挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
殴りマジ?いいえ、ゼロ距離魔法使いです。 作者:夢・風魔

バーション1.01【始まり】

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

68/124

68:マジ、形状変化の練習を開始する。

 結論。
 カッチカチバリアは、300ダメージを吸収すると割れた。

「ボクが平均してダメージ150ぐらい貰っていたから、二発目で割れて、オーバーした分はダメージとして貰ってるね」
「今の段階だと、CTが長い分ちと辛いぞなもし」
「レベル上げれば緊急回避として使えるスキルになると思うよ」

 まぁレベル1だしな。この道中、使えるときには使ってスキルレベルを上げよう。
 そして道中育てたいのはこのスキルだけじゃない。

 形状変化!

 変化させたい形にイメージしろと、それだけしか書かれていない。

 この辺りのモンスターは動物タイプや地属性モンスターが多い。
 火を使えば瞬殺してしまうので、ここはサンダーで練習だ。
 もちろん作るのは……

「『サンダー!』からのぉ、トールハンマアァァァァ」

 掌に浮かんだ放電する玉に意識を集中し、思い描くは巨大ハンマー!
 つまりでっかい金槌!!

「うーん、うーん。金槌になぁれ、金槌になぁ〜れ」

 ハンドパワーとばかりに左手を沿え、念を込める。
 ジジ、ジ。と、次第に玉の形が変形しはじめた!!
 お、おおおお。棒状の柄のような形になってきたぞっ。

「マ、マジックぅ。ちょっと殲滅手伝って」

 お、おおおお。ハンマー部分っぽいのがっ。

「マジックどん、殲滅を――」

 お、おおぉぅ……。なんだこれ?
 大きさはそれこそ本物の金槌程度。
 放電する柄の先にあるのはT字のものではなく、丸いトゲトゲした丸。
 まるで毬栗だ。大きさ的にもピッタリ一致している。

「マジックぅ」
「マジックどんっ」

 これ、どのくらいの時間持続するんだろうな。
 よし、検証だ。

「うおりゃあぁぁっ! トール毬栗の威力、どやっ」

 毬栗を振り回し、シースターとザグが三匹のコボルトと戯れる戦場へと走っていく。
 振り上げたトール毬栗が振り下ろされる前――
 ジジッ。と音を立てて消えた。

「のおおぉぉぉぉぉっ」
「うわぁあぁぁぁっ」
「もしいいぃぃぃ!?」





 ふぅ。危うく死ぬところだった。
 主にシースターが。
 トール毬栗に集中しすぎて、二人がピンチだった事に気づいてなかったぜ。
 危ない危ない。
 何も攻撃魔法で形状変化の練習しなくてもいいんだよな。

 ヒールは薄緑色の光る玉を、回復させたい相手に直接押し当てる要領で使っている。
 この玉を……どんな形にするか。
 怪我を治すんだし……

「絆創膏になぁれ、絆創膏になあぁれ!」
「またマジックが変な呪文唱えだした。なんだい、それ?」
「形状変化っていうパッシブスキルだ。魔法の形を変化させるんだよ」
「変化させると、威力が増すとかであるかなもし?」
「いや、そんな説明は一切ない。形変えるだけだ。絆創膏ぉ、絆創膏ぉぉぉ」

 まるで呪いの呪文のように唱えてたら、光がぐにゅ〜っと楕円形になった。 
 よっしゃあ! 絆創膏になったどーっ。
 これをシースターにぺたり。
 貼り付けた途端に緑色の光を発して消えたが、回復量は何時もどおりだ。

 次にカッチカチ。
 体の周囲を光が包むようなエフェクトだ。これを……えーっと、相手に掛ける前に……
 バリアだし、盾の形にするか。
 オーソドックスな五角形を縦長にしたようなのをイメージしたが、なかなか上手くいかない。
 なら丸い盾にするか。それなら簡単だろう。

