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輝いて。
作:甲斐仁


 わたしは、思うのです。
 わたしに、意味などあるのでしょうか。

 


 長い年月を過ごしてきたわたしですが、今は貴女を想って止まないのです。

 貴女に惹かれて、止まないのです。


 たった一人のひとである貴女を想う。
 愚かなわたしですが。

 貴女を想うことだけは、許してもらえるでしょうか。




「私、綺麗でしょう?ねぇ、見てよ」
 わたしに呟く君は、必死に輝こうとする。

 その様を、愚かだと思う私がいる。


 わたしとて、自ら輝けるわけではないのに。
 わたしとて、愛しいひとに気づいてほしくて、必死に輝こうとしているのに。


 こんな私は、やはり貴女には愚かにうつるのでしょうか。


「貴女を、愛しています」
 何度呟いても、届かない。

「貴女に、気づいてほしい」
 私の想いは、届かない。


 愛しい、ひと。
 たった一人、貴女にみてほしい。



「愚かだな、貴様は」
 わかっている。
 私は、貴方がいなければ輝けないから。
「愚かだな、お前は」
 わかっている。
 私は、貴方のように気づいてもらえない。

 長すぎる年月を過ごして、わたしは今ここにある。
 誰にも気づいてもらえず、ただここにあるわたしですが。

 貴女に。
 どうしても、気づいてもらいたい。

 そう願うわたしは、やはり愚かなのでしょう。



 どうか、わたしを見てください。
 わたしに、気づいてください。

 こんな愚かなわたしを、見て。気づいて。



 太陽のように、私は輝けない。
 月のように、皆に見つめられるわけでもない。


 その他の兄弟のように、私は強く輝けるわけではない。


 だから。
 長い年月を過ごしたわたしが、最初で最後。
 たったひとり、愛した、貴女に。

 ひとを愛した、愚かなわたしを。


 見て、ほしいのです。




「あっ、ねぇ、流れ星!!」
「お、珍しいなぁ…ってどこだよ」
「もう消えたもんね〜、えへへ。お願いしちゃった」
「ナニ?俺と結婚とか?」
「もう、バカ!!///」



 貴女に気づいてもらえるだけで、わたしは満足です。
 幸福の中で、消えるわたしは。




 生まれてはじめて。


 この世に生を受けて、よかったと思えました。














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