェルにとっては雑魚ばっかりだそう。
 ということでこの階もスルーだ。
 ボス部屋前で順番待ちをして中へと入った。
 13階層のボスはオーガが5体。
 もちろんフェルとドラちゃんとスイには敵ではない。
 サクッと倒してドロップ品の皮を拾ってすぐさま14階層へ。
 14階層もスルーだ。
 20階層あたりまではこれといった気配がないらしく、フェルにとっては雑魚ばかりらしい。
 ボス部屋前で順番待ちしているときも、『この辺は雑魚ばかりでつまらん』とかボヤいていた。
 14階のボスはトロール5体だった。
『トロールなぞ図体ばかりデカくて動きは遅い。話にならん』
『じゃあ、スイが倒しちゃっていいー?』
『ええー、俺は?』
「ドラちゃんは次の階のボス倒せば? スイもそれでいい?」
『うん、いいよー』
「そういうことだから、ここはスイに任せて、15階のボスはドラちゃんね」
『チッ、しゃーねーな』
「じゃ、スイ倒しちゃっていいよ」
『はーい』
 ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ。
「「「「「グォォォォーッ」」」」」
 ドシンッ、ドシンッ、ドシンッ、ドシンッ、ドシンッ。
 おう…………。
 スイ、トロール瞬殺。
 スイがそれぞれに酸弾をぶち当ててトロールの腹には大きな穴が開いた。
 トロールは何もできないまま断末魔の声をあげてドスンッと倒れてご臨終。
 ご愁傷さまです。
 スイは『ヤッター』と言って嬉しそうにポンポン飛び跳ねてるよ。
 うん、かわいいけどスイは敵にしたらダメだよな。
 ドロップ品の小さい魔石2つを拾って15階層へと下りた。
 15階に来ると、見かける冒険者の姿も少なくなってきた。
 それでも、この階も興味なしということでスルーする。
 俺としては宝箱が気になるところだけど、冒険者がいるということはあんまり残ってはいないだろう。
 それに、下に行くほど宝箱に入っている宝物も良い物になっていくみたいだから下に行ってからのお楽しみだ。
 15階層のボス部屋へと進む。
 今度はドラちゃんが倒す番だから張り切ってるよ。
 中にいたのは牛頭の巨人、ミノタウロスって言ったっけ。
 それが3体いた。
 口から涎を垂らして斧も持ってるし、いかにも狂暴そうだ。
 俺たちが中に入ると、「ブモォォォッ」と雄叫びをあげて斧を振り回しながら突進してくる。
『ヒャッハーッ、行くぜーッ!』
 そう言ってドラちゃんが雷魔法を身にまとって高速突進していった。
 ドンッ、ドンッ、ドンッ。
「「「ブモォォォォォォッ?!」」」
 おう、またか…………。
 ドラちゃんもミノタウロス瞬殺。
 雷魔法をまとったドラちゃん自身が自由自在に超高速で動く弾丸のように次々とミノタウロスの土手っ腹を貫いていった。
 ミノタウロスも何もできないまま断末魔の声をあげてドスンッと倒れてご臨終。
 トロールといいミノタウロスといいダンジョンの魔物とはいえ、何もできなまま倒されるとは哀れ過ぎるね。
 うちの子たちが強過ぎるのがあれなんだけど。
 ドラちゃんは『ヒャッホー、どんなもんだいっ』とか言って飛び回っている。
 はぁ、まぁダンジョン自体が弱肉強食を絵に描いたような場所なんだから強者にやられただけってことで成仏してくださいな。
 南無~。
 ミノタウロスのドロップ品は持っていた斧だった。
 鑑定してみると【ミノタウロスの鉄斧……ミノタウロスの持つ鉄斧。非常に重い】と出た。
 持ってみたけど、持ち上げるのでせいいっぱいだった。
 これをブンブン振り回してたんだから、ミノタウロスって相当力持ちだったんだな。
 それを瞬殺するドラちゃん。
 ドラちゃんも強いとは思ってたけど、これほどとはね。
 みんな強いね。
 このパーティーに死角なしだ。
 ……いや、死角はあるか。
 俺というな。
 悲しいかなこの中で一番弱いの俺だし。
 まぁ、その辺は現実を見ないとね。
 みんなに守ってもらいながら、ダンジョンを進むとしますよ。



 16階層に進むと、それまでの階とは状況が一変した。
 まず見た目が違った。
 15階層までは整えられた石壁に囲まれた人工的な形状だったけど、16階層は掘り進められた坑道という感じでごつごつした岩がむき出しになっている。
「何か、15階層までとは違う雰囲気だな」
『うむ。ダンジョンだからな。ダンジョンによっては、森やら砂漠地帯の階層が出てくることもある』
 ああ、そう言えばゲームにもそう言うのあったわ。
 坑道を歩いていると、右側に穴が。
 覗いてみると、半ドーム型の割と広い部屋になっていて中には魔物が。
 オークジェネラルが数体、そしてそれを取り巻くオークの集団がいた。
「なぁ、この階層からは冒険者も少なくなってきてるみたいだし、ドロップ品とか宝箱を積極的に回収してこうぜ」
『雑魚ばかりで面倒だ……』
「何言ってんだよ、ダンジョンに潜る目的って本来はドロップ品や宝箱の中の宝物なんだぞ。それを無視してたらダンジョン入った意味ないじゃないか」
『我は骨のある相手をだな』
「あー、はいはい。フェルはそうかもしれないけど、せっかく入ったんだからさドロップ品とか宝物取っていこうよ。そしたら飯のリクエストも聞くし」
『ぬ、そうか? ならやるぞ。我は前に食った異世界の肉が食いたいぞ』
 あー、国産和牛か。
 あれよりもワイバーンとか地竜(アースドラゴン)の肉の方が明らかに美味いんだけど、ステータスに補正かかるしフェルにとってはネットスーパー(異世界)の食材の方が美味いのかな?