「丸い盾ぇ、丸い盾ぇぇぇめぇぇぇ」
「なんか丸い盾に恨みでもあるの?」
「丸いぃぃぃぃぃ、出来た!!」

 シースターの前に、光り輝く丸い盾が出来た。といっても、盾の形をした光の線が描かれているだけで、向こう側がスケスケだ。まぁその方が視界を遮らなくていいか。
 大きさも団扇程度しかない。なんか心もとない大きさだな。

「見た目はいいねぇ」
「うむ。なかなかかっこいいぞなもし」

 お、好感度は良さそうだ。
 シースターがコボルトにボコられているようにも見えるが、ダメージエフェクトは出ていない。
 大きさは団扇程度でもダメージはしっかり遮断しているようだ。

 うん、これなかなか面白いぞ。
 ただ同じ魔法でもその都度形を変えようとすると、その度にイメージするところから始めなきゃならないので時間が掛かる。
 一度成功した形であれば、次にはすぐに出来た。
 あと、持続時間は元のスキルにも依存するところがあるらしいな。
 カッチカチは割れるまでその形を保っていたが、ヒールは離れた所から準備して、駆け寄る頃には消えてしまう。
 なので、先に駆け寄ってからスキルを使わなきゃならない。
 攻撃魔法もそうなるんだろう。

 俺が形状変化で楽しんでいる間にシースターのレベルが上がり、俺との公平が可能に。
 よし、こっからは火魔法でガンガン行くぜ!
 ファイアをどんな形状にしようかなぁ。
 ふひひひひひ。なんか楽しくなってきたぞぉ。





 三十分ほど北上すると森が見えてきた。

「そういやザグの武器ってハンマーだが、それって武器の種類としては何になるんだ?」

 ドワーフには斧が似合うが、ハンマーもなかなかだな。

「これは鍛冶を行うときに使う鉄の槌であるぞなもし」
「ちょ!? 道具を武器にしてるのか? いや攻撃力とかあるのかよ」
「あるぞなもし」
「あー、うん。金槌系って攻撃力があるんだ。短剣と同じぐらいかな」

 それを武器に出来るってんなら、寧ろ短剣より強そうなんですけど。

「ただ槌の技能はなく、攻撃補正をあげる事はできないんだよ。だから金槌を持たなかったんだ」
「槌技能はないであるが、攻撃力を上げるパッシブスキルを作れば問題解決であるぞなもし」
「は? どうやってそんなスキル作るんだよ」

 ザグは頭を指差し、

「想像力を働かせるぞなもし」

 と言う。

 スキルを作る前提技能は『鍛冶』。
 槌を作るほどにその性質を知り、より上手く扱えるようになる。
 そういうパッシブスキルを作ったのだとか。

「なので儂は槌をたくさん作っているぞなもし」
「へぇ。じゃあザグは槌職人になるんだ」
「いや、儂は料理人になりたいんだぞなもし」
「「は?」」

 俺とシースターが同時に驚く。
 じゃあなんでパッシブスキルを作ったのかと。

「食材を自力で仕入れるためには戦わねばならんぞなもし。だが武器技能を習得するのも面倒じゃったし、時間もなかった。だからスキルを作って補ってみたという訳だもし」
「へぇ、考えたな。ところでザグ」
「ん?」

 白髪ドワーフだが、髪は短く髭もほどほどに切りそろえられていて、案外若々しい。尚ドワーフ基準で、だ。
 そのザグが首を傾げてこっちを見る。
 なんかひょうきんなおっさん風になってるな。
 そのひょうきんなドワーフにどうしても尋ねたい事があった。

「そのもしもしなのは、どこの方言なんだ?」

 ずっと語尾にもしもしが付いているザグ。
 ばいだのちゃだのが付く夢乃さんやドドンは九州だって事だが、はたしてザグはどこなのか!

「ロールプレイぞなもし」
「もしは方言じゃないよね」

 ……。

「そんなオチかよぉっ!」
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