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田中のアトリエ ~年齢イコール彼女いない歴の錬金術師~ 作者:金髪ロリ文庫
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脱ホームレス 一

自サイトでも他に公開しております。
http://sen.sakura.ne.jp/story/index.html

 翌日、冒険者ギルドへ向かった。

 西部劇のバーっぽい両開きのドアをギィと越えて、歩み早にカウンターの元へと向かう。そこに見つけるのは店員マッチョ。今日も元気に仕事へ励む姿が恐ろしい。

「おう、待ってたぞ」

「どうも、お待たせしてしまいすみません」

「いちいち謝るなよ、めんどくせぇヤツだなぁ」

「申し訳ないです」

「……まあいい、ほら、金だ」

 カウンターの上に革袋が置かれる。

 中からチャリン、金属の触れ合う音が響いた。

「依頼の報酬の他に、誤った情報に対する慰謝料、ハイオーク討伐に対する報酬、討伐対象の部位に対する買取り料金、全部ひっくるめて金貨十六枚だ。ちなみに大半を占めてるのはハイオークの討伐で、これが金貨十枚。慰謝料が金貨五枚。依頼の報酬は金貨一枚ってところだな。慰謝料は討伐の報酬の半分という規定になってる」

「……ハイオークって、相当なものなんですね」

「まあな。本来なら一体をパーティーで囲うのが定石だ。普通なら一人頭で金貨一枚から二枚。人里に出ることも稀で、仕事をするにも移動に時間が掛かる。必要経費をさっ引けば、ランクBの冒険者の報酬としては、普通、といったところだろう」

「なるほど」

「現地まで往復十日、五人のパーティーで仕事だ。一人頭、金貨二枚から必要経費を引いて金貨一枚と銀貨五十枚。現地で巣を探したりなにしたりしてれば、まあ、半月くらいは掛かっちまう訳だな。半月の収入が金貨一枚と半分ってのを多いと見るか少ないと見るかは、人によりけりだがよ」

「ランクBというのは、割と儲るんですね」

「まあな。だから数も少ねぇぞ。うちにも十数人しかいない。ランクCなら、かなりの数がいるんだが、そこからBへ上がるのは並大抵じゃないっていうのが、どこの街のギルドでもお約束ってやつだな」

「なるほど」

 ランクBで月収三百万円か。

 そう考えると魅力的な職業だ冒険者。

 しかしながら、割と冗談でなく命を掛けないと稼げないことは、昨日の一件でも理解できた。定年まで働き続けるには酷な職業だ。自分の頭部よりデカい拳骨を向けられるのは、もう二度とごめんである。怖い。昨晩なんて夢に出たし。

「これでハイオークの皮があれば、もう少しいったんだがな。あれの皮は魔法に対する耐性があって、良い金になる。だが、皮を綺麗な状態で倒すのは難しくてな。まあ、上手いこと剥ぐことができたら、金貨二十枚は固いな。死体から剥ぐだけでも大変な訳だが」

「なるほど、懇切丁寧に教えて下さりありがとうございます」

「テメェ、その物言いはもう少しなんとかならねぇのか? こっちとしちゃ、まるで馬鹿にされてるような気分なんだがよ? っていうか、俺としちゃあ、未だにお前がハイオークを一人で狩ったっていうのが信じられねぇな」

「いや、あの、それは貴方の顔が怖いからで……」

「……そうかよ」

 仕方ないだろ、ちくしょうめが。

 条件反射でそういう口調になっちゃうんだよ。

 それが嫌ならもう少し可愛い顔になれよマッチョ。

「まあいい、さっさと数えてくれ」

「はい」

 言われるがまま、革袋に収まる硬貨を数える。

 一枚、二枚、三枚と。

 確かに金色の硬貨が十五枚入っていた。

 これが金貨か。初めて見たな。

 一枚百万円だから、一千五百万円。ヤバいな。大金持ちだ。

 生前に貯めていた貯金の額に迫るものがあるぞ。

「確かに、十五枚ありますね」

「おう、んじゃ渡したからな。アホやって取られるんじゃねーぞ」

「はい。どうもありがとうございました」

「あと、今日からお前はランクDだ。覚えとけ」

「二階級特進ですか」

「ハイオークの件で上がった訳だ。もしも今回がまぐれ当たりだった場合、後々に依頼を受けて失敗する都度、段々と下がってくから安心しろ。ちなみに五回連続で失敗すると永久除名だ」

「あ、はい。分かりました。ありがとうございます」

「んじゃな」

 そんなこんなで冒険者ギルドでの清算は完了。

 他に誰と分け合う訳でもないので、これが全て自分の懐へ入る訳だ。

 ゴブリン産の薬草で得た額が誤差に思えるわ。



◇◆◇



 さて、何をしようか。

 大金を手にしたところで悩むこと一頻り。考えたところで、その足が向かったのは不動産屋だった。何故に不動産屋かと言えば、この街に住居を確保する為である。典型的な日本人であるからして、大金を手に入れたら、まずはお家だ。自宅だ。邸宅だ。

