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エウレールの森の民 作者:アヤキリュウ
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第34話 王宮図書室の主

 朝食後、アスティは真っ直ぐその足で図書室に向かった。
 中庭を抜け、本宮の北玄関を入り——玄関脇に立っていた騎士団員に会釈すると敬礼を返してくれた——階段を登る。三階にたどり着くと、正面に立派な扉がアスティを待ち構えていた。
 王立図書館分室——扉の脇には美しい装飾に彩られた看板が掲げられている。
「クエッ。」
 アスティが廊下でぼんやりと扉を見上げていると、キーロも大きな扉に感心したように鳴いた。
「勝手に入っていいのかな……?」
 周囲には警備の騎士団員の姿も見当たらず、アスティは恐る恐る立派な扉を押した。重い扉はギイッと音を立ててゆっくりと開き、アスティが隙間に体を滑り込ませるように中へ入ると、埃の臭いが鼻を突いた。
「……ぅわぁ。」
 扉を後ろ手に閉め、アスティは眼前の本棚を見上げて感嘆の息を漏らした。
 アスティの倍以上の背丈がある本棚にはびっしりと本が詰まり、広い空間に何列も規則正しく並んでいる。予想以上の本の量に、アスティは一瞬めまいを覚えた。
 広い図書室の中に人影はなく、アスティは棚の側面に掲げられた分類名の表示を見上げながらゆっくりと通路を歩く。揃いの装丁の分厚い百科事典がずらりと並んだ棚もあれば、大きさも厚さもまちまちな色とりどりの本が並んだ棚もある。アスティは森の奥を探検する時のようなわくわくした気持ちになって、自然と笑顔になっていた。
 宿所の食堂をいくつも並べてぶち抜きにしような広過ぎる図書室の中で、「歴史」の本の棚はなかなか見当たらないが、アスティはふらふらと本棚の間に入り込み、丁度目線の高さにあった小さな本を手に取った。
 両隣の本に押しつぶされるように本棚に挟まっていたその本は、薄紅色の表紙に可愛らしい花の絵が描かれている。
 『川辺の野草』——そう題された本は、開いてみると、全てのページが小さな草花のスケッチとその簡単な説明書きで構成されていた。表紙のイメージのままの可愛らしい本だ。
 中には赤い実を付けた草の絵もあり、そのページを開くと、キーロが嬉しそうに声を上げた。説明書きを読むと、「渋みが強く食用には向かない」とあるのだが。
「……あれ、なんやアスティちゃんやん!」
 突然、上から声が降ってきて、アスティは反射的に天井を見上げた。見れば、天井と本棚の隙間からナウルが顔を覗かせていて、アスティは思わず声を上げた。
「な、ナウルさん!?」
 背の高い本棚と天井の間には、人が腰掛けられるくらいの隙間はあるし、棚の高いところにある本を取るための梯子も所々に立て掛けてあったが、決して中二階があるわけではなく、本来、そこに人が乗ることは想定されていないように思われた。
「王宮探検でもしとるんか?」
 ナウルは、束ねた長い髪を本棚から垂れ下げながら、ひらひらとアスティに手を振る。
「あ、いえ、探検と言うよりも、この国の歴史について勉強をしようと思って……。あ、あの、ナウルさんはそこで何をしていらっしゃるんですか?」
 ナウルの問いに答えつつ、アスティは一番に脳裏に浮かんだ問いを思い切ってナウルに投げ掛けた。
「俺? そらもちろん、本読んでんねん。ここは図書室やからな。」
 ナウルは本棚の上から古びた茶色い表紙の本を差し出して言った。
「……本棚の上で、ですか?」
 アスティは思わず聞き返してしまう。
「ここ、ええねんで。静かやし、黙って寝転がっとれば意外と見つからへんねん。たとえ見つかっても、上の方が見晴らしがええからすぐに気付いて逃げられるんやで。」
