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田中のアトリエ ~年齢イコール彼女いない歴の錬金術師~ 作者:金髪ロリ文庫

本文

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大聖国 七

 結論から言うと、ソフィアちゃんの足取りはサッパリだった。

 深夜、メイドさんが宿屋を後とする姿を宿屋の女将さんが目撃していた。しかしながら、それ以降は我々が同所を訪れるまで、彼女が戻ったという連絡は宿屋の誰も受けていないという。そして、お部屋はロリゴンが証言した通り、もぬけの殻だった。

 はてさて、これはどうしたものか。

 彼女が借りただろう居室を眺めて、今後の方針に関して頭を悩ませる。まさか人相書きを街中で配るわけにもいかない。しかしながら、万が一を考えると不安がムクムクと。こういう時に携帯端末が存在しないこちらの世界は不便である。

「流石に不安ですね」

 夜中にうら若き処女が街を一人とか、極めて危うい感じがする。

 ファックの予感。

「そもそも何故に深夜、一人で外へ出ていったんだ? もしかして、その、なんだ? 初めて訪れる街に興奮して、夜遊びの類でもしているのではないだろうか? それだったら昼が過ぎた頃には自らの足で戻ってくると思うのだが……」

 エディタ先生から非常に切ない推測が挙げられた。

 ソフィアちゃんも年頃だし、そういう可能性もあるだろう。

 ただ、今回に限ってはないと思うんだ。

「もしも平時の首都カリスであれば、そういった可能性も考慮すべきでしょう」

「むしろ旅先のほうがソワソワするんじゃないのか?」

「クリスティーナさんとロコロコさんの言葉に従えば、昨夜はエディタさんの捜索を翌日に控えて床に就いたとのことです。そのような状況にありながら、一人で夜中遊びまわるような方ではないと思います」

「そ、そうか……」

 嬉しいような困ったような、なんとも言えない表情となる金髪ロリムチムチ先生。

 途端、返す言葉に詰まるのはコミュ症の証だ。

「そう考えると、もしかしたらソフィアさんはお一人で、屋外へ捜索に向かわれたのではありませんか? 昨晩、クリスティーナさんとロコロコさんは彼女が寝付いたことを確認してから、捜索に出掛けたのですよね? 夜中に起きたところで、彼女は同室のクリスティーナさんが留守であることを確認したのではないかと」

 むしろ、こちらの方が自然だ。

 あれでなかなか気が利く子だと思うんですよ、メイドさん。

 半分くらいは小心者が所以かもしれないけれど。

「どうでしょう?」

 それとなくロリゴンとゴッゴルちゃんへ視線を向ける。

『……むぅ』

「可能性としては高い」

 口をへの字に曲げるロリゴンとは対照的、粛々と頷いてみせるのがゴッゴルちゃん。果たしてその判断が何に基づいて下されたものかは知れない。ただ、彼女のクールな眼差しは妙な説得力を伴って思えるから不思議だ。

「仮にそうだとすると、どこかで迷子になっているのかもしれませんね」

「或いは面倒に巻き込まれている」

「……そうですね。可能性としてはゼロではありません」

 この褐色ロリータさんに指摘されると怖いよな。

 なんだか本当のような気がして。

「私としては不安のほうが大きいので彼女の行方を追いたいと思うのですが、すみません、皆さんにもお手伝いしていただいてもよろしいでしょうか?」

 たぶん大丈夫だと思うけれど、ここは慎重に行動するのが良いと見た。

『だから最初から探しているっ!』

「同じく」

 ロリゴンとゴッゴルちゃんからは快諾を頂戴。一方で酷く申し訳無さそうにしているのがエディタ先生だ。所在なさ気に肩を小さくして、あっちを見たり、こっちを見たり、なんかもう眺めている方が申し訳なくなってしまうぞ。

「っていうか、わ、私のせいで迷子になっているんだよな……」

 ボソリ、零れた呟きも消え入りそうなほど。

『そのとおりだっ!』

「ぅぐっ……」

 ロリゴンってば容赦無いな。

「クリスティーナさん、今はソフィアさんの捜索を優先しましょう」

『ぐるるるるっ……』

 そんなロリゴンにゴッゴルちゃんが体育座りのままファイア。

「……そもそも今回の追跡の発案はこのメスドラゴン」

『な、なんだとっ!?』

 大きく戦いてみせるロリゴン。

 大丈夫、なんとなくそんな気はしていた。

 今更である。

『元はと言えば貴様が率先してコイツの行き先を調べに行ったではないかっ!』

「……なんのこと?」

『ぬぁっ!?』

 そして、熱り立つクリスティーナの背中を押したのが、きっとゴッゴルちゃんなのだろう。なんとなく当時の様子が脳内に再現されては、ふと微笑ましい気持ちになる。残念ながらこのクールっ子はお茶目なのだ。そして、お話の為には割と手段を選ばない。

