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帰ってきたよ家政婦さん

 英雄復活、偽神来襲と続いた騒動が嘘のように穏やかな日々が過ぎる。

 剣が出来上がるのは一ヶ月ほど先、幸助は鍛錬をしたり、新しい魔法を習得したりとのんびり過ごしていた。ほかにコキアを鍛えに行ったり、果物のパイやクッキーを作りお土産にして店の様子を見に行ったりもしている。それらのお菓子は好評だった。お菓子作りに自信を持ち始めていた、キッチン担当の自信を砕くほどに。

 実のところ開店は予定より遅れていた。季節に合わせたメニューの練習も加わったせいだ。練習を始めた時は初夏一二歩手前といった感じで、熱いお茶を飲んでもまだ違和感はなかったのだ。だがギルド職員に協力してもらった頃には気温も上がり始め、アイスティーを求める声が少なくなかった。そういった追加練習を終え開店したので少し遅れたのだ。

 宣伝と珍しさもあって、開店三日間は忙しすぎるほどに忙しかった。見に行った幸助は手伝ってくださいとセレナに強制連行され、キッチンでお茶を入れ、お菓子作りをするはめになった。馬鹿みたいに体力があるので疲れるということはなく、閉店後は疲れ果てた店員たちの世話もすることになった。

 客の反応は、一日目は戸惑いが大きかったが、三日目は理解が広まり楽しむ客もいた。お茶とお菓子の味にも満足した様子で、たまの贅沢に来ようかという声が聞こえていた。

 そんな忙しさが落ち着いた店の様子を見に行った次の日の朝、朝食で使った食器を洗い終えた幸助にエリスが話しかける。

 

「コースケ、今日はなにをして過ごす?」

「今日はリッカートに行ってくるよ」

「変装の魔法を実際に試してみたくて私が頼んだんです」

「実際に使って動くか、いいんじゃないか? いざという時にいきなり使うより、実験しておいた方が安心できるしのう」

「うん」

「なにか買ってくるものある? 夕食食べたいものがあるとか」

「そうじゃの……今日は魚という気分」

 

 わかったと頷き、幸助は出かける準備を済ませる。ウィアーレも幻を纏い変装を完了した。

 転移を使う二人をいってらっしゃいと見送ったエリスは、魔法の研究のため自室に戻る。その魔法は開発したはいいが、自分では魔力ランクが足りず使えなかったものだ。それを幸助に習得させて、実際にどうなるか確かめようと考えている。もしかすると自分に使えるように改良できるかもしれないのだ。

 がんばるか、と気合を入れてエリスは机の上の紙束に集中し始めた。


 街から少し離れた場所に転移し、幸助とウィアーレは街に入る。日差しが強くなっており、夏と言っていい季節だ。暑さに負けないよう、街のあちこちから威勢のいい声が聞こえてくる。

 幸助はジャケットの袖を捲り上げ、ウィアーレは半袖ブラウスとハーフパンツという涼しさを求めた服装となっている。

 ウィアーレの用事は魔法の効果を確かめるというだけで、街を歩き回るだけで済んでしまう。人々がウィアーレを見て、おかしな反応をみせなければ成功だ。


「コースケさん、これからどうする? 私は歩き回るだけで用事が終わっちゃうんだけど」

「冒険者ギルドに行こうかなって思ってるよ」

「ギルド? 依頼受けるの?」

「そう。雑務系をね」


 ウィアーレを促して、ギルドに向かう。

 この街で自分の名前を広めようと雑務系を受けようと思ったのではない。広めようと思ったのは店だ。依頼先で一言二言店のことを告げる、そういった宣伝目的で雑務系依頼を受けようと思ったのだった。効果はそれほど大きくないだろうが、やらないよりはましだろうと考えた。

 ギルドに入り、雑務系依頼を見ていく。


「ベラッセンよりも多いね」

「そりゃこっちの方が人口多いから。それだけ問題もたくさんあるよ」

「あ、そうだね」


 幸助は飲食店と一応食材店からの依頼は避けて、個人のものを中心に探していく。店からの依頼をこなして、そこで宣伝すると客を奪う形になる。開店したばかりで、悪い噂を流されるわけにはいかなかった。


「最初はこれ行こうか」

「庭の手入れ? きちんとやれるか自信ないよ?」

「きちんとやりたいならプロに頼むし、素人作業でいいってことだと思う」

 

 幸助の言葉に納得し、この依頼を受けることになった。

 依頼者の家に行き、依頼を受けたことを告げる。依頼者は六十近くの老人で、最近腰が痛くなって手入れができなくなったのだという。

 幸助の予想通り、素人手入れでかまわないということだ。手入れするのは庭の高さ四メートルほどの木と幸助と同じ高さの垣根。木は枝をある程度枝を払い、垣根は上部三十センチほど切るように頼まれ、木は幸助、垣根はウィアーレがやることになる。

