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ブサイクの逆襲  作者: 黒田 容子
本編
18/33

本当のブサイク

本当のブサイクっていうのは、見た目じゃなくて中身じゃなくて。


自分の未来を諦めたまま腐っている。

そんなことをブサイクっていうんだ




 カナコの遅刻グセも、上司の激甘っぷりも全て相変わらず。今日もまた何も変わらない。

「いる?」

 仕事中に堂々と電話してくるカナコの彼氏も相変わらず


 この前笑っちゃった。


 締めやってたとき、どうしても請求の計算式が分からなかったから、さぁ

「これ、元々の担当、誰だっけ?」

 周りに聞いたら、カナコの彼氏だって。あーまぁ 前この営業所にいたからね…あの男。

あっそ、と思って 遊んでたカナコに丸々締めをブン投げたの。


 そしたら、どうしたと思う?カナコ。


「あれって結局どうなった?」

 本社もそろそろ、請求書発行したいだろう時間だからさ… カナコに聞いたら。

「まだ、返事来ないんですよね…」

 ケータイみては、コンコンってタッチしてる。


 まさかアンタ。ケータイで聞いたの?


「電話、してないの?」

「忙しいかな?って思って」

「締めは 仕事だから!」

 思わず手でツッコむアタシがいる。


 コイツ、仕事と遊びの境界線がヘン!!


「あのね、本社待たせてるの。ウチが締めらんないと、本社も帰れないのよ?」

「読んでいるとは思うんですよねぇ 既読になってるから」


 LAINで聞いたんかい!そーいう問題じゃないっつうの


「あんさ?電話して聞けば?」

 いいからさっさと電話してケリ付けろ。

「あー、じゃあ聞いてみますね」

 おもむろに、ケータイの通話を始めるカナコ。なぜ、自分のケータイで電話するのさ?

「外線で堂々と代表に電話しなよ…」

 本社から散々「締めまだですか?」催促電が掛かってくるこの時間帯よ?どんなにバカな色ボケ係長でも、締めの最中に個人ケータイ出るような空気が読めないバカではあるまい…

「出ないですぅ」

 …良かったね… 彼氏がバカじゃないのが分かって。


 結局、カナコがお昼ゴハンを買いに行ったときを見計らって、色ボケ係長へ鬼電。聞き出すだけ聞き出したら、締めは、結局自分でやった。


「あーツカレタ」

 締め終了の電話をした後、どんなにツカレタと呟いても、この返事は、だれも返してくれない。なぜって。


 カナコは、永遠のお飾り。前所長の彼女だから。触れてはいけない。見るだけの…関わってはいけない存在。

 だから、カナコに関わるわたしにも関わらない。


 笑っちゃうでしょ?こんな毎日。




 でも、あの日の飲み会以来、それでもいいかなと思い始めた。


 さっき、自分でも「笑っちゃうでしょ?」そう言い切っちゃうくらいの…そんな余裕もでてきた。

 大人になれたと思う


 キャンキャン騒いでも、どうせ誰も助けてくれないじゃん?騒げば騒ぐほど、「権田うるさい」になるでしょ?だからね、カナコの面倒見るの、仕事だと思うことにしたの。

 長い人生、カナコみたいなバカでアホで使い道が無いかもしれない子、また出会うかもしれないじゃない?だったら、上手くやってく大人のお付き合い術を覚えることにしたの。


 あたし、もう三十路見えてきたし。

 あの人がヤダとか、この人好きになれないとか、そういう人間関係の愚痴とかツマンナイことで悩むの、やめようと思うの。

 だったら、今を これからを 楽しくやってくやり方を覚えよう

 自分の未来を大事にしよう


 そう決めたの。

 このままくすぶったら、本当に ブサイクになっちゃう!!!


 そんな時だった。まぁた 波乱が起きたのは。


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