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殴りマジ?いいえ、ゼロ距離魔法使いです。 作者:夢・風魔

バーション1.01【始まり】

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84/124

84:マジ、脱ぐ。

「装備にはそれぞれの部位ごとに、重量ポイントというのがあるですの」
「重量ポイント?」
「はいですの。それぞれ10ポイントですのよ」

 武器だろうが防具だろうが、等しく10ポイントなんだとか。実際の重量とは関係ないらしい。
 じゃあなんで重量ポイントって言うのか。

「それは……」

 あ、ブリュンヒルデが固まった。シンキングタイムか。
 しかし、そんなシステムになっていたとは。
 え? じゃあ俺って、このまま上半身裸のまま?

「創造神様が御作りなった世界の理ですの!」
「うおっ!  ビ、ビックリした。そ、そうか」

 急に大きな声で叫ぶんだもんな。驚いたよ。
 要は開発が作ったシステムだろ。
 くそう。全身合成装備の野望が。

 素の状態だと装備の重量ポイントは10。合成装備の場合、形として残した方は10で、能力抽出用が5になる。
 今回だと杖10、上半身5に。
 上半身部分の残り重量ポイントは5しかないので、普通の状態の装備は着れないと。また合成装備であっても、上半身装備を形として残したものも重量ポイントオーバーになるので着れない。
 うーん。意外と面倒だなぁ。

 ひとまず裸族はまずいし、12装備のコートとズボンを合成ーー

「マジックさんはそのままでも十分素敵ですの」
「は? え?」

 き、急に何言い出すんだ、ドキッとするじゃないか。

「合成前のデザインが気にいらなかったみたいですが、どんな姿でも素敵ですの。でも今は……もっと素敵ですの。マジックさんは、自分に自信をもつですの」

 なんて赤い顔してもじもじしながら言われたら……





 港町に戻って待ち合わせ場所で待機。
 その間、道行くプレイヤーの視線を一身に受ける。

「あの……放電さん、なんで半裸に?」

 第一待ち人が開口一番にそう尋ねてきた。
 うん。もっともな質問だ。
 だからこう答えよう。

「素敵だからだ!」
「……あ、はぁ」

 どん引きだな。でも気にしない!
 素敵と言ってくれる人がいる限り。

「あ、王子さ……ま?」
「今度は裸族のプリンス?」
「いいと思いますよ!」

 やってきた待ち人女の子メンバーは、俺を見るなり黄色い歓声をあげる。

「うはっ。放電氏、脱いでも凄いんです?」
「STRいくつあるんだ。いい腹筋だな」

 何を言ってるんだ。STRなんて1しかないんだが。
 まぁ確かにいい腹筋だよな。体の作りって、ステータスに依存してないんだろう。

「集まったならこっちに来てくれ」

 全員を路地裏に誘導して、合成ペットフードの講義を開始する。

 木の実五個と袋一つを合成すると、いい感じの味になる。それ以上だと濃い味になってぷぅは喜ぶが、カロリーの事を考えるとなぁ。
当然、少ないと薄味だ。

「放電さん、ゲームなのにカロリー気にするのかよ」
「いや、ただでさえこんな体型なんだぜ? 万が一、食わせた物で体型が変化するシステムだったら……」

 そう説明すると、何人かは「なるほど」と腕を組んで考え込む。
 が、中にはこの丸いフォルムこそが魅力なのだと……。

《ぷう、ぷぷぷぅ》
「あなた、分かってるじゃない。だとさ」

 まぁ他所様のペットだしいいんだけど。
 何人かのピッピはもう孵化してるな。

 まずは好みの木の実を探すべく、一袋ずつ各木の実を合成していく。
 孵化しているピッピの飼い主にそれぞれ団子を一つ持たせて、どの木の実が好みか確認して貰った。

《ぷぅ、ぷぷぷぅぷう、ぷぷぷぅ》
「あ? あたちは好き嫌いなく、全部好きよ、だって? お前の好みを調べてるんじゃないぞ」
《ぶっ。ぶっぶっ》
「痛い、あいたたたっ」

 くそ。こいつ最近、やたら飼い主を突くようになったな。
 そうこうするうちにピッピの好みが分かったようだ。ついでに、同種のペットでも好みは別れる事も分かった。
 と言っても、木の実合成団子ならどれでも好評みたいだ。
 まだ孵化してないメンバーは適当なのを持って行ってもらい、孵化済みメンバーは好みのフードを持って行って貰う。

「放電さん、サンキュー。合成費用は?」
「え……」

 考えてなかった。
 ペットフードも、木の実も彼等持ちだし。合成剤は素材を集めてタダで調合して貰ったやつだしな。

《ぷ》
「あ  50エンよ? おいおい、それじゃあダークエルフの合成屋と同じ価格じゃん」
《ぷ、ぷぷぷぅぷ》
「あ? 稼げるときに稼げ?」
《ぷ! ぷう、ぷぷぷぅ》
「冒険者にとって貧乏は、天敵よ?」

 まぁ貧乏だと装備も買えない。言いたい事は分かる。

「ぷふふ」
「ぷぅちゃんって世話女房ね」
《ぷ!》
「あ? 当たり前よ?」

 皆の言葉に気を良くしやがって。

《ぷぷぷぅぷう、ぷぷぷぷぅ》
「はぁ、あたちがいないと、この人だめなのよぉ!?」
「「あはははは」」
「放電氏、完全に夫婦漫才だぜ」

 くそっ! こいつと夫婦とか、冗談じゃないぞ!

 まぁ、大きくなってもふもふできるようになれば、少しは可愛くなるんだろうけど。
 その後、ペットフードの在庫が少なくなったらメッセージ送るから――彼等全員と約束され解散となる。
 ご、合成剤を常備しとかないと……。
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