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第二話 時代の変遷ならびに画期的輸送機関エレベーターについて

 これはエレベーターの操作に、まだ専門的な技術が必要だった時代の物語。



 拡張の時代であった。

 世界の未知の場所は次々と探られていく。地図も盛んに書き足されていった。

 数多くの冒険者が困難な、実現不可能と思われた探索を達成し、誰もがそれを賞賛した。

 探索は横だけでなく、縦の方向にも行われた。

 遺跡の地下や、大洞穴のさらなる奥、あるいは人の生活する活気にあふれた街の地下にさえもそれは存在していた。

 ダンジョンと呼ばれる暗黒の間である。

 ダンジョンはモンスターが巣食い、この世の理の通じぬ、地獄への門というべき闇の世界だった。

 昔から、ダンジョンに眠る秘宝を求めて、あるいはそこの邪悪な住人を退治するため、武装した冒険者一団が攻め入ることは時たまあったことで、生還した者はその経験を後の世に伝えた。

 やがて、拡張の時代が訪れると、ダンジョンの闇でさえも、人の作り出した光で照らされるべきだという考えが一般的になった。

 いまや国中の攻略困難なダンジョンへ毎日、冒険者達が入っていく。それはビジネスにまで発展するほどだった。

 冒険者をダンジョンまで送る足として、新たな乗り物が脚光を浴びた。

 力強い熱水機関エンジンをシャフト上部に備え、頑丈な箱に冒険者を収めて、地下深くへ駆け下りていく。

 他のいかなる乗り物とも似つかぬそれはエレベーターと名付けられ、高度な操縦技術を身につけたエレベーターの馭者である男女はエレベーターボーイと呼ばれた。

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