夢ノ根~序~
お初にお目に掛かります。
明鳥夢猫です。
まだ序章ですが、読んでやって下さい。
夢―――それは、眠る間に見る幻、過去、今、未来、自分、世界―――
私は昔から夢というものに不思議と惹かれる。非現実的なものに憧れがあるからだろうか。
印象的な夢を見ると日記に綴り、夢を題材にした漫画を描き、他人の夢の話を好んで聞いた。
だから、夏目漱石の『夢十夜』を初めて知った時も、当然の如く飛びついて読んだ。
元々『こころ』など夏目漱石の作品は好きだったが、夢という不可解な脳の産物を、具体的な文章で表現しようとする人が私の他にもいて、その人が自分の好きな作品を作った人であることが余計に嬉しかった。
話の内容は、やはり無秩序というか、不可解なものだったが、時に不気味、時に滑稽な物語の世界観に一気に引き込まれた。
単純な言い方になるが、やはり漱石は凄いのだと思った。
そんな漱石には遠く及ばない上に、稚拙な文章ではあるが、私も夢について気の向くままに書いてみようと思う。
ここで、これから読まれる方には読む前に下記の通り、いくつか心して頂きたいことがある。
一、夢の話なので「何これ、意味不明…」と思われること必至。
しかし、夢とは不可解なもの。どうかお覚悟を。
二、唐突に終わる夢もある。
私の場合、あまりいい夢を見ることがない。
三、「似たような夢なら私も見たことある」と思って頂けたら本望。
四、他人から訊いた話も含む。
五、先述した通り、書くことは好きだが、文章に自信はない。
上手く伝えられるように努力する。
勝手ながら以上のことを踏まえて読んで頂きたい。
本編は次章からです。