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天狐
第五百十九話 天狐の力編
 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。

 天狐は蘭を見て、

「其方はかつて天界で近衛大将を任ぜられていたのであったな」

「はい」

 蘭は硬直が解けて天狐を見ます。

「ならば、下界に落ちて後、其方は己を磨く事をしたか?」

 天狐の鋭い指摘に蘭はビクッとしました。

「その事を責めておるのではない。生きるとは、日々精進なのだ。それを忘れるなよ」

 天狐の言葉は厳しいものですが、その顔は慈愛に満ちています。

「ありがとうございます」

 蘭は自分の傲慢さを恥じました。

「やっぱり天狐しゃんは素晴らしい女性にゃん」

 リックが遊魔の踵落としをかわして言います。

「さすがよのう、天狐。ならば、我らが何故参ったのかも見抜いておるな?」

 鴻均道人こうきんどうじんが言います。

「無論です、道人様。伏羲ふくぎの居所をお知りになりたいのでありましょう?」

 天狐はお尻を触ろうとした道人の手をはねつけます。

 唖然とする孫左京達です。
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