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旅路
作:LIGHT



No.1


シュルサ帝国、ここは大陸の中では小さいほうに入る国だが、帝都の市場はこの国の者や、他国から来た商人達でにぎわっていた。
その賑わいから離れた帝都の外れの森の側で、二人の少年が買ったばかりの服に袖を通しながら話していた。

「シュルサの服ってショルのより薄手だし軽いな」

服の生地を触りながら言ったのはレオン。銀髪で背の高い少年だ。今年15才

「当たり前だろ。ショルよりシュルサの方が暖かいんだから」

袋を肩から掛けながら当たり前の事を言ったのはカナタ。レオンとは対照的に背の低い少年。今年12才


「さてとそろそろ行くか?まずはウルを目的地にしようぜ」

「そうだな・・・俺は余り此処に居たくないし」

「そうか?まあいくか」

そう言って二人は並んで歩き始める。並ぶと二人の身長差がとても可笑しい。
















「森の中を通るのか?」

「うん。まあ虫は多いけど」

「む、虫・・・」

「?まさか、カナタお前虫嫌いなのか?」

「毛虫とか、そういう系はちょっと・・・」

「意外だな。カナタの嫌いなものが虫だなんて」

「うるさい」

そんな会話をしながら、森のの中を歩いていく。

「あ?」

「どうした?レオン」

「茂み揺れてた様な気がする」

「まさか・・・」

二人はゆっくり茂みに近づいていく。

ドン!

「きゃっ!」

「うわ!」

誰かが茂みから飛び出し、カナタとぶつかり二人して地面に倒れこむ。

「????大丈夫か?」

「す、すいません」

「っててて・・・大丈夫だから良いよ。それよりどうしたの?」

「えっと・・・」

カナタとぶつかったのは女の子だった。その子が事情を話そうとしたとき、

「この糞餓鬼くそがき!!財布を盗みやがって」

一人の大男が同じ茂みから出てきて、少女の事を睨みつける

「本当なのか?」

「違う。私は何もしてない」

レオンの問いに少女は首を振り否定する。

「この子の言ってる事は本当見たいだぜ、レオン。おっさん、右ポケットの横についてる袋は何だよ」

「何・・・!!」

「それ捜してた財布?人の事泥棒って言う前に確認したら?まさかあんたのほうが泥棒やってたりするんじゃないの?」

「こ、この野郎!!」

カナタの冷静な口調(かつ毒舌)に対し逆切れし、拳を振り上げ殴りかかろうとしたが、あっさりとよけられてしまった。

「やめといたほうが良いぜ。コイツ喧嘩には滅法強いからな」

少女の側にいるレオンが顔を真っ赤にして怒っている男に言い渡し、

「そう言う事だ、よ!!」

カナタは短槍の石突を鳩尾に叩きつけ(と言ってもある程度力を抜いているが)気絶させる。

「あんた、名前は?」

カナタは後ろを振り向き、少女に問い掛ける。

「私はティナといいます。諸事情で旅をしています。・・・というより始めたというほうが良いですが」

「そっかなんなら、一緒に行くか?俺らも途中だし。いいよな?カナタ」

「・・・ふん、どうせ文句いってもきかねぇだろ。べつにいいぜ」

「じゃ、決定な。よろしくティナ。俺はレオンって言うんだ。こいつはカナタ。付き合い悪いけど良い奴なんだ」

「余計な事いうな」

3人は再び歩き出す。ウルの町に向けて。














しかし、ティナと一緒になった事がこの2人を大変な目にあわせるとは誰も思っていなかった。
















帝都、王城の広間


「クリスティアは何処へ行った!!」

「朝から姿が見えないんです。部屋にもいないですし・・・」

「なんとしても探せ。クリスティアがいなければこの国は滅ぼされてしまう!!」

帝は、自分の娘がいなくなったことに対して、朝から怒りをあらわにしている。

「父上」

「何だ?サナン」

「いくらこの国を守るためとはいえ、隣国に無理やり嫁がせるなどいくらなんでもクリスティアが可愛そうです。他の方法はないのでしょうか?」

「お前までその事を言うのか!!皆のように批判を・・」

「批判ではありません!!!ただ、クリスティアのことも考えてあげてください。これは帝の子としての意見ではなく兄としての・・・」

「うるさい!良いと言うまで、自室にいろ!!」

「父上・・・・」

サナンは、渋々自室に戻っていった。

(クリスティアのことより、国の事を考えなければならないのがまだ分からないのか)

帝は一人怒りを納めずにいた。














サナン、自室

サナンは窓をあけ、外を見つめていた。眼下には市場の賑わいと森の静けさが一度に見て取れた。

(クリスティナ・・・自分の生きたい様に生きろ。そのほうがいいんだ・・・僕にはできない事を少しでもやって来い)

















再び、広間

帝はまだ考えている様だったが、そこへ憲兵長が入ってきた。

「帝様、民からの報告が」

「どうした?」

「なんでも、森の中でクリスティア様と思われる少女が、二人の少年と隣の町へ向うのを見たと」

「それは本当か?」

「はっ、本当でございます」

「それで、その二人は何者だ?」

「さあそこまでは・・・ただ、異国の者のようです」

「うむ・・・・・・憲兵達で、その者達を追え。但し、少年二人は殺せ」

「しかし・・・・・」

「かまわん。もしクリスティアが自分から逃げ出したのなら、他国にその事を洩らしたくない」

「判りました。早速その二人を手配しましょう」

「頼むぞ」

「はっ!」


憲兵長は広間から大急ぎで出て行った。

(後は、憲兵達が無事見つけ出してくれるのを待てば良い)

帝も、暫くしてから自室へと戻っていった。


どうでしたか?
ティナは何者なのか?皇女クリスティアは何処へ行ったのか?両者は関係あるのか?
疑問は次の章で解けるはず。

感想をいただけると嬉しいです。











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