 ナウルは得意げに語り、アスティは、誰に見つかるのか、どうして逃げる必要があるのかについては深く問わないことにした。昨日の歓迎会で騎士団員の面々がナウルについて語っていたことを総合すれば、たぶん、この場所は読書家のナウルにとって最適な仕事のさぼり場所なのだろう。
「あの……ナウルさんは、歴史の本がどこにあるか御存知ですか?」
 アスティは遠慮がちに尋ねると、ナウルは一瞬きょとんとした後、ふっと含むような笑みを見せた。
「アスティちゃんはこの国の歴史に興味があるん?」
 問いに問いで返され、アスティは戸惑いながらも素直に頷いた。
「はい。昨日、イニスさんと話して、私はこの国のことを何も知らないんだって思ったんです。だから、ちゃんと知ろうと思って……。この国の歴史——つまり、王都がどのように発展してきたかが分かれば、王都の人の考え方も分かるんじゃないかって気がして……。」
「なるほど。イニスに言われたんやな、本を読めって。」
 ナウルはにやりと笑った。
「あ、いえ、読めと言われたわけではなく、歴史のことなら図書室に分かりやすい本があると教えてくださって……。」
 アスティが慌てて言うと、ナウルはひらひらと手を振って遮った。
「どっちでも同じようなもんやて。けどまあ……イニスに勧められてわざわざここに来たっちゅうなら、王宮図書室の主たるこのナウル様がしっかりとこの国の歴史を教えたろうやないの。ミイラ取りがミイラにならへんようにな!」
 ナウルがそう言うのを聞いてやっと、アスティは、マリアンヌが言っていた「ちょうどいい先生」とはナウルのことらしいと思い至った。東の森での三日間でナウルが博識であることは十分認識していたし、ナウルの部屋で見た大量の本の山も彼が読書家であることの証に他ならない。それに何より、この静かな図書室内には、他に先生になってくれそうな人の気配が全くない。
 そうだとすれば、昨晩イニスが口に仕掛けていた「歴史を専門にしている騎士団員はいないこともない」というのも、もしかしたら……。
「あ、あの……ナウルさんはこの図書室の主なんですか?」
 アスティは確認としてナウルに尋ねた。先ほど、ナウルが仕事をさぼってここにいるのだと思ったのだが、図書室の主だと言うなら、ここにいること自体がナウルの仕事なのかもしれない。ナウルの口振りからすると、イニスもナウルがここにいることは当然知っていたようだし、主と言うからには、例えば図書室の警備が彼の仕事なのかもしれない。
「ん? ああ、まあそうやね。俺ほど年中図書室におる奴もおらへんから。」
 ナウルはにこりと笑ったが、この答えからすると、必ずしも仕事で図書室にいるというわけではなさそうだ。「主」の呼称も自称に過ぎず、やはり仕事をさぼってここにいると考える方が妥当そうだ。
「まあ、とにかく。本を読んで悪いことはあらへんからな。歴史の本ならこっちの棚やで。」
 そう言ってナウルが天井と本棚の隙間に消え、アスティの肩から飛び上がったキーロがそれを追った。アスティは慌てて通路に飛び出し、本棚の裏側の列をのぞき込む。
「ほれ、これとかこれとか、まあ、初心者向けはこの辺りやなー。」
 ナウルは本棚の上から身を乗り出し、向かいの棚から数冊の本を抜き取っていた。
「あ、危ないですよ?」
 アスティは恐る恐る近付いてナウルを見上げたが、ナウルは「こんくらいは全然平気やて。慣れてんねん!」と意に介さない。それどころか、片足を向かいの本棚の最上段に引っかけて、より遠くの本にも手を伸ばしている。
 アスティはおろおろしながら、ナウルが下ろしてくれた本を受け取った。
「あ、ありがとうございます。」
