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空に堕ちた
作:明朱



第十六話 日本司令部制圧作戦発令


「作戦開始時刻まで300秒切りました」
クロエ=クロウラ。
彼女も16歳にしてPFのパイロットだ。
「ありがとう、装備はCでいくぞ!」
「了解」
C型装備。 強襲用の重火器を装備して尚、PFの高機動を生かした最強の装備である。
「…………。 ウィン、マリ、クロエ、万が一作戦が失敗した時はすぐに撤退してくれ」
「……作戦前に、そんな事言わないで」
マリオンが珍しく反発してきた。
「そうだよー。 失敗したらお祝い出来ないよー」
ウィンも反発する。
「……すまない。 よし、開始時刻だ」
「了解!!」
四機のPFは日本司令部へと向かった。
「PF接近、数は四、識別コード検索……英軍です」
索敵担当の兵士が言った。
「銀翼隊、出撃!」
田辺 総一郎が指示を出す。
「了解しました」
「……了解」
モニター越しに、野田 加奈子と神無月 誠二の声が聞こえる。
「沢、風間、白馬と戦うかも知れん……」
「…………」
雪徒は私が連れ戻す……。
「麻美、奴は国を売った。 その事だけは忘れるな」
風間 捺葵が通信を入れる。
「……解ってます」
今の沢 麻美には、いざとなれば、雪徒を殺す覚悟も出来ている。
「ウィン、二時の方向はまかせる」
「了解! ユキト」
ウィンのPF、ウィルプスは二時の方向へと向かって行った。
「流石、日本司令部。 数が違うな……」
雪徒はレーダーで確認し、改めてその軍事力の凄さを感じた。
「十一時の方向、マリ、クロエやってこい」
「了解」
「……了解」
マリオンのPFセイレムと、クロエのPFクローバーが突撃して行く。
「よし、作戦通り。 このまま……!!」
舞桜の前に立ちはだかったのは銀翼隊の神無月ら三機であった。
「……神無月。 通してくれ」
神無月のPFに通信を繋げる。
「悪いな白馬。 これ以上は私にも無理だ」
「……そうか、なら無理にでも先へ行く!」
その言葉を最後に通信を切断し、舞桜は戦闘体制に入る。
「やれやれ、では私達も行くぞ!」
「了解」
神無月のPFから小型ミサイルが無数に射出された。
どうやら、一撃で舞桜を墜とす気らしい。
「……詰めが甘い」
無数のミサイルを回避するが、それが罠だと気付かされたのは数秒後の事となった。
麻美のPFがマシンガンでミサイルを爆破。
それと同時にかなり濃い弾幕に包まれる。
「ちっ! ……罠か!」
視界が見えなければ、攻撃する事も回避する事も不可能だ。
「……どうする」
額の汗が流れる。
彼はまさに絶対絶命のピンチに立たされたのである。
そして、このピンチに頭の中で弾き出された答えは一つ、TSFシステムの使用だった。
「……TSFシステム起動!」
TSF、タイム・ストップ・フィールド・システム。 英国が極秘裏で開発した超高速移動システムのことである。
余りの速さに周りが止まって見える為、この名前が付いた。
だが、その速さはパイロットにも負担を掛け、長時間の使用はかなり危険とされている。
「先の事を考えると10秒が限界……か」
−TSF起動−の表示と共にカウントされる。
……9……8……7……
舞桜は三機の背後へ回り、スラスターとバランサーを即座に破壊する。
3……2……1…… −Time out−
TSFの停止と共に銀翼隊のPF三機は制御不能となった。
「……何だ!? 今のは!」
神無月ですら動揺を隠せない。
「……雪徒」
雪徒を止めることはできなかった。 最早、麻美は雪徒が死なないようにと、後は願うだけである。
「……勝てませんね。 彼には……」
捺葵も溜息を吐く。
「……侵入開始」
雪徒は司令部内部への侵入に成功した。












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