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田中のアトリエ ~年齢イコール彼女いない歴の錬金術師~ 作者:金髪ロリ文庫

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錬金術師エディタ 六

 翌日、目覚めは愛しのメイドさんのお声に頂戴した。

「タ、タナカさん、起きて下さいっ! 朝ですっ! リチャード様がタナカさんにお話があるそうなので、あの、い、急いで起きて下さい! 下のフロアの応接室で、既にお待ちになられていらっしゃいますっ!」

 寝ているところをゆっさゆさ、肩に手をおいて揺さぶりながらのお目覚めボイス。

 堪らない。

 これは堪らない。

 随分と長いこと夢見てきた、こういう目覚め方を。

「ありがとうございます。すぐに向かうとお伝え下さい」

「は、はいっ」

 おかげで脳味噌はコンマ数秒で覚醒だ。

 昨日は郊外にゴッゴルちゃんのお家を作る為に夜遅くまで活動していた。睡眠時間は平時の半分ほどだろうか。調子に乗って立派なの建てちゃった。にもかかわらず、この清々しいまでの覚醒感はどうしたことか。毎日がこうだったら良いのにな。

 いつかこれがお目覚めフェラになる日を目指して、今日という日を頑張ってゆこうという気概が湧いてくるのを感じる。掛け布団の下では、モーニングセットがハードボイルドだ。立っている最中に触られたという、その事実がバリカタ。

「……さてと」

 彼女の愛を無駄にしてはならない。

 てきぱきと身だしなみを整えて、部屋を後とする。

 向かった先は指示のあったとおり下のフロアの応接室だ。

 ドアを開ければ、そこにはメイドさんの言葉通りパパさんの姿があった。

「おはようございます、リチャードさん」

「ええ、おはようございます、タナカさん」

 勝手知ったるロリゴン邸。彼の正面となるソファーへ腰を落ち着ける。すると、タイミングを見計らったソフィアちゃんが、煎れたてのお茶を持ってきてくれた。

 少し濃い目に煎れたモーニングティー。普通のお茶とは少し味の違う感じが、彼女の心遣いを感じさせる。思わずゴクゴクとやってしまうわ。ゴクゴクと。

「朝早くからすみません、どうしても話したいことがありまして」

「いえいえ、こちらこそお待たせしてしまい申し訳ありませんでした」

 適当にあいさつを交わしたところで本題へ。

「もし可能であれば、タナカさんには私とともに首都まで足を運んで頂きたいのです。今回の一件に関して、他に示さなければならないところがありますので」

「良いのですか? それはリチャードさんにとってマイナスでは?」

「たしかにマイナスは大きいでしょう。しかし、それを補うだけのプラスがタナカさんにはあると、私は考えております。ですから早い内に紹介するべきだと考えました」

「なるほど……」

 彼は彼で首都にゴタゴタを抱えているのかもしれない。良くも悪くも話題に事欠かない新米男爵を抱え込んでしまったが所以の面倒である。自身の今後の立場を固める為にも、早めに彼の提案は飲んだほうが良さそうだ。

 それに自分も首都には用事がある。

 より具体的には王様に報告したいことがある。

「分かりました。そういったお話であれば、すぐにでも向かいましょう」

「構いませんか? こちらの都合ばかりを押し付ける形となってしまい、申し訳ないとは思っているのですが、他に色々と急くところがありまして」

「なにぶん若輩者ですが、よろしくお願い致します」

「いえいえ、こちらこそお忙しいところ、ご快諾を感謝します。足に関しては、私の方で馬車を用意しておりますので、相乗りして頂ければと」

「分かりました。いつ頃発たれますか? 早いほうが良いですよね?」

「そうですね。もしよろしければ、本日中にでもと」

「なるほど、承知致しました」

 だからこその朝一訪問なのだろう。

 合点がいった。

「ところで、私の他に同行者を認めて頂きたいのですが」

「構いませんよ。数名ばかり増えたところで差異はありません」

「ありがとうございます」

 きっと首都では貴族の面倒事再びとなる可能性が高い。故に今のような状況でこそ、ゴッゴルちゃんの出番ではなかろうか。

 黙っていれば普通のゴッゴル族、曰く、肌を触れさせた者の心を読むに限るのだというから、これほど重宝するサポート要員もないだろう。

 前回の訪問とは打って変わってイージーモードが想定されるぞ。

「……彼女でしょうか?」

「ええ、そうなります」

 リチャードさんもまた、その辺りは既に知れたもの。

 納得の表情で頷いてみせた。



◇◆◇



 そんなこんなで首都行きが決定された。

 まさか無言で発つ訳にはいかないので、付き合いのある面々には一言を掛けて回ることとした。主に自分と近しいところで、街の為に動いて下さっている方々だ。特にゴンちゃんとノイマン氏、それにソフィアちゃんは実質的に街を取り仕切ってくれているので、しっかりとお話を。