 

「梯子と台座取って来るからちょっと待っててくれや」

「台座だけで構わないですよ」

「梯子ないと木の手入れできんぞ?」

「空中に浮ける魔法使えるので」

「あ、そういうことかい。さすが冒険者、便利な魔法が使えるな」

 

 羨ましいと笑い、脚立とハサミを取りに行く。

 宙に浮いて、枝を切っていくことで梯子の昇り降り、位置調整が省略でき手早く終わる。

 ウィアーレの方も一定の高さに切っていくだけなので、ミスが起こることもなく順調に進め終わらせた。

 約四時間後には掃除も含めて作業が終わる。途中で奥さんがお菓子を出して休憩となったので、四時間もかかってはいない。


「おーっ早いねぇ。以前は一人でやったということもあるが、三日かけたんだよ」

「丁寧にやらなくてよかったですからね」

「完了証明紙だ、ありがとさん」

 

 依頼を終えた幸助は店のことを伝え、よかったら奥さんと来てくださいと言って幸助たちは依頼者の家から出る。

 その日の依頼はそれで終わりとして、買い物をして帰る。

 次の日も、その次の日も宣伝を兼ねて依頼をこなしていく。ウィアーレもお金を貯めるため、幸助に同行した。

 やった依頼は、工房の大掃除手伝い。重いものを運ぶので、少しでも手伝いがほしかった紡績工房の主からの依頼だった。力仕事は楽な部類な幸助と、ステータスが上がって力がDになったウィアーレにとっては簡単な依頼だった。

 古くなった家具を捨てたいので運んで欲しいという依頼もあった。こちらも力仕事でさっさと終わり、あまりの速さに依頼人を驚かすことになった。

 次は失せ物探し。家の中で落としたと思われる指輪を探す手伝いをしてほしいというもの。ウィアーレが金属探知の魔法を覚えていたので、これも楽に終わった。指輪は廊下の床下に落ちていた。壁際に細い穴が開いており、家具の影になっていて穴が開いていることに気づかず、指輪のありかもわからなかったのだ。

 次は砕石作業。急ぎで砕いた鉱石が必要となったが、人数が足りず納入に間に合うかわからず誰でもいいので助けてくれという依頼。これも力作業なので問題なかった。

 次は隣の空き家が騒がしいので、調べてくれというもの。依頼者は周囲の家。原因はツインテールキャットや明光甲虫や雪羽鳥といった小型の大人しい魔物が集まり、集会所としていたからだった。人間に飼われている魔物もいるため、退治するというわけにもいかず、代わりの迷惑にならない場所を見つけ、そっちに連れて行き解決とした。

 最後に牧場を広げたいので、柵を作ってくれという依頼をこなす。指示された箇所に杭をどんどん打っていき、板を杭に打ちつけていく簡単な作業だった。

 ほとんどが体力仕事だったが、ステータスが上がったウィアーレは最後まで付き合い、上がった体力に感動していた。

 久々の荒事も裏もない仕事に、幸助はこういった仕事の方がやはり性に合っていると感じていた。

 店の宣伝も忘れずやり、既に行ったという人もいて幸助はありがたく思っていた。


 柵を作る依頼を終えて報酬を貰って帰ろうとしている時、二人は受付に声をかけられた。いつもの受付嬢で、幸助にギルド長から依頼があるということを伝えるため呼び止めたのだ。


「そちらの方を客室に案内しますので、あなたはギルド長の執務室へ行ってください」

「大変な仕事なんですかね?」

「私には内容は知らされていません」


 情報を制限しているということは、やはり面倒な仕事なのだろう。


「じゃあ、行ってくる」

「うん、待ってるよ」


 執務室へ移動し、ノックしてから入る。


「よく、来たな」

「依頼があるって聞いたんですけど」

「ああ。まあ座れ」

「はあ」


 偽神信仰者が来た時ほどの焦りはガレオンからは感じられない。

 それを見て、そこまで大変な仕事ではないのかなと幸助は思う。


「最近、雑務系依頼を頑張っていたようだな」

「ずっと家にいるのも不健康だと思いましたから。ついでに店の宣伝もしてましたよ」

「討伐や護衛といった依頼の方が儲かるだろ?」

「雑務系の方が性に合ってるみたいで」

「そうか。そこらへんは個人の感性とかだな」


 うんうんと頷き、手元にあったお茶を飲む。稼ごうと思えばいつでも稼げるのだし、ほかの冒険者の仕事をなくさないという意味でも強要はしない。


「えっと依頼の話は?」

「ああ、するぞ。頼みってのは、潜入してほしいところがあるんだ」

「潜入ですか」


 面倒そうだと幸助の顔が険しいものになる。


「すまん、お前さんにしか頼めそうにないんだ。ほかの奴だと大怪我しそうでな。ギルド長ってのは、ちょいと裏に関わる人間を使うことがあってな。今回もそんな人間を使っていたんだ。まあ、向こうから情報を持ってきて、それを確かめるため動かしたんだがな。潜入してほしいところは、泥棒一味のアジトだ。表向きは二年前に開店した工芸品店だ。店のそばに立てた倉庫に盗んだ物を隠しているらしい」