 このような大金、次にいつ手に入れられるか分からない。尚且つ、この世界には頼れる友人知人も皆無。であれば、何にも先んじて脱するべきは、ホームレスな現在の身の上に他ならない。

 ソープランドにも行きたいが、それは家を買ってからでも遅くはない。

 俺は堅実なんだよ。

 伊達にアラフォーやってないよ。

 後数年もすれば不動産の賃貸すら渋られる年齢なんだよ。

 持ち家最強伝説。

 ということで、街行く可愛らしい幼女に銅貨を握らせて、不動産屋の場所を聞き出した。ちょっとオジサンに不動産屋さんの場所を教えて欲しいんだけれど、知ってるかなー? ねー? お願いね-?

 今回ばかりは難しいとも思った。けれど、これがまた大したものだ。

 向こうに行ってぇ、あっちに行ってぇ、ちょっとだけ歩くとあるよ?

 例によって例の如く、そんな酷くアバウトな指示。けれど、素直に従ってみたところ、やはりその指示は理にかなっており、数分ばかりを歩んだところで、目的とする不動産屋っぽいところへ到着した。

 この街の幼女は便利だ。可愛いし最高だ。

 と言うわけで、カランコロン、鈴の音と共に入店。

「すみません、家を買いたいんですけれど……」

「はいはい、いらっしゃい」

 店員は人間だった。

 俺と大差ない年頃の男性で、やっぱり白人。茶色い髪を短く刈り込んだナイスミドル。身の丈百九十くらいだろうか。背が高い。こういう中年になりたかったと、出会い頭、思わず自らの顔面を呪ってしまう、そんなオヤジである。

「すみません。一戸建てを探してるんですが、金貨十五枚くらいで、ありますか?」

「金貨十五枚か。流石にそれだと、なかなか厳しいものがあるな……」

「そうですか……」

 街の周りを背の高い塀が囲っている点からして、住居の数には限りがある。値段が高いのも当然だとは思っていた。男の浪漫として、一戸建てに大型犬、というのがあるのだけれど、今回は見送らざるを得なそうだ」

「ああいや、待った。ある。一件だけあるぞ」

「本当ですか?」

「少しばかり変わった間取りなんだが、見に行くか?」

「ええ、是非ともお願いします」

 これはラッキーだ。

 四の五の言わずに飛びついた。



◇◆◇



 向かった先、そこは繁華街の片隅に所在する一軒家。

「なんか、土間が広いですね」

 しかも訳の分からない器具がところ狭しと並んでいる。フラスコっぽいガラス瓶だとか、水上置換法出来そうな木製のスタンドだとか、なんだかよく分からない金属の収まるロッカーもどきだとか。本当、なんだこれ。

 また、土間の脇にはカウンターが併設されている。以前に訪れた武器屋や防具屋よろしく、仕事場とその成果を販売する店舗といった様相。広さはフロア全体で三十坪といったところだろうか。

「ああ、居抜き物件でね。一昨年までは錬金術師が住んでいたのさ。立地も大通りに近いから、一階は店舗兼アトリエになっている。居住空間としては二階と三階があるね。作りはしっかりしているよ」

「なるほど。ちなみに、この街の不動産って、一戸建てを前提とすると、どれくらいの価格帯から始まるんでしょうか? ちょっと土地勘がなくて、店を回っては色々と聞いて回っている次第なんですが」

「そうだな。一戸建てとなると、どれだけ外れのどれだけ小さな家でも、金貨二十枚は必要になるだろう。ちなみにこの一帯だと、金貨五十枚から百枚が相場だな。大通りに面した立地だと、更に数倍になる」

「え? じゃあなんでここは……」

「いわゆる曰く付きというやつだ。前の購入者は買って二日で売った」

「マジですか」

 事故物件ってやつか。

「ちなみに、どういった理由なんでしょうか?」

「……出るんだとよ」

「え? 出るというのは」

「元々の家主、つまり件の錬金術師の亡霊がな」

「あー……自殺とかですか?」

「聞いた話だと病死らしい」

「おうふ」

 なんか典型的なパターンじゃん。

「それも住み始めて速攻で出てくるらしくて、誰も彼も購入から数日で売りに持ってくるね。おかげでうちとしては、差額で随分と儲けさせて貰っているけれど。まあ、そういうのが苦手なら買わない方が無難だな」