 朝早い時間とあって、誰も彼もは自室に姿を見つけることができた。唯一、ロリゴンだけが見つからなかったのだけれど、まあ、ヤツは放っておいても大丈夫だろう。きっと、早朝の見回り兼お散歩へ出掛けたに違いあるまい。

 そうした具合に朝の挨拶がてら、各人のお部屋を巡ったところで、若干一名、首都行きに手を上げる者の姿があった。昨日とは一変、ドアノックから即座に開かれた扉の先、寝巻き姿で現れた、ペニー帝国が誇る正統派金髪ロリータ、エディタ先生だ。

「わ、私も一緒に行くぞっ! い、一緒にっ!」

 ぴょんとはねた寝ぐせが可愛らしい。

 先生は夜型だから、きっと今の今まで寝ていたのだろう。

 放っておけば昼過ぎまで寝ている。

 微睡むエディタ先生のお口にチンチン突っ込みたい。

「よろしいのですか? 本日の出発ですよ?」

「まさか駄目とは言わないだろうなっ!?」

「いえ、そうは言いません。ですが、なにかカリスに用事でも?」

「っ……」

 人見知りで引き篭もりがちな先生にしては珍しいアグレッシブさ。

 まさか気にならない方が嘘だろう。

 ただ、これに返されたところを耳としては、自らの失念を呪う羽目となる。

「まだ貴様に、ほ、本の感想を貰っていないっ!」

「…………」

 またしても忘れていた。

 ゴッゴルちゃんのお家を作るのに夢中で完全に失念していた。あれだけ読みますと約束したのに、二回も忘れてしまった。しかも二回目は即日で注意を受けてから一晩と経たぬ間に忘れてしまったことになる。

「貴様、忘れていたな? 私との約束を……」

「すみません。本当に、本当に申し訳ありません。忘れておりました」

 いかん、エディタ先生の中で自身に対する好感度が急激に低下してゆくのを感じる。こちらを見つめる先生の眼差しが、いつものパンチラをサービスしてくれる彼女とは、似ても似つかない鬼の形相に至って思える。

 このままではダメだ。遠退いてしまう、エディタ先生のムチムチ太もも。

 酷く悔しそうな表情で、ギュッと拳を握るエディタ先生が愛らしい。楽しみにしていた遊園地での行楽、いざ出発が当日に迫ったところ、父親の都合から三十三回くらい連続延期させられた小学生のようだ。

「旅中に必ず読みます。そして、ご感想を述べさせて頂きます」

「……本当か?」

「はい。一字一句、逃すこと無く目を通させて貰います」

「…………」

 思い返せば、ここ最近は先生とお話をする機会も減って思える。代わりにロリゴンと語る機会が増えた。ただでさえコミュニケーションが不足している状況、この失態はあまりにも大きい。そう考えると、彼女との旅路は必須だろう。

 ムチムチ的な意味で。

「ですから、ええ、どうか私と首都カリスまで、一緒しては貰えませんか?」

 つい今し方とは主張する側が逆転している。

 でも、これがきっと正しい流れだ。

「……ふ、ふんっ! 貴様が、そう言うなら、考えてやる」

「ありがとうございます」

 良かった。首の皮一枚、危ういところで繋がった。

 ほっと胸を撫で下ろす。

 ちなみに今がどういった状況にあるかと言えば、エディタ先生のお部屋の前、廊下での立ち話となる。まるで彼女の機嫌を取るヒモ男のような立ち位置が、なんというか、少なからず心地よい。憧れだった。こういうの。

「それではお忙しいところ恐縮ですが、支度をお願いします」

「わ、分かったっ!」

「私はもう一人の共連れを連れてまいりますので」

「……もう一人?」

「ええ、昨日もご一緒させて頂いた方になります」

「お、おい、それはまさか……」

 わなわなと金髪ロリムチムチ先生の肩が震え始める。

「すみません。首都での活動を踏まえると、彼女の助力は非常に大きいものでして」

「…………」

 打って変わって勢いを失うエディタ先生、とってもラブリーじゃんね。



◇◆◇



 そんなこんなで慌ただしくも旅立ち。

 最近は飛行魔法で行き交うこと多々であったドラゴンシティ‐首都カリス間を今回は地上から馬車で向かう。リチャードさんが往路に連れてきた、大名行列が如き馬車の編隊へ同乗させて頂く形だ。

 二桁を超える馬と車の並びは圧巻であった。

 その中ほどに位置する馬車の一つに乗り込んで、向かい合わせの席の片割れに自分とゴッゴルちゃんは並んでいる。とりわけ値の張る車を用意して下さったようで、外装も内装も非常にお金が掛かって思える。

