「パパ、昨日はすごかったね」
「ああ。年に一度あるといわれている大豊作の日だったからな」
「これで当分のあいだ食べ物に困らなくてすむね」
「ああ、ありがたい。うちだけでなく、この国に暮らす我々のすべてが大豊作の恩恵を受けられたのだからな」
「そういえば、お隣の国では“さや付き”というものが豊作だったってウワサがあるよ」
「ああ。しかし、さや付きはすぐに回収される上、大きくて我々のところまで届きにくいんだ。
豊作には違いないだろうけれど、こちらの国ほど大豊作というわけではないだろうな」
「ふうん。じゃあまた来年も大豊作になるかなあ」
「そうだな。なるといいな」
流し台の下や冷蔵庫の裏側、タンスの隙間など。
狭くて暗く、目に付きにくい場所にひそむ黒光りするモノたちは、大豊作の日に聞こえる「福はうち!」の叫び声を静かに待ち続けている。
評価
ポイントを選んで「評価する」ボタンを押してください。
ついったーで読了宣言!
― お薦めレビューを書く ―
※は必須項目です。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。