「なるほど」

 事故物件と言えば、現代日本ではお宝だ。探して手に入るものでもないし、巡り会えたら幸せ。都心でも山手線内の築十年二十平米が五万とか、そういう理想郷。幽霊とかどうでもいいし。むしろ、孤独なアラフォー野郎の話し相手に最適。

 ホームレスを脱する方が遙かに重要だ。

「分かりました。では購入します」

「買う人間は誰も、最初は勇み足なんだよな」

「いえ、そういうのには強いんですよ」

「買う人間は誰も、最初はそう言うんだよな」

「ちなみにお幾らで?」

「金貨十五枚だ」

 ちょうどじゃないか。

 ソープランドに行けなくなってしまう。

 生活費はゴブリンがくれた薬草で稼いだお金があるから大丈夫だけれど、セックス代は自分で用立てなければならないし。いやまて、ゴブリンから貰ったそれを家代に回して、それで余ったお金を生活費に残したとすれば良いのか。俺天才。

 でも、一応は交渉を。

「少し負けて貰えます?」

「アンタが十日以内にここを手放さなかったら、金貨一枚を負けてやるよ。まあ、これは過去にこの家を買ったヤツには誰にも言っていることだけどな。ちなみに支払ったことは一度もない」

「ありがとうございます」

「それじゃあ、店に戻って契約書にサインをお願いしようか」

「はい」

 そんなこんなで、呆気ないほど簡単に自宅をゲットだ。

 やったぜお家。やったぜ住所。嬉しいぜ。



◇◆◇



 購入手続きは早々に終えられた。

 そして、荷物らしい荷物も持たないホームレス俺であるからして、宿へ多少の物品を取りに戻り、その足で新居へと向かえば、引っ越しは小一時間ばかりで完了となる。

 今日から俺も一国一城の主。

 生前は叶わなかった、夢。

 あぁ、念願の一戸建て。

「嬉しすぎる」

 これだけでも今日まで生きてきて良かったと思えるわ。

 後は大型犬をペットに迎えるだけだ。

 ゴールデンレトリバーがいい。ゴールデンレトリバーが。

 屋内で飼う大型犬が最高なんだよ。

「しかし、錬金術師とはまた大した仕事があったもんだ……」

 建物は石造りの三階建て。一階は土間のような空間が八割を閉めており、これが不動産屋曰く、錬金術師のアトリエ、なのだろう。そういうゲームの背景に眺めた光景と似たような感じ。分かりやすくて非常によろしい。しょせんはファンタジー。

 そして、アトリエに面する形でカウンター越しに商売スペースが続く。アトリエと比較すれば手狭い。小さな薬局のレジと、その脇に僅かばかり設けられた市販薬の販売コーナーを想定すれば、まさにその通り。作りはファンタジーだけどね。ファンタジー。

 居住空間は階段を上がって二階及び三階からとなる。それぞれのフロアサイズは一階と変わらない。三十坪が二つで計六十坪ほどの広さ。一人暮らしであれば十分だ。ペットだって飼育できるぞ。

 風呂場やトイレといった水回り、更にリビングとダイニングキッチンが二階にある。三階は居室、もしくは寝室となっている。階段を上がって直ぐにドアが設けられて、二部屋が用意されていた。それぞれ広さは同じ。

 どの部屋も家具の類いは残されており、本日からでも住み始められそうだった。埃もそれほど堪っていない。手を入れる必要がある場所はと言えば、せいぜいベッドのシーツを洗濯する程度か。

「素晴らしいじゃないか」

 心が躍るわ。嬉しいわ。

 思わず明日から錬金術師とか始めたくなるくらいウキウキ。

 夢の2LDK。しかもアトリエ付。

「とりあえず、生活必需品を買い込むか」

 タオルだとか照明だとか、色々と必要なものはある筈だ。宿屋では全て貸し出して貰えたけれど、ここでは自前で用意する必要がある。

 初めて一人暮らしを始めた時分、百円ショップで雑貨を買い漁った若かりし自身を思い起こす。気分としては同じようなところ。

「いくかー」

 テンション上がってきた。

 懐にも余裕があるし、色々と買うことにしよう。



◇◆◇



 そんなこんなで、街へ繰り出し生活必需品の購入を終えたのが昼前のこと。

 食事は近所の繁華街に軒を連ねる飲食店の一つで済ませた。そこそこの味と多少のボリュームをほどほどの価格で提供する、あまり印象に残らない感じの定食屋だった。恐らく、再び足を運ぶことはないだろう。

 腹を満たして以後は、自宅の掃除へと乗り出した。

 午後一杯を使い室内へ手を入れる。居抜きの中古物件にしては小綺麗で、数時間ばかりで清掃は終えられた。不動産屋の言葉を信じるなら、度重なる売買で、都度購入者の手により掃除が為された結果だろう。