 いつぞや招待されたフィッツクラレンス家のお部屋に勝るとも劣らない。

「っ……ぅう……」

 更にどうしたことか、対面にはエディタ先生の姿がある。

 そこは既にゴッゴルちゃんの読心圏内だ。にもかかわらず、彼女は今まさに腰掛けたる場所へ自らの意志で座っていた。リチャードさん曰く、他に上等な馬車を用意いたしましょうか? といったご提案を押し退けての着座である。

 時折、ピクリピクリと震える頬の肉が、先生の精神状態がどのような状態にあるのかを如実に教えてくれる。止めておけば良いのに、意味のないところで意地を張って消耗するのが、ここ最近の先生の芸風だ。

 なにが彼女をここまで掻き立てているのか。

「……流石はエディタさんです。とても読みやすい」

「い、いいからっ、早く読めっ! 読んでしまえっ!」

 なにを読むのかと言えば、それは他ならぬエディタ先生の著作物。

 自らの手には、先生からお預かりした原稿がある。

「了解です」

 紐に閉じられた紙面に集中する。出来る限り早くご感想をお伝えしたい。集中して一気に読ませていただこう。先生とのトークも簡単に済ませて、書面に意識を向ける。首都カリスへ到着するまで、せめて二回は通して読みたい。

 自分がそんな具合だから、一方で残すところ手持ち無沙汰なのが、これを眺めるゴッゴルちゃんとエディタ先生である。いきなりの距離感に少なからずドキドキ。紙面を目で撫でる傍ら、耳には二人のやり取りが入ってくる。

「おいっ! ゴッゴル族の貴様に、ひ、一つ訪ねたいことがあるっ!」

「……なに?」

「本当に、本当に読めているのか?」

「なにが?」

「わ、わわわ、私の考えていることだっ!」

「……読めてる」

「…………」

 止めておけば良いのに、わざわざ訪ねてみせるエディタ先生。まるで異臭を放つ靴下の香りを、鼻先に味わっては顔を顰め、鼻先に味わっては顔を顰め、延々と繰り返す飼い猫のような物腰である。

「今、貴方はこう……」

「あっ、あぁああああっ! あぁあああああ! ぁああああああああ!」

「…………」

 大切なところをポロリしそうになった褐色ロリータ。

 その正面、大慌てに立ち上がったエディタ先生が、彼女の口元を両手に抑えるべく、ソファーテーブルに片手を突いた姿勢で、必至に上半身を伸ばしているラブリー。でもちょっぴり背丈が足りなくて殊更にラブリー。

「ロコロコさん。たとえ冗談でもそういうのはやめて下さい」

「何故?」

「貴方が約束を守らないのであれば、私もまた貴方との約束を放棄します」

「……分かった」

「ご理解ありがとうございます」

 エディタ先生の秘密なところ、凄く気になる。でも、万が一にも聞いてしまったのなら、二人の今の関係は終了だ。パンチラを見せて見られて。この素敵で甘美な関係、まさか壊させてなるものか。

 だって今現在も非常に危うい。

 先生は足を組むことはおろか、固くギュッと両足を閉じて閉店。町のパンチラ屋さん閉店のおしらせ。対面に腰掛けている状況ながら、魅惑のムチムチ太ももを拝むことが叶わない。童貞野郎はどこに視線を向けて、なにを想えば良いのか。

 そうこうしていると、馬車のドアがノックされて、屋外から男性の声が聞こえた。曰く、なにかありましたでしょうか? これに何でもない旨を返したところで、ふぅと溜息を一つ。こうなるのは目に見えていたと思うんです、エディタ先生。

 それほどまでに醤油顔が信用ならないと言われれば、それまでだが。

「一方的に読まれ続けるというのは、と、とても耐えられたものではない……」

「それなら後方の馬車へ移られてはいかがですか? 二度も信用を裏切った私がお伝えするのは心苦しいのですが、流石にこの状況で約束を反故にするほど、私はエディタさんを軽んじてはおりません」

「う、うるさいっ! いいから貴様は読めっ! 読むんだよっ!」

「……はい。そのとおりですね」

 今回ばかりはエディタ先生に利があるので、大人しく書面に視線を戻す。

 他方、先生はと言えば、改めてゴッゴルちゃんに意識を戻して唸る。

「そんなに話がしたいというのであれば、私がしてやるっ!」

「貴方が?」

「な、なんだっ! 文句でもあるのかっ!?」

「……別に」

「それなら、ほ、ほらっ! さっさと何か喋ったらどうなんだっ!?」

「…………」

 これは良くないな。

 自身の友人知人において上からワンツーを飾るコミュ症の二人が、目の前でタイマン生トークを始めたぞ。これほど不安な行いはない。しかも両者ともに割と手が早かったりするから、尚のこと怖い。