 しかし、ゴッゴルちゃんとロリゴンの二人、いつの間にか随分と距離が縮んでいるような気がする。仲が良いのは良いことだと思うけれど、自分の留守中に何かあったのかと思うと、少し怖いような気がしないでもない。

 もしかしたら近い将来、二人と3P出来るかもしれない。

 そう考えるとやる気が臍より下に漲ってくるのを感じる。

「二人共、話し合いはここまでにしましょう」

 睨み合う二人を仲裁しつつ、強引に話を勧めさせていただく。

「皆で固まって探しても効率が悪いので、ある程度エリアごとに活動したいと思います。私は街の南側を、クリスティーナさんは西、ロコロコさんは東、そして、エディタ先生は北を探して下さい」

 分配が適当なのは、現地の地理に詳しくないので致し方なし。

 こんなことなら事前に聖女さまから地図の一枚でも貰っておけば良かった。

「日が暮れる頃に再びここへ集まりましょう」

 一頻りを語ったところで、不意に縦ロールから声が上がった。

「あらぁん? わたくしはどうすれば良いのかしらぁ?」

「もしもお手伝いして頂けるようであれば、こちらの都市の中央、先ほどまで観光していた大聖堂の界隈を重点的にお願い致します。他に多く貴族や位の高い聖職者の方々のお屋敷も集まっておりますので、ドリスさんのような貴賓のある方が見て回って下さるのであれば、こちらとしても非常に頼もしいです」

「随分とまあよくペラペラと回る舌ねぇ……」

「難しいでしょうか?」

「分かったわぁ。あの子のことは嫌いではないし、わたくしも手伝うわぁ」

「ありがとうございます、とても助かります」

 このメンツだと案外、さくっと縦ロールあたりが見つけそうだよな。

 まあ、誰が見つけてもソフィアちゃんはソフィアちゃんだ。

「それではすみませんが、捜索に移りましょう」

 皆が頷いたところでヨーイドン。

 異国の地でソフィアちゃん探しの始まりである。



◇◆◇



【ソフィアちゃん視点】

 メイドはお屋敷を彷徨っております。

 かれこれ半刻ばかりを彷徨っております。

 素直にお伝えすると迷子にございます。

 当初は出入り口を求めて、多少の方向感覚と共に歩んでおりました。しかしながら、行く先々に同じメイドや執事の方を見つけては踵を返しての繰り返し。幾十回か繰り返したところで、見事に建物の中で迷子となってしまいました。

 徹夜明けの疲弊もまた、集中力など疾うに切れております。注意力の散漫も甚だしいです。このような体たらくだから、見ず知らずのお屋敷に突っ込まれてしまうのです。平常であればちゃんと断ることもできたような気がしないでもありません。

「……眠い、眠いですよ」

 ふらふらとしながら、必至の形相でお屋敷の中を歩んでおります。いっそのこと窓から外に飛び出してしまいたい衝動に駆られます。二階くらいからなら、やってやれないことはないような気がします。

「…………」

 危険ですね、睡眠不足はときに人を大胆にします。

 冷静になりましょう。

 万が一、足でも挫いたら大変なことです。

「ちょっと、アンタっ!」

「……っ」

 人気も少ない廊下を歩んでいる最中のことでした。

 不意に後ろから大きな声が響いてきました。

 振り返ってみると、そこには路上で声を駆けて来たメイドの姿が。

「こんなところで、なに油を売っているんだいっ!」

「いえ、あの、わ、私は……」

「部屋の掃除が終わったのなら、次は中庭の掃除だろうっ!?」

 いけませんね。

 今の体調で中庭の掃除などしては倒れてしまいます。屋外の清掃は、簡単な掃き掃除であったとしても、意外と体力を使うのです。

 これはあれですよ、最後の力を振り絞ってお伝えせねばなりません。

「ほらっ! こっちだよっ!」

「ま、待ってくださいっ!」

「なんだいっ!? ちゃんと給料分は働くんだよっ! そもそもサボっているところをお館様に見られたら無事じゃいられないよっ!? それくらいのこと、アンタだって重々承知しているだろうにっ!」

「わ、わ、わ、わたし、こちらのお屋敷のメイドではありませんっ!」

「……なんだって?」

「あの、メイドの格好してましたけど、わ、私は他の方のメイドで、あの、ペニー帝国のタナカ男爵という方のメイドをしておりまして、ちょうどこの辺りに用があって、それで、あの、お、大きなお屋敷だなぁ、とか、見てて……」

