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伏羲
第五百三十九話 伏羲の思い編
 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。

 伏羲ふくぎは遊魔を自分の部屋に連れて行きます。

 もはや誘拐犯のようです。

「私の名は伏羲。怖い女房から逃げて、ここで暮らしている」

 伏羲は言いました。

「そうなんですかあ」

 遊魔オリジナルの笑顔全開応答です。

「君もロクでなしの亭主なんかと別れて、私の妻になってくれ。悲しませたりしないから」

 伏羲は本気で遊魔を口説きます。

「旦那様に相談してみますね」

 遊魔は無邪気な笑顔で言います。

 伏羲は涙を零しました。

(心の奥底まで縛られているのか)

 誤解もここまで来ると只の馬鹿者です。

「相談なんかしてはいけない。うまく丸め込まれるだけだ」

 伏羲は勇気を奮い起こして、外道の夫(リックの事です)と話す事にしました。

「君の亭主の居場所を教えてくれ」

 遊魔は首を傾げて、

「旦那様はあ、女の人がたくさんいる所にいると思います」

 伏羲は、

(クズめ)

とリックを心の中で罵りました。
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