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沙羅の世界
作:池林 未羽



第一章 (1)


入学式の日―――。
ある家にとても幸せそうな家族がいた。
「お父さん、お母さん!わたし友達たくさん作るね!」
娘は楽しそうだ。
「あら、友達ならたくさんいるでしょう?」
母親も楽しそうだ。
「未紀は人気者だからなぁ。」
父親は笑う。
「でも〜同じ学校の子ユミとユウトとユウタしかいないんだよ?」
娘は少し寂しそうに言う。
「あら、そうだったかしら?でも未紀は由美ちゃんと仲いいでしょう?」
母親は娘に聞いた。
「でもユミとは違うクラスになるかもしれないもん。」
娘の答えに父親は
「何クラスあるんだ?」
と、聞いた。
「えっとね・・・4クラスだよ。」
娘は答える。
「まあ・・・。じゃあ友達をたくさん作らないといけないわね。」
母親は楽しそうに言う。
その言葉に娘は
「うん!」
と、嬉しそうに答えた。
娘の名前は姫野未紀。今日から中学生になる。
「あっ!もうこんな時間!ユミと待ち合わせしてるからもう行くね!」
そう言ってバックを取る。
「行ってらっしゃい。車に気をつけるのよ。」
母親が声をかけた。
「はーい!」
未紀が答える。
「まったく・・・。あんなんで大丈夫かしらね・・・。」
母親が呟いた。
「未紀なら大丈夫だろう。ああ見えてもしっかりしてるしな。」
父親が答える。
「・・・そうね。なんたって私の子だものね。」
母親は嬉しそうに言った。
母親の名は姫野沙織。
専業主婦だ。
父親の名は姫野司。
出版社で編集者を務める、仕事人だ。
そんなごく普通の幸せな家族。これが未紀の家族だった。

そのころ未紀は走って待ち合わせ場所に向かっていた。
「も〜!ミキ遅い!」
「ゴメンゴメン。」
「まぁもう慣れたけどさぁ〜。」
「あはははは・・・。」
未紀は苦笑する。
未紀と話しているのは小田原由美。
未紀の小学校からの親友だ。
「それはそうとミキ、また同じクラスになれたらいいね!」
由美は未紀に話しかける。
「うん!ユミと同じクラスがいいなぁ。」
そう言った時だった。後ろから・・・
「おい!どけよミキ!それにユミも!」
「通行の邪魔だぞ!」
と、2人の男の声がした。
「ユウト!それにユウタも!」
2人の男の名は神崎優斗と神崎優太。双子である。
「そんなとこ2人でちんたら歩いてたら危ないぜ?」
「危ないような歩き方すんな!」
2人は言う。
しかし
「なによ〜!!危ないのはそっちでしょ!?こんな狭い道で2人乗りなんかして!」
と、未紀も負けじと言い返す。
言い返しあっているうちに言い合いになる。
「ホント3人は幼馴染なのにけんかばっかりするよね。」
由美が呆れながら言う。
「幼馴染なのは関係ない!」
と、3人同時に言う。
「仲がいいんだか悪いんだか・・・。」
由美がため息をつきながら言う。
しかしその間も低レベルな言い合いは続く。
「ちょっと!わたしのマネしないでよ!」
「なんだよ!お前こそマネすんな!」
「そーだぞマネすんな!」
「はぁ!?あんた達がマネしたんじゃない!」
「はぁ!?ふざけんな!お前がマネしたんだろ!」
「違うわよあんた達じゃない!」
「お前だ!」
「あんた達よ!」
言い合いは続く。
「ま〜た始まったよ・・・。ってミキ!もうこんな時間!急いでいかないと遅れちゃう!」
由美が慌てる。
その声に未紀達の言い合いも止まる。
「あっ!ほんとだ!急がないと遅れる〜!」
2人は走り出す。
「俺らも行かないと遅れるぞ!」
そう言うと優斗達は自転車に乗りペダルを漕ぎ出した












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