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鷺侘と鷺基
第六百五十九話 欧殿再登場編
 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。

 孫左京と美子めいずを乗せたきんと雲は、欧殿の宮殿が見える位置まで来ていました。

「あれがそうか?」

 左京が呟くと、

「みたいね」

 左京にのしかかるように美子が言います。

「美子ちゃん、重い……」

 左京が言いました。

「失礼ね! 女の子に『重い』とか言わないでよね!」

 美子はムッとして言いました。

「あ、いや、そんなつもりはないんだけど」

 左京は焦ります。

「先に行くね!」

 美子はきんと雲を飛び降り、飛翔します。

「美子ちゃん、空飛べたのか?」

「あれ、言わなかったっけ?」

 悪戯っぽく笑う美子に項垂れる左京です。

「ふおお!」

 そこに突然欧殿が現れます。彼の愛馬である鬆令符爾流すれいぷにるに乗っています。

「舐められたものよ。うぬらだけで参ったのか?」

 欧殿が言いました。

「こっちこそがっかりだわ、あんたしかいないみたいね?」

 美子が言い返すと欧殿はギョッとしました。
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