「…………」

「だから、あの、私はこちらのお屋敷のメイドではなくてですね……」

「……本当かい?」

「はい」

 ちゃんと伝わったでしょうか。

 こちらの女性は齢を召していらっしゃるだけあって、押しの強い方です。きっとメイド長的な立場にあるのでしょう。もしかしたら、若造の嘘だと思われてしまうかもしれません。そうなったらどうやってお屋敷から脱出すれば良いのでしょうか。

 などと考えておりましたところ。

「……それは不味ったねぇ」

「え?」

「部外者を屋敷に連れ込んだとバレたら、私が大目玉じゃないか。それにペニー帝国のタナカ男爵だったかい? そっちにバレたら、もっと面倒なことになっちまう。それで前に首をちょん切られたメイドがいたんだよ」

「であれば私としても、は、早めに開放して頂けたらと……」

「こうなったらアンタにゃ悪いが、しばらく牢屋に入っていてもらうよ」

「……え?」

「なに、しばらくすれば外に出られるさ。もしかしたら異教徒と間違えられて処分されちまうかもしれないけれど、その時はその時。ここの拷問はえげつないからね。外へ出る頃にはアンタがアンタだと分かるヤツもいない形になってるだろうさ」

「…………」

 ダ、ダメです。

 この人確実に私を殺しに来てますよ。

 どれだけ危険な方がお住まいなのですか、こちらのお屋敷は。



◇◆◇



 問題とは得てしてまとまって訪れるものだ。

 それは例えば環境的な要因である場合が多い。問題が起こるというのは、問題が起こりやすい環境に状況が存在している為であって、そういった環境に身を置いている限り、問題は起こりやすいままだということだ。

 つまり何が問題かと言えば――――。

『おい、あのエルフはいつになったら戻ってくるんだ?』

「ええ、まあ、たしかに遅いですね……」

 エディタ先生も迷子になったっぽい。

 事前に示し合わせた約束の頃合い、日暮れ時となっても、先生は集合場所に顔を見せなかった。そればかりか時間は流れて、今や空は真っ暗である。他の面々はと言えば、収穫を得ることなく既に戻っている。

 金髪ロリムチムチ先生だけ、姿が見えないのだ。

 まったくもう、先生ってば可愛いんだから。

「迷子かしらぁ?」

「……そ、そうですね。可能性としてはゼロではありません」

『可能性云々の話ではなく間違いなく迷子だろうがっ!』

「はい、仰るとおりだと思います」

 くそう、まさかロリゴンに突っ込まれる日が来るとは。

 先生のことだ、きっと今もどこかで涙目になっているのだろう。

 想像するだけでギュッてしたい。

「とりあえず、ひとまずは夕食としましょう。昼食を抜いている方もいらっしゃると思いますし、これからの動きに関しては、食事を取りながら考えるということで」

 流石の回復魔法も苛立ちや空腹までは満たせない。

 再び捜索に出かけるとしても、ここいらで小休止が必要だ。

 ステータス的に考えて、先生がそこいらのチンピラに攫われるとは思わない。四桁超えのレベルに対しては割に低いとは思うけれど、過去に居酒屋の類で確認した冒険者風情と比較しては圧倒的である。

 最低でも勇者様パーティー級が出張ってこなければ先生攻略は難しいだろう。

「そうねぇ、確かにお腹が減ったかしらぁ」

『……わかった』

 ああ見えて良い年した女性だし、そこまで心配する必要はないと思う。

 ただまあ、出先でソフィアちゃんを発見の後、彼女の身柄を巡り問題に直面している可能性もあるだろうから、その足跡を追いかけることには意味がある。食後の捜索はメイドさんと併せて同様に行うべきだろう。



◇◆◇



【ソフィアちゃん視点】

 メイドは投獄されてしまいました。

 あれよあれよと流されて、気付けばいつの間にやら檻の中です。メイド服のまま、とりあえず的に放り込まれてしまいました。さして広くない空間は石畳の床と壁に作られて、一辺には鉄格子が嵌められております。続く先も似たような光景が並びます。

 独房のようで傍らに藁敷きのベッドと糞尿を入れる為の壺が置かれています。

「……本格的にピンチですね」

 こちらのお屋敷の極悪メイド長は、なんと魔法を嗜んでいらっしゃいました。目の前にファイアボールを浮かべて脅されたところ、まさか抗うことは不可能です。促されるがままに同所へ収まってしまいました。

 更に徹夜明けの眠気と疲労感も相まっては、どうにもなりません。脱走する体力すら失われて思えます。貧相極まる劣悪な寝床を傍らにおいて、それでも、とりあえず一眠りするべきではないかと考えてしまうほどに。

「…………」

 そうですね。

 眠るのが良いと思います。

 一度眠り、英気を養い、脱走の機会を探るのです。

 それしかありません。

「ちょっと汚いですが、まあ……」

 誰が寝ていたともしれない藁敷きにお世話となるのは抵抗があります。しかしながら、貧すれば鈍するのが人という生き物です。実家でも酔いつぶれたお客さんが路上に一晩を過ごす姿を眺めて育ってきました。対してここは壁も屋根もあります。

