Explore you
僕は学校の図書室で調べ物をしていた。
誰もいない夕暮れの図書室に設置されたパソコンを使い、僕は単語をローマ字打ちで入力し検索結果から興味深いサイトを閲覧するというのを繰り返している。
「――――――ん?」
家で使うような感覚で気に入ったページをお気に入り登録しようとしたら、ふと、気になるフォルダがあった。
フォルダ名は『Explore you』
あなたを調査する人? あなたのことを探る人? 探す人?
よくわからないが興味本位でそのフォルダの中にあった一つだけのページをクリックした。
検索サイトから切り替わったページは酷く殺風景で黒地に白い文字だけの簡易的なページだった。
さては学生の誰かが遊び半分で作ったページだな、と思い適当にスクロールする。
しかし意味がわからない。英単語の後に数字が羅列しているだけの文が何十行にわたって記されているだけの、意味がわからないものだった。
その中に漢字で書かれているので読める単語が眼についた。
『年齢:14』
これをつくった人間のプロフィールだろうか。だとしたらつまらないにも程がある。
しかし、もう二行読んだ所で考えが変わった。
『身長:164
体重:47』
どこかで見たことがある数字。
それもそのはず。その数字は僕の身体情報とぴったりだった。
「へぇ」
偶然、なのだろうが、それでも面白いと思って他の文も読んでいく。
『人間:3』
これは付きあった人間の数だろうか。この歳でこれではHPをつくった人間は相当遊んでいるようだ。
『蛙:1』
蛙と付き合ったことがあるのか! と思ったがそんなわけないだろう。
その後も単語と数字の関係がよくわからない文が続いた。
『雀:5
猫:2』
飼ったペットの数だろうかよくわからない。
『蚊:42』
ここまで来て興味が失せた。ページを閉じようとマウスを動かそうとしたら、マウスを持つ手の甲に蚊が止まった。
当然の如く僕が叩き潰すとページが変化した。
『蚊:43』
「………………………」
一匹、蚊を殺したら数字が一つ増えた。
そのことが気味悪く、僕はページを閉じるためにマウスを動かそうとする。
だが、カーソルは全く別の方向へ動きスクロールしてページの最下部を表示した。
『Explore you:3』