「それともなんだ? 話をしたいなどというのは……」

「一つ疑問に思った。ハイエルフがどうして人里に? ハイエルフは自尊心が高い。人に混じって生活をするなど、ふつうは考えられない」

「べ、べつに一匹くらい居たっていいだろっ!? いいじゃないかっ!」

「…………」

「なんだよ? ……悪いか? 悪いのかっ!?」

 急な話題の振りから、早々、涙目となるエディタ先生。

 ゴッゴルちゃん、かなりギリギリのところを攻めて思える。

 しかも、どうやら先生はハイなエルフらしい。

 知らなかった。

 思えばステータスを確認したこと、一度もなかった。それならば今すぐにでも確認しようかと思ったところで、ちょっと待て、この瞬間に確認したら、ゴッゴルちゃんにニヤっとされそうだから、控えておこうかな。

 もしもエステルちゃんみたいに隠し設定とかあったら、絶対に狼狽するし。

「なにか文句でもあるのか!? 貴様のことだ、今、全てを読んだのだろう? それが理由だ。私には私の理由があって、こうして人里で過ごしている!」

「……ごめん」

「だ、だったら、いちいち突っ込むなよっ……」

 果たしてゴッゴルちゃんは先生の何を読んだのか。分からない。唯一、自身に理解できることがあるとすれば、エディタ先生のメンタルが秒刻みで傷み始めている点だろうか。あまり長く読心圏内においては危険な気がする。

 先生が強がって見せるかもしれないけれどな。

「そもそも貴様にしたところで、普通のゴッゴル族じゃないだろ……」

「だから、その肌に触れずとも、貴方の考えていることが全て理解できる」

「っぅ……!」

 しかも意外とゴッゴルちゃん、お茶目にサドだし。

 流石に可哀想だと思ったのだけれど、涙目の先生もラブリーだから、もう少し見ていたい気持ちが沸々と湧いてくる。よし、ここは一つ、まろやかに先生の愛らしいところを露見させて下さいロコロコさん。どうぞ、よろしくお願い致します。

 ああでも、あまり虐め過ぎないであげて下さい。

 本当に、本当に、良い方だと思うんですよ、エディタ先生は。

「…………」

 ロコロコさんに害を為すことは、多分ありません。

 だから、どうか仲良くしてあげて下さい。



◇◆◇



 半日ばかり掛けて、エディタ先生の原稿を読み終えた。

 おかげで自分が適当した結果、どのような反応がフラスコの中で発現していたのか、その当時の状況を全てを知ることができた。最終的な効能こそ理解していても、その過程はからきしであった都合、非常に勉強となった。

 最後の一枚まで目を通したところで、紙の束を足の上に整えながらお伝えする。

「これまでの著作にも増して、読む方に優しいものだったと思います」

「そ、そうか。やはり、もう少し硬い感じにした方が……」

「いえいえいえ、滅相もない。それがエディタ先生の作品の良いところです。私も過去、幾つか学校と名の付くところに通っていた経験があるのですが、程度が上がるほど、現場で用いられるテキストは同じ内容でありながら、その厚さを増してゆきました」

 本国産の書籍は作者が格好つけるばかりで、内容の割にページ数が薄く、図表も少なくて、文言の取り回も難しいものが多い。つまるところ初心者に優しくない書籍ばかりが溢れている。一種のステータスというヤツだろう。

 都合、教育の場の良心が向上するに応じて、教材は諸外国の先生方が書かれた書籍や、その翻訳書を用いるようになる。これが殊更、学問に対する理解の相違を産んで、多くの理系志望を底辺アルバイターに陥れる一角を担っている。

 だからこそ、エディタ先生の書かれる、微に入り細に入り、読者の立場を十分に鑑みた著作物一同は、一読者として非常に好ましいものである。愛が溢れているよ。読者に対する心遣いが留まるところを知らない。

 もう、本当、先生はどうして処女じゃないのか。

 エディタ先生の愛液でリトマス紙に富士山を描きたい。弱酸性。

「…………」

「なんですか? ロコロコさん。ジッとこちらを見たりして」

「……なんでもない」

「そうですか? であれば良いのですが」

 悪いけれど、今はゴッゴルちゃんよりエディタ先生を見つめていたい。エディタ先生かわいい。エディタ先生かわいい。ヨイショした成果だろうか。これまで閉じられていた太ももが、少しばかり開きつつある。