「……眠らせてもらいましょう」

 いそいそと身体を横たえます。

 馬小屋のそれを思わせる香りが鼻につきます。正直、臭いです。しかしながら、今は野生の香りに対する抵抗より、眠気の方が少しばかり上まっております。構わず目を閉じておやすみなさい。

 いざ就寝しようと、意識を落ち着けた際の出来事でした。

 ふと、どこからともなく人の声が、聞こえてきました。

「ここで大人しくしていろ、魔王の手先が!」

「ちょ、ちょっと待てっ! 私が魔王の手先とはどういうことだっ!?」

「そのようなお告げがあったのだ。人の目を誤魔化すことは出来るかも知れないが、神の目を欺くことはできない。なにを考えて貴様が大聖国までやって来たのかは分からない。ただ、その愚かな判断を呪うといい」

「なっ……」

 かなり近いところから発せられております。自然と目が開きました。折角、うつらうつらしてきたのに意識が覚醒してしまいました。近所迷惑な方もいらっしゃったものです。まあ、このような場所ですから、そういった方が集まるのも仕方がないとは思いますが。

「それでは俺はこれで失礼する」

「待てっ! 当代の勇者は、お、お告げなどという不確かなものを信じているのかっ!? 神からの言葉などと、そのようなものが本当に存在していると、貴様は何を根拠に信じているんだっ!?」

「俺は勇者だ。聖女様のお告げこそ俺の行動原理に他ならない」

「つまり、当代の勇者は聖女の私兵と、そういうことなのか?」

「聖女様を侮辱するのか?」

「そう聞こえたのであれば、そうなのだろう。貴様にとっては」

「こ、このっ……」

 身体を起こして声の聞こえてくる側を眺めます。

 するとどうしたことでしょう、そこには勇者さまがいらっしゃいました。一、二年ほど前でしょうか。首都カリスの大通りをパレードする姿を見たことがあります。とても格好良い方です。まさか忘れる筈がございません。

 たしかこちらの勇者さまは、東の勇者さまです。

 本当なら一人だけ選ばれる勇者さまが、当代は二人同時に選ばれたことは話題となりました。当代の魔王はとても強大だとか、二人で一人であったのだとか、あれこれと実家の食堂でもお客さんたちの間で話の種となっておりました。

 そんな勇者様が私が収まっている牢の一つ隣へ向かい、その内側に捕われているだろう、誰某に語りかけていらっしゃいます。勇者様が直々に牢屋まで足を運ばれたのですから、お隣さんは余程のこと極悪な犯罪者なのでしょう。

「なにが勇者だ。なにが魔王だ。あまりにも下らない仕組みだ。このようなことを五百年に渡り続けているのだから、大聖国というのも随分と浅ましい。どれだけ他国の足を引っ張れば気が済むのだ」

「せ、聖女さまのみならず、我々の行いまでも否定するつもりか!?」

「貴様に倒せるのか? 魔王が」

「当然だっ! その為に俺は勇者として選ばれたのだからなっ!」

「ふん、貴様程度の力では魔王はおろか、暗黒大陸へ渡ることすら不可能だろう。仮に渡ったところで、何日を生き永らえることができる。フェニックスやグレートドラゴンの群れを相手に喧嘩をすることができるのか? なぁ?」

「なっ……」

 なんか、お隣さんの声、耳に覚えがありますよ。

 牢屋には不釣り合いな、小さい女の子を思わせる声です。

 自然と身体は動きまして、格子の間から隣の様子を伺わせて頂きます。しかしながら、横並びの個室ですから、金属の棒が縦に伸びる光景こそ確認できても、その先に居された方の姿は見えてきません。

「……まるで当時を見てきたかのような物言いだな?」

「バカバカしい。五百年も昔の出来事だ。エルフだって老いる」

「…………」

「ただまあ、貴様が魔王を倒す光景だけは、永遠に見えそうにないよ」

「ふん、下らない。これ以上、相手にしてはいられないな」

 勇者様が踵を返されました。

 ふわり、マントが靡くの格好良いです。西の勇者様が笑顔の眩しい朗らか系イケメンであるのに対して、東の勇者様はどこか陰りのある横顔が素敵なクール系イケメンです。どちらもおいしく頂ける私としては、堪らないツートップでしょうか。

 個人的には東の勇者さまに辛く当たられた後で、西の勇者様に優しく癒やされちゃったりして、その後で更に東の勇者さまから激しく求められたりとか、そういう感じの展開が極めて喜ばしく感じられる昨今の婚活事情にございます。

