僕と君と
悲しいストーリー
おーい[さすけまたまちがってるぞ]、とまた会社の上司に怒られた、何をやってもダメ、ユメもない何の仕事に付いてもぱっとしない僕、二十にもなって仕事を転々と変え続けていた、仕事をして家に帰っては寝て、また仕事それをずっと繰り返していた。いつものように仕事が終わって帰っていると新しいコンビニが出来ていた。疲れ果てて入ってみると[いらっしゃいませ]と元気で明るい声、疲れも忘れてしまうような可愛い子だった、今まで恋もろくにしたことがなく、一目惚れだった。でもどことなく悲しい目をしていた、それから仕事が終わると毎日のようにコンビニに通い続けた…
私は弱さを絶対出さない女の子だった回りからはいつも[元気だね][明るいね]と言われているけど誰もよくみてないだけだった…そんな毎日を何気なく過ごしていた、コンビニでもただ接客しているだけだった。
でも接客しているなかでも毎日のように来るお客さんがいた、私は思いきって声をかけた[いつもきてますね?笑顔][そうですね]素朴なそんな会話だった、その後は来る度に話すようになった、名前も分かり仲良くなってきた、そんなある日、ふとさすけが言った[どうしてそんな悲しい目をしてるんだ]いきなりでびっくりした、
帰ってもその言葉が残っていた、うれしかった自分を初めてわかってくれる人に出会った、喜びに溢れながら眠った。
僕は通い続けた頃向こうの方から話してくれた[いつもみますね]と、何回も話そうとしたが勇気がでずただ買い物をするだけだった、とても嬉しかった、覚えてくれたことに感激した、名前も分かった、[カエデ]だと知った。
通ううちにカエデは笑顔の内側に悲しい目をしていると思ってきた、何日かたって僕は[悲しい目をしてるんだ]と言った、カエデはびっくりした顔をしついた。
帰り道[どうしよう変な事いったかなぁ]と落ち込みながらもとぼとぼと帰った…次の日もまた失敗をしてしまった、帰り道コンビニを通り過ぎようかどうしようか迷ったが勇気をふしぼって入っていった。
店に入ると[いらっしゃいませ]と明るい声、いつもの悲しそうな目は消えていた、[何かいい事あったの]と聞くと[にこり]と微笑んだ、自分のことのように嬉しくなった。話は盛り上がりコンビニであることを忘れていた。コンビニも忙しいくなり帰る間際に思い切って紙に書いた番号を渡した、何も言わず逃げるように帰った。掛かって来るかもわらかず恐怖と楽しみが巡っていた…
仕事に着いて間もなく、さすけがやってきたでもさすけは何かいつもと雰囲気が違っていた、[いらっしゃっいませ]と元気な声で言った。
ア然とした顔付きでこちらをみた、でもなにもなかったように話始めた[いいことでもあったの?]と心の中ではあの言葉が嬉しかったと思ったが口に出しては言えなかった、笑ってごまかした、お客も増え始め慌ただしくなってきた、さすけが一枚の紙をおいて逃げるように帰って行った、仕事が終わってみて見るとそこには番号が書かれていた、何かわからなかったが嬉しかった。次の日に電話をしてみたが電話には出れないようで留守電になっていた[今忙しそうなのでよかったらさすけさんから電話をください]と伝言を残し電話を待った…
昼になると珍しく伝言が残っていた[よかったら電話をしてください]と言う内容だった、嬉しい半面怖さもあった、何を話したらいいのかわからなかったからだ、でも今日という日は二度と来ないとおもい、思いきって電話をした[もしもし]と明るい声[はーい]何も言葉が浮かんでこなかった、いつもなら話せるのにパニックてわけわからなく話始めた[明日休みだからドライブでもいこうか?]少しの沈黙、何を言っているんだおれは、[気にしないで]といい電話を切ろうとしたとき[いいよ]とかえでの言葉、明日の事を話して電話を切った、その日は仕事も手につかず、明日の事で頭がいっぱいだった…
昼を少し過ぎた頃さすけから電話が掛かってきた緊張して電話にでてみるとさすけはもっと緊張していたらしくいつもの話し方ではなかった、いきなり[ドライブでもいこうか?]びっくりして少しの沈黙、その後[いいよ]といい、さすけもびっくりした様子、明日の事を話して、電話は終わった、明日の事が楽しみでワクワクしながら時をまった、ふたりは同じ夢を見ながら眠った。
僕は待ち合わせより10分も前に着いた、なぜか服をびしっと決めていた、今日に限って10分が長く感じた、向こうからかえでが来たがとってもラフな服装だった、私が着くとさすけはもう待っていた、服装も決めていて、私はあまりにもラフな服装だった、[おはよう][おはよう]はじめはそんな会話からだった。[あまりにきめてきすぎた][私なんかラフすぎた][全然可愛いよ]自分でもびっくりしたさりげなくでた言葉だった
嬉しかったただそれだけの言葉でも心にのこった、
食事やらカラオケやらいろいろいって最後に夜の海に向かった。
夜の海はとてもきれいで空一面ね星が広がっていた、少しの沈黙、頭をいろいろとよぎった、告白の言葉も考えた。[いつまでも一緒にこの星空をみよう]いろいろ言葉が巡ってきたが勇気がでなかったまた今度がんばろうと思ったときかえでが[これからも一緒にみようね]心で思っていたことがつい口にでてしまっていたようだ、思ってた事とは違ったが見事に成功してしまった。
私はずっと夜空を見ていた二人の沈黙さすけが独り言のように話している、その言葉を聞き感激した、私に直接言っていない事は分かっていたが、私はこの人ならと思い決断した、
そのよる初めて二人はキスをした、いつまでも時間が過ぎないでほしいと二人して思った、いつまでも続くものだと…
その後も休みの時になるといろんな所にいった、楽しい思い出ができた。
半年が過ぎようとしていた。
最近は二人とも忙しく会う機会がだんだんと減っていった、時間に余裕も出来たので[明日会わない]と電話で言ったがかえでは[その日は用事がある]と言い断られた、[用事なら仕方ないね]と言い電話をきった。次の日することがないので待ちをぶらぶらと歩いていた、向こうのでかえでを見かけたので声をかけようとしていた時、かえでのとなりに男がいた、用事じゃなかったのかと思った、かえではすごく楽しそうに話していた、声もかけられずその場を逃げ出した…
今日はさすけのプレゼントを買いに弟と町に繰り出した[なんでおれが着いて行かなきゃ行けないんだよ][いいじゃん、彼氏にプレゼントするの一緒に決めるだけだから、何買っていいかわからないだもん]
[彼氏なら何でも喜ぶんじゃないの?]