 開店の兆し。

 営業開始の予感。

 町のパンチラ屋さん。

「次は本として纏められた、エディタさんの著作を読みたいです」

「そ、そうかっ!? であれば、すぐにでも製本しようじゃないかっ!」

「それが良いかと思います」

 先生の顔に久しく笑みを見つけた。

 悲しんだり、焦ったり、悩んだりしている金髪ロリータも可愛いけれど、やはり、自らに向けられる天真爛漫な笑みは、そのいずれをも吹き飛ばすだけの威力があるなと、甚だ心の底から感じております。

 陵辱欲も勢いを潜めて思える笑顔です先生。

「首都カリスに戻り次第、アトリエで作業を行うぞ!」

「お手伝いすることなどあれば、気軽にお声がけ下さい」

「ぇ? あ、お、う、うむ。そうだなっ! 貴様との共著だものなっ!」

 ニカっと、快活な笑みが、いい。

 金髪ロリ笑顔、いい。

「ところで、一つ、エディタさんに伺いたいことがありまして」

「なんだ? なにが聞きたいんだ?」

「話は変わるのですが……」

 普段にもまして、機嫌に良く応じてくれる先生。

 ただ、そうした彼女の顔色は――――。

「実はグリーンシルフの羽を無事に採集しまして、続くところ、若返りの秘薬のレシピをお教え頂けたらと考えているのですが、どうでしょうか?」

「っ……」

 まるで墓場に幽霊でも見つけたよう、ピシっと凍りついた。



◇◆◇




【ソフィアちゃん視点】

 例によって例のごとく、メイドが執務室で仕事をしていると、コンコンコン、小気味良い音にドアがノックされました。お返事をさせて頂いたところ、廊下から姿を現したのはゴンザレスさんとノイマンさんです。

 ここ最近は毎日のように足を運んで下さいます。これってもしかして、アプローチされてたりしますでしょうか。もしもそうであれば、私としてもお答えすることは決してやぶさかではないのですが。

「おう、嬢ちゃん! ちょっと訪ねたいことがあるんだが」

「すまないな、ソフィア君。どうしても確認したいのだ」

 そうですね、分かってます。完全に表情が仕事モードです。

 一度で良いから夜のお誘いとか受けてみたいものです。

「は、はいっ! なんでしょうか?」

「この街に居住したいって連中が幾らか集まって、南地区のスラム街の修繕を始めてるんだよ。こっちまだ住民の受け入れはしてねぇから、下手に住み着かれちまうと面倒なんだけれど、少しばかり相談できねぇかな?」

「あの、一つ質問なんですが……」

「なんだ?」

「どうして作りたての街にスラム街があるんでしょうか?」

 前々から疑問だったのです。

 帳簿にもスラム街の維持運営の為の費用が計上されています。エサ代? とか書いてあったりして、なにか飼育でもしているのでしょうか。しかも各区画にそれぞれ配置されているので、そこそこの金額になります。

「い、いや、俺も知らねぇんだこれが。何故か最初からあった」

「私も知らないな。住民もゼロなのにスラム街とはおかしな話だが」

「タナカの考えることは、こう、いまいち理解できえねぇんだよな」

「いやまてゴンザレス、もしかしたら町長の方かもしれんぞ?」

「あっちはもっと理解できねぇよ」

「それもそうか」

 どうやらお二人も知らないようですね。

 そういうことなら考えるだけ時間の無駄でしょう。タナカさんもドラゴンさんも普通じゃないので普通の我々が理解しようとするだけ意味のないことです。きっとなにかしら、大きな理由があるのでしょう。

「そう言えばスラムに関して、もう一つ報告することがあったんだったわ」

「な、なんでしょうか?」

「どこから紛れ込んだのか、ヌイが住み着いているらしい」

 ヌイ? ヌイってなんでしょうか。

 初めて聞きました。

「あの、すみません、ヌイとはどのような……」

「なっ、そ、それは危険ではないかっ!?」

 お尋ねしようとしましたところ、ノイマンさんが悲鳴じみた声を上げました。私の質問も程良く遮られてしまい、詳しいところを伺うには至りません。一介の町娘に過ぎない私には、やはり知識面でお二人とは釣り合いが取れておりません。

 これ、やっぱり勉強とかしないと駄目なのでしょうか。

「たしかに手を出すと危険だが、こっちから仕掛けなければ基本的には無害だ。今のところ怪我人の類は出てない。その姿が確認されているのも、現状ではスラムの範疇で収まっているみたいだぜ」

「しかし、だからといって放っておける相手でもあるまい?」

「報告を受けてから、うちの連中がパーティーを組んで駆除に向かったんだよ。けど、足を運んだヤツの話だと、二、三匹ならまだしも、数匹が群れているを確認して、当面の排除を断念したって話だ」

