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空に堕ちた
作:明朱



第二話 迷子の青年


 いろんなことがあって、俺、白馬 雪徒はこの高性能攻撃空母 大和撫子に乗艦する事となった。
前にも乗艦したそうだが、今は全然思い出すことが出来ない。
大和撫子の外装はグレーに赤のラインが引いてあり、正に軍艦そのものである。
「……ゆきと?」
女士官用の軍服に身を包んだ同い年ぐらいの子が声を掛けてきた。
「君……誰?」

……禁句だった。

言った瞬時、腹部に蹴りをお見舞いされた。見事にクリティカルヒット!!
「心配させといて、何言ってんのよ!!」
二つ括りの髪を靡かせ彼女は怒鳴った。
「……悪かった、だが、本気で誰か解らない……」
腹を押さえながら、取り合えず記憶喪失だと言うことを伝えてみる。
「何言ってるの! 私よ、わ・た・し、佐伯 留美よ!!」
「ああっ!! ……全然覚えてない」
「……ってヲイ! 何その反応!」
……って言われてもですね、思い出せないものは仕方ないでしょ?。
すっかり彼女は機嫌を損ない、大和撫子の中へと入っていった。
続いて雪徒も中へ入っていったのだが、彼女を見失って途方に暮れていた。
「……困ったなぁ。さっきブリッチへの行き方訊いとけばよかった」
案の定、雪徒はこの艦の構造をも見事に喪失している。よって、見事に迷子となった。
「どうなされたのですか?」
艦内をさ迷い歩いていると、一人の背の低い、パッチリとした目が印象的な子が声を掛けてきてくれた。
「……恥ずかしながら迷ってしまって」
「あ、隊長?」
「……隊長? 何のことか解らないけど、俺、白馬 雪徒って言います」
「……どうなされたんですか? まさか、記憶喪失とか?」
彼女はオロオロし出した。
「……勘良いね」
苦笑しながら雪徒は言った。
無論、この場の褒め言葉ではない。
「ホントにそうなんですか?!」
更に彼女は慌てふためく。
正直、テンパり過ぎ! と思ったのだが、本人には言わない方が無難だろう。
「とりあえず、艦橋への行き方を教えてくれないかな?」
「す、すいません。私が不甲斐ないばかりに…・・・」
今度はペコペコし始めた。
……この子は一体何なんだ?
「艦橋は何処?」
「あぅ〜、そこの専用エレベーターを使えばすぐにいけますよ」
謎の言葉を発し、その後ようやくブリッチへの行き方を教えてくれた。
「ありがとう。君の名前は?」
「……あの、春日 菜癒季です」
彼女は頬を赤らめそう言った。何故、頬を赤らめるのは謎だが……。
そして、彼女と別れを告げ、ようやく目的地へと辿り着くことに成功した雪徒であった。












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