第2話 裏切り!?
公園には、人がちらちら見えるだけで
基本的に静か。
「あぁ〜!!すがすがしい空気!!」
私は背伸びをすると
思い切り深呼吸した。
胸の高鳴りが消えない。
心に今日
自分の気持ちを伝えるの!!
このままじゃ
駄目でしょ!里乃!!
自分でカツを入れてから、公園を見渡してみた。
あっ
心だ…。
遠目で見ても、すぐ分かる。
心は大急ぎでこちらに走ってきた。
先程の変な格好ではなく、普通の服。
いつもなら変な格好してくるくせに
よほど時間が無かったんだろうな?
「お待たせ!!」
「ええ、待ったわ。」
私は意地悪っぽく言ってみた。
心の表情がかたまる。
「なんてね、着いたの5分ほど前よ。」
すると心は嬉しそうな顔をして
「そっか!よかった!」
と言う。
「で、どうして俺を呼んだの?」
いきなり来たか!!
私は呼吸を整えて
「ええ、私のホントの気持ちを、伝えようと思ってね。」
落ち着いて
冷静に…
「え!?」
心は嬉しそうに私の顔をのぞきこむ。
「私ね…。」
意を決して言おうと思った…が、その時!?
「心くぅ〜ん!!」
女の声が、公園に響きわたる。
女は音をたてて、こちらに走ってきた。
来たかと思ったら即、心の腕に抱きつく。
「探したのよぉ!!」
心に甘えた様子で
上眼使いになる。
何かな〜この子は!
心、もしかして!!
彼女居たの!!!てか、私への気持ち
嘘!!!
私はその女を見た。
「心君、この女の人、だぁれ?」
「この人は、水川 里乃さん…。」
なんで?
いつもなら僕の愛しい里乃とか、大切な人とか言うくせに。
この女の子が、貴方の大切な人?
じゃあ元から、私なんてどぅでも良かったのね!!ただの遊び…!!
わなわなと震えた声で、私は言う。
「心、私、貴方の事が大嫌い!!もう私に近付かないで!!」
私は走りだした。
僅かに涙を残し…
頭の中、ぐるぐる
どうして…
あれだけ、真剣な人だって思ったのに!!
裏切りじゃない!!
一瞬でも彼の事
「好き」
って思ったのが馬鹿みたい!!
もう知らない!!
私は流れる涙を拭いながら、必死に家までの帰路を走った。