 らしいというのはその倉庫に入って中を見ることが出来ていないためだ。


「潜入してなにをすれば?」

「護衛だ。先に潜入している奴がもっと詳しいことを調べ、盗品や次に盗む場所を探ろうとしてるんだが、怪しまれた時に助けてくれる強い奴が欲しいと言ってな。どうやら冒険者崩れが用心棒としてついているらしい」

「その潜入している人は戦うことできないんで?」

「一般人との喧嘩に勝てる程度じゃないか?」


 それでは冒険者を相手するには力不足だなと、幸助は頷く。


「潜入したら泥棒の手伝いをしろと頼まれる可能性もあるが、その時はついて行っていい。誰かを傷つけたりしなければ、事件後警備兵の協力者として扱われ無実で済む。あとできれば女に変装してもらいたい。できればだが」

「できますけど、なんで女装?」

「向こうの連中が少しは女っ気がほしいって言ったらしくてな。あとは男よりは女の方が油断を誘えるだろう? もう一つついでに言うと、お前さんが冒険者だと知っている可能性もある。確率は低いがな。もしかすると偶然ギルドに出入りしているところを見たことがあるかもしれない。変装せずに潜入して冒険者とばれたら、ギルド関連で潜入していると考えるはずだ。そうなるとギルドや警備兵に狙われていると判断して、逃亡される可能性がある。そういった可能性を潰したいんだ。だからばれないように変装してほしい」

「ちょっと思ったんですけど、泥棒のアジトだってわかっているなら警備兵たちを動かしてさっさと捕まえてしまえばいいと思う」

「そうしたいんだが、盗まれた物の中に絶対取り戻したい物があってな? 一度に全員捕まえることができず、取り返したい盗品を持って逃げられるなんて事態を起こしたくない。盗品がアジトにあると決まったわけでもない。街の外に隠してあったら、それを持って逃げられるってことも起こり得る。常にアジトに全員いるわけではないようでなぁ。一度に全員捕まえてしまいたいから、機会を待っているってのが現状だ」

「そうですか」


 変装するならユイスバージョンは使えない。潜入したといっても、ずっとアジトに篭りっぱなしではないだろう。外に出た時に偶然メリイールやセレナに会うことがあるかもしれない。泥棒として動いている最中に会ってしまえば、二人にも迷惑がかかるかもしれない。


「こんなもんでどうでしょう?」


 魔法を使い変装する。容姿のイメージは、受付嬢の顔パーツを少し変えた感じだ。別人だとわかる程度に似せた。

 二十歳半ばで、目は黒色、髪は鈍い銀色。背中までの長髪を毛先で括り、体の前に垂らしている。タレ目気味で穏やかそうな感じの美人になった。


「ティオネに似ているな」

「受付さんに似せてみた」

「ああ、だから似ていると思ったのか。というか声も変わったな」

「そういう魔法だから。あの人の名前ティオネって言ったんだね。この姿の名前は……シオンでいいかな」


 ティオネという音の響きからなんとなく思いついた名前を言い、ガレオンも了承した。

 その後シオンとしての背景を作り上げ、泥棒の専門用語や常識を聞き、幸助は部屋を出て行く。

 作った背景での生まれはカルホード大陸。海竜にさらわれて帰る時に寄った港辺りの出身で、そこを中心に盗みをやっていた。犯罪者として名が売れる前に大陸を移動し、貯まったお金を使い穏やかに暮らしていたという設定だ。今回の誘いに乗ったのは、お金が必要になったので一時的に復帰したということにした。

 潜入は明日からということになった。ガレオンとしては、鍵開けや罠発見解除の技術訓練を大急ぎでさせた後に潜入させようと考えていたが、それらを習得していることを知って予定を繰り上げた。


 翌日ギルドに行って、待ち合わせ場所と手伝いだとわかるように合言葉を教えてもらう。そこでノースリーブの白シャツとキュロットスカートを借りて変装を完了する。ほかにも数種類女物の服を借りている。服も幻で誤魔化せるが、本物を着ていた方が違和感を与えないだろうとガレオンに着ることを勧められたのだ。