 甘いモノとしょっぱいモノは交互に食べてなんぼでしょう。

「聖女様に貴様の捕縛を伝えに行く。そこで自らの惨めを噛みしめていろ。どのような罪を犯したのかは知れないが、あのような心優しきお人から名指しで咎められるなど、余程の悪党だ。近い将来の極刑は免れまい」

「っ……」

 カツカツと足音が遠退いてゆきます。

 残念です。もう少しそのお顔を見ていたかったです。

「一体なんだというんだ。折角の旅行だったのに……」

 残されたお隣さんがボソリ、誰に言うでもなく呟かれました。

 こちらまで切なくなる、しょんぼり声です。

 どうにも保護欲を刺激される響きでしょうか。

 ただ、まさか率先して交流を図るような真似はしません。

 こちらまで飛び火しては大変です。

 界隈が静かになったところで、メイドは本格的に眠らせていただきましょう。



◇◆◇



 万が一に備えて、聖女様にも協力を願おうと考えた。

 大聖国でも上から数えて何番目という彼女の声であれば、耳としてくれる人も多いと思う。同都市へ滞在するに差し当たっては、立派な迎賓館をご用意して下さった。管轄下に伝令を流して頂く程度ならば、お願いできるのではなかろうかと。

 向かった先は、聖女さまが日々を過ごされるというお屋敷である。

 道案内は大聖国の観光にと当てられた修道女さんにお願いした。二つ返事で頷いて下さった彼女のご好意には感謝である。移動に際しては馬車まで用意して頂いた。なんでもお客様専用車だとか。ありがたい限りだろう。

「こちらにございます」

 馬車のソファーに腰掛けたまま、窓から屋外の様子を眺める。

 半刻ばかりの後、辿り着いた先は同都市においても一際大きなお屋敷だ。ロリビッチ家と比較してもどっこいの規模である。正門から入って数十メートル、玄関前まで移動したところで車は止まった。

「流石は聖女さまの住まわれるお屋敷ですね」

「お話を通して参ります。しばらくお待ち下さい」

「あ、これはどうも」

 こちらが頷くに応じて車を下り、駆け足で屋敷の側に向かってゆく生娘の修道女さん。ゆらゆらと揺れるスカートの裾、その先から除く太ももなど眺めてまったりと。アポなしで来てしまったけれど大丈夫だろうか。

 まあ、駄目だったら出直せば良いか。

 ちなみにこちらのパーティー編成はと言えば、珍しくも自分一人だ。

 まず第一にゴッゴルちゃんがアウトだった。なんでも昔、大聖国でやんちゃしたハイゴッゴルがいたそうで、その名残なのかゴッゴル族に対する偏見が強いのだとか。そう言えば魔導貴族も以前、似たようなことを語っていた。

 彼女だけ一人別行動というのも申し訳ないし、また、ぞろぞろと大勢で訪れても迷惑だろうということで、同所へは自分一人で向かうこととなった。他の面々は食後も継続して街を散策して下さるのだとか。ありがたい限りだろう。

 しばらくを待つと修道女さんが戻ってきた。

「おまたせいたしましたっ! お会いになるそうです!」

「ありがとうございます」

 良かった。

「どうぞ、こちらになります。ご案内させて下さい」

「よろしくお願いします」

 可愛らしい修道女さんのお尻を追いかけて、いざ聖女様のお宅にお邪魔します。



◇◆◇



 膜っ子に導かれて通された先は応接室だった。

 同所には既に聖女様が待ち構えており、醤油顔が入室したところで案内役の修道女さんはさようなら。以降はタイマンでのトークと相成った。ここ最近、可愛い女の子と二人きりで話す機会が増えてとても喜ばしい。

 二人きりで会って下さる異性とか、元の世界では皆無だったしな。

 前々から感じてたけれど、異世界の男女平等感ってば異常じゃんね。

「お忙しいところ、急なお声がけを申し訳ありません」

「いいえ、構いませんよ。もしかして私からのご提案にお返事を?」

「身内とそちらに関して話し合っていたのですが、その最中、外へ出て行った者が迷子となってしまったようで、連絡が取れずに困っております。もしも可能でしたら聖女様のご助力を頂戴できたらと思いまして、大変に恐縮ですがお願いに参りました」

「……なるほど」

「いかがでしょうか?」

「そういったことであれば、ええ、構いませんよ」

「ありがとうございます。とても助かります」

「どのような姿格好であるか教えて頂ければ、配下の者に伝えましょう。これでも聖女などという大層な肩書がついて回っている手前、多少は顔が利きますので、すぐに見つかるのではないかと思います」

 柔らかな笑みを浮かべて応じて下さる聖女様マジ癒し系。

 その好意に甘えさせて頂き、ソフィアちゃんとエディタ先生の姿格好をお伝えした。特に後者は歳幼い外見のエルフさんだから、街中で歩いていれば否応なく目につくと思うんだ。前者も平素と変わらずメイド服を着ていればそれなりだろうか。