「また面倒な生き物に目をつけられたものだな」

「それだけ居心地が良いってことだろう、ここのスラム街が」

「なるほど」

 ヌイってなんでしょう。

 音の響きは可愛らしいですね。

 ヌイヌイ。

「しかし、そういった話であれば、まさに町長の出番ではないか?」

「そう思って頼んだんだけどよ、ヌイも小型とはいえ、あれでドラゴンの亜種だろう? 貴様らは人を客に迎えて、ドラゴンを客に迎えることはしないのか? とか言われちまったら、こらもうお手上げってやつだ。逆に肩を持たれちまったよ」

「毛がフサフサしているから忘れそうになるが、あれも一応は竜種であったな。ぱっと見た感じ、家畜か愛玩動物の類にしか見えないから性質が悪い。知らない奴が誤って手を出したら面倒なことになるぞ」

「問題はそこだな」

 どうやらドラゴンらしいですね。しかもフサフサだそうです。

 でも、それらしい生き物を、私は見たことがありません。

 もしもドラゴンなんていたら、すぐ目に付く筈ですけれど。

「仕方がねぇ、こっちはタナカが戻ってきてからにするか。アイツならヌイの十や二十で苦労するようなことはねぇだろう。まとめて一気に叩かないと、下手したら街の一大事になっちまう」

「あれの仲間意識は強烈だからな。駆除を他の個体に見られたら面倒なことになる」

「そういうこった」

 お二人の話を耳としていて、一つ、思い至りました。

「……あ」

 反射的に声が漏れてしまったのは、メイドとしてあるまじき失態です。

 エサ代。

 エサ代って。

「ん? どうした嬢ちゃん」

「なにか知っているのか? ソフィア君」

「い、いいえっ! なんでもありませんっ!」

 もしかしたら、私は気付いてはいけないことに気付いてしまったかもしれません。元々はタナカさんが管理されていた帳簿です。いつの間にか私が触れていますけれど、本来はタナカさんが起こされたものです。

 帳簿というのは怖いですね。

 お二人には申し訳ありませんが、ここは見なかったことにさせて頂きます。



◇◆◇



 ガタンゴトン。

 馬車に揺られながら、エディタ先生にここ数日のご報告。

 暗黒大陸で遭遇した一連のゴタゴタである。特にドルツ山で見つけた魔族の遺跡に関しては入念に。先生はペニー帝国の人だし、少なからずゴッゴルちゃんとも関係を持っている。事前にお伝えしておいた方が良いと考えた次第だ。

 知らずに踏み込んで、マゾ魔族と喧嘩になったら目も当てられない。

「そ、そうか、そのようなことが……」

「ええ、ですから同所には極力近づかない方が良いと思います。普段はドリスさんの従者などしておりますが、魔族である彼にとって、それなりに重要なものであるそうです。無用な争いを避ける意味でも、ご理解して頂けるとありがたいです」

 彼女はこれまでと変わらず、馬車の席に腰掛けたまま、酷く難しそうな表情をしている。なにを考えているのだろうな。チラリチラリと時折、視線が明後日な方向に逸らされるのが、どことなく後ろめたさを感じさせる振る舞いだ。

「ということで、過程はどうあれ、このとおりです」

 腰に下げた革袋の一つから、グリーンシルフの羽を取り出す。今もなお淡い緑色に輝くそれを、正面のソファーテーブルにそっと並べる。二枚一組が数セットばかり。当初、まだ円満であった妖精さんたちとの交流の折、某個体から頂戴したものだ。

「本当に採集してきたのだな……」

「こちらで足りますでしょうか?」

「そ、そうだな……これだと少し足りないかもしれないな、少し……」

 ソファーテーブルにおかれた羽と、こちらの顔とを交互に見つめながら、ボソリ、声も小さく語ってみせるエディタ先生。これは何かやましいことのある顔だ。先生は素直だから隠し事が下手なのだ。

「なるほど、そうなると実際に調合する際は、これから向かう首都カリスの施設ではなく、ドラゴンシティに戻ってからとなりますね。特殊な機材が必要であれば、暇を見つけて空輸することも視野に入れておきましょうか」

「……え? どういうことだ?」

「私の居室には、こちらに用意した以上のストックがあります。凡そ三桁近いグリーンシルフから採集しましたので、おそらく不足することはないかと。どれほど日持ちするのか、その一点に関して不安が残りますけれど」

「なっ……」

 酷く驚いた様子で、肩を震わせ始めるのがエディタ先生。

 その提供元はゴッゴルちゃん。他者との会話に飢えた褐色白髪ロリータが成した、妖精さん大量殺傷事件の成果である。当の彼女が不要だというので、一式譲り受けた次第だ。必要量が不明であった為、全てを貰っておいたのだけれど、どうやら正解であったよう。