 待ち合わせの時間十分前に着くようにギルドを出て、待ち合わせ場所の倉庫で、壁に寄りかかり待つ。

 十分を少しだけ過ぎた頃、三十半ばの短髪中肉中背の男が近寄り、合言葉を呟く。それに幸助は返す。


「あんたが助っ人でいいんだな?」

「はい」

「名前はシオン。エゼンビア大陸出身。俺と会ったのは向こうで一度だけ一緒に仕事したことあり。こっちでは偶然再会した。これで合ってるな?」


 幸助は頷きを返す。


「そっちの名前はコンストさんでよかったですね?」

「ああ。大将が送ってくれた人材だ、頼りにするぞ」

「期待に添えるよう頑張りますよ」

「ああ、頑張ってくれ。それじゃ、アジトに行こう」


 コンストに連れられ泥棒のアジトにやってきた。目立たない場所にひっそりある、というわけではなく商店街近くのわりと目立つ場所にある。


「帰ったぞ。言ってた奴連れてきた」

「そいつがお前さんの知り合いか。別嬪さんじゃないか」


 暇そうに店番をしていた男が答えた。店内には壷や皿や置物といった価値のありそうな古い物から、ただのお土産のような物まである。


「ボスはどこだ? 顔合わせておかないと駄目だろ?」

「倉庫にいるんじゃないか?」

「行ってくらぁ。シオン、行くぞ」


 店の裏にある倉庫に移動する。

 倉庫の大きさは高さ五メートル少し、幅四メートル、奥行六メートル。物置というには大きく、蔵というには小さい。コンストの話ではここに盗んだ物が入っている。盗品は骨董品などを他所の街に売りに行くと偽り、定期的に街の外に運び出している。運び出す際には街の入り口にいる警備兵がざっと検査するが、本当にこの街で買った物と混ぜてあるのでばれていないらしい。


「ボス、ここにいるのか?」


 倉庫にはできるだけ入らないように言われているので、外から声をかける。倉庫に入ることができるのは、ボスと古参だけだ。

 返事をしながら男が出てきた。年の頃は四十くらいだろう。柔和な顔つきで、荒事には向いてなさそうな男だ。

 幸助も本当に泥棒たちのボスなのかと内心首を傾げている。


「その人がコンストの言っていた女かい?」

「ああ、シオンって言うんだ」

「初めまして」

「ああ、初めまして。稼ぎたいと聞いているが悪いな、すぐには稼がせることができそうにない。標的にしていた店の見取り図や警備の情報がまだ完全じゃないんだ。それまで雑用してもらいたいが、かまわないか?」

「別にいいですけど、雑用ってなにをすれば?」

「うーん、そうだねぇ……とりあえずは建物の掃除でもしといてくれ。用事があったら呼ぶ」

「わかりました」


 もう行けと言って、男はまた倉庫の中に入っていく。

 コンストに掃除道具のありかを教えてもらい、幸助は掃除を始める。店はまだましだが、居住区は散らかり汚れていた。男たちだけだ、ある程度汚れていても平気なのだろう。幸助も平気な方ではあるが、暇なので掃除に集中していく。

 掃除をしている幸助を、ほかの泥棒たちは不思議そうな顔で見て、すぐにコンストが連れてくると言っていた女だと思い出した。それがわかると、掃除に集中しているためスカートからちらちらと見える太腿の白さやふりふりと振られる尻を見て、鼻を伸ばしている。

 邪な視線を感じてはいる幸助だが、知らないとはいえ男を見て鼻を伸ばしている者たちのことを思うと、少し哀れになり注意するのは止めておいた。


「おーい、シオンよ」

「はい? 何か用事ですか?」


 拭き掃除の手を止め、話しかけてきたコンストに顔を向ける。


「そろそろ昼だ。なにか食べに行かないか」

「もうそんな時間ですか」

「集中していたみたいだな。あちこち綺麗になっていて驚いたぜ」

「ついつい夢中になってしまいました」


 立ち上がり服についた埃を払う。


「少し待っててください。汚れ落としてきます」

「あいよー。店先で待ってるぜ?」


 雑巾を洗い、身なりを整えた幸助は店先に向かう。そこには知らない顔が五人いて、コンストと話している。幸助が昼食に出るというので、一緒に行こうと思った連中だ。

 終始話しかけられ落ち着いて食べられなかった昼食を終え、再び掃除に励む。

 日が傾き始めたことに気づき夕飯はどうするんだろうと思い、近くにいた男に聞いてみた。昼食と同じように外で食べるということだった。というか料理を作る者がいないので、毎日外食なのだという。自炊した方が安上がりだろうと言ったが、自分たちで作っても美味いものができないと返された。