 本当に良い家を買えた。

 ちょうど日が暮れようという頃合のこと、最後にベッドのシーツを張り替えたところで、作業は完了だ。これで今日から宿の類いに頼らずとも、生活を続けて行けるだけの基盤が整った訳だ。

 最高だ。

 お家最高。

 お家ワンダフル。

 安物賃貸アパートに一人暮らし。生活雑貨も百均に揃えてるようなパート系アラサー女性が、それでも大枚叩いてオシャレなカーテン買って、新作カーテンなう、とかキメる心理が、今まさに俺の中年オヤジ心へシンクロ。買っちゃったよ、オシャレなカーテン。ヒラヒラしたレースのカーテンもセットで。だってカーテンレール二つ付いてたし。

 凄い良い感じ。ファンタジーの家。アトリエ。来たこれ。

 嘗てない満足感が胸を満たす。

 他方、久方ぶりの運動で腹はスカスカに減っている。

「……ふぅ、飯でも行くか」

 夕食へ向かうことと決めた。

 行き先は件のエロ美女がウェイトレスをする某飲み屋である。



◇◆◇



 目当てのエロ美女は本日も出勤していた。良かった。エプロン姿に胸と尻を揺らしながらフロアを歩む姿は、満足のエロさだ。今晩は新居で早速、一発目のオナニーをこの胸と尻をおかずに致すと決める。

「ソフィアちゃん、こっちもおかわりー!」

「はーい!」

 客に呼ばれて駆けるソフィアちゃん。

 揺れる胸。ふるえる尻。

 元気一杯な声を鼓膜へ焼き付けるよう、心して聞く。

 いいよいいよ。可愛いよ。

 ポニーテールな金髪が尻尾のようにフリフリしているのもポイント高い。

「あー、たまらんね」

 おかげで、お酒が進む。お酒美味しい。

 料理もそこそこ。

 酒の席に騒ぐ周囲の喧噪すら、まるで耳に入らないほどの充足感があった。今の俺はこの世で最も幸せなのではないか。極めて自己中心的な幸福感が、お酒でブーストされてホワホワしている。

 今日はグッスリ、気持ち良く眠れそうだ。

 なんて、考えたのが良くなかったのだろうか。

 不意にフロアへ響いたのは、それを聞く者の気分を不愉快にさせる怒声。良い具合に酔いが回り始めた頃合、満を期して問題は起こった。この嘗てない幸福状態を一発解除させるだけの代物だ。

「町娘風情が、この私の言葉が聞けないと言うのかっ!?」

「いえ、あの、ですがそれは……」

 怒鳴り声が店内に響き渡った。

 何事かと客の意識が集まった。

 その先には同店舗のアイドル、ソフィアちゃん。加えてこれにいちゃもんを付ける壮年男性の姿がある。後者は非常に豪勢な身なりをしている。ザ・貴族。そんな具合。マントとか、首の周りのヒラヒラした襟とか。そういう感じの。

 実体は立派なカイゼル髭が特徴的な美丈夫である。

 頭髪は短く刈り込んで、その色は髭と合わせて同様にブロンド。顔立ちは年齢を考慮せずとも悪くない。ナイスミドルというやつ。少し垂れ気味な目元が妙な色気を放って思える。人生も折り返し地点を過ぎて、それでもイケイケな感じ。

 若い頃はさぞかしモテたことだろう。

「少しばかり見た目が良いからと、調子に乗るのもいい加減にしろっ!」

「も、申し訳ありませんっ……」

 ソフィアちゃんは大慌て、ザ・貴族に頭を下げる。

 勢いの付いたポニーテールが当人の頭部を迂回して、正面、ザ・貴族の顔を打った。ペシンと小気味良い音と共に、その目元を殴打である。

「がっ! め、目がっ! 目がっ……」

「も、もも、申し訳ありませんっ!」

 良いところに当ったのか、顔を押さえて悶絶するザ・貴族。

 一方でグラマラス金髪は、殊更に慌てた様子で繰り返し謝罪。

 ポニーテールアタック強し。

 これを眺める客からは失笑が漏れる。

 おかげでますますのこと勢いを荒げるザ・貴族。

「ふ、ふざけるなっ! 貴様、このまま私の屋敷まで連行してくれるわっ!」

「申し訳ありませんっ! どうか、勘弁して下さいっ!」

「貴族を侮辱するとどうなるか、その身に思い知らせてやる!」

「そんなっ……」

 ソフィアちゃんの顔色が真っ青になる。

 これは良くない感じだ。剣と魔法のファンタジーで貴族が町娘に難癖付けたら、次の章ではオマンコがドピュドピュでらめぇえええええ。って感じで、ちょっと想像したら、おいおい、それはそれで見てみたいけれど、この場でお偉方に攫われたら、我々下々は今日で彼女の胸と尻もさようなら。