「なるほど、以上の二名ですね」

「はい」

 人相書きなどあれば良いのだけれど、流石にそこまでは用意出来ていない。もしも日本であれば、スマホを片手に画面を指し示してこの人とこの人です、みたいなやり取りがあったのだろう。だが、こちらの世界にはそのような便利アイテムは窺えない。

 一方で魔導通信なる怪しいグローバル通信網が展開されていたりするから、なんろう。魔法という摩訶不思議な現象の行く先が気になる。こちらの世界では液体燃料の代わりに魔力を用いて大気圏を脱出する日が来るのかもしれない。

 なかなか胸の熱くなる話だ。

 果たしてこの惑星は青い色をしているのだろうか。

 世界を違えて、魔法なる謎エネルギーが蔓延っている只中、自身の知る科学的な各種定数や法則が成り立っているかどうかも怪しい。身近なところだと、ロリゴンとか絶対に質量が保存されていないタイプの生き物だ。

 そう考えると夢のある話だよ、剣と魔法のファンタジー。

「話は以上でしょうか?」

「ええ、そうですね」

「他への連絡は本日中に行っておきます。ただ、私自身が忙しい身の上にありまして、あまり長くお話していることが難しいのです。こうして場を設けたところ名残惜しいですが、今日はここでお別れとしても構いませんか?」

「これはこれは、お忙しいところご対応のほど誠にありがとうございました」

「いえ、それでタナカ男爵が助かるのであれば、私としても喜ばしい限りです」

「それでは私はこれにて失礼させて頂きます」

「案内のものを呼びましょう。私はこれで失礼しますけれど、もしよろしければ、こちらの屋敷で寛いで行かれるのが良いでしょう。ここは聖女の屋敷となっておりますから、他に誰の目も届きませんよ」

「……なるほど、お気遣い痛み入ります」

「ふふ、それではタナカ男爵、また会いましょう」

「はい」

 怪しい笑みを残して、聖女様は応接室から去っていった。

 これと入れ替わるよう、数名からなる修道女さんたちがご入場。

 しかもどうしたことか、一様にミニスカ仕様となる。ドンキあたりに売ってそうな安っぽい感じのデザインがリアルなエロスで良い。ただし作りは上等。これを着用する女性一同の優れたる肉体美と相まっては、エロさの中にも神々しさが窺える。

 当然のようにおパンツ丸見え。

 縦スジ職人、本日もバッチリだわ。

 一団の先頭に立っているのは、これまで我々をご案内して下さった修道女さんである。彼女もまたスカートの丈を短くしての登場だ。わざわざ着替えてきて下さったようだ。その一点が何故か無性に嬉しい。

 ここまで一貫していると逆に感心してしまう。オチンチンが。

「お部屋を用意させて頂きました」

「これはご丁寧にどうも」

 語りかけて下さるのは先頭の彼女だ。

 ソファーより立ち上がり、修道女さんたちに向き直る。

 ただ、今この瞬間に限っては涙を飲んでお断り。

「ただ、今は少しばかり急いでおりまして、失礼させて頂きます」

「せめてお茶の一杯でも、如何でしょうか?」

 膜確の女の子から上目遣いに尋ねられてしまった。

「すみません、他に仲間を待たせておりますので、今日のところは戻らせて頂きます。色々とご案内してくださりありがとうございました。もしも次に機会がありましたら、その時はどうぞ、皆さまのお世話になりたく思います」

 流石に今この瞬間、乱交パーティーを楽しめるほど神経が図太くはない。

 申し訳無さが先に立つ。

 できれば次は、本当に一人できて、この子と一緒に愛を深め合って、とか、考えては見るけれど、たぶん、無理なんだよな。雇われの身の上、上司からの命令で無理矢理に相手をさせられている時点で、きっと意味のない興奮さ。

 すっぱい葡萄ってやつさ。

 そのオパンツはきっと酸っぱい。

 間違いなく酸っぱい。

「承知いたしました。お見送りさせて頂きます」

「ありがとうございます」

 せめて正門からバイバイするまで、がっつり視姦しまくってやるんだぜ。



◇◆◇



【ソフィアちゃん視点】

 メイドの目覚めは他所様の声によりました。

「なっ! き、貴様、まさかっ……」

 甲高い声でした。

 年若い女性のものです。

 意識が覚醒したところで、自らが藁敷の上に寝転がっていることを今更ながらに驚き、咄嗟に身体を起こします。自然と目に入ったのは石造りの薄暗い牢内です。ややあって、これまでの経緯を思い起こしました。

 碌に眠った気がしません。身体には依然として気だるさが残っております。まさか一晩が過ぎたとは思えません。窓ひとつない同所では時刻を確認する術もありませんが、たぶん、間違いないと思います。