「今日のところはこれくらいでいいかな?」


 掃除は明日の午前中で終わるといった程度まで進んだ。

 窓から夕日が差し込んでいる。ほかに用事を言いつけられていないので、今日は帰ろうと思いボスを探す。

 部屋にいるということなので、ノックして返事を待ち、外から声をかける。入っていいと許可を貰い、扉を開け、入り口近くに立つ。

 

「ボス、ちょっといいですか」

「なにか用事?」


 見ていた書類を机に置いて、幸助へと視線を向ける。


「いえ日が落ちてきたし、掃除以外に用事がないなら帰ろうと思ったんですけど」

「ああ、別にかまわないよ。熱心に掃除していたみたいだね、助かったよ」

「それしかやることがありませんでしたからね。じゃあ、また明日」

「あ、ちょっと待って」

「はい?」

「シオンって料理できるのかい?」

「できますよ。自炊してますから」

「そうか……じゃあ明日昼食を作ってくれないか?」

「いいですけど、なにか注文はあります? ないなら勝手に作りますよ。あと何人分?」

「肉を使わないでくれたら、なんでもいい。人数は五人分くらいでいいと思う」


 人数に関しては考えていなかったらしく、いいかげんに決めたとわかる。量ではなく質を重要視しているようだと幸助は考えた。


「ボス、肉食べられないんですか?」

「食べるよ。まあ、そこらは聞かないでくれ」

「はあ。んー……魚も駄目?」


 魚の身も肉といえば肉だ。それまで使えないとなると、少しめんどくさかった。


「魚は大丈夫。牛とか動物の肉を使わないでくれたらいいから」

「わかりました。では帰ります」

「頼んだよ」


 失礼しますと頭を下げ、幸助は部屋を出る。ボスは再び書類に目を通し始める。

 店から出ると尾行されていることに気づく。怪しまれたっけと首を傾げ振り返り、視線の主を探る。尾行していた者は隠れる意思はないようで、視線の先にいた。昼も見た顔だった。

 なにしているのかと聞くと、夕食でもどうかと誘ってきたので、自炊するからと断った。食い下がられたが、その気がないとわかると残念そうに去って行った。


「女といたいならナンパでもしたらいいのに」


 自身の変装している姿が美人ということを忘れているが故のセリフだった。

 明日の昼食なにを作ろうかと考えつつ歩き出す。今度は尾行している者はいないようなので、路地に入りそこで転移を使って帰った。

 翌日、朝からアジトに入り、再び掃除を始める。昼前には終わるという推測は当たり、建物内は粗方掃除が済んだ。あとはボスの部屋など新入りが勝手に入ることのできない部屋だけだ。

 

「昼ご飯の食材買って来ないとね」


 掃除道具を片付けて、店にいた同僚にお金をもらい外に出る。

 メニューは海鮮スープパスタとムニエルだ。栄養を考えるとサラダもつけた方がいいかなと思ったが、泥棒の健康状態を気遣っても意味はないと、この二品だけにした。

 食材を買い込み、店に戻る。

 調理を始めて三十分ほど経つと料理の匂いが漂い始め、それにつられるように同僚たちがキッチンに集まってきた。


「料理作ってんのか?」

「ボスに頼まれたからねー」

「全員分?」

「五人分」

「なにを作ってるんだ?」

「海鮮スープパスタとムニエル」

「いい匂いだなー」

「ありがと」

「罵ってくれ」

「誰ですか今の!?」


 視線は手元に向けたまま動かす手を止めずに、質問に答えていく。最後の質問だけは、思わず振り返り手が止まる。

 出来上がる頃にボスがキッチンにやってくる。


「できたのか。ちょうど良かった。二人分持って行くよ」

「どうぞ。私が一人前食べるから、残り二人前は誰か食べていいですよ」


 次の瞬間、俺が俺がと言い争いが始まる。

 早く決めないと冷めると言ってから、幸助は自分の分を食べ始めた。取れたての魚介類ではなく冷凍ものと乾物ベースのスープだが、それでも十分な出汁が出ており、満足いく出来だった。

 誰が食べるかで争っていた者たちは、全員食べたいと言って聞かなかったので、一口ずつ食べることになった。

 多く食べた食べてないと騒いでいる姿は、そこらの男と変わらず泥棒には見えなかった。

 美味かったばかりに一口では満足できなかった男たちは、夕食も作ってくれと土下座する勢いで頼み込んでくる。なにげにコンストも混ざっているのを見て、幸助はなにやってるんだと呆れていた。