 なんというバッドエンド。

 それは良くない。非常に良くないとI think so。

「来いっ!」

「いたっ……」

 ザ・貴族がソフィアちゃんの腕を掴む。

 客の誰もはこれを眺める限り。

 平民にとっての貴族とは、ローンを抱えた平社員にとっての人事部長と同じくらい絶対的な存在のよう。妻子を抱えて路頭に迷いたくなければ私の言うことを聞きたまえ斉藤君。なに、少しばかり君の会社への忠義心を見せて貰うだけだよ。

 資本主義の形作るカースト。ヤバいな。こりゃヤバい。

 俺だって叶うことなら、あの人事部長、一発殴ってやりたかった。ついでにその下でデカイ顔してた課長も。あぁ、今ならファイヤボールで一発だろ。骨の一欠片も残さないくらい、こんがり瞬殺してやんよ。

「おいおいおい、ちょっと待てよ」

 俺は席を立つ。

 音を立てて椅子を後ろへ、すっくと立ち上がる。

 向かう先はダンディー貴族。

「なんだ貴様はぁ?」

「彼女は嫌がってるじゃないか、やめなよ」

 俺カッコイイ。

 マジで正義のヒーロー。

 威圧的ながらも少し優しい感じの物言いが、スゲェ格好いい。

「貴族だかなんだか知らないけれど、異性を口説くのに腕を掴んで事済むのなら、そこいらのオークだって彼女を口説くことはできるだろうに。それとも貴族というのはオーク以下の蛮人の集まりか?」

「な、なっ……なんだと貴様ぁあああっ!」

 速攻でキレた貴族。

 相当にプライドが高いとみた。

「今すぐに腕を放して自らの言葉で彼女を口説くんだな。もし人の言葉が喋れないと言うのなら、あぁ、この俺が好意から教えてやろう。二本の足で立って歩けるアンタなら、そこそこまで使いこなせるようになる筈だ」

「このっ、き、貴様っ、この私を誰だと思っているっ!?」

「知ーりーまーせーんー」

 ちょっとテンションがおかしい。気にすんな。

「なっ……」

 酒の巡りにも増して、怒りから顔を赤くする貴族ダンディー。

「もしもこれ以上を続けるというのなら、この俺のスーパーファイヤーボールが火を噴くぜ。骨の一欠片も残さないまま、木っ端微塵に爆散上等さ。肉の一欠片さえくれてやらない、自身が死んだことすら理解しない、酷く幸福な死の完成だ」

 パチン。

 格好付つけて指を鳴らす。

 これに同時、男の周囲へ炎の球を生み出す。大きさはバレーボール大。これを十数個ばかり宙に浮かべて、ふよふよ。表面からは太陽のフレアよろしく、炎が吹き出しては轟々と音を立てる。

 発せられる熱量は、空気を伝搬してフロアの気温を早々のこと上昇させる。何度くらいあるのか、皆目見当もつかないが、相当に熱いのは間違いない。事実、貴族の髪が一部、ちりちりと焦げ始めているわ。

「なっ……」

「そこにある飲みかけの酒を飲み干す以上に、アンタを殺すことは簡単だ。もう一度この指が鳴ったとき、世界から貴方という存在は完全に消えて無くなる。それでも彼女が欲しいというなら、好きなようにすればいい」

 俺は最高にカッコ良い笑みを浮かべて続ける訳だ。

 これで終わりだ。

 勝敗は決したとばかりにさ。

 足下にはいつの間にか魔法陣が浮かんで、良い感じに俺を演出してくれている。エフェクトしてくれている。デコってくれている。超絶カッコイイ。

 床の上で光り輝く円形の幾何学図形。それを眺めて思うところは、やはり、演出は大切ってことだ。演出最強。愚作も演出次第では良作になる。

 女の化粧と同じだ。俺も明日から化粧しようかな。V系で。

「まさか、貴方に出来るとは思わないが」

「……上等だ」

 だがしかし、相手はこれに食らい付いてきた。

「この魔道貴族フォーレンに挑もうという愚か者めが、やれるものならやってみるがいい。ファイヤボールの十や二十に屈すると思うたか? 愚かなっ!」

 魔道貴族とかイカしてる。語呂的に。

「では、覚悟して下さい。そしてアディオス」

「っ!?」

 パチンと指を鳴らす。

 応じて、魔道貴族の周りに浮く火球の一つが、その中央に所在する彼へ向かい即座に動いた。目にも止まらぬ有様。俺も見えなかった。いつの間に動いたんだよ。

 気付いた時には両者が触れ合う。

 炎の玉は相手の背中に、僅かばかり接する。

 急ブレーキでも掛けたよう、ギリギリの配置で。

「ぎゃっ!?」

 酒に酔った頭、それでも少しばかり冷静に考えてみれば、すぐ近くにはソフィアちゃんが居る。フルバーストしたらハイオークの際に同じく、爆発して建物ごと木っ端微塵だ。きっと俺だって無事に済まんよ。

