Every Day 〜そこに僕はいる〜(1/9)縦書き表示RDF


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Every Day 〜そこに僕はいる〜
作:わかめスープ



第1話〜時折見る夢〜


「俺はヒーローじゃない。
勇者でもない。
人気者でもない。
特別足が速いわけでもない。
手先が器用なわけでもない。
信頼されてるわけでもない。
俺は・・・なんなんだろう・・・」
考えても仕方のないことを俺はいつも考えている。
「・・・・・。・・・・。・・・・ッ」
何かが俺を呼んでるような気がする。
「・・・・ッ。・・・ま」
俺はその“空間”から追い出された。


「・・やま・・・・みやま」
その声がどんどん大きくなってくるのを感じた。
「バシッ!!」
何かがたたかれた音だった。
「神山!!」
身震いをする俺。
「何が起きた・・・?」
冷静に判断した結果すぐに答えがでた。
「・・・授業中か。。。」
「神山、146ページから読みなさい」
「・・・先生、教科書がありません」
「そうか。なら廊下に立っとけ」
嫌がることなく教室を出る俺。
こんなこともなれたらなんとも思わなくなる。
恐ろしいことだ。。。


「おう、やっと起きたか」
ふっと横を見る。
そこには先客がいた。
「トラ、お前も立たされていたのか」
先客は爽やかな笑顔で答えた。
「でも、眠り始めたのはお前が先だぜ」
言われなくてもわかっている。
なんてったって授業が始まる前から眠っているからな。
そんな他愛もない会話をしていると、授業の終わりを告げるベルが鳴った。
他の教室から数人出てくるなか、俺たちの教室からはだれも出てはこない。
中からは、怒りにも似た声が聞こえてくる。
おおかた理由はわかっている。
たぶん・・・いや、絶対に俺たちの悪口を言っているのだ。
いつものことだから仕方がない。まあ、俺たちが悪いのだが・・・


「ガラッ」
戸の開く音がし、先生が出てきてこちらを睨んでいる。
「神山、虎谷。職員室まで来なさい。」
逆らわずに職員室に向かう2人。
いつものことだ。
また、職員室で威張り散らすつもりであろう。
・・・・・・・・。
職員室にはすでに数名の先生が次の授業の準備をしていた。
中にはそそくさと職員室を後にする先生までいた。
仕方がない。この先生の声の大きさはハンパないから。
「神山、虎谷。何度言わせたらわかるんだ!!・・・・・・」
いつもと同じ台詞から説教は始まった。
「少しはアレンジしろよ・・・」
なんて言ったら説教の時間が延びるだけだ。
そっとしておこう。
隣のトラも聞いてるのか、聞いていないのかわからない顔をしている。
・・・聞いていないな。
「・・・・・・・・・・・・」
声の調子が衰える事はない。
その点についてだけは褒めてもいいとおもう。
相変わらずトラは眠そうな顔で何かを見ていた。
たぶん、無意識のうちに。
紹介しておこう。
俺の隣で眠そうな顔をしているのはトラ。
本名 虎谷とらたに 良輔りょうすけ
とても大柄な体格をしていて、たぶん学校一の力自慢だ。
いいやつなんだが、誰かが喧嘩ををはじめるとすぐに乱入してしまう。
もちろん、トラの圧勝で終わってしまう。
だれもトラを止められることが出来ないから。
そんな訳もあってか学校では喧嘩が滅多に起きることはないのだ。

んで、俺たちに説教しているのはハゲ丸。
本名 春川はるかわ 丸尾まるお
俺たち3年の学年主任である。
口うるさくて有名だ。
女房には逃げられたという噂が立っている。

そして、俺はカオル。
本名 神山かみやま かおる
一般的な中学生だ。俺はそう思ってる。(違うのかもしれないが・・・)

そしてここは、町立光中学校。
この学校は山の中にある田舎の学校だ。
創立150年も経とうとしているかなり古臭い学校だ。
生徒数116名という小さな学校だが・・・
「この学校を日本一の中学にする!」
とか、
「この学校に誇りを持て!」
とか、先生はいつもそんなことしか言わない。

こんな生活に飽き飽きした俺は一人、街の学校に入学することを決意する。
創設5年目の学校で、特に校則に等にうるさそうなイメージはない。
電車で1時間はかかるがそこに行きたいと俺は思っていたので受験をした。
合格発表まであと3日と迫っているがたいした緊張をしているわけでもない。
なにせ私立の高校だからね。

「神山ぁ!!」
ビクッ!!
俺はまた身震いしてしまった。
「話を聞いているのか!?」
「・・・すいません」
先生がブツブツ言っている。
また長くなりそうだ。
「虎谷は教室に戻っていいぞ」
「・・・」
無言で立ち去る虎谷。
どうやら説教が長くなったのは俺だけのようだ。












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