「フェルって異世界のもん食いたがるけど、そっちの方が美味いの?」
『異世界の肉なぞお主に頼まねば食えんだろう。ドラゴン並みとは言わんが、もちろん異世界の肉も美味いし、珍しい物は食いたくなるものよ』
 まぁ確かに。
 ネットスーパー(異世界)の食材なんて俺に頼む以外食う方法なんてないしね。
 それが美味いと分かってるなら余計に食いたくなるか。
 そういうことで、部屋に入るがオークが相手なのであっという間に瞬殺。
 ドロップ品は睾丸と肉だった。
 睾丸拾うとき一瞬手が止まったよ。
 ばっちいけど金になると思って仕方なしにキッチンペーパーでくるんで拾ったよ。
 その後も部屋を4つほど回りドロップ品を回収した。
 出てくるのは11階層から15階層に出て来た魔物たちだ。
 フェルの話だと少しばかり強くはなっているということだった。
 坑道を歩いていると「カチッ」とかすかに音がした。
『ぬ、罠にかかったようだな』
 ゴーロゴーロゴーロと何かが転がってくる音がする。
 ゴロゴロゴロゴロゴロッ。
 な、なんかこっちに近づいてくる感じの音なんだけど……。
 ズドドドドドドッ。
「ゲェーーーッ、な、何あれッ」
 坑道すれすれの大きさの丸い岩がこっちに向かって転がってくる。
『騒ぐな』
 フェルが前足を振り下ろすと光の鋭い爪の幻影が。
 あれは前にも見た爪斬撃(そうざんげき)ってスキルだ。
 ズシャッ。
 丸い岩は光の鋭い爪に切り裂かれ粉々に砕け散った。
 …………え?あの技って、岩も切り裂くの?
 フェルはフェルでさも当然っていう顔して『行くぞ』とか言ってるし。
 もうさ、フェルにまかせといたら何でもイケる気がするよ。
 ってか、さっきの罠もそうだけど、なんか罠も今までの階よりエグいね。
 気を付けよ。
 それからいくつかの罠を避けつつ、部屋を回りドロップ品をきっちり回収していった。
 そしてボス部屋へと到達。
 15階層までのボス部屋の倍近くある広さだ。
 その中にはオーク、リザードマン、オーガの混成魔物部隊が。
 かなりの数がいたがフェルとドラちゃんとスイにかかれば5分とかからなかった。
 俺もはぐれのオークと戦ったぞ。
 スイが作ってくれたミスリルのショートソードの切れ味を試したくて、へっぴり腰の剣捌きだけど剣を使って戦ってみた。
 完全防御のスキルがあるから割と落ち着いて対応できたと思う。
 相手のはぐれオークは鉄斧を持ってたんだけど、その攻撃は俺の完全防御のスキルにすべて弾かれていた。
 俺はへっぴり腰ながらもショートソードを振ったんだよ。
 そしたらさ、鉄斧持ってたオークの腕がスパーンっと吹っ飛んだよ。
 あまりの切れ味に驚いたけど、絶叫をあげるオークを見て今だって思って止めを刺した。
 怖いくらいにサクッと剣がオークの胸を貫いたよ。
 残念なことにドロップ品はなかったけど、俺もほんの少し戦闘に加われたから満足だ。
 それにしてもスイが作ったミスリルのショートソードは切れ味抜群だね。
 鍛冶神の加護は伊達じゃない。
 みんながいる方を見ると、数がいたからドロップ品もある程度あるようだ。
 皮やら魔石やらのドロップ品を拾い集めると、俺たちは17階層へと向かった。





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