 呆れ顔での了承だったが男たちは喜び、改めて昼食を食べに外へと出かけていく。二人前の料理に対し七人いたのだ、満足できる量を食べられたわけなかった。

 外から美人の美味い手料理万歳といった声が聞こえてきた。それを聞き、やはり馬鹿の集まりだなと思うのだった。

 

 使った食器などを洗い、することがなくなった幸助は店の掃除もやってしまおうと動き出す。さすがに客が見る部分は散らかってはいないが、細かく見ると汚れている部分はある。それらの掃除をしていれば、暇を潰せるだろうと思った。

 店番の男と話しつつ、掃除をのんびり進めていく。ついでに夕食の献立も考えた。

 その日は大したハプニングなどなく時間が過ぎていった。

 夕食はパンと具沢山カレー風スープだ。この世界にはカレーはない。だがなんとなくカレーっぽいスープはあった。これにもう二種類ほどスパイスを加えトロミをつけるとカレーになりそうだなと幸助は思っていたが、その二種類のスパイスがわからずカレーはできていない。

 使った食器を水につけておくように言って、幸助は帰る。

 今日の帰りもつけられていることに気づいた。また夕食の誘いかなと考え、相手するのがめんどくさく撒くことにした。

 十分後、無事に撒くことに成功した幸助は家に帰る。


 その後、四日ほど掃除と調理だけ行い過ごした。四日目には家政婦として来たんだっけ? 思うようになった。

 ボスからの頼みごとは相変わらず、肉抜きの料理を作ることだけだった。

 

「シオンー、今日もメシ楽しみにしてるぜ!」

「ここってほんとに泥棒が集まっているのか疑問に思えてきたよ」


 話しているとどこを襲ってどれくらい稼いだとか言ってくるので、彼らが泥棒というのはわかっているが、毎日おかずを奪い合う姿を見ていると少々疑いの思いも湧く。


「仕事のない日なんて、こんなもんだぜー」

「そんなものですか」


 店番と二人で話していると、ボスがやってくる。


「シオン、ちょっと来てくれるか?」

「はい?」


 ボスの部屋に移動し、向かい合う。


「ここ数日、君を見張らせていた。それは気づいていたようだね。尾行していた奴が毎日撒かれたと報告してきて自信をなくしていたよ」

「あの尾行、ボスが頼んでいたんですか。夕食に誘おうと後をつけているのばかり」

「見つかったらそう言えと助言していたんだ。聞いた話だと半ば本気だったらしいが」

「そうでしたか」

「ちなみにどうして撒いたか聞いてもいいかい」

「家を知られたくないからですよ? ボスだって私に見られないようにしている場所があるでしょう? それと同じです」


 今まで盗んだ金目の物とか置いてますからと誤魔化した。それに納得した様子でボスは話を続ける。


「それで見張らせていた理由だが、仲間として信じられるかと思ってな。だがお前さんの情報は少ない。他所の大陸出身ならば仕方ないとは思うが。いい加減情報が集まらないから、直接聞くことにした。それが呼んだ理由だ」

「聞くことにしたって、私を信じていいかってことですか?」

「そうなるね」

「聞かれて困る問いですね、それ」


 幸助は本当に心底困っている。どう答えろというのだ。ガレオンからの依頼をこなすためには、信じろと言うべきなのだろう。しかし自分から信じられると言っても説得力はないのではなかろうか?


「なんて答えればいいの?」

「……信じられると即答しない時点で、ある程度の信は置けるか。じゃあ次の質問だ。秘密を知って黙っておけるか?」

「誰に黙って?」

「ほかの奴らにだ。詳しくは倉庫の中身について知って黙っていられるかということなんだが」

「とりあえず聞かれたら、ボスが黙ってろって言ってたことにするけど。さすがにボスの命令なら諦めるんじゃ?」

「そうじゃない奴もいるからねぇ」

「例えば?」

「用心棒連中。実力が上だからって時々横暴な行動に出るんだよ」


 困った困ったと苦笑を浮かべている。心底切羽詰っているようには見えない。


「用心棒さんって、私会ったことありませんよね?」

「別の場所で待機してもらってるからね。こっちだと商売の邪魔になる」

「どれくらい強いんです?」

「ステータスD上位が二人、あとは平均的なDとD-が五人」

「それなら暴力でこられてもなんとかりますね」

「シオン、強いの?」

「これでも平均D+ですよ」

「それは、すごいね。冒険者している方が儲かるんじゃ?」

「できない理由があるから、泥棒してたんですよ?」


 その言葉にボスは納得した表情で頷いた。

 

