昔々のお話です。
御徒町樹里はお坊さんです。
西にある仏様の国にありがたい教典を取りに行くために馬に乗って旅をしています。
ある日、樹里は大きな山の近くを通りかかりました。
その山にはかつて天界を騒がせた一匹の猿が封じられています。
猿の名は、孫左京。いかにも悪そうな名前と顔をしています。
左京は彼を封じた観音様から、
「ここを徳の高い僧が通りかかる事がある。その者の弟子になるのを条件に、そこから出してもらいなさい」
と言われました。
左京は悪知恵の働く猿でしたから、その僧を騙して出してもらい、サッサと逃げようと考えていました。
そして彼は、五百年もの間待ちわびていた僧が来たのを知りました。
「おおい、旅のお坊様」
しかし、樹里は馬に揺られて行ってしまいます。
「おおい!」
結局樹里はそのまま通り過ぎてしまい、孫左京は次の僧が来るのを待つ事になりました。
めでたし、めでたし。
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