 それもこれも今し方、お隣さんから届けられた声です。

 耳に覚えのある響きは、間違いなく、眠りにつく前に聞いたものです。

 なんでしょう。

 牢屋に入れられたことで、発狂してしまったのでしょうか。あれこれと考えながら視線を向けたところ、牢の外に人の姿があります。どうやらどなたか、お隣さんを訪問されているようですね。

 のそのそと起きだし、寝ぼけ眼に確認いたします。すると、どうしたことでしょう。その姿には私も覚えがあります。というか、皆さん誰もがご存知でありましょう。少なくともペニー帝国であれば万人が知るところにございます。

「では、そ、その肉体はっ!?」

「なかなか大したものでしょう。聖女である私が自ら選び抜いた素体です」

 なんと驚いたことに大聖国の聖女様です。

 お隣さんが吠えるに応じて、悠然と対する姿が伺えます。

「まさか貴様、自らの霊体をっ……」

「それもこれも貴方が旅の途中で教えてくれたのですよ」

「ぐっ……こ、このようなことになるならば、誰が教えたものかっ」

「エルフと違って人間の寿命は短いのですよ」

「貴様の信じた神の定め、大人しく従ってはどうなんだ?」

「例えばその言葉、自らが愛しいと思う者に、自らと共に末永く在り続けたいと唱える者に、面と向かって吐けますか? 段々と老いてゆく、愛しかった筈の相手に向かって」

「そ、そんなことは今は関係ないだろうっ!?」

「吐けないのが貴方ですね。相変わらずの反応じゃないですか」

 随分と立てこんだお話をされています。

 格子を隔てて交わすには、過ぎた内容のような気がしないでもありません。しかも随分と剣呑な雰囲気です。聖女様が穏やかである一方、お隣さん、タメ口で吠え散らかしていらっしゃいます。恐れ多いですね。

「魔王すら圧倒してみせた大魔導が、随分と堕ちたものですね。まあ、おかげで我々人類は、安穏とした時代を手に入れた訳ですが」

「だ、だったらなんだというのだっ!? 私は今の生活を気に入っているっ!」

「その立役者に誰一人として気づかないというのは、ふふ、笑える話です」

「ぐっ……ひ、人の話を聞けよっ」

 お隣さん、とても悔しそうです。

「ところで、身体の調子はどうですか?」

「……なんの話だ?」

「これでも感心しているのですよ。よくまあ、あの呪いを受けながら生きながらえて、あまつさえ私の下まで辿り着いたなと。まさか魔力を失って尚も、呪いを解くとは思いませんでした」

「や、やはり、貴様だったか……」

「その様子だと随分と堪えたようですね」

「相変わらず陰険なヤツだ。そうだよ、貴様はそういうヤツだった」

「それは心外ですね。私は最も効率的なやり方をしたまでです」

「だが、おかげで私は代えがたい者と出会うことができた。その一点に関して、私は貴様に感謝している。もしも貴様があの呪いを私に与えなければ、きっと私はあの者と出会うこともなく、今を過ごしていただろう」

「なにを強がっているのかしら、この惨めなエルフは」

「まあ、それもこれも貴様には関係のないことだがな」

「もしかして、その相手というのは男ですか?」

「……だったらなんだよ?」

「ヤりました?」

「な、なんでそういう話になるんだよっ!?」

「あらまあ、あらまあ。その語り草を鑑みるに、まさか相変わらずの処女なのですか? 貴方とは最後に別れてからかれこれ、数百年は過ぎていると思うのですけれど。まさか未だに行き先のない膜を抱えて右往左往しているとは。流石に驚きました」

「だ、誰が処女だ! やりまくりのズボズボだっ! ヌポヌポだっ!」

「本当ですか?」

「本当だっ! ま、間違いない!」

「…………」

「…………」

 どうやらお隣さん、処女のようです。

 処女のまま死ぬのは流石に可哀想ですね。私だったら絶対に嫌です。せめて一度くらいヤってから逝きたいです。中出しというやつを経験せずに死ぬなんて、まさかまさか、冗談ではありません。

 そう考えると、殊更に焦りを感じさせる状況でしょうか。

 私もまた明日は分からぬ身の上です。

 檻の中に男性はおりません。

「相変わらず情けないですね。少なくとも私は女として、貴方に負けることは永遠になさそうです。むしろ憐れむべきでしょうか。女の喜びを知ることなく、苦痛にまみれて死にゆくその姿を」

「ぐっ……」

「せいぜい良い声で鳴いて私を喜ばせて下さいね。これまで延々と苛まされてきた頭痛の種、まさか容易に殺しはしません。生まれてきたことを、呪いを抜け出し生きながらえたことを、後悔させてあげましょう」