「どうかしましたか?」

「そ、そんなにあるのか? 本当に? グリーンシルフの羽が?」

「はい」

「…………」

 ゴッゴルちゃんの病んでしまった部分に関しては、彼女の自尊心を優先するべく、ご説明を省いた。故に先生の驚愕は納得がゆく。まさか目の前の褐色ロリータが、三桁違い妖精さんを狩っているとは思うまい。

「多くを採集してしまった点については、申し訳なく思います」

 絶滅危惧種指定とかされていたらピンチだ。町の近くの森の薬草は町の皆のものなのじゃ。とりすぎには注意するのじゃよ、みたいな設定って良くあるじゃん。先生ってばエルフだし、そういうの気にしてそう。

「……いや、べ、別に貴様が謝罪するような話ではないだろう」

「ですが、エディタさんの面持ちがよろしくないようなので」

「…………」

 同時に妖精さんたちの愛らしい外見を思い起こしては、罪悪感も少なからず。無邪気な笑顔と共にスージーを無償で振る舞ってくれた彼女たちは、童貞野郎にとって正義以外の何物でもない。

 一匹くらいオナホ代わりにパクってくれば良かった。

「今この瞬間、私の考えていることが、全て読まれていると思うと、昨日の不運を嘆きたくなる。私が何を考えて、どのような気持ちで貴様に向いているか。その極めて惨めで情けのない心の底が読まれていると思うと、とても情けない」

「……エディタさん?」

「構わない。そこのゴッゴル族から、全てを聞くと良い」

「あの……それは、どういったことでしょうか?」

「こんなことなら、最初から嘘などつかなければ良かった……」

「…………」

 嘘ってなんだよ。この瞬間ってどの瞬間だよ。

 ここへ来ていきなり雲域が怪しくなって来た。

 おかげでピンときた。

「それがこの馬車へ共に乗り込んできた理由ですか?」

「……そうだ」

 それを言ったら、こっちなんてエディタ先生とゴッゴルちゃんの二人をお迎えして3Pしたいと、さっきから何回願ったか知れない。二人と結婚して、生中出しして、子作りして、末代までレイプしたい。

「彼女は彼女が読んだことを決して口にはしませんよ」

「本人が確認しても構わないと言っている」

「それでも約束しましたので」

 少なくともゴッゴルちゃんが孤独を感じている限り、他人とのお話に飢えている限り、その口は重く閉ざされたままだろう。決して開かれることはない。ここ数日を共に過ごした限りではあるが、それなりに口は硬いと信じている。

 彼女が自分とのトークに飽きてしまったら、どうなるかは知れない。だから、それまでに彼女とは、友人以上の信頼を結びたいと願っている。その為にも、一刻も早い逆レイプが強く望まれる。

「……そうか」

「ええ、そうなのです」

「そうなると私は、自らの口で貴様に謝罪しなければならない」

「何故ですか?」

 問いかけたところ、先生は神妙な面持ちで続けられた。

「若返りの秘薬の材料は多岐に渡るが、その中でも中核を為すのが、グリーンシルフの羽、ラメェの角、黄金草、ギアシンの雫、そして、ハイエルフの血と肝だ。最後の素材に関しては、どうしても通常のエルフでは代用が効かない」

「……ハイエルフの血と肝、ですか?」

 どこかで聞いたような材料だな。

 凄く身近に見つけることができそうな。

「最初、貴様に尋ねられたとき、私は全てを知っていたし、覚えていた。けれど、その事実を知られることが怖くて、だから、今日という日まで黙ってきた。書籍からページを破いたのも、こういった状況が訪れることを恐れた為だ」

「なるほど」

 ボソリ、ボソリ、萎縮した様子で語ってみせる金髪ロリ先生。

 彼女もまた色々と悩んでいたのだろう。

「貴様に救われた命だなんだと語っておきながら、それでも私は死ぬのが怖かった。貴様という存在が、レッドドラゴンさえ容易に打倒してしまう貴様という存在が、得体のしれないもののように思えて、とても怖かったのだ」

「…………」

 少なからずキモがられているとは思っていた。けれど、まさか怖がられていたとは思わなかった。割と親しくお話をさせて頂いたり、一緒にご飯を食べたり、少なからず打ち解けていると考えていたから。

 おかげで彼女が何故にサービス精神旺盛であったのかを理解した。

 女の媚というやつだ。

 余裕たっぷり、大人の女性を演出しながら、全力でパンチラを下さった先生は、実際、内心ガクブル状態で、それでも必至に自らのオパンツを晒していた訳だ。ムチムチの太ももを、これでもかと組み上げて、セクシャルアピールしていた訳だ。

