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新蘭バレンタイン・ストーリー
作:沙和子



◆1-a◆中学2年生のバレンタイン〜境界線


「ねーねー毛利さんって工藤と付き合ってんの?」

またか…と内心思いながら、蘭は微笑んで手をひらひらさせた。

「新一とはただの幼馴染よ」

何回、いや、何十回このセリフに付き合わされただろう。



毛利蘭。
帝丹中学2年生。
空手部に入部していて、その腕前はかなりの物。

それとは裏腹に、蘭はモテていた。
先輩から後輩、同学年や、他校のファンも何人かいた。
その度に、『工藤とは付き合ってる?』や、『毛利さんって恋人居んの?』等、幼馴染の工藤新一との噂話を耳にした生徒が、蘭に言い寄って来るのは毎度の事。

その度に蘭は、『ただの幼馴染です』と返答して来た。
周りからは、付き合ってるだの恋人だの夫婦やら、囁かれているが、蘭はいい気がしない。


愛だの恋だの、蘭はよく分からなかった。
新一は、物心ついた時から隣に居て当たり前の存在。
唯一男性の中で心を許せる存在だったから。

だから別に好きと言うわけでもないのに。
どうしてそう周りははやし立て、決め付けるのだろう。
蘭は最近この手の話はうんざりしていた。
私と新一はそんな関係じゃない。

そう思ってた。
幼馴染と言う特別な関係が、崩れる事などないと思ってた。
崩れない、はず、だったのに。




ちょっとしたキッカケで、蘭は新一を初めて意識した。
小学生だった時は同じくらいだった背丈。
それがいつしか蘭を越す程の背丈になっていて。
サッカー部のエースとして活躍していた為、程よくついた筋肉。
中学生になって、新一のルックスを改めてみると、意識せずにはいられなかった。


「どした? 蘭。何真っ赤になってんだよ?」

帰り道、新一と蘭はいつも一緒に帰っている。
登校時もそうだ。
それを周りから見れば、恋人同士が一緒に歩いている、という事になる。


「最近【付き合ってるの?】とかいう質問多いよね。新一は女の子から聞かれるでしょ?」

「んー? まーな」

「そんなんじゃないのにね。新一と私はただの幼馴染……だよね……?」

蘭の声は、震えていた。

「…あのさ、蘭。近くにいいファミレス出来たんだって。今から行かねぇ?」

話をはぐらかした新一は、蘭の手を握ると、歩き出した。
いつも握られる手も、今日は熱い。

意識…してる。
自分でも分かるくらい、新一を意識してる。

蘭はふと、新一の気持ちが気になった。



新一は、自分をどう見ているのか。

幼馴染か?

それとも――――…?


















こんにちは、白石です。
遂にバレンタイン・ストーリー。
本当は2月14日に連載投稿したかったんですが、そこまでいくと卒業準備で中々更新できなくなるので^^;

あえて完結日を重ねました。

そうすると無理矢理更新をお休みしたりすることがあるので、あまり期待しないで下さいね。

では、他の連載もよろしくお願いします。











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