「シオンに一つ仕事を頼む」

「どこかに盗みに入れと?」

「違う。倉庫の中にいる者の世話だ。私がやっていたが、男がやるよりは女の方があの子も少しは安心するだろう。大事な収入源だし、少しは大事にしてやらないとな」

「正直なところ人身販売は嫌なんですが」

「奴隷商売はする気はないよ」


 詳しいことは倉庫の中ですると、二人で倉庫に移動する。

 鍵を開けて中に入る。中には仕入れていた商品に隠れるように盗品が置かれている。宝石が個別に仕分けられて入れられている小さなタンスや茶器が置かれている戸棚、純銀製の小さな置物、花瓶など様々だ。幸助も知っている茶器トランプシリーズ、それの本物もある。

 全部売り払うと、親子が遊んで暮らせるくらいになるだろう。


「すごいですね。でも世話してもらいたい子というのが見当たらないんですが」

「地下だ」


 置物の一つを動かし、そこの床に鍵爪を差し込んで持ち上げる。地下から明るい光が漏れ出てくる。

 地下は八畳ほどの広さで、高さは二メートル。ベッドなど必要最低限のものはあるが、暮らしやすそうには見えない。部屋の隅に五才くらいに見える子供が縮こまっている。

 幼いせいか、それとも生まれ持った顔立ちのせいか、男なのか女なのかわからない。


「あの子の世話をしてもらいたい。あの子は稀玉族といって、魔族の派生種族になる」

「魔族って魂石を生まれながらに持っている種族ですよね? それの派生種族ということは、なにかが違うと」

「その通り。稀玉族は魔族ほど魔法の才はなく、魂石も生まれながらに持つということはない。しかし魂石に近い稀玉を年に一度、利き手の反対の手から生み出すことができるんだ。稀玉は増幅器に使われている材料で、質の悪い物でも金貨五枚で売れる。最高品質の物になると閃貨三枚で売れたという記録も残っている」

「それはすごいですけど、よくそんな種族の子供が手に入りましたね? いろんな人に狙われるからって隠れていそうなものですが」

「馬車を襲ったら、生き残りにこの子がいたんだよ。運が良かったとしかいいようがない。親も残っていたら言うことなしだったんだけどね」

「そうですか」

「おや? 不満そうだね?」

「まあ、私は盗みはしますけど、誰かを殺すことはしてきませんでしたから」


 思わず漏れ出た感情を、そう言って誤魔化す。実際地球の泥棒には殺しはしない、貧乏人に施しを行う義賊というタイプの泥棒もいた。似たような者がこちらにもいるだろうと判断しての言い訳だ。


「シオンはそういうタイプの泥棒なのか。殺しが必要な盗みには連れて行かないことにするよ」

「ええ、お願いします。この子を世話するにあたって、注意することはありますか?」

「肉を食べさせては駄目。種族的に受け付けないようで、食べさせると稀玉の質が落ちる。あとはここから出さないということくらいで、人間の子供と同じでいい」

「わかりました」

「じゃあ、頼むよ」


 そう言ってボスは梯子を上っていく。

 ボスがいなくなって稀玉族の子供が怯えなくなるわけではなかった。一緒にいた幸助のことも怖がって、部屋隅から動かない。

 世話するには怯えられるとやりずらいこともあり、どうにかして親しくなりたかった。

 自己紹介からかなと思い一歩進む。近づくとびくりと体を震わせ、さらに怖がる。


(近づきすぎると駄目っぽいなぁ)


 とりあえずは一緒にいることに慣れてもらい、自己紹介はその後にすることにした。

 

「ただ一緒の空間にいるもの暇だし……ここも掃除するかな」


 健康状態を考えるなら、清潔な状態を保った方がいいだろう。一度外に出て掃除道具を取ってくる。

 取り返したいという物を教えてもらうんだったと倉庫にある品々を見渡し思う。だが幸助が持ち出すことを予測してなんらかの手を打っているかもしれず、持ち出すことは無理かなと思い直す。

 時々、子供に話しかけつつ掃除をしていく。返事はないが、話しかけることを止めはしなかった。気にしているとわかってもらえれば、少しは懐いてもらえるかもと思ったのだ。

 動き回る幸助を子供は怯えた目で見続けている。

 

「そろそろ昼か。なにか食べたいものはある?」


 相変わらず返事はない。

 のんびりやろうと思い、地下室から出て行く。

 同僚たちの昼食は焼きたてパンを使ったハムとチーズとレタスのサンドにコーンスープ。自分と子供の分は卵とチーズを使ったサンドとコーンスープとリンゴだ。

 

「昼ご飯だよ、一緒に食べよう?」


 料理を載せたトレイを子供の前に置く。これにも無言だったが、食事まで無視するわけではなく、手に取って食べ始める。

 良かったと笑みを浮かべて、幸助も自分の分を食べ始めた。

 食べ終わり、食器を一まとめにしている時に、幸助は子供の口端にスープがついているのを見つけた。


「ちょっといい?」


 一言断って、怯える子供の口端にハンカチを当てる。


「うん、取れた」

「……ぁ」

 