「ええよ、ええよ。とりあえず、今渡した本は正史に基づいて書かれた基本書や。一通りのことは全部書いてある。それで、アスティちゃんはこの国の歴史のどこに特に関心があるん?」
 ナウルは本棚から逆さにぶら下がってアスティと目線を合わせ、聞いてきた。
「どこ……と聞かれても、森の外のことは全然何も知らなくて。」
 アスティは器用過ぎるナウルの体勢に一瞬ぎょっとしたものの、ナウルが取ってくれた本を抱えて苦笑しながら答えた。
「そやったら、エウレールの初代国王が何をしたかは知っとるか?」
 ナウルは逆さまの体勢のままアスティが手にしていた本を奪うと、ページをめくり、初代国王エストニールの肖像画の載ったページを開いて差し出した。
「あ、それなら知っています! 北の森の勇者が悪い魔女を倒して人々を救い、勇者は多くの人々の期待に応えるべく新しい国を作ることを決意して国王の座に就いた……って絵本で読みました!」
 アスティは、記憶の中の絵本に描かれたかっこいい勇者の姿を思い出しながら元気よく答えた。もっとも、ナウルが差し出した本の肖像画は晩年のものなのか、白い髭をたくわえたおじいさんの姿で、アスティはそのことを少しだけ残念に思ったのだけれど。
「なるほど……ほんならそこから始めよか。」
 そう言ってナウルは一度本棚の上に戻ると、本棚に立て掛けてあった梯子をアスティに寄せた。そして、梯子の途中に腰掛けると、ゆったりとした調子で語り始めた。

 ——昔々、もう千年以上前のお話です。山と海に囲まれた豊かな土地がありました。
 土地の北側には万年雪に覆われた険しい山々が聳え、東西にも高い山脈が土地を囲うように連なっていました。三方の山脈に降り注ぐ雨雪は清流となり、その土地を覆う広大な森の中央で合流して南の海へと注ぐ大河となります。その大河を、人々はエウレールと呼びました。
 エウレール河には東西の山脈から流れ込む二つの主たる支流があり、それらはエウレール河の本流とともに、山と海に囲まれたその土地を三つの地域に分けていました。
 東西の支流の合流点より南側には、広葉樹を中心とした豊かな植生が広がり、人々は森の恵みの下に暮らしていました。エウレール河を隔てて東側では東の森の民が、西側では西の森の民がそれぞれ独自の文化を築いていました。
 そして、支流の北側には針葉樹を中心とした森林地帯が広がり、北の森と呼ばれていました。北の森は暗く、冬場は雪に覆われる厳しい場所でしたが、北の森の民は夏の間に食料を蓄え、冬の厳しい寒さに耐えながら暮らしていました。
 高い山脈と海に囲まれたその土地は、長らく閉ざされた場所でしたが、ある時、海の向こうの商船団が南の浜に流れ着きました。
 嵐に遭って傷付き、浜に打ち上げられた船とその乗員たる渡来人たちを最初に見つけたのは、東の森の民でした。
 東の森の民は、過酷な航海で弱った渡来人たちを介抱し、豊かな森の恵みで御馳走を振る舞いました。回復した渡来人たちの多くは船の修理が終わると母国へ帰って行きましたが、渡来人のうちの何人かの野心溢れる人々はその土地に留まりました。先住民たる森の民の人々は豊かな森での狩猟採集によって生活していましたが、渡来人たちは農耕民族であり、森を切り開いて畑を作り、家畜を育て始めました。彼らはしばらくは南の地で農耕に励んでいましたが、母国へ帰った人々が仲間を連れて再びその土地を訪れるようになると、彼らはエウレール河を遡り、少しずつ北方へ、森の深奥へと進出するようになりました。
 生活様式の異なる渡来人たちの振る舞いに多くの東西の森の民は戸惑い、時に居住地を巡って激しい争いも起こりました。一方で、渡来人たちが持ち込んだ新しい文化や技術に興味を持った森の民もいました。北の森の民です。