 少しでも自分を大切に思って貰えないかと。

「…………」

 過去の光景を思い起こしたところで、ギャップがエロい。

 恐怖からパンチラを差し出す、小物感迸るエディタ先生が愛おしい。わざわざエッチな下着を着用してまで、必至にオパンツでアピール。過去、一連のパンチラシーンを回想したところで、思い出しエレクチオンしそう。

「なるほど、そのような背景があった訳ですね」

「……そ、そうだ。だから、私は、わ、わ、私という存在は……」

 しかし、そっか。

 ハイエルフの肝が必要なのか。

 肝って、あれだよな。

 迅速に採集して、速攻で回復魔法を用いて癒やせば、なんとかなるのかな、なんて思考が、きっと先生が一番に危惧したところだろう。だからこそ、今日の今日まで必至にパンチラアピールしてきたのだろう。

 そのように伝えられてしまったら、もう、これ以上は先を目指せないじゃないかい。エディタ先生に苦労を掛けてまで若返りたいとは思わない。出会って当初なら分からないけれど、些か仲良くなり過ぎてしまった。

 あぁ、残念だ。

 残念だけれど、こればかりは仕方がない。

「だが一つ、どうか信じて欲しい。今は、その、そ、そこまで怖くはない」

「長い間お気遣いを強いておりましたこと、申し訳ありませんでした」

「あの、だ、だからなっ! だから、今なら私は貴様にっ……」

 必至に気遣ってくれる先生、やっぱり良い人だ。

 だからこそ、これ以上の無理強いはできない。

「きっと私が考えている以上に、ストレスを感じていたことでしょう」

「お、おい、私の話をっ」

「若返りの秘薬の作成は、今この瞬間、綺麗さっぱり諦めようと思います」

「っ……」

 ぴしゃり伝えたところで、エディタ先生は黙った。

「先のお話を聞いた限り、既に自分にとって秘薬のレシピは失われたも同然です。ですから、エディタさんもこれ以上は語らないで下さい。そして、自らの尊厳を辱めるような真似を続ける必要もありません」

 ここ数週という間柄ながら、先生と共にした様々な経験はご褒美と称しても過言ではない報酬だ。お金を払わずに異性とトーク。そんなの以前では考えられなかった。チャージ込みで一時間四千円だとしても、既に中古車一台分くらいは貰ってる。

 現代社会で三十余年、経験した異性とのトークタイム合計を容易に上回る。何故そうも容易に判断できるかと言えば、家計簿のある列を四千で割ると、その概算が出てくるんだよ。不思議だなぁ。ちくしょう。

「お、おいっ、それじゃあ……」

「なにも若返りだけが目的ではありませんから。お気になさらずに」

「しかし、わ、若返りたかったのだろう? 必至になっていたじゃないか!」

「若返りたいという意志は、一つの手段に過ぎませんので」

「そ、そうなのか? ……いや、だがしかしっ……」

「はい。ですからどうか、エディタさんはお気になさらずに」

 ショックと言えばショックだけれど、こればかりは仕方がない。

 第一、仮に若返ったところで、再びエディタ先生のような素敵な女性から、パンチラ誘惑されるとも限らない。ならば今この瞬間、醤油顔はエディタ先生との交友を大切にしたいと考える。

 そのパンチラにしても、今し方にお断りを入れてしまった訳だけれどな。

「貴様は本当にそれで良いのか? なにも、得るものもなく……」

「得るものがなかった訳ではありませんよ」

「ど、どういうことだ?」

「ですから、先程にお伝えしたとおりです」

「伝えた?」

 おっと、心中の独白を伝えたものとして扱っていた。ゴッゴルちゃんとのやり取りに影響されてだろう。あまり慣れると、良くない心の病を患ってしまいそうだ。

 ところで今更ながら、褐色ロリータのこれまでの言動を思い返す。

 彼女は先生の心中を読み、こうなることを理解した上で、ハイエルフというキーワードを事前に口としたのではなかろうか。というか、展開的に間違いないだろう。

 ヤバい、ゴッゴルちゃん格好いい。最高に知的でクールだわ。

「おい、つ、伝えたとは……」

「貴方との出会いは、若返りの秘薬を得る以上に魅力的なものでした」

「っ……」

「ですから、これより先に踏み込むことは決してしません」

 ありがとうゴッゴルちゃん。お礼は今晩のトーク三割増しで。

 他にもなにかあればお伺い致します。

 だから、今はエディタ先生との関係修復に務めさせて下さい。

 当面パンチラは無理であっても、せめて、これまで通り日々を楽しくお話できる間柄でありたく思う。なにせ彼女は素敵な金髪ロリータだ。いつの日か自らの魅力でもって、そのお股をフルオープンさせてみたいものである。

「…………」

 しかし、そっか。

 若返りは無理かぁ。
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