 これに子供はなにか言いかけて止める。なにを言いかけたのか気になるが、無理に聞き出すこともあるまいと聞くのは止めておいた。

 食器を片付け、掃除を再開する。ほとんど終えていたのですぐに終わった。こうなるとすることが本当になくなり困る。

 自分が泥棒ではなく、護衛目的で来ていることを話せば警戒心がなくなるかと考えたが、それを証明する術がない。あとこの子からボスに情報が流れても困るので、それは止めた。


(帰ったらウィアーレに子供を相手する時の注意点とか聞こう)


 そうすれば、もう少しまともに立ち回れるだろうと考える。せめて名前くらいは知れるようになりたかった。

 静かな時間が流れ、夕食の買出しに行く時間になる。


「夕飯の材料買ってくるね」


 無言の子供に声をかけて地下室を出る。

 倉庫から出て溜息を吐くと、タイミングよく現れたボスに声をかけられた。


「どうだい、上手くコミュニケーション取れた?」

「話しかけてもずっと無言ですよ。ボスはどうでした?」

「俺も同じだ。両親が殺された時、俺もそこにいて顔を見られたし、懐かれることはないよ。ここに連れて来た当初は泣いてばかりだったしな」

「そりゃ世話するの無理でしょうねぇ。のんびりやっていくしかないかー」


 ボスの言葉で改めてあの子供との接し方が難しいことがわかった。親から愛情を注がれるのが当たり前の年齢で、突然親を奪われてその後なんのフォローもないのだ、心が壊れず怯えるという反応があるだけまだましなのかもしれない。もう一度心の中で大きく溜息を吐いた。


「まあ、俺としては稀玉が取れればいいんだ。死ななかったら問題ない」

「その場合、取れる稀玉の質悪そうですけどね」


 ボスへの底なしに下がる評価を横に置いて、なんとかして少しでも元気付けてやりたいなと考える。

 ボスたちが罰を受けるのはほぼ確定なので、自分が心配すべきは子供のことだとイラつく心を宥める。


「少しでも質を上げるため、頑張ってくれ」

「丸投げですか。いやボスたちにできるとは思ってないんでいいですけどね。あの年齢の子供が興味持ちそうなものとか持ち込みますよ。いいですか?」

「かまわないよ」


 頼んだと言って去っていく。

 転移でどこかに逃がしたくなった幸助だが、それをすると自分を連れて来たコンストに被害が行きそうなのでできないと判断を下した。

 夕飯の材料を買うついでに、子供が興味を持ちそうな玩具やぬいぐるみを買っていく。

 地下室へそれらを持って行っても、興味を示すことはなかった。幸助の見ないところで触るかもしれないと置いたままにして、夕飯を作るために出て行く。

 用事を済ませて家に帰り、ウィアーレに事情を話す。ウィアーレもエリスも泥棒たちに憤慨する。

 ウィアーレから得られた子供への接し方は、とにかく粘り強く接すること。返事がなくとも適度に話しかけ、できるだけ長い時間を共にするというものだった。

 幸助はもらった助言を元に行動していく。こまめに地下室へ通い、子供の様子を見ていく。おかげで外の建物の掃除は完璧と言えなくなったが、泥棒の家だしと気にしなかった。

 世話を始めて一週間経ち、子供から怯えが薄れた。あくまでも薄れただけでなくなってはいないので、まだスキンシップには気を使う。


 この一週間の間に、ボスたちは一度強盗をやっていた。入った場所は薬屋で、売り上げ金と貴重な薬を奪ってきていた。これについてコンストは情報を与えられておらず、ほかの者から情報を得ることもできていなかった。コンストもここの盗賊団に入って四ヶ月と新入りの部類だ。情報を渡すことに警戒心を持たれていたのだ。

 そんなコンストでもわかったことがある。今回のような街中での血が流れる強盗をやったのは今回が始めてだということだ。リッカート外での押し入り強盗はやっていたことを知っているが、街中での強盗は血を流さない誰かにばれにくい方向でやっていたのだ。

 これを知りコンストは一つの推測を立てた。それは、ボスは本拠地を移動するつもりなのかもしれないということ。リッカートでの盗みは既に十件以上やっている。いい加減怪しまれると判断し、そろそろリッカートでの盗みを終えるつもりで、最後に派手に行こうとしている可能性がある。今回の強盗はそれへの景気づけなのではないか。最近倉庫の荷を頻繁に外に出していることも推測の裏づけとなっている。

 これが当たりとわかるのは三日後だ。

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