 北の森の民は、厳しい自然に立ち向かうための新しい力を求めていました。
 古来より、北の森の民を束ねていたのは巫女と呼ばれる女性たちでした。巫女は特別な力を持ち、神の声を聞き、また、神にその声を届けることができました。
 しかし、渡来人たちがその土地に進出してから数年間、北の森は厳しい冬に見舞われました。巫女たちがどんなに祈っても風雪は止まず、夏は短くなりました。
 巫女たちは北の森の人々のために必死の祈りを神に捧げましたが、自然の猛威が衰えることはありませんでした。
 そのうちに、巫女たちの特別な力を疑う者も現れるようになり、それまで集落で尊敬の眼差しを向けられていた巫女たちは心ない侮辱の言葉さえ投げつけられるようになりました。
 特に、それまで巫女たちが伝える神の声に従って集落のために働き、巫女たちを支えてきた男性たちが、巫女たちへの不信感を強くしていました。必死に働いて集めた僅かな食料を神への供物として差し出してもなお、冬の寒さは衰えることを知らず、森の木の実も不作の年が続きました。
 次第に、人々は、巫女たちが告げる神の言葉に従うことを拒むようになりました。巫女が告げる神の言葉を嘘と疑い、自分たちは巫女に騙されているのではないかと言い出す者も現れました。
 そんな時、北の森の民の男たちは出会いました。神に祈るのではなく、自ら森を切り開き、自然を作り替えてより快適な生活環境を作り出そうとする人々に。
 彼らは渡来人のもたらす技術によって厳しい冬を乗り切る術を得ました。それは即ち、彼らが神の声に従うほかに生きる術を得たということを意味していました。北の森の民の男たちは、渡来人をエウレールの大地の奥へと招き入れ、その高度な文化や技術を積極的に学びました。
 巫女たちは、これに反対し、これまで通り神の声に従って生きるよう求めましたが、男たちは聞き入れませんでした。
 そして、巫女たちに代わって、一人の男が北の森の民を束ねるようになりました。彼——エストニールは、渡来人たちがもたらす技術を最も多く学び、それらに最も深く精通していました。エストニールはまた、技術のみならず、文化や政治も渡来人に学んでいました。そして、先進技術をもたらした渡来人たちの母国に倣い、強力な独立国家を作ることを夢見ていました。
 それから、北の森の民は、エストニールの指導の下で渡来人たちの技術を生かし、エウレール河の支流の合流地点の近くに巨大な都を築きました。都を見下ろせる高台には立派な王城も築かれました。
 渡来人のもたらした高度な技術によって、北の森の人々は、過酷な自然から身を守れるようになりました。厳しい冬にも強い植物を育て、安定的に食料を確保することもできるようになりました。
 エストニールはそれまでの貢献を評価され、人々に推されて王位に就きました。
 そしてここに、エウレール王国の建国が宣言されました。

 「今、王都を牛耳っとる連中はほとんどがこの北の森の民の末裔や。確かに、彼らも先祖を遡れば森の民として森で暮らしとったんやろけど、あいにく、彼らが受け継いどる精神は森の民とは真逆っちゅうこっちゃ。」
 ナウルは物語を終えると、ため息を吐いた。
「従来の暮らしを続けようとしていた巫女たちはどうなったんですか。」
 アスティは希望を求めて尋ねた。神の声に従い、時に残酷とも言うべき厳しい自然と共に生きようとした巫女たちこそ、森の民の精神性を受け継ぐ人たちに違いない。東の森でも、森の民は恵みをもたらす森の神に対して祈りを捧げ、《森の守護者》は時に神の声を聞くと言われていた。北の森での巫女たちは東の森での《森の守護者》のようなものだろう。
「その辺は信頼できる記録があまり残ってへんのやけど、少なくとも、筆頭の巫女は建国宣言と同時に処刑されたみたいやな。刑の執行記録自体は公式のもんが残っとる。」
