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第九十六話 フェルがどえらいものを獲ってきた

今日は95話と96話更新です。

 太陽も大分沈んできてやきもきしていると、ガサゴゾと枝をかき分けてようやくフェルが戻ってきた。

 ドスンッ。

『待たせたな』

 フェルが口に咥えていたデカいトカゲをポイッと俺の前に置いてそう言った。

 …………フェルさんや、このデカいトカゲは何なんだい?

 フェルが俺の目の前に置いたのは、テレビで見たコモドオオトカゲを更に大きくしたようなトカゲだった。

 頭の先から尻尾の先まで入れると5メートルくらいはありそうだ。

『気配をたどって少し遠出をしてしまった。そのおかげで少しは骨のある相手に出会えたぞ』

 いや、だからね、このデカいトカゲは何なんだよ?

『ワイバーンは肩透かしを食らったからな、地竜(アースドラゴン)に会えたおかげで少しは運動になった』

 …………フェル、今、何て言ったのかな?

 俺、耳悪くなったのかな。

「なぁ、フェル、今何て言ったんだ?」

『ん? だから、ワイバーンは肩透かしを食らったから、地竜(アースドラゴン)に会えたおかげで少しは運動になったと言ったのだ』

「……ア、アース、ドラゴン?」

『そうだ。地竜(アースドラゴン)だ』

 地面に横たわるデカいコモドオオトカゲを鑑定してみた。



地竜(アースドラゴン)



 ………………

 …………

 ……

「な、何やってるんだよー」

『ぬ? 何がだ?』

「何がじゃなくってさ、地竜(アースドラゴン)だなんてどうすんだよっ?」

『だから何がだ。地竜(アースドラゴン)の肉は美味いのだぞ。いいではないか』

「いやいやいやいや、美味いとかそういう問題じゃなくってさ、キマイラやオルトロスだって冒険者ギルドでは引き取り拒否だったんだぞ。こんなのどうしろっていうんだよっ」

 キマイラやオルトロスだって拒否られたのに、おそらくそれ以上だろうドラゴンなんて出せねぇって。

『ぬ、ドラゴンの肉は実に美味いのだ。買取はしてもらえなくても、捌くだけでもしてもらえんのか?』

 あ、そうか、解体だけか。

 それはありかもしれないけど、でも……。

「解体だけか、一応話してはみるけど、さすがにドラゴンだからな……。やってもらえるかどうかわかんないぞ」

『ふむ、そうか。久しぶりにドラゴンの肉が食えると思ったのだがな。残念だがそのときはそのときだ』

 一応は話してみるけどさ、地竜(アースドラゴン)だもんなぁ。

 きっとギルドマスターもヨハンのおっさんもすっごい驚くんだろうなぁ。

 はぁ~。

『そんなことより、いい匂いがするな。クンクン』

 そんなことよりってな、はぁ、フェルはいつでも我が道を行くだな。

 ドラゴン狩ってきてもまったく気にしないってんだからさ。

 まぁフェルらしいっちゃフェルらしいけど。

 デカくて邪魔な地竜(アースドラゴン)をアイテムボックスにしまう。

「ここで飯食ってくか」

『うむ』

 ここで食うのは、牛丼の方だ。

 ビーフシチューは一応できたものの、もう少し煮込んだ方が味が馴染むし肉も柔らかくなるからな。

 飯は前に炊いて保存してたものを皿に盛って、その上にたっぷりと肉をのせる。

 スイを起こさないとな。

「スイ、ご飯だぞ」

『ううん? ご飯ー?』

「そうだよ、ご飯だ」

『ご飯~』

 フェルとスイに牛丼(特盛り)を出してやった。

『むむっ、これは美味いな』

『ホント、お肉に味が染みてて美味しい~』

 そうかそうか、2人とも牛丼気に入ったか。

 美味いもんな牛丼。

 さて、俺も食うか。

 あ、どうせなら卵かけたいな。

 ネットスーパーを開いてと、ん?こんなのも売ってんだな、生卵よりこっちの方がいいや。

 買ったのは温泉卵だ。

 牛丼の上に半熟の温卵を載せてと、美味そ~。

 半熟の温玉を崩して肉に絡めて飯と一緒に口の中へ。

「うめぇ~」

 卵があると味がまろやかになる。

 あー、美味いねぇ。

 お茶が欲しいな、確か……。

 アイテムボックスから前に買っておいたペットボトル入りのほうじ茶を出す。

 ゴクゴクゴク。

 ふー口の中がさっぱりする。

 そしてまた牛丼をかっこむ。

 ウマウマ。

『おい、おかわりだ。ぬ、お主が食っているのには卵が載せてあるのか? ずるいぞ。我のにも載せろ』

『スイもおかわりー。スイのにも卵載せてー』

 へいへい。

 牛丼(特盛り)温玉2個載せを作ってやり、温玉をくずしてから2人に出してやった。

『むっ、卵が載っている方が断然美味いな』

『スイも卵が載ってる方が好きー』

 2人とも牛丼温玉載せが気に入ったようでガツガツ食っていく。

 何度かおかわりをしてようやく2人とも満足したようだ。

『フゥ、美味かった』

『ホントー美味しかったー』

「それじゃ、街に帰るか」

『うむ』

『うん』

 街に帰ることになりフェルの背に乗ったのだが……。

「フェル」

『何だ?』

「お前、汚いな」

『な、何だとっ?』

 今まではあんまり気にならなかったけど、風呂に入ってさっぱりしたからフェルの汚れが余計に気になる。

「だって、この辺の毛が固まっちゃってるし、なんか全体的に埃っぽい感じがするぞ」

『そ、そ、そんなことはないぞ。きちんと毛繕いしているし……』

「いやいやいや、きちんとはしてないだろ」

 お前の毛繕いしてるところなんてあんまり見たことないぞ。

『ぐぬぬ』

「明日はフェル丸洗い決定だな」

『なっ……』

「何だよ、水が怖いとでも言うのか?」

『そ、そのようなことは断じてないっ』

「ならいいじゃん。明日はフェルを洗う。これは決定だからな」

『ぐぬぬぬぬ』

 さてと、今夜はフェルを洗うのに犬用シャンプーやらブラシを買わないと。

 ネットスーパーで犬用シャンプーとかあるのか?






次回はフェルさん丸洗いの回ですw

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつも、楽しく読ませていただいています。 本当に、料理が好きなので面白いです。 [気になる点] 96話で、フェルト、スイが卵を知ってるのっておかしくないですか? [一言] これからも、頑張…
[気になる点] 1000年生きてきて対して汚れていなかったのに、 1度や2度の戦闘で汚れるのは如何なものか
[一言] 風呂ギライなのは、犬猫と同じなのね
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