いつか。縦書き表示RDF


いつか。
作:沙和子


「お願い、約束して。必ず帰って来るって」

「…わかった。ぜってー帰って来る。――好きだよ、叶美」

「私も…ずっと好きだからね?」


再放送をしていたドラマに、蘭の眼は釘付けになった。
昨年連続ドラマラヴストーリーナンバー1を獲得した、ラヴロマンス。

それだけあって、涙は出るわ出るわ。
でも、結局最後は2人は結ばれる設定。


「…ドラマなんて、いい加減よ…現実の恋は、もっと辛いんだから…」


蘭の目からはぽろぽろと涙が出る。
そしてその様子を黙ってみている、コナン。

蘭が、感動してないているのではないのはコナンは分かった。


思い出してるんだ。
重ね合わせているんだ。

ドラマの2人を、俺と自分に。


「だけど、この男の人はいい人ね。“いつか”って言わないもの」


蘭は綺麗な月を眺めながら呟いた。
その呟きは、悔しさ悲しさと共にコナンの心に響いた。


「いつかって言葉は残酷なんだよ? 一番都合がいい言葉じゃない。いつかって言っておけば、一生…帰らなくて…いいから…ね」

まともに立っていられなくなった蘭は、その場にぺたんと座り込んだ。


言えばいうほど惨めになる。
言えばいうほど新一を責めてしまう。
言えばいうほど自分を責めてしまう。
言えばいうほど…悲しくなる、切なくなる、会いたくなる。







違う。
違うんだ。
俺にとっての“いつか”は、そんな意味じゃない。
そんな悲しい意味じゃない。
そんな切ない意味じゃない。
そんな辛い意味じゃないんだよ、蘭。

俺が言う“いつか”は、確かにあやふやだけど。
確かではないけど。

1つだけ、確かな事があるんだ。



俺にとっての“いつか”とは、都合がいい意味じゃない。


もしも。

もしも、俺が蘭を幸せに出来ないとわかった時。


その時、“いつか”の意味を教えてやるよ。



そして、俺にとってのいつかの意味で、いつか幸せにしてやるから―――…






信じて待っててくれ、蘭。







その祈りが通じたのか、蘭は立ち上がった。
涙は…止まっている。


「違うよね。新一が言ったいつかは、こんな意味じゃないんだよね。ねぇ、お月様。そうだよね―――…?」



数回問いかけると、蘭は右手の小指を月に向かって伸ばした。



「約束だよ? 新一」


コナンは、影ですっと小指を伸ばした。



「ぜってー幸せにしてやるから」


お互いに顔を合わせているのに。

この俺の伝えられないもどかしさは何とかならないか。






私のこの寂しさは、何とか埋まらないか。



ううん。



この寂しい時間は、いつか必ず、取り戻す。




だって、約束、したからね―――…










どうでしたか?
何だか勢いで描いてしまった話です。
もしかすると、またこんな感じの短編、勢い余って描くかもです☆彡

うーん…

いつかとは何か。

そんな感じですね。

では、連載の方もよろしくお願いしますね。


2007(H19),12,18 白石早苗













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