 ということで、ジュっと背中に優しく触れてあげて炎の玉。急停止はそうした気遣いの心から生まれた優しさ。俺優しい。最高に癒やし系。世知辛い世の中に荒んだ精神を癒やすよう、そっと心を包む熱量推定百万メガジュール。

「あああああああああああああああああああっ!」

 効果は抜群だ。

 魔道貴族の口からは耳を劈くほどの悲鳴が上がる。飛び跳ねるように身体が振るえたかと思えば、顔から正面に向けて倒れる。

 ビクンビクンと痙攣を始める。

 ついでに泡を吹き始める。

 見れば背中が真っ黒に焦げていた。

 肌が消失して、肉が蒸発して、骨が焦げていた。

 ぷぅんと鼻に香るのは、肉の焼ける不快な匂い。かなり臭い。焼き肉で鉄板がピンチになったときの香りだ。

 どうやら肉を抉ってしまったよう。

「……マジかっ!」

 これはヤバそうだ。生死に関わる。早く新しい鉄板に取り替えて貰わないと、楽しい食卓の時間に水が差される瞬間。店員さん、早く、早く。

 本気でビビる。

 ハイオークの時は表皮を焦がす程度だったのに、人間とはなんて脆い。今後は相手を選んで手加減しないと大惨事。困ったもんだ。

「ひっ……」

 ソフィアちゃんの口から悲鳴が上がる。

 このまま死んでしまっては、なんかこう、後で色々と大変な気配だ。オークは良いけど、人を殺したら、後ろ指指されそうなイメージだ。

 ここでふと脳味噌の冷静なところが告げる。オマエはこの町に家を買ったばかりだろう。自宅を手に入れたばかりだろうと。

 そこで何よりも大切なのは世間体だ。ご近所様からの評判だ。まさかこれを落として幸せな持ち家生活など不可能。有り得ない。絶望的。

 だもんだから、大慌てに回復魔法を放出するわけだ。

「かいふくだあああああああああああっ!」

 俺が吠えるに応じて、倒れた魔道貴族の下に浮かび上がる魔法陣。

 かと思えば、大きく抉れた背面が、元在った形を取り戻してゆく。

 骨が元の形を取り戻し、これを囲う様に肉が生えて、最後に皮膚が全てを覆う。服は焼けたままだけれど、流石にそこまでは魔法で治らない様子。

 気にするな。相手は貴族だ。金持ちだ。幾らでも買えるだろ。衣装代に一千万を賭してウォークインクローゼットは一財産。そんな人生歩んでみたい。

「おぉおおおおおお、スゲェっ、傷が治っていくっ!」「嘘っ、あんな大怪我なのにっ!」「っていうか、絶対に死んでただろっ!?」「マジかよっ、レベルどれだけだよっ!?」「おいおいおい、なんてエグいもん見せてくれるんだよっ」「うわあぁ、スゲェ」「人の身体のなかって、ああいうふうになってるんだな……」

 これを眺める他の客の口から漏れるのは、酷く適当な寸感。

 数多の眼差しに見守られる形で、負傷した肉体は癒えていった。

 然る後、当人に意識が戻る。

「……っ」

 魔道貴族は大慌てに飛び起きた。

 そして、しきりに自身の身体を確認しては、負傷がないことを理解。

 次いで訪れたのは混乱だろうか。

「き、き、きっ……」

 口元を震わせながら、覚束ない調子で、それでも吠える。

「貴様ぁっ、お、覚えていろぉっ!?」

 かと思えば、早々に走り出す。

 誰が何と声を掛ける間も無い。

 その姿はドアを越えて、店外へと消えていった。

 最後、彼の表情は恐怖に引き攣っていた。まるで夜の墓場に幽霊でも見つけたよう。好奇心から大麻を栽培して翌日に通報の憂き目を見た現役東大生のよう、この世の全てが信じられないと言わんばかりの立ち振る舞い。

 良い気分だ。

 悪い奴をやっつけて、女の子を助けるとか、最高に良い気分だ。

 ドタバタと慌ただしくも店を出て以後、魔道貴族の歩みが遠ざかって行く。その様子を感じては満足感に浸る。ここまで全力で他人を否定したのは、生まれて初めての経験だ。なんて心地良いのだろう。酒の影響もあって、思わずウットリしちゃうわ。