「しょ、処刑!?」
 予想外の答えに、アスティは上擦った声を上げた。
「正史の記述——つまり、王国を建国した連中の認識に従えば、彼女らは悪魔に魅入られ、新しい暮らしへの転換を拒み、人々を破滅へと導く悪しき魔女っちゅうことになっとるんやから、当然やろ。アスティちゃんが読んだ絵本も正史に則って描かれたもんやね。」
 ナウルは何でもない風に答える。確かに、初代国王が悪しき魔女を打ち倒した勇者だとすれば、倒された魔女たる巫女たちはそういう扱いになるのかもしれない。
「でも、本当は違ったんですよね?」
 アスティはナウルに尋ねた。ナウルが語る物語の中で、巫女たちが嘘を吐いて北の森の民の人々を騙していたという証拠は何一つ述べられなかった。ナウルの話しぶりからしても、巫女たちが本当に悪しき魔女だったとは思えない。
「さあ、それはどうやろね?」
 アスティの問いに、ナウルは挑発的な笑みを浮かべながら答えた。
「俺は千年以上も前の出来事を実際に見ていたわけやあらへん。俺に分かるんは、正史とは異なる記録や伝承も僅かながらあちこちに残ってるっちゅうことだけや。まあ、歴史なんちゅうもんは勝者がいくらでも自分に都合のええように書き換えるもんやとは思っとるけどなぁ。」
 ナウルはため息交じりに言い、手にしていた本をパタンと閉じた。
「正史はこの国の公式の歴史書や。少なくとも王都の連中は、正史の記述が真実や思うとるし、その認識はそう簡単に覆されるもんでもあらへん。今更、初代国王は純粋無垢な巫女様を殺した大悪人や言われても、到底受け入れられるもんやない。」
 ナウルの言うことは尤もだ。尤もではあるが、納得し切れないしこりが残る。
「でも、それじゃあ巫女たちが可哀想です。」
 アスティは精一杯の反論を漏らした。
「優しいんやね、アスティちゃんは。」
 ナウルがふんわりと笑い、普段ナウルが見せるふざけた表情とは違う優しい微笑みに、アスティは一瞬魅入られて息を飲む。
「けど、今更歴史を覆したところで、何も変わらへんよ。巫女たちはもうとっくに死んでもうとるんやから。」
 続いたナウルの言葉は厳しく、その表情も一瞬にして厳しいものに変わっていた。
「むしろ問題はこれからのことや。歴史よりも、今を変えないとあかん。アスティちゃんは、東の森の開発を止めさせたいんやろ?」
 ナウルがにっこりと笑った。いつもの少しおどけたような笑顔だ。
「……は、はい!」
 見慣れないナウルの表情にぼんやりとしていたアスティが慌てて答えると、不意にナウルが腰掛けていた梯子から飛び降りた。
「よっしゃ、ちょっと気分転換しよか!」
 ナウルは手にしていた本を本棚に戻し、アスティの手からも本を奪い取って本棚に戻してしまった。
「あ、あの……。」
 アスティは戸惑いながら、ナウルに声を掛ける。せっかく色々教えてもらおうと思っていたのに、今日の授業はこれでおしまいということなのだろうか。
「何も机にかじり付いて本から知識を吸収するだけが勉強やないんやで! 本は夜に一人でも読めるさかい、今日はせっかく天気もええし、一緒にお出掛けと行きましょか!」
 そう言うと、ナウルはアスティの腕を掴んで本棚の間から通路へ跳び出して行く。
「で、出掛けるって、どこにですか?」
 アスティが驚きながらナウルの背に問い掛けると、ナウルは振り返って得意げな笑みを見せた。
「そらもちろん王都の街や。この国の全てが見える場所やで! 百聞は一見に如かず、この国の今を見れば過去の歴史も見えてくるっちゅうもんや!」

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