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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連(旧 妖精壱号)
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第百十三話 すき焼き

今日は112話と113話更新です。
 宿に着いたら、あれだけ置いていた食い物がきれいさっぱりすっかりなくなってた。
 しかもみんな獣舎でぐっすり寝てるし。
 ドラちゃんなんて仰向けになって腹だして寝てるよ。
 みんなが寝てる間に飯の用意しておくか。
 ドラちゃんに美味いもん食わせるって言っちゃったからなぁ。
 何にするかとあれこれ考えて決めた。
 ワイバーンの薄切り肉もあるし、後で作ろうと思ってたすき焼きにした。
 すき焼きなら豪勢だし文句ないだろう。
 まずはネットスーパーで買い物だな。
 とにもかくにもすき焼き鍋は買わないとってことで、コンロに合わせて3つ購入。
 これがなくちゃ始まらないからな。
 野菜類はネギに白菜とエノキ、あと春菊も入れるか。
 あとはしらたきと焼き豆腐と卵だろ、あとはすき焼きのタレだな。
 すき焼きのタレは既製品を使うぜ。
 作るより簡単だし何せ美味いからな。
 まずは下ごしらえだ。
 ネギは1センチ幅の斜め切りにして、白菜は食べやすい大きさにざく切りにする。
 春菊は5センチくらいの長さに切り、エノキは石づきを切ったら食べやすい大きさにほぐしておく。
 焼き豆腐は食べやすい大きさに切っておき、しらたきは下ゆでしたら食べやすい長さに切る。
 下ごしらえができたら、いよいよ作っていく。
 すき焼き鍋を熱して、ワイバーンの脂身を溶かしたらネギを焼いていく。
 ネギに焼き色が付いたらワイバーンの肉を投入。
 ワイバーンの肉をさっと焼いて色が変わったら、すき焼きのタレを入れて弱火にする。
 そこにしらたき、焼き豆腐、エノキ、白菜、春菊を入れて火がとおったら食べごろだ。
 皿に卵をって、フェルとスイの分は多いから2個だな。
 ドラちゃんも俺の倍近く食うから、あの大きさからしたら食う方か。
 じゃあ、ドラちゃんも卵2個でいいな。
 卵2個ずつ割ったら軽く溶いて、そこにワイバーン肉を大盛りと野菜少々を入れてよく絡める。
 3人を起こそうと思ったら、俺の後ろで涎垂らして待機してたよ。
「はい、どうぞ」
 3人の前に皿を置いた。
 3人とも待ちきれなかったのか、すぐに食い始めた。
『この肉うめぇなっ』
『うむ、このタレと肉が合う。それと、これは卵か? これが絡まり一層美味い』
『うんうん、ちょっと甘くてしょっぱい味のお肉と卵が一緒になるとすっごく美味しい』
 すき焼きは生卵を絡めて食うと最高だよな。
 って、あ…………ワイバーンって竜の亜種なんだっけか?
 ここのワイバーンってプテラノドンみたいな見た目だからすっかり忘れてたわ。
 ドラちゃん、ワイバーン食って大丈夫なのか?
「ド、ドラちゃん、その肉さ、ワイバーンの肉なんだけど食って大丈夫か?ワイバーンって竜の亜種とかじゃなかったっけ? 共食いとかにならないか?」
 おそるおそる聞いてみたらドラちゃんに鼻で笑われた。
『ドラゴン種の中でワイバーンを竜と認めている奴なんていないぞ。ドラゴン種は総じて俺のように知能が高いからな。ワイバーンみたいな馬鹿どもは竜とは呼べん。それにな、同族、俺なら同じピクシードラゴンを食わん限り共食いとは言わない。この世は弱肉強食なんだから、俺は同族以外は何でも食うぞ』
 ドラちゃんはそう言ってワイバーンのすき焼きをガツガツ食っている。
 同族以外は何でも食うって、ドラちゃんってば見かけによらず意外とワイルドなんだね。
『ドラの言うとおりだ。強き者が弱き者を糧にするのは世の理(よのことわり)だぞ』
 ドラちゃんの発言にフェルも頷きながら同意する。
 まぁそう言われりゃあそうなんだけど。
 この世界の頂点に君臨するようなフェルのおかげで、俺たちも美味しく魔物の肉を頂いてるわけだしさ。
『まぁ難しいこと考えないで、お前も食えよ。うめぇぞ』
 って、ドラちゃん、それ俺が作ったやつだから。
 じゃ、俺も食うかな。
『『おかわり』』
 って、食えねぇよ。
 フェルとスイのおかわり来たよ。
『俺はもう腹いっぱいだぁ。はぁ美味かった~。やっぱお前の従魔になって正解だったぜー』
『うむ、それは言えているな』
『あるじのご飯は美味しいのばっかりだよー。毎日美味しいごはんが食べられてスイ幸せー』
 ドラちゃんとフェルの言いぶりには飯だけかよと若干思うところもあるが、スイの「スイ幸せー」でいっきに報われるな。
 ホントにスイちゃんはかわええのう。
 スイちゃんのために、おかわりをせっせと作ったぜ。
 フェルはついでだね。
 俺も合間にすき焼きを頂いたよ。
 白米と合うね。
 なんか日本酒も久しぶりに飲みたくなって途中でネットスーパーで買っちゃったぜ。
 日本酒をちびちび飲みながらすき焼きをつまんだ。
 ちなみに春菊はフェルにもスイにもドラちゃんにも不評だったから、俺一人で食ったよ。
 あの苦みが美味しくないらしい。
『ふぅ、美味かったぞ』
『スイ、お腹いっぱい』
 ようやくフェルもスイも満足したみたいだ。
「そうだフェル、明日ギルドでヴェノムタランチュラの報酬やら買取代金を受け取ったらすぐにドランに向けて出発するんだろ?」
『うむ。早くダンジョンに行きたいからな』
 やっぱりそうか。
『なに? ダンジョンに行くのか?』
 ドラちゃんがダンジョンって言葉に反応した。
『うむ、この後にダンジョン都市ドランに向かうのだ。そこでダンジョンに入る予定だ。我も人間の街にあるダンジョンに入るのは初めてだから楽しみにしておる』
『そりゃ楽しみだな! 俺も人の街にあるダンジョンに入るのは初めてだぜ』
『スイもダンジョン楽しみ~』
 何でうちの子たちはみんなダンジョンが楽しみだなんて言ってるんですかね。
 俺としてはまったく楽しみじゃないんですが。
「んじゃ、明日は早めにギルドに行ってドランに向かうか」
『うむ、それがいい』
 今日も引き続きドラちゃんにはこの獣舎で寝てもらって、俺とスイは部屋に戻った。
 ギルドに行って用を済ませたら、いよいよドランに向けて出発だ。
 フェルもスイもドラちゃんもダンジョンを楽しみにしてるから、ドランへの滞在が長くなりそうなのがちょっと心配だ。




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