[内緒で買うんだから驚かせないと]
[めんどくせーな]
[そんな事言わないで、時間ないんだからどんどんと回るよ]
弟はぶつぶつ言いながらも付き合ってくれた、二人で悩んだあげく二人のイニシャルが入ったペンダントを買った。
誕生日が楽しみだと思いながら家に帰った…僕は家に着くと布団に入って泣いた、眠る事も出来ず朝を迎えてしまった、かえでから電話やメールがきてもすべてを無視した、一日中考えて夜かえでに[別れよう]と内容も聞かずメールをして電話を壊した、心のどこかに家まで来るかもと考えていたがその日はかえでは来なかった、次の日になって郵便が届いた、何枚かある中にかえでからのものがあった、
[誕生日、おめでとう、これからもずっと一緒にいようね]
僕は驚いた自分の誕生日すらも忘れていた、まさかと思いかえでの家に向かった。家の近くでかえでのとなりで歩いてる男がたっていた、僕は恐る恐る聞いてみた[あなた誰?]すると向こうは抜け殻のようなこえで[かえでの弟]と言った。[あなたは?]と聞いてきたので[彼氏です]と言った、僕は安心したと同時に後悔した[かえでは今どこにいるんだ][…]
少しの沈黙の後彼は言った[昨日の夜交通事故で死にました]
僕は膝をつき言葉も出なかった、彼は続けた、
[夜いきなり家を出て行ったんですよ、行くところがあるからと涙を流しながら、その途中で信号無視した車が姉ちゃんを跳ねて…]僕は昨日の事を思い出した何も聞かず[別れよう]と言ってしまった事、そのせいでかえでは家を飛び出して、家に向かっていた事、絶望だけが胸を締め付けた、
[ねえちゃんがあなたに渡そうとしていた物です]とペアのペンダントだった
[それと姉ちゃんが毎日書いてた日記です]と渡して彼は帰っていった…
帰っても実感がわかず、後悔だけしか残ってなかった。はっと日記の事を思い出し、読み始めた
[○月○日 今日とっても嬉しかった、私を素直に見てくれる人が現れた、毎日来るお客さんで、毎日が楽しみでしょうがない]
[○月○日、二人でいろんな所に遊びにいったとっても楽しく、何とその日に告白とは言えないけど、ステキな言葉をもらって付き合うようになった、ふたりでこれからいっぱい思い出作るぞ]
[○月○日、楽しくて毎日がしょうがない、私うかれすぎかなぁ]
[○月○日、明日はさすけの誕生日だ、かれは忘れているようだからびっくりさせて驚かせよう、さすけは喜んでくれるかなぁ]
日記には僕に対する愛が溢れていた、僕はページをめくるたび一つまた一つと涙が溢れてきた、こんなにも愛されているのにこんなにも愛しているのに、どうして悲しみだけが僕を覆った…こんなにも悲しい別れになるなんて、僕は思いでの場所まで車を飛ばした、海は静かで星空はいつもより輝いているようだった、砂浜に寝転び夜空を見つめた、だがいつものかえでの笑顔がそこに写ることはなかった… 数十年後…
僕は毎日のようにここに来ては砂浜に寝転び夜空を見つている、ただ君の笑顔が見たくて、ただきみの優しさに触れたくて、いつ来ても君はそこにはいなかった…[こんな歳になっても君を探している僕を君は哀れむかい、怨むかい]すると
[あなたを怨むなんてしないは、あなたと過ごせた日々は私の宝物だったもの]心の中で響いた、そっと目を閉じるそこには、いつも探していたかえでがいた
[やっと会えたね、これからはずっといっしょだ、君を守りぬくよ、永遠に]
あの頃の楽しかった日に僕は帰って行った…
こんなことがあったら生きていけないかも