「じょ、上等だっ!」

「その強がりもいつまで持つものやら」

 段々と話の流れが物騒な方向へ流れ始めます。

 ややあって、ガチャリ、錠の落ちる音がフロアに響きました。どうやらお隣さんの牢が開かれたようです。ギィと金属の擦れ合ったかと思えば、格子の向こう側で手前に引かれた出入り口の一端が窺えます。

「牢から出なさい。拷問の時間です」

 牢の中に向かい指示を出す聖女さま。

 そんな彼女に向かい、お隣さんは語られます。

「……十年だ」

「十年?」

「十年あれば、貴様を超えるだけの魔法使いが育つだろう」

「あら、いいのですか? 私、そういうの最初に潰しますけれど」

「潰せるものなら潰してみろ。ソイツはこの世で最も安全な場所で育っている。貴様が手出しの出来ない場所でだ。今まさに見せる虚勢の裏側で、その覚醒の時をガクガクと震えながら、延々と待っているがいいさ」

「っ……」

 なんか最高に格好良いシチュエーションですね。

 お伽噺の一節を取り出したようです。牢獄の中で格子越しに身分の異なる二人が、というのがポイント高いです。ミーハー的に憧れてしまうお話ですよ。しかも片割れがこの世に名だたる聖女さまというのが凄いじゃないですか。

「まったくもっても眉唾ですね」

「信じたくなければ信じずとも構わない。だが、その時はいずれ訪れるだろう。努力さえ忘れなければ、あの者はいずれ届く、この大魔導ヴァージンの下にな」

「っ……」

 無性にお隣さんを応援したい気分です。

 同じ処女として、応援したい気分です。

「まあ、仮にそうだとしても、貴方に与えられる苦痛は変わりありませんよ」

「……好きにしろ」

「その強がりがいつまで持つか、えぇ、とても楽しみです」

 そうこうしている最中の出来事でした。

 フロアの向こう側、出入り口の側からガチャガチャと喧しい音が響きます。何事かと意識を向ければ、そちらには衛兵を思わせる男性の姿がございます。彼は聖女様の下まで駆け足で一直線です。

 そして、到着早々に語られました。

「せ、聖女様、申し訳ありません。新しく購入した器具が壊れてしまい、その影響で拷問部屋に火が散ってしまいました。既に鎮火いたしましたが、修繕を終えるまで、当面は利用が難しい状況となります」

「……なによそれ」

「ももも、も、申し訳ありませんっ!」

「製造元の責任者を呼び出しなさいっ!」

「は、はいっ!」

「せっかくこのエルフで試そうと思っていたのに……」

「ふん、ざまぁないな」

「せいぜい日を数える毎に怯えてゆく貴方の姿で鬱憤を晴らすとしましょう。過去の経験から、こういうのは時間を置いた方が恐怖心も増すのですよ。熱く熱せられた心も、数日を孤独に檻の中で過ごせば、自然と冷めてしまうのです」

「殺しきれるものなら殺してみろ。貴様にそれが叶うならば、だが」

「ふふ、部屋が直ったらまた声を掛けに来ますね」

「勝手に言っていろ」

「それでは今日のところはこれで失礼しましょうか」

 今し方に開かれたばかりの格子が、再び元あった形に閉じられました。

 聖女様は衛兵の方に付き添われて牢屋を後にされます。

 ツカツカと足音の段々と遠退いてゆく音が、段々と小さくなってゆきます。やがて、遠くドアの開き締りする気配が届けられて、同所は再び静かとなりました。

「…………」

 どうにも居心地の悪い沈黙です。

 私自身もまた不安で不安で仕方がありません。先ほどから脇の下などぐっしょりです。だからでしょうか、自らの不安を紛らわせるよう、自然と口が開いておりました。その響きは壁を一枚挟んでお隣さんの下へ。

「あ、あの、良かったですね」

「……え?」

 返って来たのは驚いたような声です。

 どうやらこちらの存在には気づいていなかったようです。留守だと思われていたのかもしれません。私の牢は彼女の牢より奥まった場所にあります。更に今の今まで眠っておりました。ですので中に入る際にも、こちらまで意識が向かわなかったのでしょう。

「あ、すみません。隣の者です……」

「ああいや、なるほど、そういうことか」

「…………」

「とはいえ、伸びて数日の命だろう」

 そんな悲しいこと言わないで下さいよ。私まで震えてしまうではありませんか。

 これで何度も死ぬような目に遭いながらも生き延びてきたメイドですから、今回もまた最後まで諦めないよう、気を強く持ってゆきたいと考えている次第にございます。

「わ、分かりませんよっ!? どなたか助けに来て下さるかもしれません!」

「だと良いのだがな」

「……はい」

 お隣さんにちょっと親近感が湧きました。

 どうにかして脱出したいものですね、この牢屋から。
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