「ふっ、他愛ない」

 適当に呟いて、これまで座っていた椅子へと腰を落ち着ける。

 カウンターには飲みかけのお酒が置いてあるから、これをグビリグビリ、喉に流しては多少の口上に乾いた喉を汁気に癒やす。

 良い気分だった。

 これであとは今まさに助けたソフィアちゃんがお礼に来てくれれば、もう他に何も要らないといった具合。さぁ、早く、早くお礼に来てちょうだいな。

 期待しながら。

 胸をわくわく。

 ドキドキ。

 バクバク。

 待っていたのに、やって来たのは見知らぬアラフォー男性。

「お客さん、す、すみませんが、今日はこれで店仕舞いで……騒動があったので……」

「え?」

 お呼びでない。

 同性とかいらない。

「すみませんが、お勘定、よろしいでしょうか?」

「いや、あの、ちょっと、もう少しゆっくりしたいんですが……」

「うちの子を助けて貰ったところ、大変に申し訳ないんですけれど、その明日の仕込みもありますので、どうか、どうぞ、よろしくお願い致しますっ」

 見れば他の客にしても、そそくさと店を出て行く。

 本当に店仕舞いのようだ。

「え、あぁ、いや、わ、分かりました」

 なんてこった。

 ちくしょう。

 次のターンにはソフィアちゃんとワクワク触れ合い広場だと思っていた。心通うスキンシップ、までは進まずとも、感謝の言葉に俺の心は人の優しさに暖められて、明日からの人生を僅かばかりの希望と共にエンジョイ。充実したい。

 したかったよ。

「じゃあ、あの、これで」

「あ、ありがとうございます」

 銀貨を一枚カウンターへ置いて、今日のところはおいとますることとなった。



◇◆◇



 酒場にソフィアちゃんとのふれあいは得られなかった。

 だがしかし、俺には自宅がある。持ち家がある。住所がある。手に入れたるはラッキーにラッキーが重なった賜。とは言え、事実こうして身を横たえるは、立派に雨風凌げる一戸建ての内側にベッドの上。寝室。寝具。フカフカ。暖かい。体温を維持できる極楽。

「あぁ、ふかふか。幸せ……」

 飲み屋から帰宅早々、ベッドに横となり至福を得る。

 良い具合に酔いも回って、あたまはグルグルだ。

 グルグル。

 しかしながら、楽しいグルグルである。

 後先考えずに行動することの、なんと爽快なことか。長年の社会人生活は自身の肉体へ、色々と良くないストレスを蓄積させていたよう。それが本日、パァンと弾けたようで、なんとまあ、愉快な気分だ。

「あー、いいわぁ、もうこれ」

 見慣れない天井を眺めては呟く。

 その瞬間、攻撃は飛んで来た。

『でてけー』

 どこからともなく声が響く。

 時を同じくして、頭上に生み出された氷柱。これがドスン、枕に横たえた頭部の脇へと突き刺さった。同時、周囲のシーツ生地をパキパキと凍らせてゆく。

 長さ三十センチほどの鋭利な錐状の脅威である。もしも顔に当っていたら、それこそ自分の死を理解する猶予もなく死んでいたろう。

「なっ、マジかっ!?」

 すわ魔道貴族がリベンジに来たか。

 咄嗟、酔いも覚める勢いで身を起こす。

 すると視界に入ったのは、部屋の中央に浮かぶ半透明な人間。

『でてけぇー』

 その周りには今し方にベッドへ突き刺さったものと同一の氷柱が、幾つもふよふよと浮いている。俺のファイヤボールのアイシクルアロー版的な、そういう感じだよ。

 ちくしょう、パクりやがったな。

「負けてられるかっ!」

 大慌てでこちらもファイヤボールだ。ファイヤボールするわ。

 寝間着姿にも構わず、自らの周りへ炎の玉を生成。数も相手の氷柱を上回る勢いで。ポンポコ作るよ。炎、炎、炎は良いぞ。

『お、おいっ! ちょっと待てっ!』

 すると相手が焦り始めた。

『家が焼けるっ! こんな場所で炎を使うなっ!』

「そうだったっ!」

 ここは自宅だ。

 俺の持ち家だ。

 家事とか洒落にならないじゃん。

 大慌てに炎を消すよ。

『ま、まったくっ、この脳足りんは……あっ! そこの壁とか、焦げてしまっているではないかっ! おいこらっ! なんてことをしてくれる!?』

「おぉおおおおおおっ! 俺の家がっ! こ、焦げてるっ!」

 相手の言うとおり、壁の一部が黒ずんでいる。

 照明の落ちた暗がりにも把握できる程度には惨事の様子。

『私の家だっ! オマエの家じゃないっ!』

「俺の家だよっ! ここは俺の持ち家だよっ!」

 ところでコイツは何者だ。

 パッと見たところ外見は人間。ただし色が薄い。背後の風景が透けている。幽霊というやつだろうか。ふと思い起こされるのは不動産屋と交わした事故物件云々を巡る一連のやり取り。

