◆3◆高校2年生のバレンタイン〜待ち続けます〜
“桃型のチョコ”
違うよ。
桃型なんかじゃない。
ホントは分かってるんじゃないの………? 蘭。
あえて彼の口から真実を聞くことで、彼を信じられるから。
吐かれた嘘は、最後まで吐き通してほしい。
そんな願いが、心の中にあったのかもしれない。
わたしが真実を知るのは、少し後になるけれど。
山荘で作ったチョコレート。
隣で騒いでた園子と違って、わたしは喜べなかったし、嬉しくなかった。
何を書こうかさえ、迷っていた。
何処にいるか分からない人の名前なんか、書けない。
そう思ってる。
今もね。
ねぇ、わたし、信じてるから。
チョコ、そんなことならメッセージでも書いておけばよかったなぁ。
今更だけど、伝えたいなあ。
バレンタインぐらい、素直になりたい。
【今すぐ会いたい】
その言葉を、何度飲み込んだだろう。
喉につっかえる言葉。
吐き出してはいけないんだ。
わたしは、来年のバレンタインまでに、あなたが戻ってこなかったら。
今度こそ、想いを伝える。
桃型のチョコ、作ってあげるよ。
その時は、義理ではなく。
本命という形で。
やっぱり、美味しいか味が気になるなぁ。
美味かったって、言ってくれたのにね。
わたしは、待ち続けます。
あなたが戻ってきてくれる日まで、ずっと。
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