 身の丈は百四十程度だろうか。年頃は十代前半と思われる。腰下まで届く金色の長い髪と、青い色の瞳が可愛らしい少女だ。特徴的なのはピンと尖った両の耳。エルフというやつだろうか。

 ファンタジーゲームに眺める魔法使いよろしく、出で立ちはローブ姿。ダークグレーの生地に色白い肌が良く映える。手には何やら杖のようなものを握り、それをこちらへと突きつける形だ。

 外見からして魔道貴族ではないよう。人違い。

「っていうか、そちらはどちら様ですか? 勝手に人の家に入り込んで」

『この家の持ち主だっ。勝手に入り込んだのはオマエの方だッ!』

「いいや違いますよ。この家は俺が然るべき手続きを踏んで合法的に購入したものですよ。そこにはアンタという第三者が介入する余地はないんですよ。もしも実力に訴えるというのであれば、俺はこれを全力で阻止する心意気ですよ」

『……上等だ。殺してくれる』

「こちらこそ上等です。ぶち殺してくれる」

 家は日本人の心だ。

 日本人にとって一番大切なのは、他の何でもない、持ち家だ。

 子供は産めば幾らでも作れるが、家はそうはいかない。

 そして、その最上位に位置するのが、都内戸建て。これを手に入れることこそ、日本男児として生まれた者の目標にしてゴール。ローン完済こそ人生のフィナーレ。まさか、それを邪魔する者など、許せる筈がない。

 そう――――、

 これを奪われるなど、平静で居られるものか。

『死ねぇ!』

 炎系以外の魔法が必要だ。

 スキル。スキルウィンドウ、カモンっ!


パッシブ:
 魔力回復:LvMax
 魔力効率:LvMax
 言語知識:Lv1

アクティブ:
 回復魔法:LvMax
 火炎魔法:Lv3

残りスキルポイント:5


 オークを倒してレベルが上がったのだろう。

 残りポイントが良い感じに増えている。

 これを我が家の敵を滅ぼすべく費やす。

 掛け値無しの全力戦だ。

 我建超世願 必至無上道 斯願不満足 誓不成正覚 我於無量劫 不為大施主 普済諸貧苦 誓不成正覚 我至成仏道 名声超十方 究竟靡所聞 誓不成正覚 離欲深正念 浄慧修梵行 志求無上道 為諸天人師 神力演大光 普照無際土 消除三垢冥 広済衆厄難 開彼智慧眼 滅此昏盲闇 閉塞諸悪道 通達善趣門 功祚成満足 威曜朗十方 日月葺戈重暉 天光隠不現 為衆開法蔵 広施功徳宝 常於大衆中 説法師子吼 供養一切仏 具足衆徳本 願慧悉成満 得為三界雄 如仏無礙智 通達靡不照 願我功慧力 等此最勝尊 斯願若剋果 大千応感動 虚空諸天人 当雨珍妙華 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏。

 迫る氷柱を前に祈る。

 持ち家の神様に祈る。

「きたっ!」

パッシブ:
 魔力回復:LvMax
 魔力効率:LvMax
 言語知識:Lv1

アクティブ:
 回復魔法:LvMax
 火炎魔法:Lv3
 浄化魔法:Lv5

残りスキルポイント:0


 これだっ! ドンピシャだ。

「俺の持ち家で暴れるなぁああああああ!」

 全てを消し去る。

 この家は俺の家だ。

 俺以外は必要ない。

 お客さんを招くのは当分先の予定だ。

 玄関にチェック柄のカーペットを敷いてからだ。

『ぬぉっ!?』

 部屋全体を覆うよう、床に魔法陣が描かれる。

 これが青白く発光するに応じて、目の前の相手に変化が訪れた。短く声を上げたかと思えば、それは早々のこと呻き声に変化して、酷く苦しそうに頭を抱え始める。

 同時に周囲へ浮いていた氷柱が、パキン、パキンと音を立てて砕けては、その小さな一欠片に至るまで、スゥと世の闇に溶けるよう消える。

『ま、待てっ、待ってくれっ! 消える、消えてしまうぅううううっ!』

「だったら出ていけ。俺の持ち家からっ!」

『ぬぉおおおおおおおおおおっ!』

 悲鳴を上げながら、窓際へ向けて飛んで行く侵入者。それはガラスを割ることなく、壁に身体を透かせるようにして、屋外へと逃れていった。

「はっ、一昨日きやがれっ」

 持ち家に平和はもたらされた。

 そして、そこまでが俺にしても意識の限界。

 良い具合にお酒が回って、そのままベッドへと倒れ込む。

 グルグルと回る視界のなかで、瞳を閉じた瞬間、即座に意識は失われた。

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